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| PTE | 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism) PTEの病態・・・・肺動脈が血栓などの塞栓子により閉塞して生じる疾患で、肺循環動脈の変化と換気血流比不均等によるガス交換障害から呼吸不全を生じる。急性PTEから肺高血圧症を伴う慢性反復性PTEまで幅広い臨床像を呈する |
| 症状 | ●突然死:大きな塞栓は1〜2時間で死亡。 ●胸痛:肺動脈から起こる痛み。 ●呼吸困難 ●恐怖感 ●チアノーゼ ●脈拍:細頻 |
| 原因 | □既往の心不全 □手術を最近行ったことがある。 →腹部を大きく切らずに行う腹腔鏡手術では、空気を注入して腹部を膨らませるが、この操作も静脈を圧迫して血流が悪くなり、血栓が出来やすい。 □下肢の血栓性静脈炎がある □エコノミークラス症候群 □高齢者らに多く発症する。 □ガン患者も血液が固まりやすくなっているため、比較的多い。 |
| 検査 | ●動脈血ガス分析 「PaO2の低下」 「PaCO2の低下 「A-aDo2」・・・重症では50Torr以上。 ●胸部X線・・・肺動脈影の拡大、右心影の拡大は少ない ●心電図 ●心エコー・・・右心負荷の所見 ●肺血流シンチグラム ●右心カテーテル検査 ●血清生化学検査 「血清LDH値上昇」 「血清ビリルビン値上昇」 「抗リン脂質抗体」 ●凝固・線溶機能検査 ●血算 |
| 空の長旅 |
座りっぱなしは体に毒 「関西空港で昨年、70歳代の女性が欧州旅行を終え、旅客機から降りたとたん、呼吸困難になり意識を失った。空港の対岸にある大阪府立救命救急センターに運ばれて検査したところ、肺の血管に血の塊が詰まった肺塞栓症とわかり入院。約1ヶ月後に退院した。 長い間、狭い座席に座っていると、脚の静脈に血液が滞り、小さな血の塊が出来ることがある。水分が不足すると、より血が固まりやすい。太っている人、脱水状態にある人、ピルの服用者は危険性が高い。 同センターの横田順一朗所長によると、この女性は約10時間の飛行中、エコノミークラスに座りっぱなしだった。トイレをガマンするため、お茶なども飲まなかったという。 旅客機の狭い座席に長時間座っていると急に呼吸困難になる症状は『エコノミークラス症候群』と呼ばれる。これは、欧米で報告されているが、日本ではまだ少ない。横田さんは「長い時間、飛行機に乗るときは、十分に水分を摂るほか、ときどき立ったり歩いたりしましょう」と忠告している」 |
| 骨折 | 骨折治療で死亡 Aさんは海水浴場で転倒、右足に激痛が走った。検査で足首の骨折と分かり入院した。 患部を固定し、足先から引っ張る牽引治療を受けた。ベッドで寝たまま過ごし、5日目に固定具がはずれた。 ところが、翌日午後に見舞った母親は、酸素マスクをつけた息子の姿に驚いた。その日の早朝にトイレで突然、呼吸困難になったという。胸苦しく、脂汗が噴き出した。 「ノドまでしか息が吸えない、これで僕は終わりかと思った」とAさん。母親と話す時も、酸素マスクをはずさず苦しそうだった。 「そんな大変なことが起きたのに、なぜ私に連絡しないのか?」。母親は不審を抱き、医師に原因を尋ねたが、「心電図・X線とも異常がありません。何が原因と言われても・・・」と、要領を得ない。 容体が急変したのはその2日後。病室でのうなり声に気づいた看護婦が駆けつけると、Aさんは既に意識がなかった。呼吸・心拍が止まり、まもなく死亡。25歳の若さだった。 肺塞栓症は、血栓が肺動脈に詰まって酸素を取り込めなくなる病気。肥満体型の人は発症しやすい。 一方、病院側は「骨折治療中に肺塞栓症が起きることは少ない。死因は心不全で、過失はない」と反論する。 だが、骨折治療中に肺塞栓症で死亡したケースの報告は、いくつかある。例えば交通事故で足を骨折した中部地方の男性(当時21歳)は、足を牽引する治療後、リハビリ中に心臓が停止、急死した。 これを医学雑誌で発表した医師は「骨折で足の血管の壁が傷ついて血栓ができ、肺塞栓症を起こしたと考えられる。骨折といえども突然死につながる」と指摘。「骨折後の呼吸困難が起きたら、肺塞栓症を念頭に診療する必要がある」と話す。 |
| 手術後 |
手術後の突然死 手術の後、順調に回復しているように見える患者を襲い、突然死をもたらす肺塞栓症。足などの静脈に出来た血栓が肺に運ばれ、肺動脈が詰まって起きる。 手術中に血栓が起きるのは、足の筋肉の動きが止まって血流が悪くなるためだ。川崎市立川崎病院は、手術の際、弾力のある包帯を足に巻いたり、空気の圧縮によって足をマッサージする機械を使い、血栓が出来ないよう工夫している。 対策は、『肥満体形』や『腹腔鏡手術』など、発症の危険性の高い患者。腹腔鏡手術では、腹部に炭酸ガスを注入して膨らませるため、静脈を圧迫して血流が滞り、血栓が出来やすいと言われるからだ。 それでも血栓が出来てしまった場合に、肺に血栓が運ばれるのを防ぐため、傘の骨のような形をしたフィルターを腹部の静脈に入れる処置も、必要に応じて行う。 東京医科歯科大は、こうした予防措置に加え、発症した場合を想定した治療の手順を定めている。呼吸や心拍が止まったら、直ちに心臓マッサージ・酸素吸入といった蘇生措置を行うと共に、血栓溶解剤を注射。機能を失った肺に代わる「人工肺」を装着する。 『経皮的心肺補助装置』と呼ばれ、足の付け根の動脈と静脈に管を入れ、動脈から取った血液に酸素を補給、静脈に戻す。実際にこの装置で救命できたケースもあった。 国立がんセンター中央病院は、手術直後の患者を一括してケアする「術後管理病棟」を設置した。一般の病棟より医師・看護婦を増やし、不測に事態に備える。手術後、初めて歩いたりする時に発症しやすいため,看護婦がついて歩行訓練する。肺塞栓症を発症しても、迅速な手当で事なきを得た患者もあった。 この病気を研究する専門医のグループも作られた。94年に内科・外科・放射線科・病理科の医師らでスタートした「肺塞栓症研究会」(代表世話人=杉本恒明・関東中央病院長)。 現在は全国60余りの医療機関の医師が参加、毎年、診断や治療などの研究発表会を開き、診療のレベルアップを図る。共同研究で新しい治療法の確立を目指す一方、一般の医師への啓発も重視している。 欧米では、血栓の予防薬が広く使われているが、日本ではまだ保険で認められていない。国内でも今春、血栓予防薬の臨床試験が始まり、注目される。 研究会の世話人を務める三重大第一内科教授の中野赳さんは「肺塞栓症は日本でも増えているが、予防などに取り組む医療機関は非常に少ない。医療関係者や患者は、この疾患について理解を深めることが大切」と訴えている |
| 治療? | 症状が出たら約1週間ヘパリンという薬を注射して、血が固まらないようにします(抗凝固療法)。その後、ワーファリンという飲み薬に替えて血栓が出来ないように予防します。肺動脈の血栓はウロキナーゼやtPA(組織プラスミノーゲン活性化因子)という薬で溶かします。軽症の場合は抗凝固療法だけでもOKですが、症状が重いときは血栓を溶かす必要があります。それでもうまく行かないときは、カテーテルで血栓を細かく砕く場合もあります |
| 関連情報 |
「深部静脈血栓症」 「突然死」 「血栓」 「バリックス」 「肺梗塞」 「肺性心」 「呼吸困難」 「エコノミークラス症候群」 「 |