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| 万能細胞 | iPS細胞 | ES細胞 | クローンES細胞 |
| もとになる細胞 | 皮膚などの体細胞 | 受精卵 | 体細胞と卵子 |
| マウス実験 | ○ | ○ | ○ |
| ヒトでの実験 | ○ 2007/11成功 |
○ | × |
| 拒絶反応の有無 | なし | あり | なし |
| 今後の課題 | 発ガン性など 安全性の確認 |
受精卵を破壊、 倫理問題 |
クローン人間 につながる |
| 未受精卵から | 受精していないサルの卵子を、受精した通常の胚のように人工的に分裂(単為発生)させて生育し、取り出した細胞(胚性幹細胞=ES細胞)を神経や筋肉など体の様々な部分の細胞に分化させることに、米バイオ企業アドバンスト・セル・テクノロジー(ACT)社などの研究チームが世界で初めて成功した。多彩な分化能力を持つ細胞としては、これまで受精卵から作ったES細胞にもっぱら期待がかかっていたが、それに代わる可能性があるとしている。 2002年2/1付けの米科学誌サイエンスに掲載されるこの手法は、特別に作った細胞で傷んだ臓器や組織を治療する再生医学の研究の一環として同社が開発。子供に育つ可能性がある受精卵を壊して取り出す現在のES細胞作りには倫理的な側面から反発する声があるため、それを回避してES細胞を得られるのが特徴という。 研究に成功したのは、ACTと米ウエイク・フォレスト大学などのチーム。77個のサルの未受精卵を特殊な化学物質とともに培養したところ、うち4個が分裂間もない「胚盤胞」まで成長。これらの胚盤胞の中から、安定して分裂を続ける細胞を取り出した。これらの細胞は10ヶ月間も増え続け、さらにこれらの細胞の能力を足しかねるため、様々な条件で培養したところ、神経細胞や計勝つ筋細胞、脂肪細胞、一定のリズムで収縮を繰り返す心臓に似た細胞などに分化。受精卵から作ったES細胞と同じ能力を持っていることが確認できた。 同社は2001年11月、人の体細胞の核を未受精卵に移植してヒトクローン胚を作成したとし、さらに単為発生により、人の胚を作ることにも成功したと発表。だがES細胞が採れる胚盤胞まで育っていない段階での発表だったため、「不十分な成果ではないか」との声が挙がっていた。 |
| 末梢神経 | 2003年4月、サルの「胚性幹細胞(ES細胞)」から、痛みや熱さを感じる末梢神経細胞を作ることに理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)が成功し、病気や事故で失った神経細胞を再生する新しい治療法につながる可能性がある。 研究に成功したのは同センターの笹井芳樹グループ・ディレクターら。 まず、ES細胞をある程度まで培養し、神経細胞の元になる神経を作った。ついで、培養液に末梢神経になるように促すタンパク質を加えた。すると、痛みなどを感じる知覚神経や、臓器の動きなどを制御する自律神経ができた。 「培養液に『BMP4』というタンパク質を加えて培養を続けたところ、約1週間後に末梢神経細胞の一種である知覚神経と自律神経細胞うができた。BMP4は受精卵が分裂してできる胚の中で、末梢神経の細胞が生まれる部分に存在する。 研究チームは神経の元になる細胞に『Shh』というタンパク質を加えると、ES細胞から運動神経ができることも確認。何も加えずに培養を続ければ、ドーパミンを分泌する中枢神経の細胞ができることも3年前に突き止めている。 |
| ヒト ES細胞 |
京都大学再生医科学研究所(中辻憲夫所長)は、2003年5/27、人間の様々な臓器や組織に育つ能力を持つヒト胚性幹細胞(ES細胞)を国内で初めて作製したと発表した。 |
| ガン化 | ■ガン化の遺伝子 2003年、奈良先端科学技術大学院大学の山中伸弥・助教授らは、様々な臓器や組織の元になる胚性幹細胞(ES細胞)がガン化する際に働く遺伝子を動物実験で突き止めた。 研究チームはマウスのES細胞と普通の細胞で働いている遺伝子をコンピューターで比較・解析し、ES細胞に特有の遺伝子を割り出した。『ESas』と名付けたこの遺伝子はガン遺伝子と似た構造をしており、皮膚細胞に組み込むとガンを作った。この遺伝子を破壊したES細胞をつくってマウスに移植したところ、ガンはほとんど出来なかったという |
| 万能性 遺伝子 を特定 |
2003年、奈良先端科学技術大学院大学の山中伸弥助教授らは、様々な臓器や組織に成長する能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)の「万能性」を引き出す遺伝子をマウスで特定した。この遺伝子を利用すれば、筋肉などの細胞をあらゆる細胞に成長させられる可能性がある。研究チームはこの遺伝子を『Nanog』と名付けた。 この遺伝子を破壊すると、ES細胞は万能性を失い、別の細胞に変わってしまう。一方、この遺伝子を増やすと、ES細胞の万能性はさらに高まり、分化の過程で「他の細胞に変化せよ」という指令を受けても万能性を保ち続けた |
| 白血球を 幹細胞に |
2004年、英国のバイオベンチャー企業「トライステム社」は、血液中から採取した白血球をあらゆる細胞に成長する可能性を持つ胚性幹細胞(ES細胞)に似た幹細胞に変える技術を開発した。 不妊治療で余った受精卵などを使わないですみ、倫理的な問題が無い。 本人の血液を利用するため拒絶反応も起きない。開発したのは『レトロディファレンシエーション』と呼ぶ技術。受精卵では1個の細胞が次々に分裂して最終的に血液や神経・心臓など臓器の細胞に分かれる。この道筋を逆にして分化した細胞を様々な細胞に成長する可能性を持つ幹細胞に戻す。 新技術は患者から血液を採取して白血球だけを取り出す。白血球を含む液にモノクロラール抗体というタンパク質を入れると、白血球が分化と逆の反応を起こし、万能細胞に似た幹細胞に変わった。モノクロラール抗体は白血球の表面にある「組織適合性クラスU」というタンパク質に結合。分化とはぎゃむの脱分化という反応を起こす。 最後にモノクロラール抗体を洗い流せば、白血病などの治療に使える幹細胞を得られる。 |
| 汚染 | 画期的な再生医療のカギを握るヒト胚性幹細胞(ES細胞)の臨床応用研究が、仕切なおしに直面している。 口火を切ったのは2005年1/13にネイチャー・メディシン誌に発表された論文。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部と米国ソーク研究所のグループが、米国政府が研究を公認しているヒトES細胞22株が動物由来の糖鎖に汚染されていて、臨床応用には問題があると指摘した。 米国の他、スウェーデン・韓国・中国・オーストラリア・シンガポール・英国では50株以上のヒトES細胞株が樹立されているが、同様に汚染の可能性がある。 UCSDなどグループによれば、ヒトES細胞はマウスの線維芽細胞や牛血清に存在しているがヒトには存在していない糖鎖『N-グリコシルニューラミック・アシッド(Neu5Gc)』を培養中に細胞内に取り込み、細胞表面に露出させる。 正常人でも(Neu5Gc)に対する抗体を持っており、現在地球上にあるヒトES細胞株から作った神経細胞やすい臓細胞を患者に移植した場合、免疫系が異物として認識し拒絶反応もしくはアレルギー反応が起こる可能性が濃厚になった。 もともと他人のヒトES細胞は拒絶反応を起こすと考えられていたが、2004年3月に韓国ソウル大学が自分の体細胞の核からES細胞を樹立する技術を開発し、問題解決の見通しを示したが、培養法で足をすくわれた格好だ。 日本では京都大学が樹立したヒトES細胞3株だけが存在するが、いずれも動物由来の糖鎖に汚染されている。 |
| 神経細胞 | ■ES細胞から神経細胞 2000年、京都大再生医科学研究所の笹井芳樹教授と協和発酵工業らの研究グループは25日、あらゆる組織や臓器の細胞に変化し得る能力を持つマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、神経伝達物質のドーパミンを分泌する神経細胞を効率よく作製する方法を開発した。 |
| 生殖細胞 | 2000年、三菱化学生命研究所のチームはマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から精子や卵子の元になる始原生殖細胞を作る実験に成功した。ES細胞はあらゆる臓器や組織に成長する能力を持つが、人為的に始原生殖細胞に育てたのは初めて。 マウスの受精卵に注目して研究を進め、ES細胞が始原生殖細胞に育った段階で初めて働き出す『Vasa遺伝子』を発見した。 さらにVasa遺伝子が働き出すと光って見えるようにES細胞を遺伝子操作したうえで培養したところ、3日目に1000個のES細胞当たり1個の割合で光る細胞を確認した。その後、成長ホルモンを分泌する細胞を加えて一緒に培養を続けた結果、50〜100個に1個の割合で光る細胞が取り出せた。 これらの細胞が本当に始原細胞かどうか確認するため、成熟したマウスの精巣に移植したところ成長を続け、精子を作り出したという。今後はこの精子と卵子を受精させて受精卵に育つかどうかを確認する。 |
| 韓国 ES細胞 |
韓国の大手テレビ局(MBC)は2005年12/15夜、患者の皮膚細胞からクローン技術でヒト胚性幹細胞(ES細胞)をつくったと発表していた黄禹錫(ファン・ウソク)ソウル大学教授らの研究について、「ES細胞は存在せず、黄教授らは論文の撤回に同意した」と報道した。共同研究者が事実上、論文のねつ造を認めたこと受けたもの。 黄教授らの研究成果は米科学誌サイエンスに掲載されている。しかし、最近になって、研究員による実験用卵子提供という倫理問題が発覚したのに続いて、研究成果そのものの信憑性に疑惑が急浮上していた。 |
| 培地を改良 | ES細胞を培養するには通常、フィーダー細胞としてマウスの線維芽細胞を培養皿の底に敷き詰めるほか培養液としてウシ血清を使う。マウスの細胞やウシ血清に含まれる成分や栄養がES細胞に供給され、未分化状態を保ったまま長期間の培養が出来るようになる。 ところが、こうして培養したES細胞はマウスやウシの未知の物質を吸収している可能性がある。このため、このES細胞で作った臓器や組織を患者に移植した場合、患者が未知の病原体に感染する恐れが出てきた。そのため、動物の細胞を使わない培養技術が必要だった。 神奈川科学技術アカデミー(KAST)などが、ES細胞(胚性幹細胞)を安全に培養できる新しい培地を開発した。ヒトの羊膜を使った培地で、サルのES細胞を使った実験で安全性を確認した。 新培地を開発したのは、KASTの伊藤嘉浩研究室長と首都大学東京、国立がんセンターなどグループ。フィーダー細胞として一般的なマウスの細胞の代わりにヒトの羊膜を使った。 まずシート状の羊膜を細胞1個づつに分解。 次に遺伝子を改変して半永久的に培養できるようにした。 羊膜細胞は自然に増殖するようになり、ここから培地の材料に適した細胞を採取した。 さらに、羊膜細胞を培養皿の底に並べて、薬剤やエタノールを加えて細胞が腐らないようにした。 その上にES細胞をのせて培養する仕組み。 カニクイザルのES細胞を使って実際に問題なく培養できることを確認した。 |
| 肝臓へ移植 | 京都大学再生医科学研究所は、あらゆる組織・器官に成長する万能細胞『ES細胞(胚性幹細胞)』からつくった肝臓の細胞をマウスに移植し、症状が改善した。 石井隆道研究員と中辻憲夫教授らは、マウスのES細胞を約10日間培養。成長して肝臓に特有の遺伝子を持つようになった細胞だけを選び、肝障害を起こしたマウスに移植した。ES細胞は移植後7日目では肝臓の一部に存在するだけだが、35日目には3割を超えるまでに成長。 肝臓でタンパク質を合成しているかどうかの指標となる「アルブミン」も分泌していた。 |
| mGS細胞 | 京都大学医学研究科の篠原隆司教授らのグループは神経、筋肉、血液細胞など様々な生体組織に成長可能な細胞をマウスの精巣から取り出しことに成功した。人間にも同様の細胞がある可能性が高く、病気やケガで傷んだ臓器や組織の代わりに、この細胞から作った組織を移植する再生医療に役立つと期待される。 東京医科歯科大学などとの共同研究成果で、2004年12/29の米科学誌セルに掲載。 マウスから取り出した新細胞は『多能性生殖細胞(mGS細胞)』と呼び、精子を作る精子細胞が元になっている。これまで受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)があらゆる臓器や組織に成長できる万能細胞として知られているが、新細胞はこれに近い性質を持つ。 |
| iPS細胞 | 京都大学のグループは、マウスの皮膚細胞に遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できるES細胞に似た新しいタイプの万能細胞を作り、実際に[神経]や[心臓の筋肉][肝臓細胞]などに育てることに成功した。 ES細胞は受精卵を破壊して作る必要があったあtめ、倫理的な問題があったが、新しいタイプでは、もともと患者本人の遺伝子を持つ皮膚細胞を利用するので、倫理面だけでなく拒絶反応の心配も回避できる。 成果は米科学誌セル(電子板)に2006年8/10掲載。 京大の山中伸弥享受、高橋和利特任助手らが科学技術振興機構のプロジャクトで開発した。 新手法では、マウスの皮膚細胞に、ウイルスを使って『Oct3/4』などの4種類の遺伝子を組み込むと、2週間後に万能細胞に変化した。ES細胞とは似ているが別種のため『誘導多能性幹細胞』(iPS細胞)と名付けた。 胚性幹細胞(ES細胞)に代わる再生医療の切り札として、日本人研究者が世界に先駆けて作製した新万能細胞。 受精卵を使わないので倫理問題が起こらない。 新万能細胞は『誘導多能性幹細胞(iPS細胞)』。ES細胞で特徴的に働く遺伝子4つを皮膚細胞にしみこませて作る。受精卵のような生殖細胞でなく、体細胞由来のため、倫理上、研究・臨床応用しやすい。 京都大学の山中伸弥教授らがはじめてマウスで作製に成功したと2007年6月英科学誌ネイチャーに発表。 第二世代のiPS細胞で、遺伝子導入後、よりES細胞に似たものだけを選別した。その結果、分化能力はES細胞と同程度になった。 米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の2研究チームも同様の手法で成果を公表した。 作製に必要な4つの遺伝子のうちの1つが、『c-Myc』でガン遺伝子でもある。さらに遺伝子を細胞に導入するときに使うウイルスも癌発症に関係している。iPS細胞を使って生まれたマウスの約2割でガンが見つかっている。 |
| マウス実験 代表的な万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)で見つかった4種類の遺伝子を皮膚細胞に導入して作った万能細胞がiPS細胞。2006年に京大の山中教授が作製に成功、誘導多能性幹細胞と名づけた。 山中伸弥・京都大学教授と慶応大学の岡野栄之教授・中村雅也講師らは、マウスの皮膚細胞から『誘導多能性幹細胞』(iPS細胞)を開発。これを培養して脊髄を損傷した実験用マウスに注射した。 約1ヶ月後に神経細胞などに成長したことを確認。運送機能も一部回復していた。 |
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| ヒトの皮膚から 京都大学の山中伸弥教授らは、神経や筋肉など体の様々な細胞や組織に育つ新型の万能細胞を、ヒトの皮膚の細胞から作ることにに世界で初めて成功した。すでにマウスの細胞でも同様の細胞を作っていたが、ヒトの細胞で成功したことによって、患者の本人の細胞から拒絶反応の起きない移植用組織を作れる可能性が出てきた。 成果は2007年11/21の米科学誌セルに発表。 |
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| 山中伸弥・京都大学教授らは、世界で初めて新型万能細胞「iPS細胞」を人の細胞から作ることに成功した。 ただ、以下の2点で問題があった。 ・ガン遺伝子を組み込む点と ・危険な恐れがあるウイルスを組み込む点 今回、ガン遺伝子を組み込むことを解決した。 2007年11/30、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に掲載。 前回のiPS細胞では、人の皮膚細胞に4つの遺伝子を組み込んで作製。そのうち1つは、「Myc」というガン遺伝子だった。今回、これを除いた3つの遺伝子だけで、成人の皮膚細胞から作ることができた。ただ、作製効率は落ちるという。 |
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| 2007/12/11、山中教授らは、4つの遺伝子からガンを起こす可能性があった遺伝子を除いて作製する手法を改善した。 3つの遺伝子で作製する手法は、4つの遺伝子の場合に比べて、作製効率が1/100に低下する。 今回、これを改善するマイクロRNAという分子を見つけた。作製効率は4倍高まり、従来法の1/25にまでになった。 |
| 関連情報 |
「再生医療」 「肝細胞増殖因子(HGF)」 |