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嚥下困難
(飲み込みにくい)






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嚥下障害 dysphagia
嚥下困難
喉の機能の衰えがひどくなると
  • 高齢者は自律神経の衰えなどから、喉の飲み込む機能が低下しがち。
  • 窒息による死亡事故は約1万人で交通事故死よりも多い。
  • 喉の機能の衰えがひどくなると、介護食に切り替えるか胃ろうが必要になる。

嚥下障害を引き起こす疾患
  1. アカラシア
  2. 扁桃炎
  3. 咽頭膿瘍
  4. 食道圧迫
  5. 食道異物・・・・・魚骨など
  6. 食道炎
  7. 食道ガン
  8. 胃幽門部ガン
  9. 瘢痕性食道狭窄
  10. Zenker憩室







嚥下
嚥下
  • 口腔の中に取り込まれた食べ物や飲料水を、口腔から咽頭・食道を経て胃に送り込む反射性の運動を嚥下という。
  • この反射は脳の延髄で制御されている。
  • (蠕動運動)
  • 嚥下で口の中から食塊を胃へ押しやる働きの原動力は、食塊にかかる圧力である。
  • 食塊は上から押され(陽圧)、下から引っ張る力(陰圧)を、受けて動く。
  • この食物の上下に出来る圧の差(圧差)は、筋が順序よく収縮することでつくられる。この運動を特に蠕動運動と呼んでいる。



嚥下の課程は、3相に分けられる。
  1. 第1相(口腔相)
    • 口腔→咽頭
    • 随意的運動
    • 食物塊は舌背部と咽頭にある神経終末を刺激する
      1. 遠心性神経は舌底部と口腔底の筋肉を収縮させる。
        • (作用)
        • 舌は硬口蓋に対して上後方に引き上げられる。
      2. 横隔膜と肋間筋を抑制する
        • (作用)
        • 食物塊は咽頭に入る。
        • 呼吸は抑制される。
    • 神経支配は・・・三叉神経、舌下神経
  2. 第2相(咽頭相)
    • 咽頭→食道入口
    • 不随意的運動
    • 食物塊は咽頭の粘膜上皮中の神経終末を刺激する。(嚥下反射期)
      • (作用)
      • 遠心性神経は、咽頭璧の筋肉を収縮させ、食道へ食物塊を送り込む。
      • 軟口蓋は、食物が鼻に入るのを防ぐために、持ち上げられる。
      • 喉頭璧は、気道を保護するために持ち上げられる。
      • 舌は、さらにずっと後方にまで引き寄せられる。
    • 神経支配は・・・
      • 舌下神経、
      • 迷走神経、
      • 三叉神経、
      • 舌咽神経
  3. 第3相(食道相)
    • 食道入口→胃
    • 不随意的運動
    • 食物塊は食道壁内の、神経終末を刺激する。
      1. アウエルバッハ神経叢(消化管の筋層の中に分布する神経叢)は食道の筋層を刺激する。
  • (作用)
  • 収縮の蠕動運動の波は噴門括約筋に向かって食物塊を送り込む。
  • 迷走神経の働きで、噴門括約筋が弛緩し、胃に食物塊が入るようになる。



呼吸と喉頭蓋

嚥下と喉頭蓋





(副作用で嚥下困難になる医薬品)
  • 「アナフラニール」「インプロメン」「エビリファイ」グラマリール「コントミン」「ジェイゾロフト」「セレネース」「タキソテール」「ダントリウム」「テグレトール」「デジレル」「ドグマチール」「トレドミン」「ニューレプチル」「ヒルナミン」「フォサマック」「ベゲタミン」「ボナロン」「ランドセン」「リスパダール」「ルジオミール」「レベトール」「ロドピン」


食べた物を飲み込む力を正確に測る
  • 2010年、大阪大学の小野高裕准教授と新潟大学の堀一浩准教授、ニッタは、薄いセンサーを口の中に張り、食べた物を飲み込む力を正確に測るシステムを開発した。


微弱電流で治療
  • 2015年、兵庫医科大学の越久仁敬主任教授は、嚥下障害の新しい治療法を開発した。
  • ノドに電極を付けて特殊な微弱電流で神経を刺激し、食べ物を飲み込むタイミングを早めて嚥下障害を改善する。
  • 2種類の周波数の電流を干渉させて特殊な電流をつくる。
  • 電流は3㍉㌂以下で、患者の皮膚に痛みは生じない。


赤外線で検査
  • 慶応義塾大学発ベンチャーが開発。
  • 検査を受ける高齢者は装置の前で食べ物を食べるだけ。
  • 500点以上の赤外線を喉に照射し、喉の動きに合わせて動く点の位置を計測する。
  • 装置は人への接触が無い非侵襲。
  • 1日何回でも検査できる。





嚥下困難の漢方薬
  1. 桔梗湯
  2. 呉茱萸湯
    1. 噎膈(イッカク):嚥下困難を主訴とする病気。食道癌なども含まれる
    2. 噎膈、反胃、皆用いるべし。ただ嘔して胸満するを以て的証となす。《陳修園》
  3. 生津補血湯
  4. 当帰芍薬散
  5. 半夏厚朴湯
    1. 噎膈(嚥下困難を主訴とする病気。食道癌なども含まれる):軽症に:「+浮石」《勿誤薬室方函口訣》
    2. 脳血管障害患者の嚥下反射を改善し肺炎を予防する可能性がある。(EBM)
    3. 《原南陽》の事例から。ある武士の婦人で、急に積(下腹部から上に差し込む)を患い、飲食物が口に入らなくなったので、夜中に、自分の門人に往診を乞うてきた。診てみるに、脈は平穏で変わったところはないが、水が1滴でものどに下ると、悶え苦しんで、死ぬのではないかという状を呈する。腹は膨満している。そんな状態であるから、薬を進めることも出来ない。
      門人は帰ってきて、自分に、どうしたら良いかと尋ねた。自分は喉痺ではないかと尋ねたところ、そうではありません。のどに痛はありませんと言う。看病人に聞いてみるに、昨日、草餅を食べてから発病したので、初め1医官に治を乞うたが、反って悪くなってしまったということであった。門人は、きっと食べ過ぎでしょうから中正湯をやっておきます。明日どうぞ診察をお願いしますという。
      そこで翌日、往診してみるに、1医官の薬はのどに下りかねて、吐こうとしたが出ず、うんと汗をかいて苦しんだが、後門弟の方の薬は、それほど苦しくはなく、やや苦痛が薄らいだという。しかしたった1滴で、のどを潤しただけだという。湯でも水でも1滴飲んでも腹から鳩尾に突き上げてきて苦しいので、ただ何もしないでじっとしているだけですという。診てみるに異常を発見しない。そこで試みに水を与えたところ、のどを下ると、むせるようである。鼻孔へ出るかと問うに、一度もそんなことなない。しばらく苦しんでいるうちに下るという。病人に聞いてみると痛はない。何かのどにある心地がするという。看病人は3、4人集まって、鳩尾を撫でたり、背をさすったりして、汗を流している。それらの人が云うのに、鳩尾に何か逆上してくる物があり、その勢いで腹が脹るので、とにかく喉中に病気があるらしい。しかし、喉部には変わ ったところがない。こんな風で、処方に困って、半夏厚朴湯を与えたところ、やや軽快し、また与えたところ、3、4日で治ってしまった《大塚敬節》
  6. 茯苓杏仁甘草湯
    1. 嚥下困難に咽喉痛を兼ねるもの、喘咳を兼ねるものなどによく、利膈湯に合して用いる、また茯苓杏仁甘草湯の甘草の代わりに、桑白皮を入れたものを、破棺湯と呼び、これも咽喉痛、喘咳などがあって、嚥下困難のあるものによい(漢方診療医典)
  7. 附子湯
  8. 利膈湯
    1. 古人は膈噎(嚥下困難を主訴とする病気)に利膈湯を用いると百発百中の効があると述べている。膈噎は食道ガンや胃ガンのように、食物を吐いておさまらない病気の総称。嚥下困難、嘔吐を訴える患者に利膈湯+甘草乾姜湯や利膈湯+茯苓杏仁甘草湯を用いると、ひどく衰弱している者でなければ、嚥下が楽になり、食物がおさまるようになる。(漢方診療医典)
  9. 苓桂朮甘湯








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