出血性大腸炎
- 「2歳の女の子Aちゃんは下血があり、出血性大腸炎を疑われて受診。
- すっかり有名になった病原性大腸炎O157とベロ毒素の検出は今では数時間で可能になっている。
- 早速便を検査したが、本人からは菌も毒素も認められない。一家で焼き肉料理をとったということで家族の検便をしたところ、5歳の姉からO157とベロ毒素が検出された。幸いAちゃんは点滴のみで軽快し、3日後に退院した。
O-157はその強い毒性のためか、腸内の常在菌との折り合いが悪く、早期に腸から排出されてしまう。Aちゃんのように本人だけでは診断が付かず、まわりの人達を調べて初めて分かることがある。
この菌は堺市の学校給食の事例で有名になったが、本来は乳幼児の病気で、溶血性尿毒症への移行も年齢依存性で、乳幼児で10%、学童で2〜4%と低年齢層ほど重篤化する。今回も両親や姉は「そういえばお腹が痛かった」「便がゆるかった」という程度の症状であった。
それでも最近、学童や年長者への発症が目立ってきているのは、この病気が文明病の性格を帯びてきているとも考えられる。
手を洗う、生ものをきちんと料理するといった対応策はさし当たっての感染からの防御には役立つ。
根本的な解決策としては、保存料や人工着色料で腸内細菌を痛めつけないなど、現代の食生活一般への反省が求められているのかもしれない。
実際、南米やアメリカでの疫学調査では、牛の放牧を行っている牧場の子供に特に多いわけではなく、逆に経済的に豊かな階層の子供に重篤例が多く、清潔度に逆比例して重症化するとの報告さえある
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