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| 関連情報 |
「薬物中毒」「薬剤による接触皮膚炎」「血管浮腫」「発疹」「アレルギー」「薬疹」「アナフィラキシー」「無顆粒球症」「関節痛」「リンパ節腫脹」「血小板減少性紫斑病」「溶血性貧血」「肝機能障害」「好酸球増加」「不安」「ストレス」 |
| 薬剤性過敏症症候群 (厚生労働省) 英語名:Drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHS 同義語:過敏症症候群(Hypersensitivity syndrome) |
重篤な皮ふ症状などをともなう「薬剤性過敏症症候群」は、抗てんかん薬、痛風治療薬、サルファ剤などでみられ、また総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でもみられることがあるので、何らかのお薬を飲んでいて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
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1.薬剤性過敏症症候群とは?
発症メカニズムについては、医薬品などにより生じた免疫・アレルギー反応をきっかけとして、薬疹と感染症が複合して発症することが特徴と考えられています。 2.早期発見と早期対応のポイント 「皮ふの広い範囲が赤くなる」、「高熱(38℃以上)」、「のどの痛み」、「全身がだるい」、「食欲が出ない」、「リンパ節が腫れる」がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりするような場合で、医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。受診時、薬剤性過敏症症候群が疑われる場合は、血液などの検査を行い、基本的には入院が必要になります。 原因と考えられる医薬品の服用後2 週間~6 週間以内に発症することが多く、また、服用を中止した後も何週間も症状が続き、軽快するまで1 ヶ月以上を要することがしばしば認められます。 なお、医師・薬剤師に連絡する際には、服用した医薬品の種類、服用からどのくらいたっているのかなどを、担当医師に伝えてください。 |
| 1.早期発見と早期対応のポイント (1)早期に認められる症状
(2)副作用の好発時期 原因医薬品の服用後2~6 週間以内に発症することが多いが、数年間服用後に発症することもある。 (3)患者側のリスク因子 肝・腎機能障害のある患者では、当該副作用を生じた場合、症状が遷延化・重症化しやすい。 (4)推定原因医薬品 推定原因医薬品は、比較的限られており、主にカルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド(抗てんかん薬)、アロプリノール(痛風治療薬)、サラゾスルファピリジン(サルファ剤)、ジアフェニルスルホン(抗ハンセン病薬)、メキシレチン(不整脈治療薬)、ミノサイクリン(抗生物質)などがある。 (5)医療関係者の対応のポイント 皮疹は斑状丘疹型、ときには多形紅斑型から始まり、さらに全身が真っ赤になる紅皮症を認めることもある。また、発熱(38℃以上)、肝機能障害、咽頭痛、全身倦怠感、食欲不振などの感冒様症状、リンパ節の腫れを伴う。 (4)の処方を受けている患者などで、これらの症状を認めたときは、原因医薬品の服用を中止した上で、血液検査を実施すべきである。血液検査では、白血球増多(初期には白血球減少)、好酸球増多、異型リンパ球の出現、肝・腎機能障害の有無を確認する。薬剤性過敏症症候群(DIHS)の場合、原因医薬品の中止後も皮疹、検査所見、全身症状が悪化するので、皮膚科専門医に紹介し、基本的には入院加療させる。また、DIHS の特徴であるヒトヘルペスウイルス-6 (HHV-6)の再活性化を後日確認するために、受診早期の血清を保存しておくことが望ましい。 [早期発見に必要な検査項目]
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| 2.副作用の概要 薬剤性過敏症症候群は、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症と並ぶ重症型の薬疹である。発熱を伴って全身に紅斑丘疹や多形紅斑がみられ、進行すると紅皮症となる。通常粘膜疹は伴わないか軽度であるが、ときに口腔粘膜のびらんを認める。また、全身のリンパ節腫脹、肝機能障害をはじめとする臓器障害、末梢白血球異常(白血球増多、好酸球増多、異型リンパ球の出現)がみられる。 比較的限られた医薬品が原因となり、また、通常の薬疹とは異なり、原因医薬品の投与後2 週間以上経過してから発症することが多く、原因医薬品を中止した後も進行し、軽快するまで1 ヶ月以上の経過を要することがしばしば認められる。経過中にHHV-6 の再活性化をみる。 (1)自覚症状 発熱、咽頭痛、全身倦怠感、食欲不振、皮疹 (2)他覚症状 全身に紅斑、丘疹が多発し、次第に融合する。極期には顔面にも強い浮腫を伴う紅斑を認め、特に鼻孔周囲・口囲に丘疹や痂皮を認める。リンパ節腫脹、肝脾腫を認めることが多い。 (3)臨床検査値 白血球上昇(初期には白血球減少)、好酸球増多、異型リンパ球の出現、肝機能障害、腎機能障害、CRP の上昇。また、初期には免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA)の減少を認めるが、発症後3~4 週間でHHV-6 IgG抗体価が上昇する。 (4)画像検査所見 呼吸器症状をともなう場合、胸部X 線写真、単純胸部CT で肺水腫、肺炎、間質性肺炎の像をチェックする。 いずれの場合も各診療科とのチーム医療が重要となる。 (5)病理組織所見 主に真皮の炎症細胞浸潤と浮腫が認められ、ときに表皮内へ炎症細胞の浸潤を認める。 (6)発症機序 医薬品に対するアレルギー反応により発症すると考えられている。アレルギー反応に、免疫グロブリンの減少などの免疫異常が加わって、HHV-6 の再活性化が誘導されると考えられる。HHV-6 の再活性化は、発症後2~4 週間の間に生じ、発熱、肝機能障害、中枢神経障害などを引き起こす。 (7)医薬品ごとの特徴 アロプリノールが原因の場合には、腎機能障害の程度が強いことが多い。ジアフェニルスルホンが原因の場合には、黄疸を認めることが多い。 (8)副作用発現頻度 正確な統計はないが、上記の原因医薬品使用者の0.01~0.1%に発症すると推測されている。 (9)自然発症の頻度 自然発症の頻度は明らかではない。 |
| 副作用の判別基準(判別方法) (1)概念 高熱と臓器障害を伴う薬疹で、医薬品中止後も遷延化する。多くの場合、発症後2~3 週間後にHHV-6 の再活性化を生じる。 (2)主要所見
非典型DIHS:1~5 全て、ただし4 に関しては、その他の重篤な臓器障害をもって代えることができる。 (3)参考所見
(厚生労働科学研究補助金 難治性疾患克服研究事業 橋本公二研究班) |
| 判別が必要な疾患と判別方法 (1)スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症DIHS では、口腔内、口唇に軽度のびらんを認めることはあるが、出血を伴うような重篤な変化はない。また、DIHS で、ときに皮膚に水疱形成を認めるが、皮膚病理組織検査を行うことで、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症と鑑別できる。 (2)多形滲出性紅斑 主として四肢伸側、関節背面に円形の浮腫性紅斑を生じる。紅斑は辺縁が堤防状に隆起し、中心部が褪色して標的状となる(target lesion)。 ときに中心部に水疱形成をみる。病因は単純ヘルペスやマイコプラズマなどの感染症に伴う感染アレルギー、昆虫アレルギー、寒冷刺激、妊娠、膠原病(特に全身性エリテマトーデス)、内臓悪性腫瘍などがある。 (3)多形紅斑型薬疹 医薬品服用後に四肢、体幹に浮腫性の紅斑がみられる。発熱や肝機能障害を伴うことがあるが、粘膜疹は伴わないか伴っても軽症である。 (4)伝染性単核球症(伝染性単核球症様症候群) EB ウイルス、サイトメガロウイルスなどのウイルス学的検討により鑑別できる。 (5)麻疹 麻疹に特有の所見の有無とウイルス学的検討により鑑別できる。 (6)水痘 体幹に大豆大までの浮腫性紅斑としてはじまり、すぐに小水疱と化す。新旧の皮疹が混在し、個疹は数日で乾燥して痂皮となる。体幹、顔面に多く、被髪頭部、口腔内、結膜、角膜にも生じる。ときに膿疱化する。潜伏期は10~20 日。成人や免疫の低下した患者では高熱を伴い、脳炎や肺炎などの臓器障害侵襲を認めることがある。 (7)悪性リンパ腫 必要に応じてリンパ節生検を行うことで、鑑別できる。 |
| 治療方法 まず被疑薬の服用を中止する。薬物療法としてステロイド全身投与が有効である。プレドニゾロン換算で0.5~1 mg/kg/日から開始し、適宜漸減する。急激な減量は、HHV-6 の再活性化とそれによる症状の再燃を増強するおそれがあると考えられており、比較的ゆっくりと減量することが望ましい。 |
| 【症例】40歳代、男性 (家族歴):特記すべきことなし (既往歴):自律神経失調症 (現病歴): 初診1ヶ月前よりカルバマゼピンを内服開始。初診2週間前より全身倦怠感があり、その後、背部に紅斑が出現、拡大。39℃の発熱を認めるようになったため入院した。 (入院時現症): 被髪頭部、顔面には淡い潮紅があったが、眼球、眼瞼結膜には異常なかった(図1左)。 (入院3日目検査所見): 白血球 22400 /μL(好中球 56.5%、リンパ球 5.5%、単球4.5%、好酸球25.5%、好塩基球 0.0%)、 赤血球5.80×103 /μL、Hb 16.9g/dL、Ht 50.4%、血小板 25.5×104 /μL、T.bil 0.5 mg/dL、AST 49IU/dL、ALT 175 IU/dL、γ-GTP 490 IU/dL、LDH 577 IU/dL、Amy 83IU/L、CRP 6.21 mg/dL、TP 5.9 g/dL、Alb 3.2 g/dL、BUN 7 mg/dL、Cr 0.7 mg/dL、IgG 842 mg/dL、IgA 132 mg/dL、IgM 21 mg/dL、IgE30 IU/mL、CD3 71%、CD19 5%、CD4 31%、CD8 42% (臨床診断):薬剤性過敏症症候群 (入院時皮膚病理組織所見): 背部の丘疹において、表皮内には個細胞角化と液状変性が認められるが、表皮の壊死は見られない。真皮上層には、リンパ球の浸潤が認められる(図2)。 (入院後経過及び治療): 入院時より薬剤の内服を中止し、プレドニゾロン 40mg/日の内服を開始した。しかし、顔面の腫脹が徐々に増悪し(図3)、入院5日目よりプレドニゾロンを 80mg/日(0.8mg/kg)に増量した。 以後ステロイドを漸減して入院38日目に中止し、その後は再燃を認めなかった。 (ウイルス学的検査): HHV-6 DNAは、入院6日目より血清で検出され、9日目にピークとなり、13日目には検出されなくなった。抗HHV-6 IgG抗体価は9日目まで80倍であったが、13日目には10,240倍まで上昇した。サイトメガロウイルス、HHV-7の再活性化は明らかでなかった。 (原因医薬品の検討): 発症10日目のリンパ球幼弱化試験では、カルバマゼピンのstimulation indexは139%(陰性)であったが、発症後48日目には315%と陽性であった。これによりカルバマゼピンが原因医薬品であると考えられた。 |
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