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劇症溶連菌感染症



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劇症溶連菌感染症  
(劇症型溶血性連鎖球菌感染症)
人喰いバクテリアとも呼ばれる

1993年に報告されたばかりの細菌感染症
「連鎖球菌性毒素ショック症候群」

症状
  • *発熱
  • *のどの痛み・筋肉痛など初期症状はかぜに似ている
  • 感染して発症すると、筋肉や脂肪を短時間で浸食して、死に至らしめる(高率)
  • 溶連菌と呼ばれる「溶血性連鎖球菌」が原因。ありふれた菌で、咽頭炎を起こした子供のノドから検出されることもある。ノドに感染した菌が血中に入ったり、手足の傷口から菌が侵入して劇症型になる
  • ガンや糖尿病で免疫力が落ちているひとも劇症型になりやすい





人喰いバクテリア
  • 「欧米で『人喰いバクテリア』と恐れられた劇症溶連菌感染症が1病院で1年半に5人も見つかった。新潟市民病院救命救急センターの広瀬保夫医師らによると
  1. 95年9月に「手が腫れて痛い」と受診した女性(65)が数時間後にショッ クを起こし、皮膚が広範囲に壊死し助からなかった
  2. 昨年6月、男性(54)、「足が痛い」と受診。同様に亡くなった
     
    感染症の原因はA群菌とされているが、女性はG群、男性はC群だった



 溶連菌
溶血性レンサ球菌」のこと。

レンサ球菌のなかでβ型溶血能β-tipe hemolysisを持つものの総称

溶血性レンサ球菌は、細胞膜中に群特異性を示すC多糖体を持っており、血清学的性状から13種類(A〜O)のタイプに分類されている。

ヒトの感染症から分離されるタイプの90%以上がA型である。

A型は、さらに菌体の構成タンパク質の特異性(MおよびT)によって、50種類以上のタイプに分けられる。



◎A型レンサ球菌は、
どこにでもいるバクテリアで、小児の風邪の50〜60%の原因になっている。
そして普通なら、ペニシリンで簡単に消失するはずのものが、何らかの原因で劇症タイプに突然変異する。しかも突然変異したA型レンサ球菌と普通のタイプの遺伝子構造は全く同じである。

A型レンサ球菌は、M1〜M3型のタイプがあり、全部で80種類ぐらいある。

M3型A群レンサ球菌の発生が異常に増えた年と人食いバクテリアの発症数とが比例している。



 妊婦の死亡
「細菌が筋肉にとりつき、数日のうちに命を奪う「人食いバクテリア症」に関する厚生省研究班の調査で、妊婦が罹ると発病から1日以内に死亡する例が相次いでいることが分かった。これまでに14人が確認されており、そのうち命が助かったのは1人だけだ。通常より進行が極端に速いため治療が間に合わない。専門家は「症状に早く気が付くことが重要だ。臨床医に十分知ってもらいたい」と話す。


進行速く発病1日(24時間)で
一般に「人食いバクテリア症」と呼ばれる劇症型溶血性連鎖球菌感染症は、
  • 脚などの筋肉が急に腫れ、
  • 数時間〜数日のうちにどんどん腐っていく病気。

死亡した妊婦は全員が経産婦で、30週頃までは順調だった。

症状は共通しており、
  • 38℃を超える熱、
  • 吐き気や下痢を訴え、
  • 陣痛が急に起きる。
  • 胎児の心音も異常になり、胎内で死亡する
こともある。
この菌はどこにでもいる菌で、感染しても、たいていはノドが腫れる程度で済む。研究班メンバーで旭中央病院(千葉県)の宇田川秀雄・産婦人科部長は、妊娠末期の子宮は血液が大量に流れ込んでいるため、菌の生育が速く、通常型よりも急激な症状を起こしているのではないかと言う。人によって、なぜ劇症化するのか、まだ分かっていない。
渡辺治雄・国立感染症研究班細菌部長は「抗生物質が良く効くので、早めに診断できれば、治療が間に合う。臨床現場の医師が、発熱や嘔吐、筋肉痛などの症状を見過ごさない注意が必要だ。



ゲノム(全遺伝情報)を解読
  • 2003年、大阪大学と北里大学の研究チームは『人喰いバクテリア』として知られる劇症型A群連鎖球菌のゲノム(全遺伝情報)を解読した。筋肉の壊死など病原性に関連がありそうな遺伝情報も把握しており、感染者の早期診断や治療につながる可能性がある
  • A型連鎖球菌には、咽頭炎などを起こすタイプと致死性が高い劇症型がある。咽頭タイプは簡単に治療できるが、劇症型は4〜5割が死亡する。阪大歯学研究科の中側一路講師、浜田茂幸教授らは、劇症型菌のゲノムを解読し、劇症型ではない菌のゲノムと比較した。
  • 2つのゲノムは環状で、いずれも「ファージ」というウイルスを起源とする遺伝子が組み込まれている。ファージの部分に劇症型特有の遺伝子が見つかり、病原性に関係する可能性が高いという。劇症型は環状の左右のゲノムが部分的に入れ替わる大がかりな組み換えが起きており、菌の進化の過程で、劇症型に「変身」した可能性があることが分かった。
  • 劇症型の菌にも抗生物質は効くが、発症後数十時間経過すると、手足の壊死や循環不全などが起きて重症化するので治療が難しい
壊死・多臓器不全を引き起こす

劇症型溶血性レンサ球菌は特定の脂質を大量に作り出し、免疫系からの攻撃を阻止していることを山崎晶・大阪大学教授のチームが明らかにした。
チームは連鎖球菌が作り出すMGDGという脂質を、免疫細胞が、受容体で認識することで免疫が活発に働くようになり、菌を攻撃、排除していた。



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