(末梢神経障害)神経障害
ニューロパシー
(Neuropathy)

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関連情報
手足のしびれ」「足がしびれる」「麻痺」「半身不随」「多発性神経炎」「糖尿病」「多発性硬化症」「脚気」「多発性硬化症」「巨赤芽球貧血」「感覚異常性大腿神経痛」「ギランバレー症候群」「脳性マヒ」「甲状腺機能低下症」「シックハウス症候群」「ムチ打ち症」「頚部椎間板障害「HAM」「手根管症候群

末梢神経 (peripheral nervous system:PNS)
  • 末梢神経
    1. 中枢神経系(脳と脊髄)以外のすべての神経要素からなり、中枢神経系とほかのすべての体器官とを接続する。
      • 中枢神経系=末梢からの刺激を受け、これに対して興奮を起こす中心部
      • 末梢神経系=中枢神経系から出る神経線維の束の総称。刺激や興奮を伝導する部分。
    2. (末梢神経系の機能的分類)
      1. 体性神経系:身体の運動や感覚機能を司る神経系
        • 遠心性・・・運動神経
        • 求心性・・・感覚神経
      2. 自律神経系:循環・呼吸・消化など各種の自律機能を司る神経系
        • 遠心性・・・交感神経と副交感神経
        • 求心性・・・内臓の感覚神経
      【遠心性と求心性】
      • 遠心性神経=興奮を中枢から末梢に伝える神経
      • 求心性神経=末梢からの興奮を中枢へ伝える神経
    3. (末梢神経の形態的分類)
      1. 脳神経=脳(脳幹)から直接出る末梢神経
      2. 脊髄神経=脊髄から軸索が出ている末梢神経
    4. PNS(末梢神経)は、体性神経と自律神経(ANS)からなる。
    5. 体性神経は骨格筋と皮膚を神経支配している。
    6. 末梢神経の体性神経成分は、運動神経と知覚神経の軸索を含む。
    7. 運動神経の細胞体は前角灰白質にあり、知覚神経の細胞は後根神経節にある。
  • 自律神経系 (autonomic nervous system:ANS)
    1. 自律神経系は、2つの神経系から構成される。
      1. 副交感神経系(parasympathetic nervous system)
        • は、4対の脳神経(CN:V・Z・\・])と仙髄S2-S4レベルに由来し、
          • V=動眼神経
          • Z=顔面神経
          • \=舌咽神経
          • ]=迷走神経
      2. 交感神経系(sympathetic nervous system)
        • は、胸髄と上部腰髄(T1-L2)に関連を持つ
    2. 自律神経系は、連なった2つのニューロンから構成されている。
      • 中枢神経系から発した節前ニューロンが、末梢自律神経節に位置する節後ニューロンとシナプスを形成している。
      • 自律神経系の節後ニューロンの軸索は、平滑筋・心筋・腺を神経支配する
    3. 基本的に、交感神経系は体を動かし(いわゆる戦闘態勢or逃走態勢)、副交感神経系は消化や恒常性維持の機能を調整する。
    4. 通常、交感神経と副交感神経は協力して内臓機能(呼吸・心臓血管機能・消化・腺分泌機能)を調整する。

末梢神経障害厚生労働省
英語名:peripheral neuropathy
  • 末梢神経障害とは?
    • 末梢神経は脳や脊髄から出て手や足の筋肉や皮膚などに分布し、運動や感覚を伝える“電線”のような働きをします。手や足のしびれ感や脱力などを生じる「末梢神経障害」は、医薬品によって引き起こされる場合があります。主に高脂血症治療薬、抗悪性腫瘍薬、抗ウイルス薬、抗結核薬などでみられることがある
      • 「手や足がピリピリとしびれる」、
        「手や足がジンジンと痛む」、
        「手や足の感覚がなくなる」、
        「手や足に力がはいらない」、
        「物がつかみづらい」、
        「歩行時につまずくことが多い」、
        「イスから立ち上がれない」、
        「階段を昇れない」
      • など
    • 末梢神経には、全身の筋肉を動かす運動神経、痛みや触れた感触などの皮膚の感覚や関節の位置などを感じる感覚神経、血圧・体温の調節や心臓・腸など内臓の働きを調整する自律神経があります。
      末梢神経障害(ニューロパチーと呼ばれることもあります)は、これらの神経の働きが悪いために起こる障害のことです。
    • 主な症状は、
         「手や足の力が入らない」、
         「物をよく落とす」、
         「歩行やかけ足がうまくできない」、
         「立ち上がりがうまくできない」、
         「足先が垂れてつまずきやすい」

      などの運動障害、
         「手や足が・・・ピリピリとしびれる」、
         「ジンジンと痛む」、
         「感覚がなくなる」
      などの感覚障害、
         「手や足の皮膚が冷たい」、
         「下半身に汗をかかない」
      などの自律神経障害などです。
      副作用として「末梢神経障害」を起こす医薬品は、高脂血症治療薬(HMG-CoA 還元酵素阻害薬“スタチン系”)、抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン、パクリタキセル、シスプラチンなど)、抗ウイルス薬(抗HIV 薬)、抗結核薬(イソニアジド、エタンブトール)などが知られています。
  • 対応のポイント
    1. 手や足のしびれ感や痛みなどの異常感覚で始まることが多く、進行性に悪化します。
      医薬品による末梢神経障害は、医薬品を服用してしばらく経過した後に、手や足、特に両方の足先の「しびれ感・痛み・ほてり」、「感覚が鈍い」などの感覚障害が起こります。次第に足先から上方に広がり、膝下全体から手、腕、腹・胸にまで及ぶこともあります。
      多くは両方の足や手の感覚障害がおこりますが、片方だけのこともあります。また、「筋肉に力が入らない」、「手や足が動きにくい」などの運動麻痺もみられ、初期には手や足の軽い麻痺であったとしても、徐々に悪化して起立や歩行ができなくなり、ごくまれですが「物を飲み込みにくい」や「呼吸が苦しい」などの強い症状が起こることもあります。
    2. 早期発見による原因薬剤の減量・中止が唯一の治療法である場合が多く、迅速な対応が必要となります。
      上記のような症状が出た場合は、感覚障害や運動麻痺が軽い状態のうちに担当医に連絡してください。症状が徐々に悪化して運動麻痺やしびれ感・痛みなどが強い場合には、ただちに医療機関を受診し、医師・薬剤師に相談してください。その際には、服用した医薬品の種類、服用からどのくらい経っているのかなどを医師・薬剤師に知らせてください。

1.早期発見と早期対応のポイント
  1. 早期に認められる症状
    • 医薬品を服用してしばらく経過後に、手や足のしびれ感、痛みなどの異常感覚で始まることが多い。多くは慢性的な感覚障害主体の末梢神経障害で発症するが、薬剤あるいは服用量によっては急速に起こる場合もある。また、感覚障害と同時に四肢末梢の運動麻痺がみられることもある。
  2. 副作用の好発時期
    • 服用後早期に出現する場合と長期経過してから発症する場合がある。通常、発症までに数週から数ヶ月以上を要する。
  3. 患者側のリスク因子
    • 基礎疾患に糖尿病や遺伝性ニューロパチー、慢性アルコール中毒などの末梢神経障害を有する場合には、薬剤性末梢神経障害のリスクが高まる。また、腎不全、悪性腫瘍などの全身性疾患に罹患している場合も重大な神経症状が起こりやすい。
  4. 推定原因医薬品
    • 末梢神経障害を引き起こすとされる薬剤は多数存在する(別表参照)
  5. 医療関係者の対応のポイント
    1. 薬剤の減量または中止
      • 薬剤性末梢神経障害は、薬剤の1 回投与量や総投与量が多いほど出現しやすく、薬剤の用量規制因子となるため原疾患の治療に対して大きな影響を与える。
      • 薬物治療中に末梢神経障害が生じた場合、原疾患の状況により異なるが、原因薬剤の減量あるいは中止を考慮する。特に、重篤な末梢神経障害を呈した場合、回復も遅く高度の後遺症が残ることがあるため、直ちに薬剤を減量あるいは中止する必要がある。
      • また、薬剤中止後も症状が2〜3週間の経過で一過性に悪化する場合(coasting)もあり、注意する必要がある。その後、薬剤の中止により徐々に改善がみられる。
    2. 早期発見に必要な検査項目
      • 神経伝導検査において感覚神経および運動神経伝導速度の低下、活動電位の低下・消失などが認められる。
      • 必要があれば、
        • ギラン・バレー症候群(GBS)や
        • 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)
        の鑑別のため髄液検査を行う。
      • 一般的に、GBS やCIDP では髄液蛋白が増加し、薬剤性末梢神経障害では髄液蛋白は正常ないし軽度増加となる。
      • 臨床症状・末梢神経伝導検査・髄液所見を参考に総合的に判断する。
      • また、
        • 糖尿病、
        • 尿毒症、
        • 膠原病(血管炎症候群を含む)、
        • ビタミンB1 欠乏などの末梢神経障害を併発する疾患
        の鑑別のため、血糖値、HbA1c、糖負荷試験、腎機能検査、CRP、血沈、血中ビタミンB1 値なども必要となる。

2.副作用の概要
  • 薬剤性末梢神経障害は、手や足のしびれ感など日常よくみられる症状で発症することが多く、原因となる薬剤も多彩である。他の神経症状との鑑別が容易でないことも多く、薬剤による末梢神経障害の存在が見逃されることもまれではない。また、原因薬剤の投与を続けると神経症状が進行し、投与を中止しても症状の回復が不十分なこともある。一方、抗悪性腫瘍薬や抗HIV薬などによる薬剤性末梢神経障害の場合、原因薬剤の中止が原疾患の治療に大きな影響を与えるため中止が困難な場合もある。以下に各項目に分けて概略を述べる。
    1. 臨床症状
      1. 感覚障害:
        • 薬剤性末梢神経障害では、手や足のしびれ感や痛みなどの感覚症状にて発症することが多く、感覚障害が主体となる。
        • 四肢の遠位部優位に障害され、自発的なしびれ感や疼痛、錯感覚(外界から与えられた刺激とは異なって感ずる他覚的感覚)、手袋・靴下型の感覚障害(触覚、温痛覚・振動覚などの感覚鈍麻や異常感覚)がみられる。
      2. 運動障害:
        • 感覚障害に加えて、進行例では四肢遠位部優位の筋萎縮と筋力低下がみられ、弛緩性の麻痺を呈する。四肢の腱反射の低下や消失(遠位部ほど顕著)がみられる。
      3. 自律神経障害:
        • 感覚障害や運動障害ほど目立たないが、排尿障害、発汗障害、起立性低血圧などがみられることがある。
    2. 臨床検査値
      1. 血液、生化学、血清学的検査:
        • 特異的異常は生じないのが普通であるが、糖尿病、尿毒症、膠原病など末梢神経障害を呈する疾患の原因検索には重要な検査である。
      2. 髄液検査:
        • 通常は正常なことが多いが、軽度の蛋白増加や細胞数増加をみることがある。
      3. 末梢神経伝導検査:
        • 異常所見が最も出現しやすい。脱髄型の末梢神経障害では感覚神経、運動神経の両方あるいは一方の伝導速度が低下する。また、軸索型の場合は、伝導速度の低下は一般に軽度で、むしろ活動電位の低下が優位となる。薬剤性末梢神経障害では軸索型の障害をとるものが多い。


ニューロパシー
neuropathy
末梢神経系に機能的障害または病理的変化があることを示す一般用語。
「神経障害」「神経疾患」「神経病質」


neuropathy 解説
アミロイド・ニューロパシー(amyloid.n.)
アルコール性神経障害(alcoholic. n) 慢性アルコール中毒時のチアミン欠乏による神経病
イソニアジドニューロパシー
遺伝性運動知覚神経性ニューロパシー
(HMSN)
(hereditary .motor and sensory n.)
筋肉の弱化、萎縮、知覚欠損、下肢での血管運動性変化を含む遺伝性の多ニューロパシーの1群
遺伝性視神経異常症
遺伝性知覚・自律神経異常症
(HSAN)
下行性神経障害(descending. n.) 近位部(肩/臀部)に始まり四肢へと広がる神経病
肝性ニューロパシー(hepatic, n) 肝疾患に起因するニューロパシー。
3タイプ
慢性肝不全で見られる無症状(or軽い)脱ミエリン性多ニューロパシーのタイプ。
急性特発性多神経炎に似たときどきウイルス肝炎とともに見られる多神経炎。
有痛性の知覚神経性ニューロパシーで、ときに胆汁性肝硬変とともに見られる。
虚血性ニューロパシー(ischemic n)
巨大軸索性ニューロパシー(giantaxonal. n) 小児の常染色体劣性遺伝性のニューロパシーで、緻密に織られた神経フィラメントの塊からできた拡大軸索が特徴。
血管異常性ニューロパシー(angiopthic.n.,) その神経に供給している血管の動脈炎によるニューロパシーをいう。
Wegenerの肉芽腫・側頭動脈炎・全身性ループスエリテマトーデス・慢性関節リウマチ・全身性強皮症・結節性多動脈炎などの全身性の合併症。
血清ニューロパシー
絞扼性ニューロパシー
(絞扼神経障害)
(entrapment. n.)
末梢神経が、そのコース中に、線維性or骨線維性トンネルを通るところ、ないし深部筋膜を貫いて、線維性か筋肉性の帯の上に急に方向を変える地点で、圧迫によって損傷を受けることでニューロパシー
自律神経障害(autonomic. n.) (自律神経異常症)
自律神経系のニューロパシー。たとえは、
起立性低血圧症・排尿排便生殖機能障害・瞳孔反射異常のような症状を示す。
Adie症候群・慢性アルコール中毒・糖尿病・自律神経失調・Sht-Drager症候群を含む多くの疾患の合併症。
上行性神経障害(ascending. n.) 足から上方へと進行する神経病
大腿ニューロパシー
(大腿神経障害)
(femoral. n.)
大腿神経損傷によるニューロパシー。
脚に種々の知覚および運動欠損が現れる。
最も普通の病因は糖尿病・抗凝固療法による後腹膜出血と手術中の外傷である。
中毒性ニューロパシー
糖尿病性神経障害(diabetic. n.)
初期には、下肢の神経が、また、自律神経が侵されることが多く、慢性・対称性・知覚性・多発神経障害である。
病理学的には末梢神経の区域的脱髄が見られる。
特発性、急性型では、激しい疼痛、全身脱力感、遠位部・近位部の筋消耗、末梢知覚障害、腱反射消失などが著明。
自律神経障害では、起立性低血圧・夜間下痢・尿閉・インポテンツ、対光反射による瞳孔直径の縮小などが認められる。
鉛ニューロパシー(鉛神経障害)
ヒ素ニューロパシー

TOPなおるナオル病院ランキング血液検査くすり情報針灸よく使う漢方薬会員サービス