抗ガン剤 | |
一般名 | パクリタキセル(paclitaxel) |
商品名 | [タキソール](Taxol) |
作用機序 | ガン細胞の細胞分裂を阻害する。 |
効能 ・ 用途 |
乳ガン 非小細胞肺ガン 胃ガン 頭頸部ガン 卵巣ガン ・卵巣ガンでは第1選択肢。(60%に末梢神経障害が認められる) |
用法 用量 |
・1日1回210mg/u(体表面積)を3時間で点滴静注し、3週間休薬。これが1クール。 ・点滴時に注意事項あり。 ・筋肉内投与は禁止。 ・血管外へ薬剤が漏れないように注意。 ・投与開始後1時間はバイタルサインを頻回にチェック。 ・白血球及び好中球の変動に注意。 ・皮膚に薬液がついた時・・・直ちに多量の流水で洗い流すこと。 |
警 告 |
・骨髄抑制に起因した死亡例(たとえば敗血症・脳出血)がある ・過敏反応に起因した死亡例がある。 |
禁 忌 |
・重篤な骨髄抑制がある者 ・感染症を合併している者 ・本剤に過敏歴ある者 ・妊婦もしくは妊娠している可能性がある者(動物で移行) |
併 用 注 意 |
▽放射線照射で[重篤な食道炎][肺臓炎]→中止し処置必要。 ▽骨髄抑制→減量又は投与間隔を延長。 ▽抗悪性腫瘍薬との併用 ▽シスプラチンとの併用・・・・ @タキソールをシスプラチンの後で投与した場合、その逆に比べて骨髄毒性が増強する。 A末梢神経障害が増強する→減量または投与間隔を延長。 ▽ドキソルビシンとの併用・・・・ @タキソールをドキソルビシンの前に投与した場合、その逆に比べて骨髄抑制が増強する。 A心毒性が増強する→減量または投与間隔を延長。 ▽ビタミンAとの併用 ▽アゾール系抗真菌薬(exミコナゾール)との併用 ▽マクロライド系抗生剤(exエリスロマイシン)との併用 ▽ステロイド系ホルモン剤(exエチニルエストラジオール)との併用 ▽ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(exニフェジピン)との併用 ▽テルフェナジンとの併用 ▽シクロスポリンとの併用 ▽ベラパミルとの併用 ▽キニジンとの併用 ▽ミダゾラムとの併用 ▽フェナセチンとの併用 |
慎 重 な 投 与 が 必 要 |
■骨髄抑制の者・・・増悪する ■腎障害 ■高齢者 ■アルコールに過敏な者 ■間質性肺炎 ■肺線維症の者 |
タキソール副作用(50音順) | |||||||||||||||||||||
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注 意 |
血液検査を頻回にする必要がある。 |
厚 生 労 働 省 |
タキソールとタキソテールは,薬剤名が類似していることからこれまでも処方間違え等による事故が報告されており,死亡に至った事例もある。いずれも乳癌等に適応を持つ抗腫瘍性植物成分製剤であるが,1回の用量が約3倍違うことからタキソールを投与するべきところをタキソテールに取り違えた場合,致命的な結果を招くおそれがある。今般,関係企業2社においてタキソール,タキソテールともに,一般名をより強調して表示することで取り違えの防止を促す表示の改善が図られた(図1,図2参照)。 抗がん剤の場合,誤使用による健康被害が重大であり,徹底した事故防止対策を講じる必要があることから,医療機関において両剤を採用している場合には,レジメンによる計画的な処方を実施したり,処方に一般名を併記するなど処方に当たっての条件を明確にするとともに薬歴管理の徹底,調剤・投薬時のダブルチェックなど二重,三重の対策を徹底されたい。 |
改 良 |
2009年、京都大学再生医科学研究所の玄丞烋・准教授らは、タキソールの効果を高める技術を開発したと発表。 タキソールはイチイの葉から抽出し合成した抗ガン剤。水に溶けにくいため、ひまし油とエタノールを混ぜた溶液を加えて製剤化しているが、投与した患者の3割でアレルギー症状などの副作用が出ていた。 研究チームは、代替血漿などに使われる多糖『デキストラン』を利用し水に溶けやすくした。デキストランにアミノ基をつけ。タキソールと混ぜた。ひまし油などを使わないので、安全性が高まった。 さらに、タキソールがガン細胞だけを攻撃するよう工夫した。 |
カ プ セ ル に 入 れ て |
2014年、岡山大学の妹尾昌治教授と岡山理科大学の浜田博喜教授らは、パクリタキセルに糖の分子を結合させて細胞に取り込まれにくくし、脂質で作った100ナノbのカプセルに包んだ。 カプセル表面にはガン細胞だけに結合する「抗体」(タンパク質)で覆い、ガン細胞に集まりやすくした。 マウス実験では、通常の点滴では死ぬ量の抗がん剤をカプセルに包んで投与しても死ななかった。 |
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