| 便の潜血反応 |
| 正常値 | 陰性(ー) |
| 高値 を示す 疾患 |
●食道ガン ●食道潰瘍 ●食道炎 ●静脈瘤 ●Mallory-Weiss症候群: (病態)胃食道境界部粘膜の裂傷による出血・嘔吐が原因のことが多い。 (検査)バイタルサイン 血算 内視鏡 ●胃潰瘍 ●胃ガン ●胃肉腫 ●十二指腸潰瘍 ●クローン病 ●腸結核: (病態)結核菌による腸管感染 (検査)・胸部X線・・・結核病巣 ・赤沈・・・基準値以上 ・CRP・・陽性 ・便抗酸菌培養・・陽性 ・ツベルクリン反応・・・陽性 ・下部消化管内視鏡 ・注腸 ●特発性小腸潰瘍 ●小腸ガン ●Meckel憩室 ●大腸ガン ●大腸ポリープ ●大腸憩室炎 ●潰瘍性大腸炎 ●薬剤性腸炎 ●痔核 ●痔瘻 ●白血病 ●悪性リンパ腫 ●血友病 ●敗血症 ●Schonlein Hennch紫斑病 ●Osler病 |
| 陽 性 で も ガ ン と は 限 ら ず |
定期健康診断で大便中の潜血反応が陽性となって、要精密検査の連絡を受けた。会社指定医を受診したが、腫瘍マーカーを含む血液検査、X線、コンピューター断層撮影装置(CT)などでは異常は見られなかった。しかし、ガンの疑いは消えていないとのことで、ただでさえ蒼い顔色をさらに蒼くして大腸ファイバースコープ検査を受ける羽目になった。 結局のところ全く異常なしとの結論が得られたが、その間およそ2ヶ月。「時間、自己負担経費、そして精神的負担は決して少ないものではなかった」と私に元気よくぼやくこと、ぼやくこと。元はと言えば便の潜血反応が陽性であり、大腸ガンの急増している現状にあってこの問題は笑い話ではすまないことである。 便潜血反応が陽性であれば、「まず、痔核、裂肛、大腸のガン・ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、憩室炎などの他、胃十二指腸潰瘍・胃ガンなどを考えよ」と医学生の教科書には記載があるので、医師ならガンを疑うのが原則である。ヒト赤血球に対する特異性の非常に高いモノクロナール抗体を利用した免疫学的検査法が開発されてから、陽性なら確かに出血部があることを意味するようになった。 ところがその後、口や胃など上部消化管から明らかに出血しているのに陽性とならない場合が頻発し、その原因を調べた結果、腸管のタンパク分解酵素と細菌が作用して、反応抗原基を失わせることが分かった。この検査法は、下部消化管からに出血には強いが上部のものには弱いので、弱陽性をどう考えるかが難しくなってきた。 さらに最近、日本臨床検査自動化学会研究班が、便潜血反応試薬(試験紙)に標準規格がなく、感度が試薬間で異なっている問題を早急に解決すべきである、と検討を始めている。ある試薬で検査すると陽性でガンと考えられる患者が、別の会社の試薬では陰性で異常なしとなる可能性があるからだ。単なる大便の検査であるが、そこに潜む問題は結構多いようである。 |
| 関連情報 |
「大腸ガン」 |