青酸カリ
=「シアン化カリウム(KCN)

無色の結晶で、(大気中のCO2を含む)酸に触れるとシアン化水素(HCN)を発生する。

毒殺に使われたのは、HCNのカリウム塩(KCN)とナトリウム塩(NaCN)。

工業用に使用されている青酸カリは、化学的に純粋なものではなくて、ほとんど常に青酸ソーダが混じっている。


毒性
@シアン基(-CN)は、
  • 細胞中の呼吸を司る酵素に含まれる鉄イオンと活発に結合し、安定した結合体を作る。
  • そのため、細胞は酸素を吸収することが出来ず窒息する。この反応はあっという間に終了する

A致死量:2mg/kg

B糖分がシアン化物と化合すると、毒作用は現れない
  • 例えば、ラスプーチンを殺そうと何度も、菓子や酒にシアン化カリウムが入れられたが、死ななかった


遺体から青酸

2013年、京都府の自宅で死亡した男性の遺体から青酸化合物が検出された。

青酸化合物・・・

シアン化物イオンを含む化学物質の総称で、青酸カリや青酸ソーダが代表的なもの。
  • 経口や吸入で体内に取り込まれると細胞が低酸素状態となり、臓器を損傷する。
  • 摂取直後からめまいや頭痛、吐き気など全身に中毒症状が現れ、ケイレンから昏睡に陥り、短時間で死に至る。






青酸
青酸
  • 青酸塩類は自殺や他殺に利用されることが多い毒物。
  • 子供が青梅を食べて中毒することがあります。
    これは未熟な青梅には青酸の化合物であるアミグダリンが含まれており、これが胃の中に入ると、胃液の中の酸のために分解して、青酸を発生、そのために中毒し、甚だしい場合は死亡するに至る。



青酸の血液に対する作用


  • @ 血液に青酸が作用すると鮮赤色になる。
    ・・・青酸ガスが血液中のヘモグロビンと結びついてチアンヘモグロビンになるため。
    A 褐色を呈しているメトヘモグロビンに青酸を作用させると赤色になる。
    B 青酸塩で服毒死し、数日を経て発見されると、腹部が青藍色を呈している死体の胃にあたる部分は赤くなっています
    C 血液中にはカタラーゼという過酸化水素を分解する酵素がありますが、血液に青酸が作用すると、このカタラーゼが破壊されるので、血液の過酸化水素を分解する能力が無くなる。



青酸の心臓に対する作用
  • 動物実験で、心臓を摘出して、ごく微量の青酸を作用させると、心臓の収縮作用はマヒする。



臓器組織は内窒息し、ごく少量の炭酸ガスしか排泄しない
   (越永重四郎著「監察医からの事件簿から」)





青酸をつくる酵素がヤスデにあった
2015年、「ヤンバルトサカヤスデ」は敵から身を守る際に青酸ガスを放出する。

富山県立大学のチームが、九州地方の杉林で大量発生した約12万匹(30kg)のヤスデを集めてすりつぶし、酵素「ヒドロキシニトリルリアーゼ」(HNL)を抽出した。
  • ヤスデ1`cから0.12_c

この酵素は、アーモンドから抽出したものが工業的に利用されている。

ヤスデから抽出した酵素の効果はアーモンドの5倍で、高温でも安定して機能するという。





喉を押さえるワケは?
青酸カリは呼吸ができない


映画やテレビのドラマでは、毒を飲まされた人は喉を押さえて苦しがっている。

なぜ喉なのか?

胃の中で毒が溶ければ、腹を押さえてもいいではないか?

神経をやられる毒なら、どこかがケイレンするか、頭痛で頭を押さえたりするのではないか?

しかし、毒殺シーンではみな喉を押さえており、たいていの人はそれが当たり前のように思っている。

喉が焼けるように熱いので、苦しがっているのだろうと思っているようだ。

ところが、そうではない。

たとえば、毒薬として有名は青酸カリは、呼吸酵素を壊すという作用をする。
  • この酵素の働きは体の隅々に行って各細胞に酸素を与えると、筋肉の場合は伸び縮みをしてエネルギーを出すようになり、そこに排気ガスとして二酸化炭素が発生し、静脈に吸収されて肺に行き、そこから外へ吐き出されていく。つまり、呼吸というのはこの循環であり、そのために必要なのが呼吸酵素なのである。
  • ところが、その酵素が壊されてしまうと、酸素と赤血球が合体しないだけでなく、二酸化炭素を吐き出すこともできなくなる。呼吸をしていないのと同じ状況だ。
  • 肺では一生懸命に呼吸の動作をしているのだが、実際には酸素を取り込めていないし、二酸化炭素を吐き出していない。

つまり、体の内部の呼吸、いわゆるガス交換のできない内窒息(首を絞められた場合は外窒息という)というかたちになってしまうのである。そのために、苦しくて喉を押さえてもがき苦しんでいるというわけだ。(中略)


ところで、もし青酸カリを吸ったり飲んだりしたら、治療の施しようがない。
できることといえば、大急ぎで血液を全部捨て、新しい血液を入れ替えるという全血交換をやらなければ助からない。ただ、たとえ助かったとしても、後遺症が残ってしまう
  • (上野正彦著「ヒトはこんなことで死んでしまうのか」p104〜)



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