アガリクス

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Agaricus ◎Agaricusとは、ラテン語で「キノコ」のこと
マッシュルーム
の仲間。
1965年、ブラジル在住のFさんがサンパウロ近郊の山中に自生しているのを発見し、三重県在住のキノコ博士、岩出亥之助さんに送ってきたのが最初。
岩出菌学研究所を設立した岩出博士は、1975年、食用キノコとしの人工培養法を開発した。同時にベルギーのハイネマン博士に鑑定を依頼し、日本で知られていなかったそのキノコがアガリクス・ブラゼイ・ムリルだと突き止めた。
和名を『ヒメマツタケ』としたのも岩出博士だ。
そころが、歯ごたえはいいが、味がいまいちのうえ、タンパク質が多くて腐敗が早いことから、食用キノコとしての普及を断念。そんなとき、岩出さんからもらった「アガリクス」の抗ガン活性を三重大学医学部の伊藤均博士らが見つけ、1980年、日本癌学会で報告した。
『レーガン元大統領が皮膚ガンの治療に使った』
という宣伝文句について、岩出菌学研究所は「レーガン元大統領が使用した事実を確認できない」と批判的だ。
「レーガンが使った」とされるアメリカでさえ、「アガリクス」は、まだほとんど知られていない。(瀬川至朗著「健康食品ノート」岩波書店)
アガリクス
Agaricus blazei Murill
「アガリクス茸は、キノコの中で最も強力な免疫賦活(調整)作用を持つといわれるブラジル原産の茸です
特徴
β-D-グルカンをはじめとする多糖体が種類・量ともに最高
[インターロイキンT] [インターロイキンU]
マクロファージを活性化します(日本癌学会第44回)
補体を活性化します(日本癌学会第39回)
コレステロールを除きます
動物実験 ・伊藤均博士らは、ヒメマツタケからβグルカンのような多糖体を抽出し、これを、皮下に「サルコーマ180」というガン細胞を移植した実験マウスに注射した。何も投与しなければ、ガンがどんどん大きくなり、数週間でマウスは死ぬ。ところが、体重1kgあたり、10mgのヒメマツタケ抽出物を10日間投与られたマウスは、32匹中18匹の体からガンが無くなった。また、より手強いガンである腹水ガンをマウスに移植して体重1kgあたり100mgのヒメマツタケ抽出物を注射したところ、32匹中19匹のガンが消えたという。
・愛媛大学医学部の木村善行講師らはマウスにサルコーマ180を移植し固形ガンをつくり、台湾産の「アガリクス」の熱水抽出物エキスを経口で投与。体重1kgあたり800mgの経口投与で、固形ガンが縮小し、約半数のマウスのガンが無くなった。
・太田富久・金沢大学薬学部教授らの実験では、アガリクスから分離した低分子量の成分が、経口投与でマウスのガン増殖を約80%阻止した。
(瀬川至朗著「健康食品ノート」岩波書店)
臨床試験 人を対象にした臨床試験結果は見あたらない
(瀬川至朗著「健康食品ノート」岩波書店)
販売中止
回収要請
2006年2/13、厚生労働省は、“発ガンを促進する作用”が認められたとして、キリンの子会社「キリンウェルフーズ」(東京都江東区)に対し、販売中止と自主回収を要請した。キリンはアガリクス製品全品の販売中止を決めた。
アガリクスはカワリハラタケと呼ばれるキノコの一種で、「ガンの効果がある」などのうたい文句で販売されている製品が多い。
厚労省は肝障害の疑いなどが学術雑誌に掲載されている事などから、国立医薬品食品衛生研究所に製造方法などの異なる3製品の毒性試験を依頼。ラットを用いた試験で、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」に、ほかの発ガン物質による発ガン作用を促進させる働きがあるとの中間報告を受けた。
キリンウェルフーズによると、同製品は中国産の乾燥アガリクスを国内で破砕して製造。同社によると、2002年12月〜2006年1月までに、アガリクスによる体調不良を訴える声は83件寄せられ、うち1件は肝炎で死亡。2006.2/14《日本経済新聞》から

厚生労働省のページから
  • 問1)アガリクス(カワリハラタケ)とは何ですか
    • アガリクスという名称が一般的に知られていますが、日本名をカワリハラタケ(学名:Agaricus blazei Murrill)といい、ハラタケ科に属するブラジル原産のキノコです。また、ヒメマツタケと呼ばれることもあります。昭和40年にブラジルより移入されて以来、人工栽培されるようになりました。このキノコを原料としたいわゆる「健康食品」が広く販売され、アガリクスの名称が使用されています。
  • 問2)アガリクスの何が問題となっていたのですか
    • 平成18年当時、広く国内に流通していた製法の異なる代表的なアガリクスを含む3製品について、ラット(ネズミの一種)を用いた発がんを促進する作用を確認する試験を行ったところ、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(販売者:キリンウェルフーズ(株))」について、 製品の摂取目安量の約5倍から10倍程度の量を与えたところ、多臓器イニシエーション処置を行った試験系において発がんを促進する作用が認められたものです。
  • 問3)そもそもがんに効くのではなかったですか。人に対する影響はどうなのでしょうか。
    • アガリクスは、「抗がん効果がある」、「免疫力を高める」などといわれ、一般に食品として販売されており、医薬品等とは異なり効能効果を標榜することはできません。また、一般に販売される食品については、国が事前に審査を行う仕組みではないことから、厚生労働省では、ヒトに対する有効性について確認しておりません。

      さらに、今回までに得られた結果は、実験動物を用いた試験に基づくものであり、直ちにヒトへの影響を懸念する結果ではありません。

  • 問4)アガリクスを含む製品による健康被害は報告されているのですか
    • 厚生労働省にアガリクスを含む製品による健康被害が明らかとなった事例が報告されたことはありませんが、肝障害の疑い等の事例が報道されたことや、肺炎や肝障害等の複数の疑い事例が学術雑誌等に掲載されています
      本件は、市場に流通していた代表的な3製品のうち1製品において、ラット(ネズミの一種)を用いた動物の試験において、製品の摂取目安量の約5倍から10倍程度の量を与えたところ、多臓器イニシエーション処置を行った試験系において発がんを促進する作用が認められたものであり、ヒトに対して直ちに健康被害を引き起こすという結果ではありません。
  • 問5)アガリクスを含む製品にはどのようなものがありますか
    • アガリクスの乾燥物や水、エタノール等により抽出したものを粉末、顆粒、錠剤、液状等の形状にした製品や、菌糸の状態で培養したものを乾燥又は抽出し、粉末、顆粒、錠剤、液状等の形状にした製品が広く食品として販売されていますが、厚生労働省では個々の製品名は把握していません。
  • 問6)どうして食品安全委員会に評価を依頼することになったのですか
    • 試験開始当時広く市場に流通していた製造方法が異なる代表的な3つのアガリクスを含む製品について、ラット(ネズミの一種)を用いた多臓器イニシエーション処置を行った試験系において発がんを促進する作用を確認する試験を行ったところ、そのうちの1製品について発がんを促進する作用が認められました。

      このため、発がん促進作用が認められた製品について、食品衛生法等※に基づき、食品として販売することを暫定的に禁止するかどうか判断するため、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼することとしました。

      また、その他の2製品については発がんを促進する作用を確認する試験では、発がんを促進する作用は、認められていませんが、問題となった1製品と併せて念のため食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しました。

  • 問7)中期多臓器発がん性試験の結果はどのようなものですか。
    • 平成18年2月に発表した中期多臓器発がん性試験は、5週齢の雄ラットに、5種類の発がんイニシエーターを投与した後、被験物質(「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」、「仙生露顆粒ゴールド」及び「アガリクスK2 ABPC細粒」)を0、0.5、1.5及び5.0%濃度で24週間餌に混ぜて投与した群と、イニシエーターを投与せず、当該製品を0及び5%濃度で餌に混ぜて投与した群を用いて発がんプロモーション作用の有無を確認しました。

      その結果、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」では、腎臓、甲状腺などに腫瘍性の病変の増加が認められ、当該製品にラット(ネズミの一種)に発がんプロモーション作用が認められました。

      なお、「仙生露顆粒ゴールド」及び「アガリクスK2 ABPC細粒」では、発がんプロモーション作用は認められていません。

      (中期多臓器発がん性試験とは)
      • 生体に悪性腫瘍を発生させる能力である発がんを促進する作用(発がんプロモーション作用)を確認する試験の1つ。げっ歯類(ネズミなど)を用いた二段階発がん試験の1つで、最大5種類のイニシエーターを投与して発がんの感受性をい高め、次いで痞堅物質を数ヶ月投与する試験です。
      (発がんプロモーション(作用)Promotion Action)
      • それ自身が発がんを引き起こすものではなく、他の発がん物質による発がん作用を促進する作用をいいます。プロモーション作用がある物質をプロモーターといいます。
      (イニシエーター/Initiator)
      • 発がんの過程にはいくつかのステップが存在し、多段階的に進行していると考えられており、その最初のステップのことをイニシエーションといいます。化学物質や放射線などによって引き起こされたDNA損傷が修復されず、突然変異として遺伝子に固定され、腫瘍発生に関与する遺伝子に機能異常をもたらす課程をさします。イニシエーションを起こる物質をイニシエーターと呼びます。
      (遺伝毒性試験)
      • 遺伝毒性は、遺伝子またはDNAに変化を与え、細胞または個体に悪影響をもたらす性質をいいます。この遺伝毒性を検索するための試験として、細菌を用いた復帰突然変異試験、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験およびラットを用いた小核試験などがあります。
  • 問8)食品安全委員会から求められて追加で実施した遺伝毒性試験とはどのようなものですか
    • 「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」における遺伝毒性の試験の結果、細菌を用いた復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験が陽性、マウスを用いた小核試験が陰性であったこと、また、多臓器イニシエーション処置を行った中期多臓器発がん性試験において発がんを促進する作用が認められたことから、食品安全委員会ワーキンググループから、突然変異検出用の遺伝子改変ラットを用いて、標的となった臓器について、突然変異試験を実施すること等と共に中期多臓器発がん性試験を再検証するための二段階発がん試験、本製品の発がんプロモーション作用の原因究明が求められ、厚生労働省では、遺伝毒性試験を優先して実施することとしました。

      今回、遺伝毒性試験に用いられたラットは、遺伝子への影響を見るためにマーカーとなる遺伝子があらかじめ導入されています。このラットにアガリクスを摂取させた後に、標的となる臓器からその遺伝子を取り出し、突然変異の頻度を求めます。
      また、標的臓器にアガリチンの代謝物から生成されるDNA付加体の形成の有無について解析します。

      • (アガリチン)
      • アガリクスに含まれるアガリチン(フェニルヒドラジン誘導体)には毒性があります。
  • 問9)追加で実施した遺伝毒性試験ではどのようなことが明らかになったのでしょうか
    • 食品安全委員会ワーキンググループに報告した追加試験の結果を受け、食品安全委員会において審議が行われました。今回の追加試験実施の結果、今回の試験系においては、問題となった製品は、生体内において問題となるような遺伝毒性は有さないという結果が確認されましたが、発がんプロモーション作用の原因については、全ての試験を実施しなかったことから確認することができませんでした。


成分 <1>多糖類 β-(1-3)-D-グルカン
アガリクスのβグルカンは、シイタケやカワラタケのような「β-(1→3)-Dグルカン」とは構造が異なる「β-(1→6)Dグルカン」が多い(宿前利朗著「βグルカンの魅力」)
  • (1)βー(1→3)ーDーグルカン
    (2)βー(1→6)ーDーグルカン蛋白複合体
    (3)酸性ヘテログルカン
    (4)キシログルカン
    (5)ヘテログルカン蛋白複合体
    (6)多糖体ガノデランA・B・C
    (7)ペプチドグリカン
    (8)キチン質
    (9)グルコースを含む多糖体
    • マンナン
      マンノース
      パキマラン
      キシローズ
      ガラクトース
      グルコース
        
<2>ステロイド類
 (1)セレビステロール誘導体
 (2)エルゴステロール酸化誘導体
<3>核酸
核酸は、誰でも、毎日2500〜3000個ないと生きていくことが困難になります。
<4>アミノ酸(mg/100g)
アミノ酸 mg/100g アミノ酸 mg/100g アミノ酸 mg/100g
イソロイシン 918 ロイシン 484 リジン 342
メチオニン 288 フェニルアラニン 171 トレオニン 2.34
トリプトファン 406 バリン 652 アルギニン 416
システイン 280 チロシン 692 アラニン 350
アスパラギン酸 1940 グルタミン酸 1940 グリシン 224
プロリン 362 セリン 234 ヒスチジン 117
<5>酵素(五十音順)   
アスパラギナーゼ、 アミグダラーゼ、 アデニールシクラーゼ、アミラーゼ、アリナーゼ、 イヌラーゼ、インベルターゼ、ウレアーゼ、エステラーゼ、エルムシン、エレプシン、エンテロキナーゼ、オキシターゼ 、カタラーゼ、ギコラーゼ、グルコシダーゼ、サッカラーゼ、スクラーゼ、セルラーゼ、セロピヤーゼ、タカラーゼ、タンナーゼ、チターゼ、チマーゼ、チロシナーゼ 、ツリプシン、デカルボキシラーゼ、デピドロナーゼ、トレハーゼ、トリプシンパーオキシターゼ、パキマナーゼ、フェノラーゼ フマラーゼ、ヘルセミラーゼ、ペクターゼ、ペプシン、ペプチターゼ、ペルオキシターゼ、ベントザナーム、マルターゼ、マンナミナーゼ、ラッカーゼ、ラフィナーゼ、リグニナーゼ、リチェナーゼ、リパーゼ、ルチフェラーゼ、レシチナーゼ、レンニン
参考文献 THE CHEMICAL TIMES ISSN 0285-2446
KANTO CHEMICAL CO.,INC 131号
「日本癌学会総会記事」
「キノコ類の薬効・食効とその利用」水野卓著
「アガリクス茸菌糸体」小松靖弘著

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