ブタは臓器のサイズが人間に近く、雑食性で消化器などの構造に似ている。
- 糖尿病ブタ
- 2009年、明治大学の長嶋比呂志教授らとバイオベンチャーのバイオス医科学研究所は人の遺伝子を使い糖尿病のブタを作ることに成功した。
- 心筋梗塞ブタ
- 2009年、医療関連ベンチャーのアイビーテックは関西医科大、日本合成化学工業と共同で、ミニブタを使った心筋梗塞モデルを作製した。
従来もブタに心筋梗塞を起こす研究はあったが、開胸手術が必要でブタが死ぬ可能性が高かった。今回の手法は開胸が不要。
関西医科大の放射線科と神戸ラボがペアで開発。ミニブタに日本合成が作ったポリビニールアルコール系樹脂をカテーテルを使って注入。樹脂が一時的に心臓の冠動脈で固まって、血流を悪くし、心筋梗塞の状態を作り出す。
- Yamaton(やまとん)
- 試験管の中で作るのが難しい立体的な臓器を、完全無菌状態で勝っているブタの体内で作らせようとするプロジェクト。
- 運営を率いるのが小林英司・先端医療技術開発センター客員教授。肝臓は京都大学と、心臓は東京女子医科大学、腎臓は東京慈恵会医科大学や明治大学と組んで開発。
- 「異種再生移植医療」とよぶブタがつくるヒト臓器だが、すでにネコの腎臓をブタに作らせることに成功。
- 生まれる前の赤ちゃんブタから2〜3_ていどの後腎という部分を取り出し、大人のブタの大綱脂肪組織に移植。3〜5週間後には移植片は腎盂や副腎皮質などの機能をもつ5〜20_bの組織に成長し、周囲から血管が入り込み、尿も作り出した。
- 免疫機能を持たないブタを開発
- 2012年、農業生物資源研究所、プライムテック、理化学研究所などは6/13、免疫不全ブタを開発した。
- まず、免疫に関係する「IL2rg」の遺伝子を働かないようにしたブタの体細胞を作製。体細胞クローン技術を使って免疫不全ブタを14頭作り出した。
- これらのブタには、免疫機能を担うT細胞とNK細胞が無い。
- B細胞はあったが、外部から体に入ってくるウイスルや細菌などを撃退する抗体を作る能力を失っていた。
- 免疫機能が無いため、無菌室以外の飼育では2ヵ月ぐらいで死んでしまう。
- 14頭のうち5頭に正常な免疫機能を持つブタの骨髄を移植したところ、3頭で免疫能が回復し、1年経過しても生きているという。
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