原発性胆汁性肝硬変
(PBC)
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PBC
primary biliary cirrhosis
原発性胆汁性肝硬変

PBCは自己免疫疾患であり、ミトコンドリア抗体が異常を起こす。
特徴的な初期病変は中等大の小葉間胆道・隔壁胆管にみられる慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)である。
<1>中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒症で初発することが多い。
<2>黄疸は出現後消退することなく漸増し、多くは門脈圧亢進症状をきたす。
<3>皮膚掻痒感、黄疸など肝障害に基づく自覚症状を欠く場合があり、無症候性(asymptomatic)PBCと呼び、無症候のまま数年経過する場合がある

→「自己免疫性肝炎
●診断:
GOT・GPTが高い
・肝臓にある胆管が破壊されて胆汁が漏れ出ているので、胆道系酵素のALPやγ-GTP値が上がってきます。さらに、抗ミトコンドリア抗体が陽性でIgM値が高い時はほぼPBCと診断できます。
・PBCと自己免疫性肝炎は細胞が壊れているので、CTスキャンで肝臓に深いくぼみを見つけることができます。
・高脂血症の治療を受けている方の1割がPBCと言われています。
・肝不全になって移植対象に
病態 肝内小葉間胆管の炎症をシ主体とする原因不明の疾患。
中年以降の女性に多い。
検査 γ-GTP・・・・初期から上昇
ALP・・・・・・初期から上昇
抗ミトコンドリア抗体・・・・陽性(90%)
ビリルビン・・・・進行すると上昇
IgM・・・・・・・・上昇することが多い
コレステロール・・・上昇することが多い
肝生検
腹部超音波・・・閉塞性黄疸との鑑別
診断基準 (1987年、厚生省特定疾患難治性肝炎調査研究班)
(1)機能検査所見:
黄疸の有無に拘わらず、以下の所見
<1>血沈の促進
<2>血清中の胆道系酵素(ALPなど)の上昇
<3>総コレステロール上昇
<4>IgMの中等度以上の上昇
<5>抗糸粒体抗体(AMA):高頻度に陽性で、高力価を示す。
(2)組織学的所見:
<1>初期感組織は中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)の所見を認める。
<2>連続切片による検索で診断率は向上する。
(3)合併症:以下の自己免疫疾患を合併することがある。
<1>慢性甲状腺炎
<2>慢性関節リウマチ
<3>Sjögren症候群









健康診断の結果、原発性胆汁性肝硬変であることが分かりました。いまのところ健康状態は良いのですが、気にすれば疲労感や痒みがあるような気もします。できるだけ症状が出ないようにしたいと思っていますが、食事を含めどのような生活をすればよいか教えて下さい。登山、ハイキングがすきですが、続けてよいでしょうか?病気の進行の見通しも教えて下さい。
<1>一般の肝硬変とは違うのですか?
 「この病気は特殊型肝硬変と呼ばれ、B型肝炎やC型肝炎のようなウイルス性の肝硬変とは異なります。ウイスキーやアルコールが原因の場合は、肝細胞の組織が破壊されるのに対して、この病気では胆管の先の方が破壊されて胆汁の流れが悪くなり、肝臓が腫れます。また肝硬変という名前がついていますが、まだ肝硬変まで至らない初期のころまで含まれます。」
<2>原因は?
 「くわしい原因は分かっていませんが、免疫の異常に関係した病気だと考えられています。中年以降の女性に多く、患者の80〜85%を占めています。昔は欧米人に多くみられる病気だったのですが、最近は検診や人間ドックの普及で日本でも見つかる例が多くなりました。また胆石症など胆道に関係した病気を手術した後、胆道が狭くなった為、肝臓の機能が悪くなる場合には[二次性胆汁性肝硬変]と呼んで区別しています。

<3>はっきりした自覚症状がないようですが?
 「自覚症状のない人と、皮膚のかゆみや黄疸が出る人に分けられます。症状のない人は一般に肝硬変まで病気が進行していないと考えられます。原発性胆汁性肝硬変が日本でも多く発見され始めたのは最近のことなので、くわしくは分かっていません。しかし新潟大学の病院は全国でもこの病気の患者さんが多く、過去に200例ほど診ています。その中で、受診から5年以上、私たちが経過を診ているのは90人で、10%弱の人が症状がでないままです。10年以上も症状が出ない人もいます。」
<4>症状が出るようになるには何年ぐらいかかりますか?
 「病気にかかった後どれくらいたって病院に来たかもによりますが、私たちが診ている90人の例では平均4年半です。短い人は1年、長い人は8年です。」
<5>治療法は?
 「この病気では肝臓に銅が蓄積されるので、銅を尿中に排泄する作用ある慢性関節リウマチ治療薬(Dーペニシラミン)やステロイドなどの免疫抑制剤が使われます。しかし、その効果はあまりはっきりしません。
 また最近では、クマの胆に含まれるウルソデオキシコール酸という胆汁酸の一種や、痛風の薬に使われていたコルヒチンという薬が、かゆみや、胆道系酵素が増えるのを抑えると注目されています。これらの薬は病気があまり進行していない初期の方に効果があります。さらに腸から肝臓へ来る血管・門脈の血圧が高い人には、不整脈の薬で血圧を下げる働きもあるβーブロッカーを使う場合もあります。

<6>食事で気を付けることは?
 「黄疸などが出ていないので、普通の食事で良いと思います。しかし、中には症状が出なくても胆汁酸が流れにくくなっている人もいます。その場合には、脂肪の吸収が普通の人より落ちるので、なるべく脂肪の多い食事を連続して摂らないようにしましょう。さらに胆汁酸が出ない場合はビタミンA・Dなどの脂溶性ビタミンの吸収も悪くなるので、ひどい場合は注射で補います。」
<7>登山・ハイキングは?
 「症状に出ていなくても『静脈瘤』という腫れ物が出ていることがありますので、この有無を内視鏡で確認してもらい、無い場合にはハイキング程度なら大丈夫でしょう。また静脈瘤が出ていても家事や仕事を普通に行うなら問題ありません
。」
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