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肺水腫(薬剤性)



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肺水腫(肺浮腫)
英語名:pulmonary edema
同義語:肺浮腫     
肺に血液の液体成分が血管の外にしみ出してたまる肺浮腫は、医薬品の服用によっても起こる場合があります。医薬品の投与後に、急に、次のような症状が見られた場合には、直ちに医師・薬剤師に連絡して下さい。
  • 「息が苦しい」、
    「胸がゼーゼーする」、
    「咳・痰がでる」、
    「呼吸がはやくなる」、
    「脈がはやくなる」
1.肺水腫とは?
  • 肺水腫とは、肺で血液の液体成分が血管の外へ滲み出した状態をいいます。
  • 肺に液体成分がたまるため肺から酸素を取り込むことができづらくなり呼吸が苦しくなります。
  • 一般的に臨床でよくみられる肺水腫は、大きく、2つあります。
    1. 心臓弁膜症や心筋梗塞など、心臓の病気が原因となって起こるもので、一般に、急性左心不全、あるいは、心原性肺水腫と呼ばれています。
    2. もう1つは、急性肺損傷(ALI)・急性呼吸窮迫(促迫)症候群(ARDS)と呼ばれている肺水腫です。このタイプについては、「急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群」のマニュアルを参照して下さい。
  • 薬剤に強く関係するものとして、毛細血管漏出症候群に伴う肺水腫があります。
    • これは、主として、アレルギー性機序により、全身の毛細血管で蛋白や水分の漏出がおこり、全身のむくみとともに、肺水腫がおこります。非常に稀な疾患です。
      原因となる薬剤の投与数時間以内に肺水腫を引き起こします。
  • 医薬品が関係する肺水腫(薬剤性肺水腫)は、ALI/ARDS 以外では、心原性肺水腫を示す薬剤としては心臓の機能障害を起す薬剤、毛細血管漏出症候群に伴うものとしては、免疫抑制薬、抗がん薬などがあります。

2.早期発見と早期対応のポイント
医薬品の投与後に、急に、「息が苦しい」、「胸がゼーゼーする」、「咳・痰がでる」、「呼吸がはやくなる」、「脈がはやくなる」などの症状に気づかれた場合は、服薬等を中止して担当医師に連絡をとり、とにかくすみやかに病院を受診して下さい。


左心不全による肺水腫では、特に、
  • 横になると息苦しいため起き上がって座位を取ったり(起座呼吸)、
    夜中に突然息苦しくて目が覚めたり(発作性夜間呼吸困難)、
    ピンク色(薄い血液の色)の泡状の痰(泡沫痰)が出ます。





1.早期発見と早期対応のポイント
(1)副作用の好発時期
  • 薬剤性肺水腫の発症は、一般的には、疑義薬の投与開始から比較的早い時期あるいは初回投与後、投与開始15 分から数時間以内にみられる。
  • アレルギー性機序による場合も同様である。
  • しかし、稀には、長期投与中にみられる場合もあるが、この際も症状の発現は急性である。
(2)患者側のリスク
  • 輸液療法をおこなう際には、術後や心・腎機能が低下している場合や高齢者には過剰となりやすく、肺水腫を起こしやすい
(3)投薬上のリスク因子
  • 透過性亢進型肺水腫では、
    • アスピリン肺水腫のように血中濃度がある一定の値(30mg/dL)を超えると発生しやすい医薬品
    • アミオダロン肺障害のように一日の投与量がある量(400mg/日)を超えると発生しやすい医薬品
    • ブスルファン肺障害のように累積投与量がある量(500mg)を超えると発生しやすい医薬品がある
  • アレルギー性機序による場合は薬物濃度に依存しない。
(4)患者もしくは家族が早期に認識しうる症状
  • 急性に発症する、
  • 咳、痰(時に、泡沫ピンク様)、息切れ・呼吸困難(時に、起座呼吸)などから本症を疑う。
(5)早期発見に必要な検査と実施時期
  • 急性に発症する病態であり、時に、発症の予測が困難な事が多く、症状の出現時に、
    1. 速やかにパルスオキシメーター(SpO2)あるいは
    2. 動脈血ガス分析によるPaO2 の検査、
    3. 胸部X 線写真および胸部CT の撮影をおこなう。





2.副作用の概要
(1)自覚症状
  • 心原性肺水腫では、喘鳴、呼吸困難、特に、発作性夜間呼吸困難や起座呼吸、咳および泡沫状のピンク色の痰が特徴である。
  • 非心原性肺水腫では、発作性夜間呼吸困難や起座呼吸が見られないことがある。
(2)身体所見
  • 努力性呼吸、頻呼吸、頻脈、頸静脈の怒張がみられる。
  • 皮膚は蒼白で冷湿、チアノーゼを伴い、ショックに陥ることもある。
  • 聴診上、肺で水泡音(coarsecrackles)あるいは捻髪音(fine crackles)が聴取される。
(3)臨床検査所見
  • 肺水腫を疑ったら、胸部X 線写真、心電図、心臓超音波検査は必須である。
  • 非心原性肺水腫が疑われる場合は胸部CT 撮影もおこなう。
  • Swan-Ganz カテーテル検査をおこなった場合は、肺動脈楔入圧が正常上限(12mmHg)を超えている場合は左心不全を疑い18mmHg 以上なら左心不全は確実である。
  • 血液検査では、血漿脳性Na 利尿ペプチド(BNP)が100 pg/mL 以上なら左心不全を疑う。
  • 透過性亢進型肺水腫では、特に、ALI/ARDS では、炎症の指標として白血球数の増加、赤沈およびCRP の上昇、肺障害の指標としては非特異的であるがLDH の上昇がみられることがある。
  • 肺の損傷のマーカーとして血清KL-6 値が上昇する事がある。
  • 一般的な、アレルギーの指標として好酸球の増加、IgE の上昇も確認する。
  • 酸素化およびガス交換の状態を反映する指標としてSpO2 とPaO2 の低下、A-aDo2 の開大を認める。
  • 浮腫液が採取されれば、その細胞成分や生化学的解析により鑑別が可能な事がある。
  • 肺水腫液/血液の蛋白濃度比は、圧上昇型では0.5 以下、透過性亢進型では0.7 以上である。
  • 気管支肺胞洗浄(BAL; bronchoalveolar lavage)液でも同様で透過性亢進型肺水腫では、細胞数が多く、蛋白やLDH の濃度が高い。
(4)胸部画像所見
  • 両側の浸潤影、肺胞性浸潤影(air space consolidation)、すりガラス影(ground glass opacity、GGO)がみられる。
  • 心原性と透過性亢進型肺水腫は表1を参考に鑑別可能な事がある。
(5)病理検査所見
  • 心原性肺水腫では、肺は容積と重量を増し割面や気管支からは泡沫ピンク色の液体が流出する。
  • 組織学的には血管・気管支周囲の間質性浮腫や肺胞内浮腫がみられる。
  • 慢性の肺うっ血(pulmonary congestion)では肺胞にヘモジデリン顆粒を含む食細胞、すなわち心不全細胞(heart failure cell)がみられ肺小動脈や肺毛細血管壁は肥厚しフィブリン沈着や結合組織の増生があり内腔は赤血球で充満している。
  • さらに慢性の例では肺ヘモジデリン症を呈しうる。
  • 透過性亢進型肺水腫では、原因によって差はあるものの、ALI/ARDS では組織学的に肺水腫、出血、硝子膜形成、好中球を主体とした細胞浸潤など、びまん性肺胞傷害(diffuse alveolar damage, DAD)の像がみられる。



(6)発生機序
  • 一般に、肺水腫の発生機序は、
    • 左心機能の障害による肺静脈圧の上昇(心原性肺水腫)
    • 血管内浸透圧の低下、
    • 体内水分量の増加などによる圧上昇型肺水腫
    • ALI/ARDS で代表される透過性亢進型肺水腫
    に大別される。
  • 臨床的には、左心不全の際にみられる心原性肺水腫とこれ以外の非心原性肺水腫に大別する事が多い。
  • 薬剤による肺水腫(薬剤性肺水腫)は非心原性肺水腫の場合が多い。
  • その他に薬剤性肺水腫の特異なものとして、毛細血管漏出症候群、輸血に伴う肺水腫(輸血関連急性肺障害;TRALI、transfusion related acute lunginjury)、カテコラミン肺水腫がある。
詳細は後述する。なお、TRALI は既に「急性肺損傷・呼吸窮迫症候群」のマニュアルで詳述1)しているので省略する。









表1 薬剤性肺水腫の原因薬物
「心原性肺水腫」
  • A:α- 受容体作動薬
    • 「メタラミノール」「フェニレフリン」「ノルエピネフリン」
    B:βブロッカー
    • 「プロプラノロール」「ナドロール」「チモロール」「ピンドロール」「メトプロロール」「アテノロール」
  • C:Ca 拮抗薬
    • 「ベラパミル」「ジルチアゼム」「二フェジビン」
  • D:血漿増量剤
    • 「アルブミン」「血漿蛋白製剤」「等張性・高張性輸液剤」
  • E:副腎皮質ステロイド


「非心原性肺水腫」
  • A:非ステロイド抗炎症剤
    • アスピリン(アセチルサリチル酸)
  • B:痛風治療薬
    • コルヒチン
  • C:抗癌剤
    • シタラビン
  • D:抗生物質・抗菌剤
    • アムホテリシンB
  • E:利尿剤
    • ヒドロクロロチアジド
  • F:抗不整脈薬
    • 「リドカイン」「アミオダロン」
  • G:向精神薬・抗不安薬・睡眠薬
    • 「ハロペリドール」「アミトリプチリン」「クロルジアゼポキシド」「エトクロルビノール」「フルラゼパム」
  • H:麻薬,麻薬性鎮痛剤
    • 「ヘロイン」「モルヒネ」「メサドン」「プロポキシフェン」
  • I:陣痛発来防止薬(β受容体作動薬)
    • 「イソクスプリン」「テルブタリン」「リトドリン」
  • J:その他
    • 「フルオレセイン」「プロタミン」「パラコート」「エチオドール」「デキストラン」「有毒ガス吸入」「窒素酸化物」「ホスゲン」「酸素中毒」





表2 非心原性肺水腫誘起薬剤
Group1(>10cases)
  • ・エトクロルビノール (Ethchlorvynol)
    ・麻薬・麻酔薬
       ヘロイン(Heroin)
       プロポキシフェン(Propoxyphene)
       メサドン(Methadone)
       ナロキソン(Naloxone)
    ・陣痛防止薬
       リトドリン(Ritodrine)
       イソクスプリン(Isoxsuprine)
       サルブタモール(Salbutamol)
       テルブタリン(Terbutaline)
    ・非ステロイド抗炎症薬
       サリチル酸類(Salicylate)
    ・ 利尿薬
       ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)
    ・プロタミン(Protamine)
    ・ インターロイキン-2(遺伝子組換え)
       (Recomblnant interleukin 2)
Group 2 (5-10 cases)
  • ・シクロスポリン(Cyclosporine)
    ・三環系抗うつ薬
    ・アミオダロン(Amiodarone)
    ・ビンカアルカロイド系抗癌薬
    ・マイトマイシンC(Mitomycin C)
    ・ブレオマイシン(Bleomycin)
    ・ シタラビン(Cytarabine)
Group 3 (controversial areas)
  • ・アムホテリシンB(Amphotericin B)と好中球輸血
    ・インスリン(Insulin)と糖尿病ケトアシドーシス
Group 4 (<5cases)
  • ・ストレプトキナーゼ(Streptokinase)
    ・ST合剤
    ・フルラゼパム(Flurazepam)
    ・リドカイン(Lidocaine)
    ・硬化療法(Sclerotherapy)
    ・ニトロプルシド(Nitroprusside)
    ・硬膜下腔内のメトトレキサート(Intrathecal methotrexate)





1)圧上昇型肺水腫
  • このタイプには、直接心血管系に作用して血行動態に影響を与え、心筋収縮能の低下や末梢血管抵抗の増大に基づいて左心不全を来たすもの(心原性肺水腫)と、電解質平衡の破綻などにより細胞外液を増加させ体内水分貯留を来すものとがある。


心原性肺水腫
  • @α-受容体作動薬(アドレナリン、ノルアドレナリン、フェニレフリン)
        後述するカテコラミン肺水腫である。
    Aβブロッカー(プロプラノロール、メトプロロール、アテノロールなど)
    • 左心機能低下を来し、左心不全を誘発する場合がある。

        
    BCa 拮抗薬(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン)
    • βブロッカーと同様に、これらの薬物投与により、左心不全を誘発する場合がある

        


体内水分貯留による肺水腫
  • @血漿増量剤
    • (アルブミン、血漿蛋白製剤、等張性・高張性輸液製剤)
    • 輸液製剤の中で、血漿増量薬は細胞外液を増加させ、肺水腫を惹起させる。頻度が多く、用量、投与時間に依存する。心腎機能が正常な場合、相当量を輸液しても生体は対応できるが、術後や心腎機能が低下している場合や高齢者には過剰となり肺水腫を起こしやすい。
  • A副腎皮質ステロイド
    • 経口、静脈内投与いずれの場合でも肺水腫発症の報告があり、用量依存性である。過剰投与した場合に、主として電解質の代謝に作用する鉱質コルチコイドの作用により、体内Na と水分の増加、K の減少が起こり、更に循環血漿量も増加して肺水腫を発症する





2)非心原性肺水腫
  • 薬物の直接障害による透過性亢進型肺水腫の原因としてはアスピリン、ハロペリドール、エチオドールなどが知られており、生体側の過敏反応による
    透過性亢進型肺水腫にはヒドロクロロチアジド、リドカイン、デキストランなどが知られている。
@アスピリン
  • 誤飲や意図的に大量内服した場合に、肺水腫発生の報告がある。
  • 血清濃度が30mg/dL 以上で、数時間以内に発症するとされている。
  • アスピリンによるシクロオキシゲナーゼの抑制からプロスタグランジン産生が減少し、血管透過性が亢進すると考えられている。
Aコルヒチン
  • 常用量以上に投与した場合に肺水腫の発生が報告されている。
Bシタラビン
  • 急性白血病治療薬として用いられる。
  • 本剤投与後、胃腸障害を合併した原因不明の肺水腫発生の報告がある。
  • 用量依存性については不明であるが、投与後30 日以内に発症するとされている。
Cヒドロクロロチアジド
  • 降圧剤として定期的に連日服用した場合ではなく、多くは利尿を目的に一時的に服用した場合に肺水腫の発生が報告されている。
  • 患者のほとんどは女性で、本剤服用後1 時間以内に急性肺水腫を発症する。3 分の1の症例で発熱が認められ、死亡例も報告されている。
  • 誘発試験により、同様の症状と胸写上の異常陰影を再現出来る。
Dリドカイン
  • リドカインに対する過敏反応による肺水腫発症の報告がある
Eアミオダロン
  • アミオダロンの肺障害としては肺炎、過敏性肺臓炎、肺線維症が報告されていて、しばしばみられる。
  • アミオダロンの肺障害と診断された患者が、その後心肺手術を受けたところ、急速にARDS に進展した報告や、閉塞性肥大型心筋症の心臓手術後のアミオダロン治療群に、ARDS の発症を認めている。
FアムホテリシンB
  • 非心原性肺水腫類似の肺障害を惹起し得る抗菌薬として、ニトロフラントイン、アムホテリシンB、サルファ剤、パラアミノサリチル酸、アンピシリン、ST 合剤などが報告されている。
  • アムホテリシンB は抗真菌薬の一種で静脈内投与されるが、白血球が減少した患者に、白血球輸血を施行すると同時に、または輸血後に投与された際に肺水腫が発症した報告がある。
  • 本剤が輸血された多核白血球を傷害し、肺内への分画を促進し、肺組織に付着した白血球が肺組織を傷害すると推測されているが、詳細は不明である。
G向精神薬・抗不安薬・睡眠薬
  • メジャートランキライザーのハロペリドール誘発の肺水腫の報告がある。
  • 悪性症候群の経過中に肺水腫やARDS が発症した例も報告されており、ハロペリドール誘発肺水腫の報告は悪性症候群の可能性が否定されていない。
  • そのほか、三環系抗うつ薬のアミトリプチリンや、マイナートランキライザーのクロルジアゼポキシド、睡眠薬のエトクロルビノールを大量に内服または静注した場合に、肺水腫の発生が報告されている。
H麻薬、麻薬性鎮痛剤(ヘロイン、モルヒネ、メサドン、プロポキシフェン)
  • ヘロイン常用者での肺水腫の報告はよく知られている。
  • 発症機序としては、薬物のヒスタミン遊離作用による血管内皮細胞の傷害により、血管透過性が亢進する機序と、中枢性呼吸抑制による低酸素血症から2 次的に発生するとの説がある。
  • 左心機能は障害されず、肺動脈楔入圧も正常である。
  • モルヒネは心原性肺水腫の際の呼吸困難に対して、静注で症状を改善するとされているが、気道閉塞に伴う肺水腫に対しては投与すべきでない。
  • モルヒネには、一般的には気管支平滑筋を収縮させる作用があるので、努力性呼吸を助長し、肺水腫を悪化する場合も多いと考えられる。
I陣痛発来防止薬(イソクスプリン、テルブタリン、リトドリン)
  • 早産予防のために用いられるβ2 受容体作動薬で、喘息の治療薬としても使用される。
  • 経口投与、静脈内投与のいずれでも、まれに致死的な非心原性肺水腫を発症することがある。
  • おそらく用量依存性があると考えられている。特に、副腎皮質ステロイドとの併用、輸液過剰、貧血、心疾患が存在した場合に頻度が高くなることが知られている。
Jプロタミン
  • A−C バイパス手術後の患者に使用し非心原性肺水腫が発症した例がある。
Kパラコート
  • 除草剤であるが、誤飲あるいは自殺企図で服用した場合に出現する。
  • 15mL 以上の服用は致死的である。
  • 早期には悪心、嘔吐、下痢などの腹部症状が主であるが、数日後、肺水腫から不可逆性の肺線維症などの呼吸障害が出現し死に至る。
L有毒ガス吸入・酸素中毒
  • 窒素酸化物などの有毒ガス吸入によって肺水腫が発症する。
  • また、高濃度の酸素(80%以上)吸入を継続した場合の肺障害(酸素中毒)も透過性亢進型肺水腫である。





3.副作用の判別基準(判別方法)
  • 胸部X 線写真または胸部CT で両側の浸潤影を認める場合、最も重要な鑑別は、ALI/ARDS である。
  • 一般的には、ALI/ARDS の病態は、治療抵抗性で予後も不良である。
  • 胸部画像所見(表3)、心臓超音波検査、血漿BNP 値、KL-6、BAL 液所見、などを参考にして総合的に鑑別する。
  • 医薬品以外の原因を否定するには、薬剤リンパ球刺激試験(DLST)は参考になるが、偽陽性、偽陰性があるので、結果の解釈は慎重にすべきである。
  • 医薬品の中止による改善、再投与による肺障害の再現が確実な診断であるが、再投与試験(チャレンジ試験)により重篤となる危険性があり禁忌である。






判別が必要な疾患と判別方法
抗悪性腫瘍薬の場合は、悪性腫瘍の進行、特に癌性リンパ管症を判別する。

また骨髄抑制があった場合には、日和見感染症が鑑別に挙がる。

膠原病などに対して免疫抑制薬が投与されている場合には、日和見感染症や、原疾患による間質性肺炎の増悪が鑑別に挙がる。


これらの鑑別には、各種日和見感染症の抗原・抗体やPCR、喀痰の培養と細胞診、腫瘍マーカー、自己抗体の測定などが診断の補助になる。

可能なら気管支鏡検査を施行し、BAL と経気管支肺生検(TBLB: transbronchial lungbiopsy)を施行することが望ましいが、呼吸不全のため施行できないこともある。

人工呼吸器による呼吸管理が施行された症例では、人工呼吸器を使用したままBAL を行なうことも検討する。

アミオダロンによる肺障害と左心不全の鑑別にはGa シンチが有用である





5.治療方法
  • 原因と考えられる薬剤をただちに中止する。ALI/ARDS の病態が疑われる場合は、「急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群」のマニュアルを参照されたい。
@体位および安静
  • 半座位にして静脈還流を減少させ、肺うっ血を軽減させる。
A酸素投与
  • PaO2 90 Torr(SpO2 90%)以下の場合、酸素投与をおこなう。
  • 通常T型呼吸不全であり、CO2 ナルコーシスになる危険が少ないのでPaO2 90 Torr(SpO2 90%)以上を維持するように積極的な酸素投与をおこなう。
B呼吸管理
  • 高度の呼吸困難や酸素吸入にても低酸素状態が改善されない場合は人工呼吸管理をおこなう。
  • 心原性肺水腫(急性左心不全)では、まずNPPV(非侵襲的陽圧換気療法)を試みる。
  • ALI/ARDS の病態を呈する場合は、気管内挿管による人工呼吸管理を要する事が多い。
C薬物投与
  • 左心不全では、利尿薬(フロセミド)の静注をおこない、必要に応じ、ニトログリセリン、塩酸ドパミン、カルペリチドなどの静脈内投与をおこなう。




チェック
関連情報
肺水腫」「せき」「呼吸困難」「肺鬱血







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