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アルツハイマー病(AD)



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アルツハイマー病
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痴呆症レビー小体型認知症」「ピック病」「正常圧水頭症による痴呆(iNPH)」「老人性痴呆症



アルツハイマー病 (AD)
  • アルツハイマー病 Alzheimer's disease
    1. Alzheimer's basket cells)=1907年、ドイツの精神科医、A.アルツハイマー博士が初めて報告した病気。
    2. 脳内で特殊なタンパク質異常が起こり、脳内のニューロンが消失する痴呆症
    3. 糖尿病の人は・・・アルツハイマーになりやすい。
    4. アルツハイマー病患者の脳ではタウタンパク質が繊維化して集まり、神経細胞死を招いている。タウタンパク質はすばやく折りたたまれるために、これまでその立体構造の観察が難しかった。
      2009年ドイツのマックスプランク研究所が立体構造の観察に成功した
  • アルツハイマー病が発症する過程
    1. ベータータンパクが増える。
      • ・ベータータンパクは「中性エンドペプチド(酵素)」が分解する。
        ・患者は、この酵素量が少ない
    2. タウタンパクが増加する「脳脊髄液中で確認できる
    3. 神経細胞死が起きる
    4. アルツハイマー病が発症する
  • アルツハイマー病の症状
    1. アルツハイマー型痴呆は、脳の中に特殊な変化が起こって次第に脳が萎縮し、ひどい痴呆になってしまう病気。
      • 早い人は40歳代後半に始まり、5年で重症化する。
      • 痴呆症の1種
        1. 早い時期から診断可能
        2. 進行すると家族の顔も分からなくなる
        3. 40歳代からの発症があり、しかも進行が早い
        4. 患者は、紙に立体図形が描けない
    2. ごく初期から嗅覚に異常があらわれる
  • アルツハイマー病の進行度
    1. 物忘れする:加齢による痴呆は、この段階で止まる。
    2. 自分のことが出来ない。
    3. 徘徊する。
    4. 介護が必要な段階


アルツハイマー病の診断
  • 2011年、米アルツハイマー病協会とNIH(米国国立衛生研究所)は、診断基準を27年ぶりに改定。従来はすでに認知機能低下の症状が出ているひとだけをアルツハイマー病と診断していた。
    新基準では症状が軽いMCI(軽度認知症障害)や全く発症していない人も、一定の条件を満たせば加えることになった。
    なぜなら、健康な人の4人に1人にアミロイドβが見つかった。
  • アミロイドベータが海馬に溜まると症状が無くとも、萎縮の程度が大きいことが分かってきた。
    アルツハイマー病になる人は、健康な状態のときから、すでに脳の中で病気の進行が始まっている可能性が出てきた。
    症状が出ている段階で、アミロイドβを除去しても神経細胞の死滅を止められない
    1. 初期症状
      • ○職場で手紙の住所や日付を書き間違える。
        ○つじつまが合わない文章を書くようになる。
        ○人の名前を忘れる
        ○ものをしまった場所を忘れる
        ○約束を忘れる
    2. 進行症状
      • ○通勤の道を間違える。
        ○家の中でトイレと台所を間違える。
        ○自分の年齢が分からない。
        ○言葉の最後の数語を反復させる。
        ○1語を反響させるかのように何度も繰り返す。
        ○人形を子供と信じてなでたり、あやす。
        ○食事をしたことを忘れ、食べたばかりなのに“食事はまだ?”と催促する。
        ○乾いた洗濯物を、また洗濯機に入れて洗おうとする。
        ○鏡に映った自分を他人と思って話しかける
    3. 重症化
      • ○人格が変化し、
        ○感情的に不安定になり、
        徘徊したり、
        ○環境に適応出来ずに様々な問題を引き起こし、
        ○ついには精神の荒廃状態に陥り、
        ○言葉を発することも出来なくなり、寝たきりになる。




原因物質 タウたんぱく質 アミロイドβ
できかた 神経細胞の微小管の一部が壊れ、リン酸がくっついてたまる 神経細胞の中で酵素によって切断、外側に出てたまる。
形状 糸くず状 老人斑
脳の中で溜まる部位 主に、嗅内野や大脳皮質。 大脳皮質が中心にたまる。
(タウタンパク質)
  1. 1980年代に井原康夫・同志社大学教授(現在)が発見。
  2. 神経細胞の骨格を作るタンパク質の一部。細胞膜の内側にあり、微小管というタンパク質にからんで細胞の形を支える。
  3. アミロイドβより早く蓄積する患者が見つかっている。
    • 脳の奥深くにあって記憶を担っている嗅内野の神経細胞に溜まる人は、20歳代後半から増え始め、50歳代で半数に達する(高島明彦・理化学研究所チームリーダー)。
  4. プリオンに似る
    • タウタンパク質は外部から神経細胞の中に入り、正常なタウタンパク質の形を変化させる
(アミロイドβ)
  1. 遺伝性のアルツハイマー患者の家系でアミロイドβが溜まり、老人斑を作りやすいことが分かり、アミロイドβが原因とする仮説が提唱された。
  2. 治療薬の標的はアミロイドβになった。だが、2010/8に米イーライ・リリーが開発中止した「セマガセスタット」は患者の一部で認知機能が悪化した。アミロイドβを取り除くことができても、認知機能の低下は抑えられなかった。
(培養細胞でアルツハイマー病の初期を再現)
  • 東京理科大学の新井孝夫教授と渡辺伸央助教らは、アルツハイマー病の初期に起こるとされる変化を、培養した津液細胞で再現することに成功した。
  • タウと呼ぶ神経の働きをジャマするタンパク質を神経細胞内に蓄積させた。之までアルツハイマー病の発症メカニズムなどを詳細に研究できる培養細胞のモデルはなかった。
  • 東京都医学総合研究所との共同研究の成果。
  • 体内で炎症など病的な状態になった時に細胞が作りだす一酸化窒素NO)に着目。
  • 神経の培養細胞をNOに1日〜2日さらした。その結果、アルツハイマー病の初期患者の脳で視られるタウの集合体の形成といった特徴が観察された。
  • NOに4日間さらし続けると水に溶けなくなったタウが神経細胞の中に蓄積し始めた。
  • 患者の神経細胞では蓄積したタウは繊維状になっている。
  • 実験では沈着が始まっただけで繊維状になっていないものの、初期の段階の表現自体が初めてという。アルツハイマー病とNOの関係は最近指摘され始めた。



  • アルツハイマー病は老人性痴呆症の中で最も患者が多い
    • 高齢化社会の進展と共に今後も増え続けるとみられ、克服に向けた対策が急務になっている。治療の現状などを神戸大学大学院の前田潔教授に聞いた。
      ・アルツハイマー病の治療薬には、どのようなものがあるのですか?
      「1999年に開発されたアリセプトという薬があります。それまでは脳代謝改善薬が使われていましたが、当時の厚生省から効果が認められないとして保険承認を取り消されたため、現在、アルツハイマー病に使われている薬はアリセプトだけです」
      「アルツハイマー病の患者の脳では、情報の担い手となる様々な神経伝達物質を作る神経細胞が破壊されています。神経伝達物質の中でもアセチルコリンという伝達物質を作る神経細胞の破壊が進んでいます。アリセプトはアセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きを妨げることで、脳内のアセチルコリンの濃度を高めて症状を改善する効果があるといわれています」
      ・アルツハイマー病を治すことが出来ますか?
      「この薬を飲んでも神経細胞の破壊は進むので治すことは出来ません。ただ、9ヶ月〜1年程度。進行を遅らせることは出来ます。1日中、ボーッとしていた患者が薬を毎日1回飲むと、服用後3〜4週間でテレビを見るようになったり、以前の趣味に関心を示すようになったりしたという報告があります」
      「打つ手がなかったときに比べると画期的なことです。進行を5年程度遅らせることが出来る薬が開発されれば、本人や家族にとってプラスになるでしょう」
      ・アルツハイマー病がかなり進行した患者にも効果はあるのですか?
      「初期ないし、中程度の患者を対象にしていますが、最近では進行した患者にも効果があるという報告もあり、投与するようになってきました。アルツハイマー病は初期の頃を健忘期と呼び、脳の中に老人斑が出来て神経細胞が減り、記憶障害や物忘れが起きます。この期間は2〜4年で、それを過ぎると記憶障害の他に、“自分の財布から誰かがお金を盗もうとしている”といった被害妄想や幻覚、興奮しやすいといった症状も表れます」
      「100%とはいいませんが、アルツハイマー病の人ではこうした症状の出る人が多い。病気が中程度に進行した混乱期と呼ばれる時期にはアリセプトのほか、幻覚などの症状を抑えるためにチオリダジンやリスペリドンなどの抗精神病薬を併用します」
      ・開発中の薬にはどのようなものがありますか?
      「臨床試験を進めている薬は、アリセプトと同様にアセチルコリンエステラーゼの働きを妨げる薬物が多い。アリセプトが効かない一部の患者に開発中の薬を投与し効果を調べています。アミノ酸の一種であるグルタミン酸が結合する受容体(NMDA)と呼ばれるタンパク質に作用する薬もあります。グルタミン酸は神経伝達物質の1つで、NMDAに結合すると神経細胞を興奮させて死滅させる働きがあります」
      「開発中の薬はグルタミン酸が結合しないようNDMAにフタをします。神経細胞が死滅するのを抑えることが出来るのではないかと期待されています。患者の脳に蓄積する老人斑の主成分であるβ-アミロイドタンパク質を取り除く働きがあるタンパク質も開発され、米国で試験が進んでいます
  • サルはアルツハイマーにならない
    • チンパンジーはアルツハイマー病にかからないとされている。
      チンパンジーの染色体数は、ヒトより2本多い48本。
      遺伝子配列の違いはわずかに1.23%。
      アルツハイマー病の発症過程では、2つの現象が見つかっている。
      1. まず神経細胞の周辺で「アミロイドベータ」(タンパク質)が蓄積し、
      2. 次いで、神経細胞内に「リン酸化」という化学反応を受けたタンパク質が増加する。
      サルやチンパンジーでもアミロイドベータの蓄積を観察した報告例がいくつもある。
      高齢のサルやチンパンジーは記憶の能力が落ち、脳機能の低下することはハッキリしている。大石高生・京都大学霊長類研究所准教授は“高齢サルの脳も人と同様に、シワが増え脳室(空洞部)が拡大するなどの変化が起きている”
      しかし、サルやチンパンジーで、アルツハイマー病のように神経細胞の30〜70%が死滅し、脳全体が萎縮するような現象は見つかっていない。
  • 女性に多い
    • 物を置き忘れる。
      顔を見ても名前がなかなか思い出せない。
      50歳を過ぎるとこんなことがたびたび起きる。こんな「ど忘れ」ではなく、脳そのものが萎縮して発病するのがアルツハイマー病だ。
      原因は、脳で記憶を担当する海馬と、情報の整理や論理的な思考を担当する大脳新皮質の神経細胞の死である。この結果、記憶力の低下や方向感覚の喪失、言葉やコミュニケーション能力の低下などの症状が現れる。海馬という重要な場所で神経細胞が減っていけば、新しいことを記憶できなくなり、日常生活に支障を来す。
      アルツハイマー病は65歳以上で急激に発症しやすくなる。米国のアルツハイマー病患者数は約400万人。65歳の全人口に対する患者の比率は4〜6%、75歳で15〜20%、85歳で30〜40%になる。
      わが国の痴呆症患者130万人のうち、少なくとも30万人はアルツハイマー病だ。2010年には、80万人を超えると予測されている。
      そしてこの病気の患者数は、女性が男性の約2倍と多い。
      米デューク大のローズ氏は1992年、19番染色体上にあるアポリポタンンパク質(アポE)を作る遺伝子が、アルツハイマー病の危険因子であることを発見した。
      アポE遺伝子には、塩基配列が異なる
      • 「アポE2」「アポE3」「アポE4」
      がある。
      アポE4を2個持っている男性は、1個持っているか1個も持たない男性に比べ、発症率が極めて高い。女性でアポEを1個でも持っていると、発症率は男性の2個の場合と同じ程度に高まる。アポE4は、男性より女性に危険度の高い因子である。
      カナダのマクギル大のシャーウイン氏は70年代、卵巣を摘出した女性に記憶障害が多発することを報告した。80年代には米マウントシナイ医科大のフィレット氏が、人の認知能力に対する女性ホルモン、エストロゲンの効用を初めて報告した。つまりアルツハイマー病の女性患者に6週間エストロゲンを投与すると、7人中3人で注意力や方向感覚、気分に著しい向上が見られた→「イソフラボン
      南カリフォルニア大のヘンダーソンは90年代初め、エストロゲンにアルツハイマー病の予防効果があることを疫学的に証明した。
      なぜエストロゲンが女性に効くのか、また、男性患者への投与では良い結果が得られていないのは何故か?




診断
  • 10分で診断
    • 英ケンブリッジ大のロビンズ教授とサハキアン博士は、アルツハイマー病を早期発見できる新検査法を開発した。コンピューターで患者に複数の異なる画像を連続して見せた後、特定の画像について画面のどの場所に出てきたかを指摘してもらう。わずか10分間の検査時間で、98%の確率で診断できるという。この検査は場所や出来事などの記憶に関係した脳の領域の働きを調べる。アルツハイマー病の患者はこの領域に最初に問題を生じるため、簡単な検査でも高い精度で診断できる
  • 絵で診断
    • 11時10分の状態を○の中に、時計の針で書いてください。というテスト。
    • アルツハイマー病の患者は、正確に描くことができない。
  • APL1ベータ
    • 2009年、大阪大学の大河内正康講師と武田雅俊教授らのチームが発見した『APL1ベータ』と呼ぶペプチドを手掛かりにすることで、アルツハイマー病の早期診断が可能になると見られている。
      研究チームは、アミロイドベータを作る際に働く2種類の酵素が、脳内にAPL1ベータも作り出していることを突き止めた。脳脊髄液中に含まれるAPL1ベータ量を調べたところ、アルツハイマー病患者や脳脊髄液の採取後にアルツハイマー病を発症した患者では、APL1ベータが増えていた。量と発症とが密接に関係していることも判明。
      健常者やアルツハイマー病でない認知症患者では数値に変化が無かった。
  • 嗅覚検査で診断
    • 2010年、鳥取大学のグループがニオイの検査でアルツハイマー病を見分ける手法を開発した。症状が目立たないごく早期から嗅覚異常が現れることが知られており、これを応用した検査の実用化が急がれている。
    • 鳥取大リサーチアシスタントの神保太樹さん(生体制御学)や浦上克哉教授らのグループが採用したのはヒノキやメントールなど12種類。
    • 認知症の簡易テストで早期アルツハイマー病と診断された早期患者33人(平均年齢80歳)と年齢の近い非患者40人でニオイ検査を実施して比べた。早期患者には脳の画像診断などから病気の有無を確認できた。
  • 原因物質を検査・・・・ヒト毒性アミロイドβ特異的モノクロナール抗体
    • 2012年、免疫生物研究所はアルツハイマー病の原因とされる物質の検査薬「ヒト毒性アミロイドβ特異的モノクロナール抗体」を発売。
    • アルツハイマー病はアミロイドβと呼ばれるタンパク質が結合し、分子構造が変わることで神経細胞を破壊すると言われている。原因物質として42個のアミノ酸からかる「アミロイドβ42」がある。開発した検査薬を脳細胞組織にたらすとアミロイドβ42の分子構造に反応する。今後、認可取得を目指す。
  • 脳波で早期診断
    • 2013年、東京工業大学発ベンチャーの脳機能研究所は脳波を使ってアルツハイマー病を早期に診断する手法を開発した。
    • 既存の脳波測定装置に21個の電極がついた帽子型の装置を付け、約5分間、脳波を測定する。筑波大学などと共同で約400人の脳波データを調べたところ、数年後に実際にアルツハイマー病を発症した人の86%を検出できた。




若年性アルツハイマー病
  • 40歳代からのアルツハイマ
    • 札幌医科大学の研究によれば、アルツハイマーの早期発症者の特徴に
      1. 立体図形が描けない。患者は頭の中では箱の図形をイメージすることが出来るのに、紙にその箱の図形が描けない。患者は板をのこぎりをひいて箱を作ることが出来る
      2. 進行すると家族の顔も分からなくなる
      3. 必ず進行していく。しかも40歳代の患者のほうが進行が2倍以上早い
  • アポE
    • 2011年、東京大学、東京都健康長寿医療センターなどは特定の遺伝子型を持つ人で、アルツハイマー病の原因物質が若いうちから脳内に蓄積し始めることを突き止めた。
    • 日米豪の182人を対象にした調査で、「アポE」という遺伝子の4型を持つ人は持たない人に比べて、蓄積が約11年前倒しで始まることが分かった。
    • 60〜80歳代の人を「認知機能が正常」「多少の物忘れがある」「アルツハイマー病の症状がある」の3つに分けてPET撮影や血液検査を実施した。
    • 病気の原因物質の1つとされるアミロイドベータの状態と遺伝子型との関連を分析した。
    • アルツハイマー病と関連があるとされる、脂質運搬なそにかかわる遺伝子アポEの4型に注目した。遺伝子は父親と母親由来の2つある。
    • アミロイドベータが脳に一定量蓄積する人の割合は年齢とともに増えるが、4型を1つ持つ人では実年齢より11歳年上並みの割合になった。2あると23歳年上と同等だった。
    • また物忘れが出始めたが発症前の「予備軍」の6〜7割は4型を持ていた。



アルツハイマーと食習慣
  1. アルツハイマー病の発症に食習慣が深く関係していることを自治医科大学大宮医療センターの植木彰教授らの研究チームが疫学調査で突き止めた。患者の多くが脂肪酸などの摂取バランスが崩れていた。植木教授は「バランスのとれた食事を摂ることが予防につながる」と話している。
    アルツハイマー病患者51人と、同年齢の健康な人が、食べている食事の中身を分析した。
    男性患者は摂取するエネルギー量が健康な人に比べて約3割り多かった。
    穀類・肉類・植物油の摂取量が特に目立った。
    一方、女性患者は1日に必要なエネルギーをとっていない人が多く、海草や緑黄色野菜の摂取量が著しく低かった。
    また、男女の患者に共通した傾向として、青魚に多い不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の摂取割合が低かった。
    植木教授は「1日80gの青魚、最低2回の緑黄色野菜を摂ることが痴呆の予防には大切」と指摘している。
  2. 偏食で増えるリスク
    自治医科大学大宮医療医センター神経内科の植木彰教授らのグループは、アルツハイマー病患者の生活習慣の聞き取りを続けるうちに、患者の食事内容に偏りがあることに気づいた。痴呆のない家族に比べ、魚と緑黄色野菜の摂取量が少なかったのだ。
    「痴呆が進行すると、食事量が極端に増えたり、味覚が変わることは知られている。しかし、発症前の食事については、これまで詳細には調べられていなかった」。研究グループの大塚美恵子講師は、こう語る。
    48人の患者と、その家族77人を比較したところ、1000kcal当たりの換算で家族が平均59.3gの魚を食べていたのに対し、患者は39.0gしかなかった。
    緑黄色野菜の摂取量も、家族は69.9gだったが、患者は45.9g。全体の食事内容でも、家族はおおむねバランスがとれていたのに対し、患者は偏食傾向が見られた。
    さらに調べると、摂取している栄養素の打ち、多価不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪の一種でバランスの悪さが目立った。多価不飽和脂肪酸には肉に多く含まれる[n6系(リノール酸)]と魚に多い[n3系(αリノレン酸)]がある。
    厚生省がまとめた栄養指針『日本人の栄養所要量』では、[n6]と[n3]の比率は[n6]が4に対し、[n3]が1程度を目安としている(n6:n3=4:1)。
    研究グループの調査では、患者は[n6]が[n3]の平均4.3倍と高く、逆に家族は同3.4倍と低い傾向が出た。
    偏食がアルツハイマー病に結びつくのか、本格的な研究はこれからだが、この比率が高くなるほど細胞膜が弱くなり、多くの病気の引き金となると考えられている。
    脳で起きる慢性の炎症がアルツハイマー病の引き金になっているとの説もある。
    [n6・n3比]は炎症の抑制にも関係しており、痴呆に関する研究のすそ野は広い。
    若いときから肉類が好きで、多いときには週に3回以上焼き肉や豚カツを食べていた患者に、魚を中心にしたメニューに切り替えさせ、[n3系]のドコサヘキサエン酸製剤も服用させた結果、簡便な脳機能テスト(MMSE)で初診時19点だったのが、最大で25点まで回復した。治療をしないと通常は2年で5〜6点は下がる



  • DHA
    • 魚を食べていた「ギンさん」はアミロイド斑が出来ていたにも関わらず、アルツハイマー病を発症しなかった。
      アルツハイマー病は老人斑が出来るとそれを処理しようと免疫細胞が働き始めるのだが、老人斑だけでなく正常な神経細胞も攻撃することで、脳の神経細胞が炎症を起こす。それをDHAが修復することが分かった。
      魚をを1日80g食べていた人は発症し、1日120g食べていた人は発症していない。発症しても1/5だった。
      必要量
         マグロのトロ→(2切れ)
         タイの刺身→(5切れ)
         イワシ→2匹
         サンマ→1匹
      「脳血管性の痴呆症患者13人、アルツハイマー病の患者5人に、6ヶ月間脳の循環改善薬とDHAを経口投与。DHAは1日に、700mg〜1400mg。その結果、脳血管性痴呆の13人中10人は、生活意欲が高まったり、妄想が減少。アルツハイマー病の5人は意欲・対人関係・落ち着きがやや改善した。
      知的機能の簡易検査結果では、DHAを与えなかった患者が徐々に低下したのに対し、投与した患者は計算力や判断力に改善傾向があった。
      1人が脂肪の過剰摂取で腹痛を起こした以外に、副作用はなかった。宮永和夫群馬大医学部講師(神経精神科)、矢沢一良相模中央科学主任研究員」
      「脳の循環改善薬だけを 24人に6ヶ月飲んでもらった場合、症状が良くなったのは2人だけだった
  • 適量ワインで予防?
    • 1日グラス3杯のワインでアルツハイマー病を予防する?フランスのボルドー大学の研究グループは、一定量のワインを毎日の飲み続けることが老人性痴呆症のアルツハイマー病の予防に効き目が在るとする疫学調査結果をまとめた。
      成果をまとめたのは同大学病院センターのジャンマルク・オルゴゴザ教授ら。65歳以上の高齢者焼く3800人を数年間、追跡調査した。その結果、ワインをグラスで3〜4杯飲んでいる人の場合、アルツハイマー病の発生率が、酒を全く飲まない人のわずか1/4にとどまっていることが分かった。
  • ビタミンE
    • 米国立老化研究所は、エーザイなどの協力を得て、全米でアルツハイマー症の大規模な予防実験を行う。相違に兆候をつかめばビタミンEなどによって発症を1年以上先延ばし出来ることが分かってきたため
  • ビタミンE・C
    • 米ジョンズホプキンス大学の研究チームは抗酸化効果のあるビタミンEとビタミンCを一緒に摂取し続けることでアルツハイマー病になりにくくなるという疫学調査の結果をまとめた。ユタ州に住む65歳以上の約4700人を対象に調査した
  • 睡眠のリズムも大切
    • 食事以外の生活習慣との関係はどうか?・・・・国立精神・神経センターの武蔵病院の朝田隆リハビリテーション部長は、アルツハイマー病患者の発症前のライフスタイルを調査し、比較的長い昼寝を習慣にする人が多いことに着目した。
      337人の患者と、260人の家族へのアンケート調査では、痴呆症状(物忘れ)に気づいた時期の5〜10年前に、30分以内の短い昼寝をする習慣があったのは、家族で58人いたのに対し、患者では19人。一方、1時間以上の長い昼寝の習慣があったのは家族で11人、患者では40人と、逆の相関関係が見られた。
      朝田部長は「アルツハイマー病になりやすいとされるアポE4遺伝子を持つ人でも、発症時期が異なるなど個人差がある。その差がなぜ起きるのか考えるうえでライフスタイルは重要なカギとなる」と指摘する



  • タンパク質異常
    • 英オックスフォード大の研究グループは、アルツハイマー病やクロイツフェルト・ヤコブ病で起こる脳内のタンパク質の構造異常と似たような変化が、ミオグロビンと呼ばれる筋肉にあるタンパク質でも見られることを突き止めた。
      アルツハイマー病などと同様に繊維状になった。
      構造変化は多くのタンパク質で発生する可能性があるが、生物は進化の過程で構造変化を抑制する方法を編み出したと考えられている。
      アルツハイマー病などでは、正常なタンパク質のメカニズムが何らかの要因で、働かなくなったため、構造に異常が起きたと推測できるという。
  • 発症タンパク質
    • 米ブラウン大学の研究グループは、痴呆症の一種であるアルツハイマー病の発病に関係していると見られるタンパク質を発見した。このタンパク質は『アグリン』と呼ばれ、脳や全身の神経細胞に広く分布し、神経細胞の成長を促進させる働きがある。
      研究グループはアルツハイマー病の患者の脳には、形が異なる「異常アグリン」が多いことを突き止めた。この異常アグリンが脳細胞に悪影響を及ぼす物質の蓄積を促進し、神経細胞が死滅すると見られる。アグリンの形が変わるメカニズムが解明されれば、効果的な治療法の開発につながる
  • グルタミンの塊が神経にたまり、発病する
    • 垣塚彰・京都大生命科学研究科教授が、ある種の神経難病は、遺伝子の変異によってグルタミンの塊が神経にたまり、発病することを解明。アルツハイマー病やパーキンソン病も、物質や脳の部位こそ違うが、「タンパク質の蓄積」という同じ原因とする説を1998年に発表。世界中の注目を浴びた。
      神経難病は多くは進行性で神経細胞が徐々に死んでゆく。そこで、これらから「異常な物質が溜まる」仮説を組み立て、遺伝子や細胞を調べる分子生物学的手法で確かめようと考えた
  • アセチルコリンとグルタミン酸
    • アルツハイマー病の患者はアセチルコリンの刺激によって神経伝達する「コリン作動性神経細胞」と、アミノ酸の一種であるグルタミン酸で神経伝達する「グルタミン酸作動性神経細胞」の両方に異常が見られることが知られている。
  • 記憶情報伝達を指示する物質
    • 記憶や感情などの情報伝達にかかわる物質を、脳の神経細胞内のどこへ届けるかを決めている司令塔になるタンパク質を、東京大学の広川信隆教授らが発見した。このタンパク質がうまく働かないとアルツハイマー病などの神経変性疾患や老化に伴う記憶障害を起こすとみられ、治療法の開発に結びつく成果だとしている。
      神経細胞は軸索という細長い手を持ち、そこから他の神経細胞の枝状の突起部分に情報を伝える。情報の受け渡しに必要な物質(受容体)を突起部分に向かわせる指令タンパク質はこれまで不明だったが、広川教授らは『GRIP1』というタンパク質がその指令を出していることを突き止めた
  • 大脳にβアミロイドというタンパク質が蓄積する
    • 脳内で免疫機能を担う細胞が、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を取り除く働きをすることを、東京都精神医学総合研究所の秋山治彦部門長らが突き止め、ネイチャーメディシンに2004年2/2発表した。
      秋山部門長は「この細胞を活性化して脳に蓄積したタンパク質を消すことが出来れば、アルツハイマー病の治療が可能になる」と話す。アルツハイマー病患者は病状の進行に伴い、大脳にβアミロイドというタンパク質が蓄積する。秋山部門長らは、死後に解剖した患者の脳でβアミロイドがあるはずの部位から見つからない例を発見。その部位では脳で免疫機能などを担うミクログロリアという細胞の働きが活性化していることを確かめた
  • ギャバ
    • 2008年、理化学研究所のチームが、[老化]や[アルツハイマー病]に伴う記憶障害では、アミノ酸の一種である『ギャバ』が過剰に働いて、神経活動を抑制していることを突き止めた
  • γ-セレクターゼ
    • アルツハイマー病の原因物質の1つと考えられているアミロイドβと呼ぶ異常タンパク質は、脳に蓄積して神経細胞に障害をもたらす。そのアミロイドβと呼ばれるタンパク質を作り出す酵素「γ-セレクターゼ」がどのような働きをしているかを岩坪威・東大教授が解明した。
      アミロイドβペプチドの端っこのある部分をハサミのように切り離すことで異常タンパク質がであるアミロイドβができあがることを突き止めた。
      アミロイドβは症状がでる数十年前から脳に蓄積していると見られている
  • アルツハイマー病を分類
    • 2013年、アルツハイマー病患者にアミロイドβが神経細胞内に蓄積するタイプと、細胞外にたまるタイプがあることを井上治久・京都大学准教授らの研究チームが見つけた。
    • 遺伝性と原因不明の患者それぞれで見つかった。
    • アミロイドβによる細胞死を防ぐのに効果があるDHAは低濃度では細胞の生存率が高まったが高濃度では悪影響を及ぼした。
  • 『CD40』『CD40L』
    • 埼玉医科大学と南フロリダ大学のチームは、脳にアミロイドベータが溜まったマウスに、ヒトの臍帯血細胞を投与した。脳での免疫反応に変化が起こり、溜まったアミロイドベータが除去され蓄積量が7割減少した。
      臍帯血のどの成分が寄与してるかは不明。
      脳内での炎症反応を引き起こす2種類の物質『CD40』『CD40L』の結合を抑えていることが分かった。炎症反応が抑えられ、神経細胞の周囲にあるグリア細胞がアミロイドベータを包み込んで除去していた。
      この現象は特に[海馬]や[大脳皮質]で認められた。
      CD40とCD40Lの相互作用は本来、体が免疫応答を作動するうえで大切な刺激を伝達する役割を担っている。これまでは、2つの相互作用によってアルツハイマー病が発生すると見られていた。
      マウス実験の結果、この相互作用の抑制に臍帯血細胞が有望なことがわかり、研究チームの森隆・埼玉医大准教授は臨床応用について「全身の免疫機構に与える影響や副作用を慎重に評価しなければならないが、有用性は大きいのではないか」と話している。
  • 女性ホルモン服用の女性発症減る
    • 痴呆症などを起こすアルツハイマー病に罹る率が、女性ホルモンのエストロゲンを服用している女性は低くなるらしいことが、米コロンビア大の研究グループの調査で分かった。エストロゲンは更年期障害などの治療で使われる。脳細胞を強化して発症を遅らせるのではないか、とグループはみている。ニューヨークに住む女性1024人(平均年齢74歳)を対象に、5年にわたり調査した。→「イソフラボン
  • 酸性雨で地中からアルミニウムが溶け出す
    • 酸性雨が多いところにアルツハイマー病の患者が多い(ノルウェー)
      酸性雨で地中からアルミニウムが溶けだし、アルミニウムイオンとなってトランスフェリン(Tf)と結合すると、脳血液関門を通過出来る。
      1. アルミニウムイオンは脳内のβアミロイドを結合させる。
      2. アルミニウムは土や岩石に多く含まれる。
      3. アルミニウムは人体には全く不用な物質。
      4. 水の浄化にはアルミニウム化合物(ex硫酸アルミニウム)が使われていて、それが水道水に混入する可能性がある。
      5. 体内に鉄分が不足すると、アルミニウムが体内に取り込まれやすくなるミネラル
  • ネプリライシンが原因物質を分解
    • 理化学研究所の西道隆臣チームリーダーらのチームは、脳の神経細胞に蓄積してアルツハイマー病を引き起こすとされるタンパク質を分解する酵素を発見した。この酵素が減るとタンパク質の蓄積が増えるのをマウスの実験で確認した。酵素の働きが発症を左右する可能性が高いと見ている。
      西道氏らが、見つけた酵素は「ネプリライシン」。この酵素の合成能力が弱いノックアウトマウスを作り調べた。このマウスは同病を引き起こすとされるタンパク質「ベータアミロイド」を分解する機能が低下し、アミロイドの量が正常なマウスの2倍近くに増えた。
      これを受けて、カナダのグループは、アルツハイマー病患者では脳の海馬と呼ばれるアミロイド蓄積が起こりやすい部分でネプリライシンの量が低下しているとの研究結果を報告した。理研の実験によると、海馬に多くアミロイドが溜まりやすいのはノックアウトマウスでも同じだった。
      アルツハイマー病は老化で起こる脳の変化が原因。脳のベータアミロイドが蓄積し、神経細胞にシミのような「老人斑」が出来る。患者の9割以上を占める「孤発性」はアミロイド分解機能が低下し徐々に蓄積し発症すると考えられている。「家族性」はアミロイドの量が増えて脳内に溜まるという。」

      ソマトスタチン(ホルモンの一種)を加えるとネプリライシンが増えた。
      運動をするとネプリライシンが増える。
  • ネプリライシンの遺伝子治療
    • 2013年、理化学研究所の西道隆臣シニア・チームリーダーらは、病気の原因タンパク質「アミロイドベータ」を分解する酵素「ネプリライシン」の遺伝子を使ってマウス実験に成功した。
    • ネプリライシン遺伝子を運び手となるウイルスに組み込み、マウスの心臓の血管に注射した。投与したマウスを5ヶ月後に観察した。
    • 脳にたまるアミロイドベータの量が約半分に減少した。
    • 迷路を使い学習・記憶能力をみると、正常マウスと同程度にまで改善した。
  • 異常なタウを正常化させる修復させる酵素・・Pin1
    • 米ハーバード大学の研究グループは、脳神経の機能を正常に保ち、障害があれば修復する作用を持った酵素を発見した。アルツハイマー病など痴呆症の治療に幅広く利用できる可能性があるという。研究グループはこの酵素の臨床応用を目指して研究を加速する。
      アルツハイマー病など痴呆症の患者の脳では、神経線維を束ねる『タウ』と呼ぶ特殊なタンパク質の形が変わり、神経細胞が情報をやりとり出来なくなって記憶障害などが起きるとされる。従来の痴呆症の治療薬はこのタンパク質に異常が起きないよう予防的に働くものしかなかったが、今回発見した酵素には、異常なタウを正常化させる画期的な働きがあるという。
      発見したのは神経細胞が分泌する酵素で。『Pin1』と呼ぶ。研究グループは、アルツハイマー病の患者の脳から取り出した異常タウに[Pin1]の溶液を加えると、約10分以内に正常タウに変化することを試験管内で確認。さらにアルツハイマー病の患者の脳では、[Pin1]の量が極端に少ないことを確かめた
  • お酒に弱い人がアルツハイマー病に罹りやすい
    • 日本医科大学の国立長寿医療研究センターのグループは2003年1/29、お酒に弱い人がアルツハイマー病に罹りやすい原因を解明した。アルコールの分解過程で働く酵素が脳に溜まる有害物質の解毒にも関わっており、この酵素の働きが弱いと神経細胞が死滅しやすくなると言う。
      日本医大・老人病研究所の太田成男所長と大沢郁郎助手らが注目したのは、体内でアルコール分解にかかわる『アルデヒド脱水素酵素2』。この酵素の働きが弱いとアルツハイマー病になる危険性が高まるという疫学調査をもとに、酵素と細胞死の関係を調べた。
      約2400人を対象に酵素の遺伝子タイプを分析。酵素の働きが弱い人では、アルツハイマー病患者の脳に溜まる『4ヒドロキシノネナール』という有毒物質のもとになる過酸化物質が多かった。
      酵素が普通に働いている培養細胞にこの有毒物質を加えても大きな影響は無かったが、酵素の働きが弱い人では、次々と細胞が死んだ。酵素が有害物質も持つことを示す成果という。
      太田所長らは細胞死をビタミンEで抑制できることも確認。
      アルツハイマー病を予防・治療する手がかりを得た。
      この酵素は体の様々な細胞で働く。
      成果は国際神経化学誌2月号に掲載
  • 糖尿病とアルツハイマー病
    • 2010年、糖尿病とアルツハイマー病はお互いに影響されあって発症を早めたり、症状を悪化させることが、大阪大学のチームがマウス実験で突き止めた。
      2つの病気を発症したモデルマウスはアルツハイマー病マウスより脳血管に炎症が起きやすかった。
      成果は米アカデミー紀要(電子版)に掲載
      大阪大学の森下竜一教授、里直行准教授、武田朱公医師らは糖尿病とアルツハイマー病の発症マウスを作製した。アミロイドβの量はアルツハイマー病マウスと同じだったが、アミロイドβの脳血管への沈着が強く起きた。
      糖尿病で増えるタンパク質(RAGE)も、アルツハイマー病マウスの約2倍、脳血管にたまり炎症も見られた。
      糖尿病になるとアルツハイマー病を発症する危険性が2倍以上になることは、国内外の疫学研究から知られていた。
  • アルツハイマー病患者の脳・・・糖尿病と同じ
    • 2013年、九州大学の生体防御医学研究所は、亡くなった人の脳を解剖した結果、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することが判明した。
    • 同研究所の中別府雄作教授によると、血糖値を調節するインスリンが脳内で働く仕組みを解明し、糖尿病状態から回復させる方法が分かれば、アルツハイマー病の進行を防ぐことができる可能性があるという。
    • 中別府教授らのチームは、福岡県久山町と協力し調査した結果、糖尿病になるとアルツハイマー病発症率が3〜4倍に高まる点に着目。
    • 65歳以上の88人を解剖すると、脳が萎縮するアルツハイマーを発症した人が26人いた。
    • さらに40人の脳の遺伝子解析にも成功。
    • アルツハイマー発症者は、糖代謝を制御する遺伝子や、インスリンを作る遺伝子が激減し、脳内が糖尿病状態になっていた。
    • また、糖尿病患者は脳内の代謝が悪いため、神経細胞が死んでアルツハイマーの発症や進行の危険因子になることも判明した。





アミロイドβ
  • 老人斑むしろ結果
    • 1999年、神経細胞が減って記憶障害などが起こるアルツハイマー病は、脳の大脳皮質などに染み出るように出来る老人斑が原因、とする説がある。しかし、国立精神・神経センター神経研究所のグループは、マウスの実験で、老人斑はアルツハイマー病の「原因」ではなく、むしろ「結果」であることを示す実験結果を得た。
      成果は5月、米医学誌ネイチャー・メディシンに発表された。
      老人斑は、βアミロイドと呼ばれるタンパク質が、大脳皮質などの神経細胞の周囲に沈着して出来る。
      アルツハイマー病の老人斑原因説に対しては、痴呆のない人の脳でも老人斑が多く見つかること、この病気で一番障害を受ける海馬に老人斑が少ないことなどから、これまでも疑問視する向きがあった。
      国立・精神・神経センター研究所の崔得華・研究員、田平武・疾病研究第6部長らは中外製薬と協力して、その変異が家族性アルツハイマー病の引き金となることで知られる[プレセニリン1]という遺伝子を、マウスに持たせるようにした。この遺伝子が変異したマウスと、変異していないマウスを2年にわたって比べた。
      その結果、変異した遺伝子を持つマウスの方が、大脳皮質や海馬の神経細胞が大きく減っていることが分かった。しかも、このマウスには、老人斑は出来なかったが、老人斑の主成分であるβタンパクは神経細胞の中に沈着していた。沈着を起こしている神経細胞の数も、遺伝子に変異がないマウスに比べて多かった。
       このことから、研究グループはプレセニリン1の変異はβタンパクを増加させるが、老人斑として沈着する前に神経細胞の中に沈着して、アルツハイマー病を起こしているとみる。
      田平さんは「老人斑は、神経細胞が死んだ結果として出ているのではないか。今後は、βタンパクが、どのように神経細胞内に沈着するかを明らかにすることで、アルツハイマー病の発症過程が分かってくる」と話している。
  • アミロイドベータの分子の集合体
    • 大阪市立大学のグループは、アルツハイマー病の発症原因について、アミロイドベータタンパク質が繊維化して脳に溜まってできる[老人斑]ではなく、[アミロイドベータの分子の集合体]であることを突き止めた。
      成果は2008年2.25付けの米神経内科学誌の電子版に発表。
      森啓教授と富山貴美准教授らは、50代でアルツハイマー病になった男性患者の脳を調べた。アミロイドベータの蓄積が無いにもかかわらず発症していた。アミロイド分子の集合体のオリゴマーが多数増え、これを引き金に神経細胞の機能低下が起こり記憶障害が起こったと考えられるという。
      アルツハイマー病患者では老人斑が見られる。主成分がアミロイドベータで、通常は分解されるが、高齢になると分解されるメカニズムがうまく働かないケースが出てくる。多く溜まると神経細胞が破壊され、記憶障害が起こるとされてきた
  • オリゴマー
    • 2010年、大阪市立大学の富山貴美准教授と森啓教授らは、アルツハイマーの発症や進行は、脳内タンパク質「アミロイドベータ」の小さな集合体(オリゴマー)が溜まるだけで起こることをマウス実験で突き止めた。
      アミロイドベータが繊維状に集まってできた「老人斑」は発症・進行とは関係なかった。
      米神経化学会誌(電子版)に4/8発表。
      姫路獨協大・兵庫医療大などとの成果。
      アルツハイマー病はアミロイドベータが脳に徐々に蓄積し発症・進行する。従来はアミロイドベータだけでなく、老人斑も関係しているという説があった。
      研究チームは老人斑が無くても発症した重症患者を調べ、アミロイドベータももととなる遺伝子に変異があるのを見つけた。そして、患者と同じ場所に遺伝子変異を持つ実験用マウスを作製した。マウスは生後8ヶ月目からアミロイドベータの脳への蓄積が増えるとともに、記憶障害が現れた。
      脳内のタンパク質「タウ」が異常になったり、神経系細胞が活性化したりする、患者に特徴的な現象も見られた。
      発症だけでなく症状の進行にも老人斑が必要ないことが確認された。
  • 球状の集合体
    • βアミロイドが直径10〜15ナノbの球状の集合体になったときに、強い毒性を発揮して神経細胞を死滅させる可能性が高いことが分かってきた
  • 銅イオン
    • 2001年、甲南大学の杉本直己教授は、アルツハイマー病の際に脳内に沈着するタンパク質(βアミロイド)の生成を、銅イオンを投与することで抑制する実験に成功した。
      治療法として人間の体に銅を投入するのは難しいが、この原理を応用した医薬品を作るのに役立つとみている。
      アルツハイマーは正常は状態ならすぐに分解されるβアミロイドが、脳に沈着して固まり、神経細胞を侵すと考えられている。杉本教授はこのアミロイドに銅イオンを混入するさせると、銅とタンパク質の一部が結合し、アミロイドの増加を阻むことを確認した。
      実験はアミロイドに反応する蛍光体、チオフラビンTの発光強度を調べる方法で実施。無添加のアミロイドでは約3時間で発光強度がゼロから13まで上がったが、銅イオンを加えたものは12時間を過ぎても強度がゼロから2の間にとどまった。
      βアミロイドの沈着が進み、発光強度が二桁に高まった後でも、銅イオンを投入すると発光強度が大幅に下がるという結果も得た。
  • 変形で毒性低下
    • 2009年、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質「アミロイドβ」が集まった線維の形状が「針型」から「麺型」に変わると細胞毒性がほとんど無くなることを、理化学研究所のグループが細胞実験で突き止めた。
      成果は4/21バイオフィジカル・ジャーナル誌に掲載。
      認知症患者のおよそ半分を占めるアルツハイマー病は、脳細胞が急速に死滅して脳が萎縮し、物忘れや判断力・思考力の低下を招く。アミロイドβが針のような線維の状態で脳に過剰に溜まると発症するとされる。
      ウシのインスリンタンパク質を高温や酸性にさらしても、仮型のアミロイド線維ができる。
      還元剤という物質を加えたところ、アミロイド線維は針状ではなく麺のような曲がった形になった。
      仮型は毒尾性が強いが、麺型は毒性がほとんど無かった。
  • アミロイドβの抗体
    • 2009年、米スタンフォード大学などのチームは、アルツハイマー病を防いだり進行を防いだりする可能性のある血液中の物質を突き止めた。「アミロイドβ」と呼ぶペプチドの抗体で、若い人には多いが、アルツハイマー病の人では少なかった
  • アミロイドベータの産生を抑える
    • 2010年、滋賀医科大学の西村正樹準教授らはアルツハイマー病の発症原因とされる「アミロイドベータ」の産生量を減らせる可能がある2種類のタンパク質を見つけた。
      アミロイドベータのもとになる物質を「はさみ」のように切断し、アミロイドベータ産生量を調節するとされる酵素「ガンマセクレターゼ」に注目。この酵素の活動を制御する分子を、人間のゲノムデータなどから探した。その結果、細胞の接着に関わる「CRB2」と、物質輸送に関与する「P24α2」の2つのタンパク質分子に酵素制御の役割があることを発見した。
      ヒトの神経細胞で実験し、2つのタンパク質を1つずつ、正常に働かないようにすると、どちらの場合も神経細胞内に産生するアミロイドベータ量が2倍以上に増えた。
  • タンニン酸
    • 2012年、埼玉医科大学総合医療センターの森隆准教授らは、樹木の樹皮などに含まれるタンニン酸がアルツハイマー病の症状緩和につながることを動物実験で確かめた。
      • タンニン酸はワインに含まれるタンニンとは性質が異なり、樹皮や葉、幹などに含まれる水溶性物質。
    • 脳にアミロイドβが蓄積する病気モデルマウスのエサにタンニン酸を混ぜて与えた。1日に体重1kg当たり30mgを6ヶ月間与え続けたところ、与えない病気マウスに比べて脳や脳血管内のアミロイドβの蓄積量が減少。物体を認識する実験では正常マウスと同様の動きを見せたほか、迷路の出口を探す実験でも改善した。
    • アミロイドβができる際には、アミロイド前駆体タンパク(APP)の端がβセクレターゼと呼ぶ酵素で切断され、さらにもう片方の端がγセクレターゼで切断される。
    • タンニン酸は最初のβセクレターゼの働きを阻害し、最終的にアミロイドベータをできにくくしていた。
    • タンニン酸はヒトでは体重60kg当たり13.6gを摂取しても中毒にならないという。
  • アミロイドベータが球状の塊になると神経細胞が死滅する
    • 2012年、星美奈子・京都大学特定准教授らは、試験管内で細胞を患者の脳内と似た条件にして培養した。30個ほどのアミロイドベータが集まった塊ができた。これを取りだして特殊な顕微鏡で観察したところ、大きさが約7.2ナノbであることが初めてわかった。
    • この大きさのアミロイドベータの塊を神経細胞の混ぜた状態で観察すると、ほぼ半日で神経細胞の半分が死んだ。この塊は患者の脳に存在することも確認した。
  • アルツハイマー病の原因物質ができる仕組み
    • 2013年、大阪大学の大河内正康講師と武田雅俊教授と同志社大学の研究チームは、従来のメカニズムと異なる仕組みを突き止めた。
    • 原因物質をつくる「γセクレターゼ」という酵素が、物質を更に分解する能力を持っており、それが発揮できないと原因物質が蓄積して発症するという。
    • アルツハイマー病は42個のアミノ酸からなる「アミロイドβ42」が脳内に蓄積すると発症する。この物質はγセクレターゼの働きでつくられることが知られている。
    • 研究チームは体内に似せた状態の試験管内にアミロイドβ42とγセクレターゼを混ぜると、β42が「アミロイドβ42」に分解されることを見つけた。
    • アルツハイマー病のモデル細胞を使い実験すろと、アミロイドβ42の分解が遅かった。そこで酵素の働きを高める化合物を入れると、分解の証拠となる物質の量が約2倍に増えた。
    • 大河内講師は「γセクレターゼが分解する前に離れたアミロイドβ42が脳内に蓄積しアルツハイマー病を引き起こす可能性がある」と指摘する。
  • アミロイドベータを分解するタンパク質・・・・sorLA(ソーラ)
    • 2014年、大阪大学の高木淳一教授らは、脳内にある特殊なタンパク質(sorLA)がアルツハイマー病の原因物質が蓄積するのを防ぐことを解明した。
    • ドイツの医学研究機関との共同成果。
    • アルツハイマー病は脳内に蓄積したアミロイドベータという物質によって神経細胞が死ぬために発症するとされる。研究グループはほ乳類の脳に多く存在する「sorLA」(ソーラ)と呼ぶタンパク質が患者では減少していることなどの注目した。
    • まず、ハムスターの細胞で実験し、ソーラを作るタイプの細胞はアミロイドベータを分解することが分かった。
    • アルツハイマー病になりやすいマウスの遺伝子を操作してソーラを大量に作るようにすると、何もしないときに比べてアミロイドベータが75%減った。



  • 脳や体への刺激がアルツハイマー病の進行を抑える仕組み
    • 独ミュンスター大学付属病院の研究者らは、脳や体への刺激がアルツハイマー病の進行を抑える仕組みを解明した。
      実験は、中にトンネルやはしごを付けたオリと付けていないオリを用意。マウスはトンネルなどで遊ぶことで、脳や体に刺激を受ける事になる。
      5ヵ月後に脳を調べたところ、刺激のあるオリのマウスの方がアルツハイマー病の原因とされるベーターアミロイドと呼ばれるタンパク質が少なかった。また、炎症を抑制する遺伝子や、不要なタンパク質を分解する遺伝子の働きは強くなっていた
  • 異常なタンパク質がたまる過程を・・・人工的に再現
    • 2010年、東京都精神医学総合研究所はアルツハイマー病やパーキンソン病で神経細胞内に異常なタンパク質がたまる過程を、ヒトの培養細胞を使い人工的に再現することに成功した。
      患者の脳の神経細胞と同じ状態を作り出せる。
      長谷川成人チームリーダーと野中隆主任研究員らの成果。
      アルツハイマー病ではタウタンパク質が、パーキンソン病では別のタンパク質αシヌクレインがそれぞれ蓄積し神経細胞を死滅させる。この現象を再現した。
  • 進行を早める物質
    • 2011年、理化学研究所などのチームは、アルツハイマー病の進行を早める原因物質を特定した。脳の組織に蓄積するペプチドの一種で、このペプチドが多いと発症年齢が早まることを確かめた。
      成果は7/4のネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に掲載。
      脳細胞が死んで脳が萎縮するアルツハイマー病は、アミロイドベータ(Aβ)というペプチドが脳の蓄積することが発症原因の1つとされる。
      Aβは長さが異なる複数の種類があり、これまでは主に「Aβ40」と「Aβ42」が研究されてきた。
      研究チームはアルツハイマー病患者の脳を詳しく調べたところ、よりアミノ酸の数が多い、「Aβ43」というペプチドも脳に蓄積していることに注目。Aβ43が過剰にできるマウスを遺伝子組み換えで作ると、アルツハイマー病の症状が急激に進むことを確かめた。
      Aβ43は脳にたまる蓄積物の「核」になり、他のAβ40やAβ42を蓄積させやすくなることを解明。
      理研と同志社大学、滋賀医科大学などとの共同成果
  • 運動療法・・・・食事より効果がある
    • 2012年、アルルハイマー病の記憶障害の改善には、食事療法よりも運動療法の方が効果が大きいことを京都大学の木下彩栄教授のグループが実験で明らかにした。
      アルツハイマー病はタンパク質「アミロイドベータ」が脳内に蓄積して神経細胞に障害を与えることが一因とされる。マウスに高脂肪のエサを与えると記憶力が悪化し、アミロイドベータが多く蓄積するとの報告がある。
      木下教授は“高脂肪食でも、運動をすればアルツハイマー病を防ぎやすく、進行も抑えやすい”と話している。
      遺伝子操作でアルツハイマー病にしたマウスに薬5ヶ月間、脂肪分60%という高脂肪のエサを与え続け、後半約2ヵ月半は回し車で運動させた。実験では、マウスの記憶力を確かめるため、あらかじめ覚えさせておいた水槽の中のゴールへ泳いで到達できる時間を測った。
      運動をしなかった高脂肪食マウスが約35秒かかったのに対し、高脂肪食で運動したマウスは約16秒だった。運動させずに脂肪分10%の不通のエサを食べたマウスは約25秒、運動と普通のエサを組み合わせたマウスは約17秒だった。
      また運動をした高脂肪食マウスは、アミロイドベータが、運動しなかった高脂肪食マウスに比べて約50%減り、運動と普通のエサを組み合わせたマウスと同じだった。



遺伝子
  • アルツハイマー病になりやすい遺伝子
    • 2010年、新潟大学の桑野良三教授らのグループは、「アポリポプロテインE-4」という遺伝子があると、アルツハイマー病になりやすいことを日本人データで確認した。
      日本人のアルツハイマー病とアルツハイマー病になる前の状態と診断がついた人と全く正常な人、合計200人の遺伝子を調べた。同じアポリポプロテインEでも、少しづつ個人差が見られ、タンパク質を構成しているアミノ酸の一部の違いから[2型][3型][4型]と呼ぶ。遺伝子は父の精子と母の卵子から1つずつ受け継ぐが、アルツハイマー病と診断された患者の遺伝子では、「2型」と「4型」、「3型」と「4型」、「4型」と「4型」が目立った。
      また、2個とも「4型」の人は発症年齢が5歳ほど若いことも分かった。
  • 原因遺伝子・・・・APP
    • 2011年、名古屋大学大学院の松本邦宏教授らは、アルツハイマー病の発症に関わる遺伝子の移動メカニズムを線虫の実験で解明し、ジャーナル・オボ・ニューロサイエンスに発表。
      原因遺伝子は「APP」と呼ばれ、神経細胞内にある。細胞中心部と末端の間を行き来し、異常が起きて末端に蓄積されると脳にシミができ、アルツハイマー病を起こすと考えられる。
      松本教授らは、緑色蛍光タンパク質を使い、線虫の神経細胞内のAPPの移動を観察。末端部分でダイニンというタンパク質がAPPを載せ、中心部に運び出していることを突き止めた。
      中心部から末端への移動の際は、キネシン1というタンパク質が「モーター」の役割を果たすことはすでに知られていた。
  • 発症を抑止する遺伝子・・・A673T
    • 2012年、アルツハイマー病の発症を積極的に抑える遺伝子が見つかった。
    • アイスランドのバイオベンチャーがアイスランド人のアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子の配列を完全解読し、アルツハイマー病発症のリスクと照らし合わせせた結果、APP遺伝子の673番目の塩基がアデニンからチミンに変異した遺伝子「A673T」を持つ人はアルツハイマー病の発症リスクが低下し、老化しても認知機能が維持されることを明らかにした。



プロスタグランジン合成酵素
  • アミロイドベータの働きを抑える酵素
    • 2009年、理化学研究所と大阪バイオサイエンス研究所のチームは、アルツハイマー病の原因タンパク質であるアミロイドベータの働きを抑える酵素(プロスタグランジン合成酵素)の詳しい構造を解明した。
      開閉するフタがついたような形で、アミロイドベータをこの中に入れていると考えられる。
      理研の宮野雅司主任研究員と大阪バイオサイエンス研の裏出良博研究部長らの成果。
  • 体内で働くプロスタグランジン合成酵素には2種類ある。
    • このうち「造血器型」はデュシュンヌ型の筋ジストロフィーとの関連が知られ、もう一方の「リポカリン型」は150個のアミノ酸からできていて脳脊髄液に多い。アミロイドベータが脳に溜まるのを防ぐ役割を担っていることが、裏出部長らの研究で分かっている。
      研究チームは、リポカリン型を結晶化し、大形放射光施設[SPring-8]などを使って詳しく解析した。その結果、開閉するフタがついたような筒状の形をしており、非常に柔らかくしなやかな構造だった。開閉するフタは上下に2個ついていた。
      酵素を合成する働きだけでなく、アミロイドベータやレチノイン酸などと強く結合する機能も備えていた。



検査
  • 血液や脳脊髄液で検査
    • 2011年、免疫生物研究所はアルツハイマー病の新しい検査キットを開発した、
    • 「ヒト血管内皮由来のアミロイド前駆体タンパク質770測定キット」はアルツハイマー患者の脳内血管に現れる「APP770」を測定する。これが特殊な酵素で切断されると、アルツハイマー病を引き起こすと考えられている別のタンパク質に変化するという。


アルツハイマー病の西洋薬
  1. アリセプト」海外38カ国で発売。
    • アリセプト錠3mg,同錠5mg,同細粒0.5%(エーザイ)
  2. 「ドネペジル」
  3. 「ガラタミン」
    • オーストリアの医薬品メーカー、サノケミア(ウィーン)が開発したアルツハイマー治療薬『ガラタミン』が急速に普及している。2001年夏にはFDA(米食品医薬品局)から販売・製造承認を取得。本格的に市販を開始。
      アルツハイマー病になると脳神経細胞間の情報伝達を担う物質のアセチルコリンという物質が減り、記憶力などに障害が出る。ガラタミンはアセチルコリンを分解してしまう酵素のアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害。さらに細胞のアセチルコリン分泌を促すニコチン受容体と呼ばれる部分の働きを活発化する作用もあり、症状の進行を遅らせる効果もある。すでに市販されているエーザイの『アリセプト』とノバルティスの『エクセロン』の2種類は、アセチルコリン分解を阻害する働きはあるが、ニコチン受容体の調節作用はないという。
      ガラタミンは<レミニール>という商品名発売、
      老人が術後に罹りやすい「譫妄」にも効果があることが分かっており、適応症を拡大している
  4. レミニール(一般名:ガランタミン)
    • 2011年3月発売。神経細胞の伝達物資の1つ、アセチルコリンを壊す酵素の阻害剤として働く。アリセプトは記憶に関連する脳内物質「アセチルコリン」の分解を抑える。レミニールはこの作用に加え、アセチルコリンが結合する細胞受容体を活性化し、神経伝達機能を強める。
  5. メマリー(一般名:メマンチン)
    • 2011年発売。アセチルコリンとは別の神経伝達物質であるグルタミン酸が神経細胞から過剰に出て、神経細胞が死滅するのを防ぐ。
      「NMDA受容体拮抗薬」と呼ばれる。神経伝達に関連する細胞のNMDA受容体に結合し、NMDA受容体からカルシウムが過剰に細胞に流入するのを防ぐ。
      アルツハイマー病が発症した場合は細胞内の「NMDA受容体」が活性化する。そうするとカルシウムイオンが細胞内へ過剰に流入し、その影響で神経細胞が傷つく。さらに、持続的な電気信号(シナプティックノイズ)が発生し、記憶を形成する神経伝達物質をかくすことがある。メマルーにはNMDA受容体の拮抗作用があり、カルシウムイオンの流入を抑えて神経細胞を保護する。また、アリセプトと同時に服用できる
  6. (アポモルフィン)・・・未承認薬
    • 2011年、国内では未承認のパーキンソン病治療薬「アポモルフィン」が、アルツハイマー病の現任とされる「アミロイドベータ」(タンパク質)の分解を促進し、記憶障害を改善させることを、九州大大学院の大八木保政准教授らのグループがマウス実験で明らかにした。
      研究では、遺伝性アルツハイマー病のマウスにアポモルフィンを1ヶ月に5回皮下注射。水槽を使った「水迷路」試験で、注射しなかったマウスに比べゴール位置の記憶力が明確に改善した。
  7. 抗ウイルス薬・・・アルツハイマー病の進行を遅らせる
    • 2012年、英マンチェスター大学のルース・アツハキ教授らは、ヘルペスウイルスの治療に使う抗ウイルス薬がアルツハイマー病の進行を遅らせる可能性を発見。
      HSV1(単純ヘルペスウイルス1型)がアルツハイマー病特有の「アミロイド斑」と「神経原繊維変化」をそれぞれ引き起こす「アミドロイドベータ」(Aβ)と「異常リン酸化タウ」(P-tau)と呼ぶ2つの関連タンパク質の蓄積の原因であることを立証。アシクロビルと他の2種類の抗ウイルス薬でHSV1に感染した細胞を処理するとAβとP-tauの蓄積が減少し、HSV1自体の増殖も減少した。
      www.manchester.ac.uk.



抗体医薬の開発・・・失敗
  • 2012年8月、抗体医薬2種類の臨床開発が失敗した。
  • 失敗した新薬候補は「バピネオズマブ」と「ソラネツマブ」。
  • いずれもアルツハイマー病患者の脳に蓄積するβアミロイドと結合する抗体医薬。
  • 患者に注射すると脳からベータアミロイドを引き抜き、アルツハイマー病の進行を抑えられるという仮説のもとに開発された医薬。
クレネズマブ
  • 米ジェネンティックが開発中の抗体医薬。
  • ベータアミロイドが線維化する前の小さな集合体(オリゴマー)に結合する。
  • オリゴマーこそが神経細胞に毒性を示し、アルツハイマー病の原因であることが分かってきた。脳内に蓄積したベータアミロイドを引き抜いても、それまでに破壊された神経細胞は復元できない。



  • 薬効を簡易判定
    • 2010年、大阪大学の大河内正康講師らは、アルツハイマー病の治療薬候補の効果を、リアルタイムで定量的に調べる簡便な手法を開発した。
      アミロイドβが脳内に蓄積すると神経細胞が死滅し、物忘れや思考力低下などを招く。研究チームはアミロイドベータを作る際に働く酵素が別のペプチド「APL1β」も作ることに注目。脳内に蓄積しないこの物質の脳脊髄液中に占める割合の変化と病気との進行が一致した。
      ヒト脳神経細胞の培養実験では、アルツハイマー病を招くタイプのアミロイドβが作られる割合が高いと、それに比例してAPL1βの割合も高まった。
      滋賀医科大学の西村正樹准教授と協力し、カニクイザルに治療薬候補を投与すると、脳脊髄液中のAPL1βの割合が減った。
      新たに作られるアミロイドβの割合が下がったと考えられる
  • イネでワクチン
    1. アルツハイマー病の予防のために「食べるワクチン」が、農業・食品産業技術総合研究機構の東北農業研究センター(盛岡市)で開発。
      遺伝子技術を使い、イネに原因物質であるタンパク質「アミロイドベータ」を組み込んである。精米して食べると体内にアミロイドベーターに対する抗体ができる。目指すのは、人間の体が持つ免疫反応をそのまま使い、抗体が体内のアミロイドベーターを次々に破壊して、病の発症を防ぐ仕組みだ。
      研究に参加するのは東京大学の石浦章一教授と東北農業研究センターの共同チーム。
      すでに遺伝子組み換え技術でピーマンをマウスに食べさせる実験で、記憶障害や異常行動を抑える結果を出している
    2. 国立療養所中部病院長寿医療研究センター(愛知県大府市)の原英夫研究員らのグループが2003年6/16、副作用の少ないワクチン(飲むタイプ)を開発したと発表。
      マウスを使った実験では副作用が無く、、半年に1回の投与で効果が持続する
  • カフェオイルキナ酸がアルツハイマー病の治療予防に効果がある
    • カフェオイルキナ酸がアルツハイマー病の治療予防に効果があることを、磯田博子・筑波大学教授が動物実験で確認した。
      • ・神経細胞を保護する
        ・認知症を改善する
      カフェオイルキナ酸を含有するものに プールでマウスを泳がせる実験。カフェオイルキナ酸を飲ませたマウスは7日後から認知症の改善が見られた。
      細胞にアミロイドベーターを加える実験でカフェオイルキナ酸を与えると脳細胞の生存率が高まった。
      研究チームは国際特許を申請している
  • 感光色素
    • 2009年、林原生物化学研究所は、CDの記録材料などに使う色素材料にアルツハイマー病の症状を改善する効果があることを発見したと発表。
      遺伝子操作でアルツハイマー病を発症するマウスを使ってテストした。
      効果を確認したのは『NK-4』という緑色の感光色素。試験管内の実験では、アルツハイマー病の既存薬と同様に、神経伝達物質のアセチルコリンを分解する酵素の活動を抑制することを確認。病状の進行を緩和させる効果があるとみられる。
      また、神経細胞を増殖させる働きもあった。
      アルツハイマー病を発症したマウスの腹腔に微量の感光色素を投与して、症状改善効果があるかどうか調べた。一部に足場があるプールに何度も入れて、足場にたどり着くまでの時間を測定した。
      感光色素を与えたマウスは与えなかったマウスに比べて1/3の時間で足場に到達できた。かかった時間は正常なマウスと同程度だった
  • 重症うつ病に使う電気療法
    • 2011年、電気刺激療法がアルツハイマー病にも有効であることを、加藤伸郎金沢医大教授と国立病院機構宇多野病院の山本兼司医師らのチームがマウス実験で確認した。
      成果は8/3のジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに掲載
      研究チームは、細胞の内外を出入りする複数のイオンの通り道のうち、細胞を死滅から守るカリウムイオンの通り道が、ベーターアミロイドの影響で必要な時に開けなくなっている現象に注目。
      ベータアミロイドが細胞内にたまるように遺伝子改変したマウスの耳に電極をつけ、電気刺激を与えたところ、通り道が開きやすくなる別のタンパク質が発現。道が開くなるようになって、細胞の死滅を防ぐことができると考えられる。



  • ひしゅか(ヒシュカ)・・・アルツハイマー病の進行を抑制
    • 2011年、京都大学の垣塚彰教授らは、アルツハイマー病の進行を抑える効果ができる漢方成分を見つけた。
    • アルツハイマー病を発症するマウスに飲ませたところ、記憶力低下を防げた。
    • 見つけたのは植物のホップに含まれる「ヒシュカ」
    • アルツハイマー病は酵素によって作られた「アミロイドベータ」(タンパク質)が、脳内で凝集したり蓄積することで神経に悪影響を及ぼす。
    • ヒシュカにアミロイドベータを作る酵素「γセレクターゼ」の働きを抑える作用があることが分かった。
    • 実験でアルツハイマー病を発症するように改変したマウスに、生後6週目からヒシュカを0.2%を含む水を飲ませ続けた。生後9ヶ月の段階で、迷路を用いたテストで調べた。


研究
1902年 ドイツのアルツハイマー医師がアルツハイマー病の女性の症例を世界で初めて報告
1984年 米カリフォルニア大学が脳にできるシミ「老人斑」の主成分がアミロイドベータであることを発見。
1992年 英国のハーディー博士らがアミロイドベータが病気の原因だとする「アミロイド仮説」をサイエンス誌に発表
1993年 米デューク大学が、発症しやすさを左右する「アポE4位遺伝子」を発見。
2002年 米カリフォルニア大学が存命中の患者の脳内アミロイドベータをPET観察
2004年 米ピッツバーグ大学がPET向けの検査薬「PIB」を開発

  • アルツハイマー病権利章典
    • 子どもではなく大人として扱われる。表現をまじめに受け止めてもらえる・・・・。
      米国の老人施設でうたわれている「アルツハイマー病患者の権利」が「癒しの環境研究会」(代表世話人、高柳和江・日本医科大学助教授)で紹介された。
      ヘリオス会病院(埼玉県川里村)の森田仁士・院長が今年1月、カリフォルニア州ヘメットにあるクリスチャン・ヘリテージ・ガーデンズを訪問した。老人中心の介護をめざす「エデン運動」に参加する約150の施設の1つで、パンフレットに「アルツハイマー病の権利章典」と「アルツハイマー病患者からのお願い」が記載されていた。
      「権利」は12条あり、ほかに、
      ▽診断名を知らされる
      ▽毎日を有意義な活動で楽しむ
      ▽定期的に屋外に出られる
      ▽よく訓練された人に世話される・・・・など。
      また、
      「お願い」は、病んでいるのは本意ではないことを強く訴え、
      ▽私のことを我慢してください
      ▽話しかけてください
      ▽尊敬をもって扱ってください
      ・・・・など10項目を挙げている

apoE-4 遺伝子の関与1割
「マサテューセッツ綜合病院の研究グループはこれまでアルツハイマー症の原因の半分を占めると考えられていた遺伝子が、患者全体の10%しか関与していないことを突き止めた。
この遺伝子は『apoE-4』と呼ばれる。マサテューセッツ綜合病院のR・タンジ博士らがハーバード大学と70歳以前にアルツハイマー症になった310家族679人の患者の遺伝子を調べたところ、『apoE-4』遺伝子の原因があると見られる患者は全体の10%しかないという
ADNI (Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative)
アルツハイマー病に関与する脳構造や脳代謝変化、脳脊髄液や血液中のバイオマーカーの研究、認知機能の変化などを検討することを目的としてアメリカNIHが組織した官民研究パートナーシップのこと。
:


【民間療法】 ○ガラナ
ミネラル →「
食事療法 サバ
色彩療法 ピンク色
  • 2010年、広島医療センターの片山禎夫・認知機能疾患科医長とシャープは、アルツハイマー病患者にとって最も「元気が出る」証明の色はピンク色であるとの研究成果をまとめた。研究に使ったのは、シャープが開発した13色に変化する発光ダイオード照明装置。アルツハイマー病患者37人と患者家族37人を対象にテスト
【宝石療法】 [パイライト]


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