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| AIDS エイズ |
acquired immune deficiency syndrome ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染による流行性伝染性レトロウイルス病で、重症例では重い細胞性免疫の抑制が顕著となる。 HIVは1980年以降に発見された5つのレトロウイルスのうち3番目のものです。レトロウイルスは逆転写酵素という酵素を持っていて、これがウイルスRNAをDNAにコピーし、そのDNAが宿主細胞のDNAに組み込まれる。HIV特有で前例のない、恐ろしい点は、われわれの免疫系を作動させて増幅させるT細胞のなかでも、とくに表面にCD4というタンパク質をもっているCD4リンパ球に好んで付着することである。いったんT細胞の中に入り込むと、ウイルス自身のRNA(遺伝子鋳型)を放出すると同時に、そのRNAを細胞自体のDNAに転写させることの出来る酵素を作り出す。その結果、変化したT細胞の子孫はすべて、ウイルスの遺伝暗号を保有し、新たな感染性ウイルスの製造工場となる。最初の感染からも、HIVは絶えず個々の感染者の体内で急速に変異を起こすので、免疫系は悪戦苦闘し、結局は負け戦となる。(ウエイン・ビドル著「ウイルスに秘められた生活」p48) ●サルは発病しない 「エイズウイルスに感染しても発病しないサルは、ウイルスに対する特殊な免疫の仕組みを持つ。 エイズウイルスに感染しても生涯発病しない「アメリカミドリザル」の血液を調べたところ、このサルではエイズウイルスの標的となるリンパ球(CD4陽性Tリンパ球)がウイルスにやられて機能を失っても、別のリンパ球(CD8陽性Tリンパ球)が失われた機能を肩代わり出来ることが分かった。筑波大の研究グループが発見。 |
| 病態 | ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によるCD4陽性T細胞の減少、免疫不全 |
| 検査 | 抗HIV抗体・・・・・陽性(初期感染後6〜8週後) CD4陽性T細胞数・・・・・徐々に減少 |
| 40分で検査 | HIVに感染しているかどうか、その場で分かる「即日検査」が注目されている。通常の検査では結果の通知まで1〜2週間かかる。 2003年、栃木県の県南健康福祉センター(小山市)が保健所として初めて即日検査を導入したところ、年間の受検者は一気に3倍に増えた。全体の1/3は県外からわざわざ来ていた。 |
| 治療薬 | ★効果的な組み合わせ 「エイズの治療に最も効果があり副作用が少ない薬の組み合わせが見つかったと、米ハーバード大学の研究グループが2003年12.11付けの米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載。 その組み合わせは、 ・グラクソスミスクライン製の『ジドブジン(商品名レトロビル)』 ・グラクソスミスクライン製の『ラミブジン(商品名エピビル)』 ・米ブリストルマイヤーズ・スクイブの『エファビレンズ(商品名サスティバ)』だった。 ●プロテアーゼ阻害剤を、FDAが認可 「米食品医薬品局(FDA)は次世代のエイズ治療薬として注目されているタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)阻害剤を、すでに認可ずみのAZTなどの治療薬と併用することを条件に認可した。免疫細胞に入ったエイズウイルス(HIV)が増殖する際に働くプロテアーゼの働きを阻害する作用があり、これによってHIVの増殖をくい止める。副作用が少ないのが特徴。」 「従来の治療が効かないエイズウイルス(HIV)感染者に、プロテアーゼ阻害剤という新種の薬2剤を使う方法が今月初旬の日本エイズ学会で発表された。一方が他方の体内濃度を上げる作用があり、医薬の常識ではむしろ避けなければならない組み合わせ。 ここ1、2年、逆転写酵素阻害剤と呼ばれる従来の薬2剤とプロテアーゼ阻害剤を使う3剤併用療法が、各国のエイズによる死者を減らす効果を上げている。だが、すでに逆転写酵素阻害剤だけを、長期間使い、薬に耐性を持つウイルスが増えている人には効果が低いことが問題だった。 そこで、米国やカナダなどで、サキナビルとリトナビルというプロテアーゼ阻害剤を併用する新療法が試されている。臨床試験では3剤併用療法と同程度の効果があるという。 『プロテアーゼ阻害剤』は、タンパク質を切るHIVの酵素にとりつき、その働きを抑える。国内では今年3剤が承認された。サキナビルは試験管内ではウイルスを良く抑えるが、体内への吸収が悪い上、肝臓で分解されてしまうため、飲んでも血液中の濃度が上がらず、効き目が低いのが欠点だった。リトナビルには薬を分解する酵素の働きを邪魔する性質があり、サキナビルが壊されるのを防ぐ。併用すると、血液中のサキナビルの濃度を平均で薬100倍に上げるという。 |
| 薬代 | 3種類以上の坑ウイルス薬を組み合わせる多剤療法が標準治療だが、ウイルスの増殖を抑え込むだけで病気が治るわけではない。このため、一生飲み続けなければならない。薬代は年間200〜300万円で、40年間飲むと医療費は1人1億円になる。 |
| HIV検査 | エイズ(後天性免疫不全症候群、AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染症である。このウイルスは、リンパ球の一種であるTリンパ球に感染し、Tリンパ球を破壊してその免疫力を損なう。この結果、重い感染症を合併したり、悪性主要を引き起こします。 ヒト免疫不全ウイルスの主な感染経路は、ウイルス感染者との性交渉、ウイルスに汚染された血液製剤の使用、感染した女性が妊娠し胎児に移る母子感染である。3〜6週間のうちにウイルスが血液の中に現れて、抗原として検出できる。さらに6〜8週間のうちに、その抗原に対する抗体が作られるようになる。 例えば体内にウイルスが侵入しても、数年〜10年程度は無症状のことが多い。その後、Tリンパ球による免疫力が激減してエイズを発病する。 エイズを診断するには、ヒト免疫不全ウイルスの抗原、または抗体を検出することが必要である。抗原については有無だけではなく、定量することによって体内のウイルスの量を推測することが出来る。エイズの重症度の判定にもつながる |
| 日本 | 先進国で日本だけ増加 エイズ患者が国内で増え続けている。専門家は性行動の大きな変化が背景にあると分析する。昨年1年間に厚生省に報告された新たな患者数は327人で過去最高を記録した。2001年の1年間で新たにエイズウイルス(HIV)に感染した患者は前年より152人(33%)増えて614人となり、過去最高を更新したことが1/31、厚生労働省の集計で分かった。 同性愛者や20〜30代の男性の感染が増えている。 ●主な感染の機会: (コンドームを使っていない)無防備な性行為。 妊婦が感染していると出産時など子供に感染。 母乳を通じた感染の可能性。 感染者を含めた注射器の共用。 ●感染しないケース: 感染者の血を吸った蚊やダニを通じて感染することはない。 感染者のセキやくしゃみでは移らない。 同じ容器の飲食物を一緒に食べたり飲んだりしても感染しない。 同じ風呂・プールに入っても移らない。 |
| 障害 | IV感染による障害 ●顔面神経麻痺(ヘルペスウイルス) ●記憶力障害(エイズ脳症による) ●歩行困難(クリプトコッカス真菌による中枢神経障害から) ●排泄障害(クリプトコッカス真菌による中枢神経障害から) ●難聴(ヘルペスウイルス) ●網膜炎による失明(サイトロメガロウイルス) |
| 和漢薬 |
「エイズ患者が罹りやすい感染症の1つ、サイトロメガロウイルス(CMV)による日和見感染症が植物エキスの和漢薬で抑えられることを、富山医科薬科大の景山誠二助教授(ウイルス学)と大阪大微生物病研究所などのグループが動物実験で確認した。試験管内の実験では、エイズウイルスの抑制作用もあった。16日から大阪府豊中市で開かれる日本エイズ学会で発表する。CMVはヘルペスウイルスの一種で病原性は弱いが、免疫力の低下したエイズ患者は、肺炎などの日和見感染を起こすことが多い。 景山助教授らは、単純ヘルペスに効く和漢薬13種類がCMVにどのくらい効力があるかマウスで実験。現在CMVの唯一の治療薬とされているガンシクロビルと同程度の効果が、「カシ」「チョウジ」「ダイコンソウ」の3種類の和漢薬で確認された。 消化管で吸収後の血漿中でも、活性を維持していた。1995.11.15《日本経済新聞》より。」 「豆腐」の大豆サポニンが有効。1996.1.24NHK「女の大研究」 |
| (HIV) |
エイズ抑制物質を発見 「ドイツと米国・イタリアの2つの研究グループが6日、エイズウィルスを感染初期に抑制する異なる免疫物質をそれぞれ見つけたと発表した。これらの物質は人間の体内の免疫システムが作り出すもので、研究者たちが長い間、探し求めていた。エイズ薬の開発研究に新しい道を開く発見と注目されている。 第一にグループはドイツのパウエル・エールリッヒ研究所のラインハルト博士らで、白血球の一種、CD8細胞から分泌されるインターロイキン(IL)16という免疫物質がエイズウィルスの増殖を遅らせることを見つけた。 クルト博士らは、動物実験の結果が有望であれば、人間への臨床試験を始めたいとしており、7日発行の英科学誌ネイチャーに論文を発表した。 もう一つの研究グループは米国立ガン研究所にいたロバート・ギャロ博士ら。同じCD8細胞によって作られる3つの物質が培養細胞の実験でエイズウィルスの感染と複製を阻害することを確かめた。論文は米科学誌サイエンス来週号に掲載される。 【注】CD8細胞はこれまで、感染初期のエイズウィルスの抑制に重要な役割を果たしていると考えられてあたが、どんな物質が働いているかはなぞだった。ギャロ博士らがエイズ抑制効果を認めた物質はRANTESとMIP1アルファ、MIP1ベータ。 |
| 長 期 未 発 症 者 |
●10年以上も発症しない 「多くの感染者が数年で発症して亡くなっていく中で、なぜ、長期間発症せず元気な感染者(7〜10%)が存在するのか。 山本直樹東京医科歯科大学教授によると「複数の要因がある」という。 <1>米国のグループが突き止めた『CD8』という白血球の関与だ。長期未発症者は多くの場合、CD8が多い。試験管実験でもCD8がHIVの増殖を抑制することが分かった。日本の調査でも長期未発症者の62%がこの白血球の値が800(1/1000ml)以上の高レベルだった。 <2>名古屋市立大学医学部の岡田秀親教授らは、免疫グロブリンM(IgM)という抗体のうち、ある特定の型が、HIVの増殖を抑制することを明らかにした。 <3>オーストラリアで14年ほど前にHIVに感染した男性同性愛者の血液で7人ほどが感染したが、本人を含む感染者全員が発症していない事例見つかった(うち2人はエイズと無関係のガンで死亡)。同性愛者のHIVは普通のHIVと違って『Nef』という遺伝子が欠損していた。この事実とハーバード大学グループのサルのエイズウイルス実験から、一つの仮説が生まれた。 サルのエイズウイルスはHIVと同様、『Nef』欠損タイプは感染しても増殖力は弱い。これを前もって投与しておけば、その後に増殖力のあるタイプを投与しても発症しないことが分かり、“エイズワクチンの可能性が検討され始めた” |
| 牛乳 | 牛乳の中の特殊タンパク質が感染防止に有効 「米ニューヨーク血液センターのロバート・ニューラス博士らが医学誌『ネイチャー・メディシン』2月号に発表した。研究はまだ試験管の段階だが、抗エイズ薬などと組み合わせて、コンドームに代わる異性間感染の防止薬を開発する手掛かりとなると話している。 博士らは。HIVが人のリンパ細胞に感染するときに、CD4と呼ばれるタンパク質と結合することに着目。感染を防ぐ為、HIVとCD4の結合を邪魔する物質を探していた。 牛乳からチーズを作る際に「乳しょう」と呼ばれる液体中のタンパクB69がCD4と結合しやすいことを突き止めた。試験管内でリンパ細胞にB69を加え、何も加えないリンパ細胞と比べたら、50〜90%の割合で感染を防ぐことが分かった。 |
| 2.6日で 世代交代 |
「米国立ロスアラモス研究所、ニューヨーク大学、アボット・ラボラトリーズの共同研究グ゛ループは、感染細胞から放出されたエイズウイルスが、別の細胞に感染、増殖して新たなウイルスが放出されてくるまでの世代交代が平均2.6日で起きていることを数学モデルを使って予測した。エイズウイルスの寿命は平均1.2日、ウイルスに感染した細部の寿命は2.2日だった。研究成果は米科学誌『サイエンス』3月15日号に掲載された。」 |
| 新タンパク質発見 | 「米国の研究グループがHIV(エイズウイルス)感染のカギを握る新タンパク質を見つけた。HIVが免疫細胞であるマクロファージに侵入す際の手助けをするタンパク質で、HIV感染に関係している 重要なタンパク質はすべて出そろったことになる。新しいエイズ治療薬やワクチン開発にも役立ちそうだ。 見つかったのは『CC CKR5』と呼ばれるタンパク質。米国立アレルギー感染症研究所、ロックフェラー大学、ニューヨーク大学医療センターをそれぞれ中心とする3つの別々の研究グループが特定した。成果は20日付け英ネイチャー誌と21日付け米サイエンス誌に掲載される。 HIVは免疫細胞であるT細胞やマクロファージの表面にある『CD4』というタンパク質に結合した後、細胞内に侵入する。これを助ける別のタンパク質の存在が10年前から予想されていたが、マクロファージについてはこれまで確認されていなかった。 T細胞へのHIV侵入を助けるタンパク質は、米国立アレルギー感染症研究所のグループが今春『フュージン』というタンパク質を発見している。 ●感染に重要な新タンパク発見 「HIVが人間の免疫細胞と結合、融合して細胞内に侵入する際に極めて重要な働きをする免疫細胞上の新タンパク質を発見した、と米国立アレルギー感染症研究所のエドワード・バーガー博士らが、10日発行の米科学誌サイエンスに発表した。これまで分からなかった詳しい感染メカニズムを解明し、エイズ治療に新しい道を開く成果と、期待される。 発見されたのは、ヘルパーT細胞とと呼ばれる免疫細胞上に有る受容体タンパク質。HIVは、人間の免疫機構の中心的な役割を担うヘルパーT細胞に感染、この細胞を破壊して免疫機構を失わせる。 これまでHIVが同細胞上のCD4と呼ばれるタンパク質を目標に取り付くことは分かっていたが、結合・侵入するためには別のタンパク質があるとされていた。 同博士らは、遺伝子工学の手法を使って新タンパク質を発見。このタンパク質に対する抗体で“ふた”をした免疫細胞はHIV感染しないことを培養細胞実験で確認した。 同博士はこのタンパク質はHIVがヘルパーT細胞に結合し、細胞内に侵入する際に“結合接着剤”や“先導役”の役目をする、と説明している。 長い間発症しない感染者の秘密はエイズ研究上の大きなナゾだったが、バーガー博士はこのタンパク質の関係があると見ている。 |
| サルの エイズウイルス 抑制 |
「米バイオ企業のギリアード・サイエンセズ社と米国立衛生研究所(NIH)、ワシントン大学の共同研究グループは、ギリアード社が合成した核酸系物質『PMPA』がサルのエイズウイルスの増殖を抑制することを確認した。 ウイルスに感染して少なくとも19週間たったサルに毎日、PMPAを体重1kg当たり30mg注射したところ、4週間でウイルスの数は99%以上減少した。副作用は認められなかったという。 |
| 発症抑制に 有望な薬 |
「名古屋大学医学部の藤井陽一講師らの研究グループは5日、エイズの発症抑制に有望な新タイプの薬を発見したと発表した。 研究グループが着目したのは、T細胞と呼ばれるリンパ球がHIVに感染した際に表面に現れる『Nef』というタンパク質。HIV感染リンパ球に正常なリンパ球が近づくと、このタンパク質の働きで両者が結びつき、正常なリンパ球を“死滅”させてしまうことを解明した。 さらに脳出血の治療薬である『塩酸ファスジル』という薬剤を投与すると、Nefの働きを妨害する事が出来、正常なリンパ球の自滅を食い止められることを突き止めた。 試験管による比較試験では、塩酸ファスジルを入れない場合、正常なリンパ球は半日でほぼ100%死滅したが、投与すると死滅はほとんど起こらなかった。加えて、HIVの増殖抑制効果があることも判明、その効果はAZTやDDIとほぼ同じという。 |
| エイズ感染防ぐ 遺伝子変異 |
「白人の100人に1人が、エイズ感染を防ぐ遺伝子変異を持っていることを、米ペンシルベニア大のロバート・ドームズ博士、アーロン・ダイヤモンド・エイズ研究センターのネーサン・ランダウ博士らのグループが突き止めた。エイズ感染を防ぐ遺伝子変異の発見は初めてで、エイズ予防薬の開発に道を開く可能性が出てきた。英科学誌ネイチャー8月22日号に掲載される。 同グループによると、この変異を持っているのは白人だけで、黒人や日本人からは見つかっていない。 エイズウイルス(HIV)は人間に感染する際、白血球の表面のある種のタンパク質を標的にする。変異が見つかったのはこの内の1つ、『CKR5』と呼ばれるタンパク質を作る遺伝子。遺伝子の一部に変異がある為、正常にCKR5を作れず、HIVの標的にならないことが分かった。変異を持つ人は、エイズ感染に対する抵抗性が極めて高い、という。 |
| SNP | 発症遅らせる遺伝子変異 「厚生労働省研究班(班長・岩本愛吉東京大学教授)はエイズに感染しても発症しにくい遺伝子の変異を発見した。日本人の約16%がこの遺伝子変異を持っている。 研究班はエイズウイルスに感染した人の遺伝子を解析して、免疫細胞の一種であるリンパ球のタンパク質の遺伝子に変異(一塩基多型)があるのを突き止めた。 エイズは病原菌などの外敵と闘う能力を持ったリンパ球がエイズウイルスに攻撃されて、その数が激減して発症する。ウイルスに感染してから発症するまでの期間は早くて2〜3年、平均10年程度。 遺伝子に変異がある人は、ウイルスの攻撃からリンパ球を守るRANTESというタンパク質が大量に作られる。このため、リンパ球の減り方が半分程度になり、人によっては病気の進行が2倍ぐらい遅くなるという。 |
| リ ン パ 球 減 少 |
●エイズのリンパ球破壊手口 「エイズの大きなナゾはリンパ球の大幅な減少です。リンパ球が減る免疫力が弱まるので、細菌やウイルスが体内で大暴れし、ガンも出来やすくなります。これまでの研究で、エイズウイルスはある種のリンパ球に感染、どんどんウイルスを作って最終的には感染したリンパ球を死なせることが分かっています。しかし、感染リンパ球が死ぬだけではエイズになるほどの減少は起きません。 研究者は感染リンパ球が正常なリンパ球を何らかの方法で殺しているとにらんでいます。その1つが感染リンパ球が毒を作ると考える「毒殺説」ですが、まだ研究中です。名古屋大のグループが明らかにしたのは、もっと巧妙な殺しの手口でした。 「まず感染リンパ球の表面に「Nef」と呼ぶ特殊なタンパク質が現れ、これが介在して正常なリンパ球と結びつきます。そして「死になさい」という信号を相手に送るのです。 一般に細胞には自殺プログラムが組み込まれていて、細胞が役割を終えるとプログラムが発動して死にますが、これを強制的に起こす訳です。」 Nefタンパク質が正常リンパ球とくっつくのを邪魔する物質も見つかりました。この物質を与えると正常リンパ球が死なない上、ウイルス増殖も抑制されることが分かりました。 研究グループは感染リンパ球がNefタンパク質を介して殺しの指令を送る他、ウイルス生産の為のエネルギーを同時に吸い取っているとみています。 |
| ワクチン | BCG利用エイズワクチン 「結核予防ワクチンのBCGを利用して開発したエイズワクチンで猿の感染を防止出来ることを日本の国立予防衛生研究所の本多三男・エイズ予防治療室長らが確かめ、10日、第11回国際エイズ会議で発表した。 世界のエイズワクチン研究の中でも今後臨床応用への期待が持てる成果で、会議でも高い関心を集め、国連のエイズプログラムの責任者は研究を支援する方針を決めた。 本多室長らは、BCGに使われる菌体に、遺伝子工学の手法を使って人間のエイズワクチンの表面タンパク質の一部を組み込んだワクチンを2匹の猿に接 種。約半年後に、HIVと猿のエイズウイルス(SIV)の性質を合わせ持つキメラウイルスを感染必要量の20倍を注射し、感染の有無を調べた。 その結果、1匹は血中ウイルスが完全に消え、もう1匹はわずかにウイルスが残っていたが、感染を食い止めたことを確認した。 専門家によると、猿の実験でこのようにほぼ完全な感染防止効果が確認出来た例は少ない。本多室長は、ワクチン接種により、エイズウイルスと闘う主力であるT細胞だけでなく、マクロファージと呼ばれる免疫細胞の免疫力を高めた為、と見ている。研究グループは、さらに研究を続けて人間への臨床応用を始める計画。 |
| 東京大学バイベンチャーの「ディナベッグ」が国立感染症研究所などと開発したエイズワクチンの臨床試験を2010年に海外で始める。 鼻の中にスプレーするとエイズウイルスに感染した細胞を攻撃する免疫細胞が増える。 ワクチンを予防接種すれば、ウイルスに感染しても発症や他の人への感染を抑えられる。 サルへの投与実験で6割が感染してもウイルスが増殖せず、発症しなかった。 |
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| 3剤 併用 |
3剤併用で回復 「12月1日は世界エイズ。9回目の1996年、エイズウイルス(HIV)感染者は、希望を持ってこの日を迎えられそうだ。7月の国際会議で話題になった新薬を組み合わせた「3剤併用療法」が米国で実用化され、その後出た「第三の新薬」も加わって劇的な効果をあげている。日本でも未承認の新薬がこの夏から治験の形で使われ、「症状の進んだ感染者でも免疫が回復する」と専門家らは驚く。課題はあるが、「死の病」に小さいが確実な希望の灯りがともった。 死の手前で!!「今、2つ目の人生を生きているようなものです」。ワシントンのエイズウイルス感染者支援団体「エイズ・アクション」で、ボランチアをしているジェフ・ブルームさん(37)はいう。 感染を知らされたのは9年前。4年後の1991年、突然、足が硬直した。下半身の神経が侵され出し、次第に症状は悪化。2年後にはトイレに1日60回も行くようになり、下半身の激痛は1日中続いた。ついには歩けなくなった。そんなとき、ジョンズ・ホプキンス大学から治験の申し出があった。症状が飛躍的に改善したのは昨年、「3剤併用療法」が始まってから。第一世代のエイズ薬のAZTと3TCに第二世代のプロテアーゼ阻害剤を加えるこの療法は、7月にカナダであった国際エイズ会議でも報告され、話題になった。 血液1ml中のウイルスは88000個から520個に減少し、歩けるようになった。「3年前は1、2年も生きられるかどうかと思っていた。今は働くことも出来るし、生活を楽しめる」 悩みは薬代だ。いま飲んでいる薬は、年間12000〜15000ドル(日本円で薬140万〜170万円)。ほかの薬を含め2万ドルにのぼる。 ●第三の新薬。 米国では6月、非酵素系逆転写酵素阻害剤という新種の治療薬も承認された。これまでの薬と違って大量に飲め、ウイルスに大きな打撃を与えることが出来る。第一世代の薬と併用して感染者の約7割でウイルスがほとんど消えたという。 日本では第一世代の3剤しか承認されておらず、プロテアーゼ阻害剤などの新薬は承認申請中だ。だが、受けられる条件を緩めた拡大治験の形、この夏から希望者は全国の拠点病院でこれらに新薬による治療が受けられるようになった。9月に広島代付属病院を訪れたある男性は,ウイルスは血液ml当たり23万個、免疫力の目安CD4値は78と発病してもおかしくない状態だった。3剤併用療法を始めると、2週間後にウイルスは検出出来なくなり、CD4も200を超えた。 担当した同病院輸血部の高田昇・副部長は「戦後、結核が抗生物質で治療出来るようになったぐらいの衝撃」と評価する。 白阪琢磨第五内科医長によると、米国では、死ぬのを待つしかないエイズ末期の脳症が治った例もあるという。厚生省の「HIV感染症治療薬の開発促進に係る研究」班長、福武勝幸・東京医科大教授(臨床病理学)は「1年程度の中期的な臨床結果で生存率は明らかに上がっている」という。 |
| 発症を抑制する 遺伝子発見 |
「京都大学医学部の本庶祐教授と田代啓助手は20日、エイズを発症しにくい遺伝子を持つ人がいることを見つけたと発表した。免疫力を高めるタンパク質の遺伝子が違うとエイズウイルス(HIV)に感染しても発病が遅くなるという。同じような発見は世界で3番目。発症を抑える薬の開発につながると期待されている。 研究は米国のエイズ患者2800人の調査から明らかになった。血液を採り、免疫細胞の1つであるT細胞の働きに関わる『SDF-1』というタンパク質を調べた。SDF-1はHIVの感染を抑える効果が分かっており、エイズの発病にも関係するとして注目されていた。 その結果、タンパク質の設計図である遺伝子DNA(デオキシリボ核酸)の801番目の塩基に違いが見つかった。その塩基がA(アデニン)のタイプの感染者はG(グアニン)の人に比べて発症が遅かったという。Aタイプで7年以内に発病したのは僅か2%だった。 詳しい仕組みは分からないが、Aタイプの人の方が体内でSDF-1がたくさん作られ、HIVがT細胞に感染しにくくなっているのではないかと言う。 同じようにエイズの発病を遅らせる遺伝子は米国立がん研究所のチームが 『CCR5』を見つけているが、それに比べて発症を抑える効果は約3倍あるという。」 |
| 母子感染 | 母親からエイズウイルス(HIV)に感染した子供の1/3が死亡、発症例を合わせると半数以上に達することが厚生労働省研究班の調査でわかった。 一方、妊娠中に母親のHIV感染が判明しても適切な処置を行えば母子感染を予防できる。 また、感染女性が通常の経膣分娩では29.4%が感染したが、帝王切開では1.6%が感染したにすぎなかった(2003年度日本産婦人科学会) |
| 増加 | 2004年、新たにエイズウイルス(HIV)に感染した人とエイズを発症した患者は1114人で、増加に歯止めがかからない。 2005年度に、患者累計が1万人の大台を突破。新たに感染が判明するのは20代、30代が圧倒的に多い。3種類異常の坑ウイルス薬を組み合わせる多剤療法が標準治療だが、ウイルスの増殖を抑え込むだけで病気が治るわけではない。このため、一生飲み続けなければならない。薬代は年間200〜300万円で、40年間飲むと医療費は1人1億円になる。 |
| 多剤耐性 | 多剤耐性エイズウイルス(既存の薬が無効)にも高い効果を示す坑HIV薬『ダルナビル』を、満屋祐明・熊本大学教授と米パヂュー大学のアラン・ゴーシュ教授らの研究チームが開発。 2006年8/14までにFDA(米食品医薬品局)が治療薬として承認した。FDAは約半年のスピード承認。薬はベルギーのティボック社が製品化した。 満屋教授は世界初の坑HIV薬「AZT」の開発者。 臨床試験の結果は2006年8/13からカナダで開かれている国際エイズ会議で発表。 「ダルナビル」は、エイズ治療に広く使われているプロテアーゼ阻害剤(PI)の一種。ゴーシュ教授が合成し、満屋教授が生体内での効果を確認。 プロテアーゼはHIVに含まれる酵素で、HIVの増殖に必要なタンパク質を切断するハサミの役割を持っている。プロテアーゼ阻害剤は酵素に付着してハサミを切れなくし、HIVの増殖を止める。 既存のプロテアーゼ阻害剤は、酵素の成分であるアミノ酸の末端に結合する性質があり、HIVの遺伝子が変異してアミノ酸が変わると効果を発揮出来ない弱点があった。これに対しダルナビルは、アミノ酸が変わっても影響ない場所に結合するため耐性ができにくい。 3剤併用でも効果が出ない患者に朗報。 |
| 関連情報 |
「免疫機能不全」 「アポトーシス」 |