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肺がん



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肺がん lung cancer
肺癌

日本人の死亡原因のトップ

気管支〜肺胞までの広範囲に発生するガン


(症状) 
肺ガンの症状は局所の腫瘍として発見され、
などが見られる。



肺がん
  • 85%を占めるのが非小細胞肺がん。
  • 最初の診断から1年以内に死亡する例が多く、生存率は10〜15%。

    肺ガンの原因の約85%は喫煙で、受動喫煙も原因となる
    非喫煙者に比べて喫煙者の罹患率は・・・10〜30倍になる




肺ガンの特徴
肺ガンは転移が早い

肺ガンの細胞はグルタチオンを過剰に放出する





肺ガンの病態
  • 腺ガン
  • 扁平上皮ガンなどの非小細胞癌NSCLC)と
  • 小細胞癌SCLC
に分類するのが一般的。


日本肺癌学会の規約では、
  • @組織型、
  • ATNM分類、
  • B臨床病期
を確定して、患者の全身状態を考慮の上、治療方針を決定する。





発生部位から
肺門型 太い気管支に発生。
扁平上皮ガン
小細胞ガン(SCLC)が多い。
肺野型 末梢に発生。
腺ガンが多い。
自覚症状より遙かに早くX線写真で確認出来る





肺ガンの自己診断リスト
以下の症状が2週間以上続く。

(1)早期肺ガンに見られる症状:

@せき(咳)が続き、咳止めを飲んでも治らない。

A空咳が続く。

Bタンが溜まり、タンを吐き出すことがよくある。

Cタンに血が混じる。



(2)頻度は少ないが、要注意な症状


@最近、肋骨のあたりが、痛む

Aワイシャツの首回りがきつくなった。
  • (首が太くなった感じ)

B自分の電話の声が、聞き取りにくくなったと、言われる

C最近、茶色のタンを吐いた

D階段を上ると、以前より、息切れするようになった



(3)進行ガンor他の疾患も考えられる症状:


@声がかすれて、なかなか治らない。

A顔半分だけに汗をかく。

B指先が太鼓のバチの様に膨らんできた。(バチ指)

C腕や肩が痛く、その痛みがだんだん強くなってきた。

D両手の爪がスプーンを伏せた形になってきた。

E鏡に映る、目が以前より細くなったようだ。

F最近、水を飲むとむせる






肺がん検査
  • 胸部X線
    胸部CT
    呼吸機能検査
    血算・血液像
    肝機能検査
    喀痰細胞診
    喀痰細菌学的検査
    気管支鏡
    腫瘍生検
    頭部CT・MRI
    腹部超音波
    骨シンチグラム





CT
2006年、東芝メディカルシステムズと国立がんセンターは、解像度を従来の3倍に高めたコンピューター断層撮影装置(CT)を試作した。

従来困難だった肺に出来た直径数_bの腫瘍が良性か悪性かを判定できるとみている。

開発したCTは、照射するX線を従来より小さい焦点に集め、解像度を引き上げた。
これまで見ることが出来た最小の物体は350マイクロbの大きさだったが、約1/3の100マイクロbの物体を見ることができる。

実際に初期の肺ガンと疑われる患者5人を撮影した。
直径数_bの腫瘍でも、繊維やガン細胞が周囲の血管に沿って広がる様子を観察できたほか、腫瘍の良性・悪性を判定できた。

肺ガン検診では直径
_b以上の腫瘍が治療すべき悪性かどうかの診断の対象になっている。

針で細胞を採取して調べる検査法は詳しく判定できるが、検査を受ける
4人に1人が肺の外に空気が漏れる気胸になるなどの問題がある。

現在のCTで判定できるのはおよそ
2abより大きい腫瘍。悪性と判定できないまま手術をすることも多く、痛みや術後のひきつれなど後遺症が残る可能性がある

  • 蛍光内視鏡・・・ガンの部分が黒くあらわれる






転移を調べる
肺ガンはガンの大きさや、どの臓器・組織まで転移しているかを見極めたうえで治療方針を決める。2007年千葉大学とオリンパスが開発した手法は、肺ガンが疑われる患者がどの程度の病状にあるかを確定するのに役立つ。

転移の有無を確実に調べるには、気管支などにあるリンパ節の組織を直接採取し、診断する必要がある。

現在は患者に全身麻酔をかけてのどの下部に穴を開け、縦隔鏡という内視鏡を入れてリンパ節を直接目で確認しながら組織を採取している。ところが、転移の可能性がある小さなリンパ節をうまくとらえられず、誤って血管を刺してしまうことがあった。
開発した手法では口から内視鏡を入れ、超音波を気管支の内側からあててリンパ節の様子をモニター画像で確認する。局所麻酔で対応できるため、患者の負担は軽い。


胃や肺で発生したガン細胞がほかの臓器に転移する際には、周辺の組織にしみ出すように広がっていく「浸潤」と呼ばれる段階がある。

この浸潤ではタンパク質分解酵素が健康な細胞を消化し、ガン細胞が広がっていくと考えられている。

分解酵素の働きを抑える抗体が見つかれば抗体医薬品の開発が進む。




過酸化水素が転移を促す
京都大学の西川元也助教授と橋田充教授らは、新タイプのDDS(薬物送達システム)でガンの転移を抑える手法を開発した。2005年9/14の日本癌学会で発表。
動物実験で肺に転移したガン細胞の増殖を1/300に抑えることを確認した。制御が難しい手術後の肺ガンへの転移を抑える可能性がでてきた。


研究チームは、
過酸化水素がガン細胞の転移を促すが、活性酸素を分解する酵素(カタラーゼ)を投与すると転移が抑制されることに着目


カタラーゼが血中で壊れにくくするため、水溶性高分子[PEG]をカタラーゼにくっつけたDDS製剤をつくった。
ガン細胞を皮下移植し、肺への転移を起こさせたマウスで実験。移植したガンを手術で取り除くと、肺でガン細胞が急増する。作製したDDS製剤を投与したマウスでは、何もしなかったマウスに比べ、ガン細胞増殖が1/300に減少。


活性酸素による増殖因子の増加を防ぐことで、ガン細胞の増殖を抑えているとみている。





ガンが悪化すると増えるタンパク質
『LAT1』をマークにPETで診断


2009年、大阪大学の金井好克教授らは肺ガンの進行度を正確に診断できる手法を開発した。

ガンが悪化すると増えるタンパク質『LAT1』をマークにPETで診断する

LAT1はガン細胞の成長に欠かせないアミノ酸を細胞が取り込むのを手助けしている。


[大腸ガン]や[前立腺ガン]の患者で増えることが知られている。

研究チームは、LAT1に集まる性質の検査薬を使ったPET検査で、非小細胞肺ガン患者を調べたところ、ガンの進行に応じてLAT1の量が増えていることを突き止めた。

非小細胞肺ガンは抗ガン剤や放射線治療が効きにくいタイプ
織内昇・群馬大学准教授、解良恭一・静岡県立静岡がんセンター副医長らとの共同研究





尿の臭い成分から肺ガンかどうか
2012年、パナソニックと名古屋大学の花井陽介研究員らは、尿の臭い成分から肺ガンかどうかを95%の制度で識別する技術を開発した。

4種類の物質の比率などから判定する。

ガンが小さいときに早期発見できるために2020年の実用化を目指す。
協力するペンシルベニア大学殻肺ガン患者約20人の尿の提供を受け、揮発して臭いの元となる物資を詳しく調べた。
強い臭いを出す2ペンタノンと呼ぶ物質など、4種類が肺ガンと関係が深いことを見つけた。
検査では、尿から揮発する物質を集め質量分析装置で調べる。
肺ガン患者の尿を調べた結果、
  • 患者を「肺ガンの疑いあり」と判定する確率は約95%
  • 健康な人を「疑いなし」とする確率は70〜100%
だった。尿や血液を使う簡易検査法は約79%以上であれば実用的な水準にあるとされ、精度は十分。

肺ガンには、ガン細胞の形によって、腺ガンや扁平上皮ガンなどがある

腺ガン患者の尿には2ペンタノンが多かった。






肺がんになると尿の成分が変わる
黒田忠広・慶応義塾大学教授らが開発

約9割の精度

尿の成分、約400種類の物質の種類や量から肺がん特有の特徴を人工知能(AI)で突き止める。





治療成績
肺ガンの種類によっても治療成績に差が見られる。


(扁平上皮がん)
喫煙と関係深いとみられる『扁平上皮ガン』は肺ガンの1/3を占め、比較的早くから症状を出すが、手術で切除すると再発しにくい
小さな扁平上皮ガンの手術成績はきわめて良好で。100人のうち85人以上が5年間生存しうる計算である。 予防にはまず禁煙、それが出来なければ節煙。
またCIが400以上で50歳以上の人は毎年定期的に胸部レントゲン検査を行い、早期発見に努めることが必要である




(腺がん)
一方『腺ガン』は肺の周辺部に出来るため無症状に期間が長く、症状が現れた時にはすでに転移を来していることが多い


(小細胞がん)
そのほかに進行が速く最も質の悪い『小細胞ガ』などがある small cell lung carcinoma [SCLC](小細胞ガン)






非小細胞ガン
・・・・(85%)
  • 腺ガン・・・ テガフール・ウラシル配合剤
    扁平上皮ガン
    大細胞ガン



(多剤併用療法)

@シスプラチン+パクリタキセルの併用療法
Aシスプラチン+ゲムシタビン(ジェムザール)の併用療法
Bシスプラチン+ドセタキセル(タキソテール)の併用療法
Cカルボプラチン(パラプラチン)+パクリタキセルの併用療





非小細胞ガンの病期と標準治療
病期 (腫瘍の大きさなど) (標準治療)
TA 3cm以下 手術が中心
TB 3cm〜5cm以下
UA 5cm〜7cm以下、
5cm以下でリンパ節に転移。
UB 7cm超、
5cm〜7cm医AKでリンパ節に転移。
VA 左右の肺を隔てる部分にある縦隔リンパ節に転移 抗ガン剤と放射線治療が中心。
緩和ケア
VB 反対側にある肺のリンパ節などに転移 抗ガン剤。
緩和ケア
W 肺を覆う胸膜に広がる、
肺以外に転移





非小細胞肺ガンの診療指針
ガンの約2割を占め治療が特に困難とされる肺ガンについて、厚生労働省の研究班は2003年8/2日までに、初の診療指針を作成した。

指針は、肺ガンの大部分を占める
『非小細胞肺ガン』で、ガンの摘出に加えて再発防止のために周辺のリンパ節すべてを切除する手術は“早期では、体調の改善や再発を少なくする上で推奨するだけの根拠がない”と指摘。

これまで標準的とされた外科的治療法に、疑問を投げかけた。

ガン摘出後に「再発しないようように」と行われる
放射線照射についても“かえって状態を悪化させるので行うべきではない”と警鐘を鳴らした。


研究班は、指針作成にあたり、国内外の約1000の研究文献を調査、肺ガン治療法の有効性や危険因子を検討した。
指針は「喫煙者が肺ガンになる危険率は非喫煙者の10〜20倍高い」と警告。他人のタバコによる受動喫煙でも21〜26%危険率が高まるとし、喫煙者や受動喫煙がある人は、ガン発見のための検査を受けることを考慮すべきだとした。


副作用による死者が多数出て問題になった肺ガン治療薬『イレッサ(ゲフィチニブ)』は一部症例で有効性が示されているが、生存期間を延ばす効果は証拠不十分とした。

研究斑主任研究者の藤村重文・東北厚生年金病院長は「従来の肺ガン治療は医者の信念だけで行ってきたものである。全国で同じレベルの医療を提供するため、指針を活用してほしい」と話している

イレッサは肺がん患者の4人に1人しか効かない
  • 日本人の肺がん患者の遺伝子レベル
  • 肺がん患者の約半分で遺伝子レベルに7タイプがある。





小細胞ガン
小細胞ガンは脳を含め多臓器へ転移しやすい。

抗ガン剤がよく効くので、術後、転移を予防するために(脳内に抗ガン剤が入りにくいので)全脳放射線照射が有効。
  • ・限局型
    ・進展型・・抗ガン剤のみ


(多剤併用療法)

@イリノテカン+シスプラチンの併用療法
Aシスプラチン+エトポシドの併用療法






受動喫煙
2002年WHO(世界保健機関)の傘下にある国際がん研究所(IARC)によって、受動喫煙と肺ガンの関連は確実と判定された。

タバコを吸わない女性の肺ガンリスクは、
夫からの受動喫煙で・・・・24%
職場では・・・・・・・・・・・・・20%の上昇となっている


肺ガンリスク・・・2倍

タバコを吸わない女性が夫のタバコの煙を吸う受動喫煙で肺ガンに罹るリスクは、夫が喫煙しない場合に比べて(2倍)高くなることが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がん予防研究部長)の調査で2007年12/12分かった。
夫の1日の喫煙量が20本以上では、リスクがさらに高くなる。
研究班は40〜69歳のタバコを吸わない女性約28000人を平均13年間追跡調査し、肺ガンの中でも発生頻度が最も高く非喫煙者に多い『肺腺ガン』の発生率と夫の喫煙状態との関係を調べた。
調査中に109人が肺ガンと診断され、うち腺ガンが82人と8割弱を占めた。
うち夫が喫煙者、もしくは以前喫煙者であった女性は67人。
夫が非喫煙者の女性と比べ肺腺ガンにかかるリスクが約2倍高かった。
喫煙本数別にみると、1日20本未満で1.7倍。20本以上で2.2倍となり、本数が多いほどリスクが高まることが分かった。
さらに、

肺腺ガンを発症した女性の37%は、夫からの受動喫煙が無ければ防げた計算になる


空気中に広がった煙には、肺の奥へ届く小さい有害物質が含まれている





女性ホルモン剤が肺ガンのリスクを高める
女性ホルモン剤が肺ガンのリスクを高めることが、厚生労働省研究班(主任検車・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。研究チームは今回の調査結果を肺ガン発症のメカニズム解明につなげたいとしている。
成果は2005年9/15、日本癌学会で発表。

研究班は喫煙経験がない40〜69歳の女性45000人を8年〜12年追跡調査した。このうち肺ガンになった153人を詳しく調べた結果、

子宮筋腫などの手術を受けて人工的に閉経し、エストロゲンなどのホルモン剤を多用した人は、ホルモン剤を使用していない人に比べて、肺ガンにかかるリスクは2倍以上高いことが判明

ただ、更年期障害などの治療でホルモン剤を使っていても、人工的に閉経していなければ、発症リスクは女性ホルモン剤を使っていない人とほとんど変わらなかった。

研究班は人工的に閉経した人に比べて、使用量が少なかったのが原因と見ている。また、初潮から閉経までの期間が長い人ほど発症リスクが高いことも分かった






ラドン
ラドンとは放射性ガスの一種で、空気中どこでもある程度の量は存在する。

公開データによると、1990年代の測定値は、日本の屋内の平均濃度は1立方bあたり20ベクレル。

風通しの良い木造家屋はコンクリート住宅よりラドン濃度が低かった。

肺ガン患者約7000人と、年齢や性別を同じように一致させた対象グループ約7000人を対象に、過去に住んでいた場所の空気中のラドン濃度を比較した報告によると、ヨーロッパでは、住居内のラドン濃度が1立方bあたり100ベクレル高くなるごとに、肺ガンリスクが16%高くなった。

さらに、
肺ガン死亡全体の9%がラドンによるものと推定
された


(津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)2006.1/29《日本経済新聞》




良性腫瘍を悪性腫瘍にかえる
2014年、国立がん研究センターの江成政人ユニット長らは、肺にできた良性腫瘍が悪性のガンに変わる仕組みの一端を解明。

「TSPAN2」(テトラスパン2)
という遺伝子の働きが高まって、ガンが転移しやすく変化していた。


成果は米科学誌セル・リポーツに掲載。

肺癌では「53 」という遺伝子が発がん物質などで傷ついて働きが悪くなると、良性の腫瘍がガンに変わる

ガンに変わった細胞は回りの組織の隙間に入り込んだり、別の臓器に転移したりしやすくなる。

江成ユニット長らは、正常な肺細胞の遺伝子を操作して53の働きを悪くした。そのときに働きが高まる遺伝子を探し、TSPAN2を見つけた。

TSPAN2の働きが活発な患者ほど転移したり再発しやすくなった。
また、ガン幹細胞と関連する遺伝子と協調して働くことも分かった。







放射線治療
定位放射線療法

(リニアック)

放射線を立体的に照射し、ガンをねらい打ちする『定位放射線療法』と呼ばれる新手法が、早期の肺ガンに高い効果があることが、防衛大学の植松稔教授(放射線科)らのデータで分かり、1999年11/19日、横浜市で開かれた日本放射線腫瘍学会で発表された。
手術に比べ体への負担が格段に小さく、「患者に優しい治療」として期待できそうだ。
この治療では、『リニアック』と呼ばれる放射線治療装置を、患者の背後から正面まで回転させながら照射する。

ガン病巣を中心に、治療台の向きを変えて3回程度繰り返す。様々な角度から行うことから、『三次元照射』とも呼ばれている。
従来の放射線治療では正常組織へも照射が避けられなかったのに対し、放射線を病巣に集中させ、大量に照射できることが特徴。治療期間は約1週間。
同大は94年秋から、大きさが4cmまでの早期は胃ガンの患者43人に実施した結果、95%はあ病巣が消失した状態が続いた。
患者のうち、手術が可能だったのに放射線治療を希望した26人の場合、3年後の生存率は85%だった。この成績は手術と同等で、重い副作用は見られなかった。


早期ガン95%消失

「放射線を立体的に照射し、ガンをねらい打ちする『定位放射線療法』と呼ばれる新手法が、早期の肺ガンに高い効果があることが、防衛大学の植松稔講師(放射線科)らのデータで分かり、1997年11/19日、横浜市で開かれた日本放射線腫瘍学会で発表された。
手術に比べ体への負担が格段に小さく、「患者に優しい治療」として期待できそうだ。
この治療では、『
リニアック』と呼ばれる放射線治療装置を、患者の背後から正面まで回転させながら照射する。ガン病巣を中心に、治療台の向きを変えて3回程度繰り返す。様々な角度から行うことから、『三次元照射』とも呼ばれている。

従来の放射線治療では正常組織へも照射が避けられなかったのに対し、放射線を病巣に集中させ、大量に照射できることが特徴。治療期間は約1週間。
同大は94年秋から、大きさが4cmまでの早期は胃ガンの患者43人に実施した結果、95%は病巣が消失した状態が続いた。
患者のうち、手術が可能だったのに放射線治療を希望した26人の場合、3年後の生存率は85%だった。この成績は手術と同等で、重い副作用は見られなかった。


2008年現在で全国に900台以上のリニアックがある。定位放射線治療が可能な病院は207。
日本放射線腫瘍学会で認定した医師が治療に当たるが、2009年3月現在615人しかいない。


3次元ピンポイント照射

CTを使ってガンの位置を正確に把握、病巣に放射線を集中させる「3次元ピンポイント照射」が早期肺ガン治療で好成績を上げている。病巣に向けて、多方面から照射することで、正常細胞にかかる放射線を少なくし、従来方式より副作用を大幅に減らせるのが特徴。
1994年にCTと放射線治療装置を一体化した「フォーカルユニット」を開発してピンポイント照射を始めたのは、慶応大病院の植松稔る放射線科講師。当時勤務していた防衛医大病院(埼玉県所沢市)で、手術も可能だったT期の早期肺ガン患者29人にこの方式で治療を始めたところ、5年後も22人が生存、手術と遜色なかった。その後、実施施設は増加中。


  • 病院名
    北海道大病院 札幌市
    札幌医大病院 札幌市
    北見日赤病院 北海道北見市
    東大病院 東京都文京区
    都立駒込病院 東京都文京区
    癌研究会付属病院 東京豊島区
    国立国際医療センター 東京都新宿区
    立川病院 東京都立川区
    北里大病院 神奈川県
    山梨大病院 山梨県
    京都大病院 京都市
    天理よろづ相談所病院 奈良県天理市
    先端医療センター 神戸市
    広島大病院 広島市
    九州大病院 福岡市


サイバーナイフ


2008年、米系医療機器の日本アキュレイは販売中の放射線治療システム『サイバーナイフU』で、肺ガンなど体幹部の腫瘍に使える適用拡大の承認を取得した。従来は[脳腫瘍]など頭部に使用が限られていた。
適用拡大により、[肺ガン]や[肝臓ガン][膵臓ガン][前立腺ガン]などの治療が可能になった。
サイバーナイフは放射線を数回放射してガンを治療する医療機器。痛みが無く患者の身体負担が軽いため、外科手術の代替治療法として期待される。X線画像で照射位置を誘導する機能がついており、呼吸などで患部が動いたとしても自動で追尾し、ミリ単位で腫瘍部位を攻撃できる。


重粒子線


2011年1/15、放射線医学総合研究所は、ガンを切らずに治す放射線治療施設を完成し、報道陣に公開した。

この施設では細胞の破壊力が強い放射線「重粒子線」を使う。

「呼吸同期3次元スポットスキャンニング」と呼ばれ、鉛筆の太さの重粒子線を、ガンの病巣を塗りつぶすように照射できる、

実用化は世界初。






縮小手術
(扁平上皮がん)
1年ほど前から、風邪でもないのにセキやタンが続くのですが・・・
2003年4月、東京都内に済む自営業Nさんは(69)は、意を決して近所の診療所を訪れた。1日30本以上吸うヘビースモーカー。「もしや・・・」との懸念があったが、案の定、タンから異常細胞が見つかった。紹介された東京医科大外科で気管支鏡検査を受けた結果、肺ガンの中でも喫煙者に多く見られ、中心の太い気管支にできる扁平上皮ガン』と診断された。

肺には、見つかった時すでに進行、転移しているケースが大半で、最も救命率の低いガンの1つだ。


その中で、全体の3〜4割を占める扁平上皮ガンは、胸のエックス線検査では見つかりにくいものの、咳や血痰などの症状が気になって受けた「喀痰検査」などから早期発見されることもある。

Nさんの場合、進行度は4段階のU期と比較的早期だったが、右肺の入り口から奥に向かって気管支の表面を点々とガン細胞が5平方センチ以上の範囲で広がっていた。


肺ガン治療は病巣部だけでなくリンパ節転移のおそれのある周辺組織を摘出するのが基本。そのため、とりわけ肺の入り口付近に出来たガンでは、かなり大きく切除しなければならない。Nさんも通常なら右肺を全部摘出するしかない状態だった。
しかし、問題があった、Nさんは、やはり喫煙が原因とみられる慢性肺気腫を合併しており、呼吸機能が普通の人の6割足らずしかない。このうえ右肺を切除すれば、たとえガン病巣は摘出できたとしても、寝たきりの生活を余儀なくされる。

「こうしたケースには、『縮小手術』で対応するのが新たな流れ」と、同大外科の加藤治文教授は指摘する。片肺や5つに分かれた肺のブロック(肺葉)のいずれかを丸ごと切除しなければならない場合でも、手術前の治療で出来るだけ病巣を縮小させて、肺機能が温存できて、患者のQOL(生活の質)低下が防げる。
Nさんの場合、ガンの場所や形態から、手術前治療としてレーザー治療が適していると、同外科講師の斉藤誠さん(44)は判断。特殊な蛍光薬でガンを捕らえながら低出力レーザーで照射する方法で、正常細胞をほとんど傷つけない点も都合が良かった。
6月に入り、ノド周辺を局所麻酔して約1時間の照射をしたところ、入り口部のガンが消失。右下葉につながる気管支の一部と、その先の末梢部だけに縮小されたため。2003年12月に右肺の1/10にあたる右下葉の一部を切除した。
Nさんは、「新しい治療法なので不安だったが、階段の上り下りも支障なく、今ではカラオケも楽しんでいます」と喜ぶ。もちろんタバコも断った






切除した後、肺を体内に戻す・・
・自家移植

2010年、岡山大学は、肺ガン患者の片肺をすべて摘出し冷却保存した状態で患部と周辺を切除した後、肺を体内に戻す「自家移植」手術に成功したと7/2発表、

肺を戻すことで、術後の呼吸機能の低下を抑えられる。


冷却保存は、摘出した肺の機能を一時的に保持し、より安全な治療につなげるのが目的。執刀した呼吸器外科の大藤剛宏講師によると、肺の自家移植成功は国内で初めてで、冷却保存したケースは世界初だという。

患者は広島県の60代男性。
右肺中枢部や気管支、肺動脈でガンが進行し、ガン病巣のみの切除は難しく、右肺の全摘が必要と診断された。
右肺は肺活量の55%を担うため、摘出すると息切れなど生活の質が低下する。6月中旬の手術では、全摘した右肺に移植用の保存液を注入し、約8時間の保存が可能になる冷却処理をした上で、ガンを取り除き、病理検査でガンが無いことを確かめ、肺下部だけを体内に戻した。男性は70%の肺活量を確保、ゴルフも可能という







ラジオ波焼灼
「岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の金澤右教授(放射線医学)は皮膚から電極針を刺してガンを壊死させる『ラジオ波焼灼』を肺ガン治療に応用、高度先進医療に認められた。

ラジオ波焼灼とは


病変に細い電極針を刺し、電磁波を流してガンを凝固・壊死させます。
ラジオ放送の中波と同じ波長帯の電磁波を使うので、この名があります。
電磁波を加えると60〜100℃の摩擦熱が生じ、ガンが壊死すると考えられます。 肝臓ガン治療でよく使われてきましたが、2000年頃から海外で肺ガンへの応用事例が報告され、岡山大でも2001年5月から始めました。


治療ではCTでガンの場所をリアルタイムで確かめながら電極針を刺します。手術は1時間程度。入院は平均4日間です。

外科手術との違いは?

外科手術は全身麻酔が必要なうえ、肺のキズはほかに比べて痛みが大きく、特に高齢者にはつらい手術になります。ラジオ波焼灼は局所麻酔で済み、患者さんの負担が軽い。もし再発しても、同じ場所に繰り返し治療できる利点もあります。

対象は肺への転移ガンや早期の原発性肺ガンで、腫瘍の大きさが約2cm以下、リンパ節への転移が無い、などが条件になります。

複数の腫瘍がある場合、3つまでなら同時に治療できます。2005年3月末までに145例を治療しました。

※治療成績は?

2cm以下の腫瘍に限れば、約8割は3年経過しても再発が無く、予後は良好です。


一方、2cmを超えると再発率が5割以上になります。

大きな腫瘍は肺の位置を少しづつ変えて何度も刺しますが、熱が効率よく伝わらず、成績が下がると考えられます。

※副作用は?

気胸が4割程度の人で見られますが、大半は1〜2日で自然に治ります。1300人に1人の割合で、肺の血管から空気が入り脳梗塞などになる空気塞栓が起こしますが、これも高圧酸素療法を施せば大きな問題にはなりません
2005.5.24《日本経済新聞》





免疫療法
放射線療法や抗ガン剤療法で効果がなかった60代の肺ガン患者がいまも元気に外来治療を受けている」
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの谷口克センター長は千葉大学と共同で取り組む「免疫療法」に手応えを感じている。

患者自身の免疫の働きを高め、ガンを攻撃するのが免疫療法
谷口センター長らは異物を排除するリンパ球の仲間『NKT細胞』を利用する方法を編み出した。

NKT細胞 の働きを高める物質を患者に注射し、ガン細胞を攻撃させる。ガンだけをねらい打ちにするので正常細胞には影響を与えない。
2001年末から9人の肺ガン患者を対象に臨床を開始。

肺ガンは肺の周囲の「肋膜」に転移すると半年程度で死亡する例が多いが、転移がみられた患者の半数が18ヶ月経過後も元気に暮らしている。

「安全性を確認している段階なので治療効果は明言できないが、普及への可能性が出てきた」と谷口部長は語る。この治療法が再発防止にも有効かどうか研究中で、今後5年かけて30人の患者を調べ、有効性を検証する計画


(NKT細胞)
千葉大病院でリンパ球の一種である「NKT細胞 」を使った治療を実施。


(ガンマ・デルタT細胞)

中島淳・東京大学教授らはガン細胞への攻撃能力がある白血球の一種、ガンマ・デルタT細胞を患者の血液から採取し、培養して体内に戻す免疫療法を実施している。

対象は手術や抗ガン剤の標準治療で非小細胞ガンを克服できなかった患者。
投与は2週間ごとに計6回投与する。
1回当たりの患者の負担額は約22万円。






オプジーボ
一般名:ニボルマブ (抗PD-抗体)

2015年、ブリストルマイヤーと小野薬品が共同開発した「抗PD-抗体」が米国で悪性度の高い肺ガン治療薬として承認された。

免疫チェックポント阻害薬
と呼ぶ免疫薬の肺ガンへの適用は世界初。


すでに進行性のメラノーマ治療薬として米国、日本で承認されている。

日本で、進行再発の扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんで承認申請中。

2015年、小野薬品工業は、腎細胞がんの治療薬として追加申請した





アテゾリズマブ
2017/02/21、
中外製薬は、ガン免疫薬「アテゾリズマブ」(商品名は未定)の承認申請した。
肺がんの約8割を占める非小細胞肺がんの治療でつかえる。
抗体によって、免疫細胞の働きを阻害するタンパク質「PDーL1」を抑える。
標準薬「ドタキセル」より全生存期間も有意に延長した。




エトポシドは脱毛が起こりやすい

肺ガンの治療によく使われる抗ガン剤「エトポシド」は脱毛が起こりやすい。

酒井敏行・京都府立医科大学らが見つけた新物質「アロペスタチン」を併用すると、脱毛が7割抑えられた




大気汚染と喫煙
が肺ガンのリスク因子と考えられている

1日の喫煙本数に喫煙年数をかけた『喫煙指数(シガレット指数、CI)』 が400以上の場合にハイリスク(非喫煙者の5〜25倍と言われている。

1日20本を20年間吸うと「CI」が400となる。

肺ガンは初めは何の症状も起こさない


しかし
気管支を圧迫すると、局所的に気管支炎や肺炎を併発し、せき痰(たん)が増加、血管を侵すと血痰を、肋膜に浸潤すると胸痛などが加わる。






大腸菌などの細胞膜にある特定の物質をノドの奥に噴霧
2010年、東京理科大学の寺田弘教授らは、抗ガン剤を吸い込んで肺ガンを治療する方法を開発した。大腸菌などの細胞膜にある特定の物質をノドの奥に噴霧し、肺のガン細胞を死滅させるマウス実験に成功した。

新しい手法は、
細菌の細胞膜にある「リポ多糖」と呼ぶ物資を使う。

体内で免疫細胞の一種「
マクロファージ」に作用し、ガン細胞を死滅させることが知られている。
研究チームは、リポ多糖を混ぜた液体を肺ガンマウスの気管に噴霧して、肺に吹き込んだ。2週間後、治療しなかったマウスは40個程度の肺ガンの腫瘍があったのに対し、噴霧しマウスでは0〜1個になった。

正常なマウスの気管にリポ多糖を噴霧し、副作用を調べた。
細胞が傷つくと外に放出される乳酸脱水素酵素(LDH)の量を測定したところ、ほとんど無かった。


リポ多糖

抗ガン作用が強いが、静脈に直接注射する従来の方法では、ショックや発熱などの強い副作用を引き起こす。




UFT(抗ガン剤)・・・再発予防

東京医科大学(東京都新宿区)の加藤治文教授らは全国100以上の医療施設と協力し、『UFT』と呼ぶ抗ガン剤を再発予防の効果があるかを確認する治験を約1000人を対象に実施。

その結果、手術時に転移が無く、ガンの大きさが3cm以上の患者に限ると、死亡の危険度が50%強減少することが分かった

エストロゲン

肺癌手術で3次元CT画像を活用

2009年、山形大学医学部の大泉弘幸准教授らのチームは内視鏡による肺癌手術で3次元CT画像を活用した手法を新たに確立した。
従来の内視鏡では出血のリスクが高く困難だった肺深部の摘出が可能になる

新手法は、患者ごとに数百枚のCT画像をもとに3次元画像を作成。造影法を工夫することで動脈と静脈も区別できる。画像の拡大、縮小、回転なども自由自在。
大型画面に映し出される内視鏡の映像とCT画像をリアルタイムで見比べながら手術するので血管を傷つける恐れが解消される。
2004年以降、50例以上の実績。





肺ガンと間違える
ヒトイヌ糸状虫症

このイヌ糸状虫症
イヌの他、キツネ・オオカミ・コヨーテ・ネコ・ヒョウ・トラ・アザラシなどの動物にも感染する。

これらすべての
動物の体内で親虫となり、肺動脈や右心室に棲むようになる。

昔はイヌ糸状虫はヒトには全く感染しないと考えられていた。

ところが、最近では、ヒトにもかなり感染することが分かってきた。

つまり、感染幼虫を持った「蚊」がヒトを吸血する際、フィラリアの幼虫は1度はヒトの体内に侵入するが、ヒトは本来の固有宿主ではないため、すべて皮下で死滅するものと思われていた。

ところが、最近、ごく一部の幼虫はヒトの体内に移行し、ある程度まで発育するものがあることが分かってきた。

我が国に最初のヒト・イヌ糸状虫症の報告は、1961年大阪大学第二外科の森下智博士によってなされた。52歳の女性の左胸部皮下の腫瘤から喘虫体が摘出された。この虫はイヌ糸状虫の幼虫雄成虫だった。

一方、肺寄生例は僕の恩師、吉村祐之教授が、1969年、金沢市の42歳の男性について報告している。患者は多数のイヌを飼っていた。ヒトの肺に寄生した場合は、レントゲン像上、コインのような、いわゆる銭形陰影を呈し、ほとんど全例が肺ガンを疑われて摘出されている
  • 藤田紘一郎著「ボンボン・マルコスのイヌ」より







喫煙者のガンにビタミンE
血液中のビタミンEの濃度が高いと、喫煙者が肺ガンになる危険が減る。

米国立がん研究所のカレン・ウッドソン博士らはそんな報告を同研究所ジャーナルに発表した。
フィンランドの50〜69歳の男性喫煙者約29000人を対象に調査。

1日当たりビタミンEの一種αトコフェロール50mgと緑黄色野菜に含まれる色素βカロチン20mgを5〜8年飲んだグループと、どちらも飲まないグループに分けて比べている。
それぞれグループに属する人たちの血液中のαトコフェロールの濃度を調べた。

その結果、αトコフェロールの濃度が高い人は低い人より肺ガンになる危険率が19%低かった。
とくに、60歳未満の人や喫煙期間が40年未満の短い人が、濃度の高まりと肺ガンの危険の低下との関係が強かった。ウッドソン博士らは、腫瘍形成初期に高濃度で存在すれば、肺ガンの進行をくい止めると語る。

ビタミンEβカロチンは、ガンの引き金になる体内での酸化反応を抑える抗酸化作用がある。





浸潤性粘液腺がん
2016年、浸潤性粘液腺がんが発症する仕組みを金沢大学の後藤典子教授らが解明。

浸潤性粘液腺がんは肺がん患者の約1%にみられる。

教授らは、患者の細胞から融合した遺伝子を取りだし、正常な肺の細胞に導入した。

細胞をバラバラにして培養液中で培養したところ、1個1個の細胞が増殖し、球状の塊を作った。

通常の肺細胞はバラバラにすると死んでしまう。

1個でも増殖して塊になるのは幹細胞だけに見られる特徴。

2つの融合遺伝子(CD74、NRG1)が正常細胞を幹細胞変えることがわかった。

ガン幹細胞が分裂すると、自分のコピー1個と、通常のガン細胞が1個できる。

ガン細胞は分裂を続けて新たなガン細胞を生み出す。

ガン細胞は3回程度増殖し、その後は分裂を停止する。






肺ガンの新たな原因遺伝子
「EML4-ALK」
「EGFR」


自治医科大学の間野博行教授らと科学技術振興機構は、肺ガンの新たな原因遺伝子を突き止めた。日本人肺ガン患者の1割に存在することが判明。
成果は2007年7/12のネイチャーに掲載
研究チームは、もっとも発生頻度が高い肺ガンである『
肺腺ガン』の患者(男性)からガン細胞を取り出し、ガン化の能力を持つ遺伝子を探した。


  • 細胞の骨格タンパク質を作る[EML4]と酵素を作る[ALK]が組み合わさってできるガン遺伝子『EML4-ALK』
発見した。


また、75名の肺ガン患者を対象に「EML4-ALK」があるかどうか調べた。そのうち5名(6.7%)で見つかった。
タンからこの遺伝子の有無を調べる検出法できわめて感度が高く調べられる。
従来法に比べて早期発見しやすい。


  • これまでにも
  • 『EGFR』と呼ぶ遺伝子の変異が肺ガンの原因になることが分かり、治療薬「イレッサ」が開発された。


「2007年7月、間野博行・自治医科大学教授が肺ガンの新遺伝子『EML4 -ALK』を特定した。
肺ガン患者の約5%が持つ遺伝子で、強力にガン化を促進する酵素を作り出す。
ネイチャーに発表された論文内容は反響を呼び、2007年秋、この分野で世界最先端の米ハーバード大学で講演を依頼された。
間野教授の武器は、微量のガン組織から本来は増えない細胞を異常に増殖させている遺伝子を見つける独自技術。

ガン細胞で働いているすべての遺伝子を取りだして、1個ずつウイルスに組み込む。このウイルスを細胞に振りかけて感染させると、ガン遺伝子が入り込んだ細胞がガン化する。この細胞を分析すると原因遺伝子が分かる。
従来のDNAチップを使う解析手法では、100個程度の候補遺伝子に絞るのが限界だった。




新技術では、
すべての遺伝子について具体的な機能を均等に調べられる


途中で人為的な遺伝子変異が起きたり、特定の遺伝子が強く働いたりして分析が困難になるのを防ぐ工夫をした。「圧倒的な物量で“絨毯爆撃”を仕掛ける」。
抗ガン剤を使ってガン化した細胞を死滅させる手法には限界がある。
もう少し洗練された薬が必要だと・・・。慢性骨髄性白血病 などの治療で細胞増殖を活性化する酵素の阻害剤が有効なことが分かっており、こうした活性を引き起こす遺伝子に注目した。2000年自治医大に「ゲノム機能研究部」を立ち上げ、遺伝子探しを始めた。

EML4-ALK
で肺ガンにしたマウスに、この遺伝子が作る酵素の阻害剤を与えると1ヶ月足らずでガンが死滅した。
米国と韓国で臨床試験が始まっている。
従来の治療薬は「EGFR」と呼ぶ遺伝子が原因の肺ガン以外には効果がない。新遺伝子は融合型遺伝子で、2種類の遺伝子がくっついてガン化能を持つ。白血病などでは2本の染色体がつながる「転座」が起きることがあり、染色体の接合部から数多くの融合型ガン遺伝子が発見された。
間野教授の発見で、未発見の融合型ガン遺伝子が多数存在する可能性が高まってきた。


耐性が発生するメカニズム
2010年、科学技術振興機構(JST)と自治医科大学の間野博行教授は肺ガンの原因遺伝子の働きを妨げる薬に対し、薬剤耐性が発生する仕組みを解明した。
成果はニューイングランンド・ジャーナル・オブメディシンに掲載。
間野教授らは2007年に肺ガン患者の3〜5%に存在する原因遺伝子「EML4-ALK」を発見。その働きをジャマするタンパク質製剤の開発が進められ臨床研究で成果が出ているが、、薬を投与していったん回復しても再発した事例があった。
そこで、再発患者から採取した胸水を分析。


「EML4-ALK」が、薬の投与後に一部変異していることを突き止めた。
立体構造が部分的に代わり、薬が結合しにくくなっていた。







薬剤耐性
2017/03/13ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)
日本人に多いタイプの進行性非小細胞がん患者の3〜4割で、がん細胞の表面にあるEGFRというタンパク質の遺伝子が変異している。

治療薬ゲフィニチブ(イレッサ)には、EGFR遺伝子に2つ目の変異が生じて効き目が落ちる。
そうすると、2016年薬剤耐性の肺がんに効く「オシメルチニブ」が承認されたが、再び患者の2割に耐性が出ることが分かった。
3つ目の変異が起きていた。
そこで、がん研究会や京都大学のチームはコンピューター「京」を利用して可能性のある薬を開発。
まもなく臨床試験に入る予定




肺腺ガンの発症に
2012年、国立がんセンターと理化学研究所などのグループは、肺ガンの約半分を占める肺腺ガンの発症のしやすさに関係する2つの遺伝子領域を見つけた。

成果はネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載。

国内の肺ガン患者6029人と、ガンにかかっていない1万3535人の遺伝子を調べた。

遺伝子の微妙な個人差であるSNP(一塩基多型)を約70万個、比較解析した。

BPTF」と「BTNL2」という2つの領域の遺伝子の配列が、ガンのかかりやすさと関係しているのがわかった。

欧米や理研のこれまでの研究で、「TERT」と「TP63」という2つの領域が、肺腺ガンの発症率に関わることがすでに判明している。

今回の成果とあわせて4領域の配列を調べれば、肺腺ガンへの罹りやすさを診断できると期待している。

肺腺ガンは、タバコを吸わない人でも発症する。
  • 女性や若い人の発症が多い。






肺腺がんとEGFR遺伝子
2016年、子公立がん研究センター、理化学研究所、東京大学のチームは、日本人に多い「肺腺がん」にかかりやすさを決める遺伝子領域を発見。


肺がんの半分を占める肺腺がんのうち、日本人に多いEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子に変異がある肺腺がんのかかりやすさを調べた。
  • EGFR遺伝子に変異あり・・3173人
  • EGFR遺伝子に変異なし・・3694人
  • がんにかかっていない・・・1万5158人
の血液と組織を採取。

約70万個の遺伝子の個人差を分析した。

その結果、
6つの遺伝子領域の個人差が、EGFR遺伝子に変異があるタイプの肺腺がんへのかかりやすさを決めていた。





ドライバー遺伝子を狙い撃ちにする分子標的薬
  • 肺がんの85%を占める非小細胞肺がんで、
  • 8種類のドライバー遺伝子が見つかっている。
    • ドライバー遺伝子 分子標的薬
      EGFR ・ゲフィニチブ
      耐性すれば→オシメルチニブ
      ALK ・クリゾニチブ
      ROS1 ・クリゾニチブ
      RET ・バンデタニブ(甲状腺ガンの治療薬)






「EGFR」と「ALK」の変異を調べる
標準治療で効果が無かった肺がん患者に、遺伝子「EGFR」と「ALK」の変異を調べる検査を行う。

遺伝子変異が見つかれば
分子標的薬を投与する。


イレッサ・・・
  • EGFRの遺伝子変異がある患者に


ザーコリ・・・
  • ALKの遺伝子変異がある患者に
  • 2015年12月にFSAが承認。

アレセンサ・・・非小細胞肺がん治療薬

中外製薬が開発。

研究
  • 2014年7月:日本で承認を得た。
  • 2016年10月、FDAは“画期的な薬なので審査を早くする”
  • 2016年12月の日本肺がん学会の利用推奨ランクで最上位に位置づけた。
  • 血液ガンの発症に関わる異常な遺伝子「ALK融合遺伝子」が一部の非小細胞肺がんに関係していることが分かった。
  • 2010年6月:24症例、第1相治験
  • 2011年:第2相治験。“ずべての患者で腫瘍が縮小した”
  • 2013年:第3相治験。副作用がザーコリの半分だった。





イレッサが効かない肺がん
ゾリンザと併用

2013年、金沢大学の矢野聖二教授や竹内伸司助教、名古屋大学の長谷川好規教授らは、イレッサが効かない患者向けの治療法を見つけた。

2013年度中の臨床試験を目指す。

イレッサはがん細胞だけを叩く分子標的薬の一種。

細胞の増殖を促すタンパク質を狙い撃ちする。

タルセバ」も同じ仕組みで働く。

特定の肺がん患者で高い治療効果がある一方で、BIMという遺伝子が変異して効かない人もいる。

イレッサタルセバとリンパ腫の抗がん剤である「ゾリンザ」を一緒に投与すると、BIMが変異ししていても肺がん細胞を攻撃することが、マウス実験で分かった。



薬剤名 商品名 参考
ゲフィニチブ イレッサ 2002/7
分子標的薬
エルロニチブ ダルセバ 2007/10
分子標的薬
アレクニチブ アレセンサ 2014/7
分子標的薬
オシメルチニブ タグリッソ 2016/3
分子標的薬
ニポルマブ オプジーボ 2015/12
免疫チェックポイント阻害薬
ベムブロリズマブ キイトルーダ 2016/12
免疫チェックポイント阻害薬
ベバシズマブ アバスチン 2009/11
血管新生阻害薬
ラムシルマブ サイラムザ 2016/6
血管新生阻害薬






ガンを
採取






特定の遺伝子に変異がある→ 分子標的薬
特定の
遺伝子
に変異が
ない
特定の
免疫制御
タンパク質
が大量に
ある 免疫チェックポイント阻害薬
ない 今までの抗ガン剤

血管新生阻害薬の併用




分子標的薬 ガン増殖の司令塔となるたんぱく質を破壊し、指令を止める
免疫チェックポイント阻害薬 ガン細胞の盾となるタンパク質を壊し、免疫細胞が攻撃できるようにする。
血管新生阻害薬 癌細胞への栄養補給路となる新しい血管ができるのを阻止。
ガンを兵糧攻めにする。





肺ガン   
スーパードクター 病院名
稲沢慶太郎 仙台厚生病院
朝戸裕二 茨城県立中央病院
秋山博彦 埼玉県立がんセンター
星 永進 埼玉県立循環器・呼吸器病センター
吉田純司 国立がん研究センター東病院
飯笹俊彦 千葉県がんセンター
淺村尚生 国立がん研究センター中央病院
池田徳彦 東京医科大学病院(新宿区)
日本で最初(2010年3月)に「ダヴィンチ」を導入
奥村 栄 癌研有明病院(江東区)
池田普悟 三井記念病院
鈴木健司 順天堂大学医学部付属順天堂医院(文京区)
呉屋朝幸 杏林大学医学部付属病院
近藤晴彦 杏林大学医学部付属病院
中山治彦 神奈川県立がんセンター
坪井正博 横浜市立大学付属市民総合医療センター
岩崎正之 東海大学医学部付属病院
小池輝明 新潟県立がんセンター新潟病院
大出泰久 静岡県立静岡がんセンター
丹羽 宏 聖隷三方原病院
小田 誠 金沢大学医学部付属病院
東山聖彦 大阪府立成人病センター
多田弘人 大阪市立総合医療センター
松村晃秀 金匱中央胸部疾患センター(堺市)
光富徹哉 近畿大学医学部付属病院
伊達洋至 京都大学医学部付属病院
吉村雅裕 兵庫県立がんセンター
宮本好博 姫路医療センター
住友伸一 日本赤十字社和歌山医療センター
奥村典仁 倉敷中央病院
三好新一郎 岡山大学病院
松浦求樹 広島市立広島市民病院
岡田守人 広島大学病院
岡部和倫 山口宇部医療センター
山下素弘 四国がんセンター
横見瀬裕保 香川大学医学部付属病院
岩崎明憲 福岡大学病院
最勝寺哲志 熊本中央病院
PRESIDENT 2012.9 より






肺ガンの治療成績上位30
病院名 診療科 所在地 院内
死亡率
手術
死亡率
九州医療センター 呼外 福岡 1.1 1.1
国立がんセンター中央病院 呼外 東京 0.0 0.3
埼玉県立がんセンター 胸外 埼玉 0.0 0.0
愛知県がんセンター 胸外 愛知 0.0 0.0
神奈川県立がんセンター 呼外 神奈川 0.0 0.0
聖隷三方原病院 呼外 静岡 1.0 1.0
西群馬病院 呼外 群馬 0.0 0.0
宮城県立がんセンター 呼外 宮城 0.0 0.0
兵庫県立成人病センター 呼外 兵庫 0.0 0.0
東海大病院 呼外 神奈川 0.0
11 自治医大病院 呼外 栃木 1.9 0.0
済生会中央病院 呼外 東京 0.0 0.0
13 北九州市立医療センター 呼外 福岡 0.0 0.0
14 南九州病院 呼外 鹿児島 0.0 0.0
住友病院 呼外 大阪 0.0 0.0
16 広島市民病院 呼外 広島 1.4 0.7
17 倉敷中央病院 呼外 岡山 0.8 0.8
北里大病院 呼外 神奈川 0.0 0.0
北海道がんセンター 呼外 北海道 0.0 0.0
群馬大病院 呼外 群馬 0.0 1.5
21 東京女子医大病院 呼外 東京 2.7 1.4
九州がんセンター 呼外 福岡 1.0 0.0
近畿大病院 呼外 大阪 1.4 0.0
24 大分大病院 外2 大分 0.0 0.0
25 都立駒込病院 外科 東京 0.0 0.0
名古屋第一赤十字病院 呼外 愛知 0.0 0.0
27 都立府中病院 呼外 東京 0.0 0.0
大垣市民病院 胸外 岐阜 2.5 2.5
29 大阪市立総合医療センター 呼外 大阪 1.2 1.2
30 国立国際医療センター 呼外 東京 2.0 2.0
仙台医療センター 呼外 宮城 0.0 0.0
早期肺ガン手術の治療法はほぼ確立している。
患者は“神の手”と言われる外科医を求めるが、技術レベルに大差ない。名医でも開胸して肺以外の臓器やリンパ節に転移していたら手の施しようがない。術後30日以内に患者が死亡した割合(手術死亡率)は技術レベルの基準になる。院内死亡率からは、手術に踏み切った判断の誤りがどれだけあるかが分かる
(土屋了介・国立がんセンター中央病院副院長)2004.12.19《日本経済新聞》より



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