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スティーブンス・ジョンソン症候群
(SJS)



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スティーブンス・ジョンソン症候群 
(皮膚粘膜眼症候群)

クスリを飲んだあと、高い熱と共に湿疹が出たら・・・要注意。

症状は
  • 全身が火傷のように焼けただれ、やけど様の症状は治るが、目に後遺症が残る疾患
  • 重症になると失明死亡することがある
  • 重篤な皮ふ症状などをともなう「スティーブンス・ジョンソン症候群」は、その多くが医薬品によるものと考えられています。
    抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬などでみられ、また総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でもみられることがあるので、何らかのお薬を飲んでいて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    • 「高熱(38℃以上)」、
    • 「目の充血」、
    • 「めやに(眼分泌物)」、
    • 「まぶたのはれ」、
    • 「目が開けづらい」、
    • 「くちびるのただれ」
    • 「陰部のただれ」、
    • 「排尿排便時の痛み」、
    • 「のどの痛み」、
    • 「皮ふの広い範囲が赤くなる」
    がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする








106人死亡
SJSなどの重い皮膚障害が2001~2003年秋までの約2年半に1064件報告され、死亡例は106件あったことが厚生労働省のまとめで分かった。市販の風邪薬で起きることもあり、注意を呼びかけている。
全体の2/3は回復したり症状が軽くなったが、ほぼ1割の106件は臓器障害の合併症などで死亡した。62件は呼吸器官などに後遺症が残った。

原因と疑われている薬品は283種類に上り、抗生物質製剤や解熱鎮痛消炎剤、総合感冒剤などが多かった。
過去の推計でも、1997~2000年度に105件の死亡事例が報告されている。

スティーブンス・ジョンソン症候群は、まず発熱や赤い斑点が現れ、重症化すると全身に水ぶくれやただれができる。
中毒性表皮壊死症(
TEN)も似た経過をたどる。

  • 合併症による死亡率は
    1. スティーブンス・ジョンソン症候群(6%)、
    2. 中毒性表皮壊死症(20~30%)
    とされる。

発症のはっきりしたメカニズムは不明だが、中毒性表皮壊死症[TEN]の9割以上の原因が医薬品とした研究報告もあるという。
  • 発生頻度は、外国の研究報告だが、人口100万人あたり、
    • スティーブンス・ジョンソン症候群が1~6人/年間、
    • 中毒性表皮壊死症が0.4~1.2人/年間。

    厚労省は「医薬品投与後に高熱を伴う発疹などがあれば直ちに投与を中止し、皮膚科の専門医が治療すべきだ」としている。

スティーブンス・ジョンソン症候群の症状
  • 「高熱(38℃以上)」、
    「目の充血」、
    「目やに」(眼分泌物)、
    「まぶたの腫れ」、
    「目が開けづらい」、
    「くちびるのただれ」
  • 「のどの痛み」、
    「皮ふの広い範囲が赤くなる」
  • 「陰部のただれ」、
    「排尿時の痛み」
  • 「排便時の痛み」
  • がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする

多型紅斑の一種
  1. 紅斑、水疱、ビランが体の表面や粘膜の大部分の部位に広範囲に生じるもので、高熱や悪心を伴う。
  2. 皮膚のみならず、口腔や陰部などの粘膜や・目にも症状が現れる。


抗生物質や解熱剤の副作用で発症する
  1. ペニシリン系の抗生物質
  2. セフェム系の抗生物質:「セフジニル」
  3. 抗テンカン薬:
            「ゾニサミド」
            「カルバマゼピン」
            「フェノバルビタール」
  4. 非ステロイド性抗炎症薬
  5. 原因となる薬物は1100種類以上あると言われる。

(副作用でスチーブンス・ジョンソン症候群になる医薬品)
  • 「アレビアチン」「ガスター」「タガメット」「タリビッド」「テグレトール」「トレドミン」「PL顆粒」「ラシックス」「ザイロリック」「リピトール」「レニベース」「ロキソニン







スティーブンス・ジョンソン症候群厚生労働省
英語名:Stevens-Johnson syndrome(SJS)
同義語:皮膚粘膜眼症候群
1.スティーブンス・ジョンソン症候群とは?
  • スティーブンス・ジョンソン症候群とは、高熱(38℃以上)を伴って、発疹・発赤、やけどのような水ぶくれなどの激しい症状が、比較的短期間に全身の皮ふ、口、目の粘膜にあらわれる病態です。
  • その多くは医薬品が原因と考えられていますが、一部のウイルスやマイコプラズマ感染にともない発症することも知られています。
    スティーブンス・ジョンソン症候群の発生頻度は、人口100 万人当たり年間1~6 人と報告されており、原因と考えられる医薬品は、主に抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬など広範囲にわたります。発症メカニズムについては、医薬品などにより生じた免疫・アレルギー反応によるものと考えられていますが、さまざまな説が唱えられており、いまだ統一された見解は得られていません。
2.早期発見と早期対応のポイント
    • 「高熱(38℃以上)」、
    • 「目の充血」、
    • 「めやに(眼分泌物)」、
    • 「まぶたの腫はれ」、
    • 「目が開けづらい」、
    • 「くちびるや陰部のただれ」、
    • 「排尿・排便時の痛み」、
    • 「のどの痛み」、
    • 「皮ふの広い範囲が赤くなる」
    がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりするような場合で、医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    1. 原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症することが多く、数日以内あるいは1 ヶ月以上経ってから起こることもあります。
    2. また、目の変化は、皮ふなどの粘膜の変化とほぼ同時に、あるいは皮ふの変化より半日もしくは1日程度、先にあらわれ、両目に急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血・目やに・涙・かゆみ・はれなどが起こる病態)を生じることが知られています。
    なお、医師・薬剤師に連絡する際には、服用した医薬品の種類、服用からどのくらいたっているのかなどを伝えてください。


(1)早期に認められる症状
  • 医薬品服用後の発熱(38℃以上)
  • 眼の充血、めやに(眼分泌物)、
  • まぶたの腫れ、
  • 目が開けづらい、
  • 口唇や陰部のびらん、咽頭痛、紅斑
  • 医療関係者は、上記症状のいずれかが認められ、その症状の持続や急激な悪化を認めた場合には早急に入院設備のある皮膚科の専門機関に紹介す
    る。



(2)
副作用の好発時期
  • 原因医薬品の服用後2 週間以内に発症することが多いが、数日以内あるいは1 ヶ月以上のこともある。なお、眼病変は、皮膚または他の部位の粘膜病変とほぼ同時に、あるいは皮膚病変より半日ないし1日程度先行して認められ、両眼性の急性結膜炎を生じる。

(3)患者側のリスク因子
  • 医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状・肝機能障害などを認めた既往のある患者には、注意して医薬品を使用する。
  • 肝・腎機能障害のある患者では、当該副作用を生じた場合、症状が遷延化・重症化しやすい。

(4)推定原因医薬品
  • 推定原因医薬品は、抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、痛風治療薬、サルファ剤、消化性潰瘍薬、催眠鎮静薬・抗不安薬、精神神経用薬、緑内障治療薬、筋弛緩薬、高血圧治療薬など広範囲にわたり、その他の医薬品によっても発生することが報告されている。

(5)医療関係者の対応のポイント
  • 発熱(38℃以上)、
  • 粘膜症状
    • 結膜充血、
    • 口唇びらん、
    • 咽頭痛、
    • 陰部びらん、
    • 排尿排便時痛
  • 多発する紅斑(進行すると水疱・びらんを形成)を伴う皮疹
   の3 つが主要徴候である。

  • 全身の発疹が増えるにつれて、眼の炎症も高度となり、偽膜形成、眼表面(角膜、結膜)の上皮障害を伴うようになる。
  • 皮膚生検で確定診断を早急に行い、併せて肝・腎機能検査を含む血液検査、呼吸機能検査等を実施し、全身管理を行う。
  • また、被疑薬の同定、単純ヘルペスやマイコプラズマ抗体価の測定を行う。
    以上の症状・検査により本症と診断した場合は、直ちに入院させた上で、眼科や呼吸器科などとのチーム医療を行う。特に、重篤な後遺症を残しやすい眼病変の管理を適切に行うことが重要である。


[早期発見に必要な検査項目]
  • 血液検査(C 反応性蛋白(CRP)増加、白血球増加、もしくは白血球減少を含む造血器障害、肝機能障害、腎機能障害)
  • 尿検査(尿蛋白、尿潜血)
  • 便検査(便潜血)
  • 皮膚の病理組織検査(可能なら迅速病理組織診断)





2.副作用の概要
  • スティーブンス・ジョンソン症候群は、発熱(38℃以上)を伴う口唇、眼結膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹及び皮膚の紅斑で、しばしば水疱、表皮剥離などの表皮の壊死性障害を認め、その多くは、薬剤性と考えられている。ただし、一部のウイルスやマイコプラズマ感染に伴い発症することもある(「3.副作用の判別基準(判別方法)」の項参照)。
(1)自覚症状
  • 発熱(38℃以上)、
  • 眼の充血・眼脂、
  • 口唇のびらん・疼痛、
  • 外陰部のびらん、
  • 咽頭痛、
  • 排尿排便時痛、
  • 呼吸苦、
  • 皮疹。


(2)他覚症状
  1. 多形紅斑様皮疹
    • (浮腫性紅斑、flat atypical targets と表現される環状紅斑、水疱及びびらん)(図1参照)
  2. 結膜充血、眼脂、眼瞼の発赤腫脹、開眼困難、偽膜形成、進行する瞼球癒着
  3. 口唇の出血性びらん・血痂(図2参照)、口腔咽頭粘膜びらん、肛囲・外尿道口の発赤・びらん
  • 図1:体幹の浮腫性紅斑と水疱・びらんの例
    SJSの画像
    図2:口唇の出血性びらん・血痂の例
    SJSの画像


(3)臨床検査値
  • CRP の上昇、
  • 白血球上昇・もしくは白血球減少を含む骨髄障害、肝機能障害、腎機能障害。
  • 血尿・血便。
  • 感染症に伴う同症候群では、単純ヘルペスなどのウイルス抗体価やマイコプラズマ抗体価の変動を認めることがある。


(4)画像検査所見
  • ・ 細隙灯顕微鏡検査により結膜充血、眼脂、偽膜、角結膜上皮障害・上皮欠損(重症では全角膜上皮欠損となる)、瞼球癒着、睫毛の脱落を認めることがある。
    ・ 呼吸器障害をともなう場合、胸部X-P 写真、単純胸部CT で肺水腫、肺炎、間質性肺炎の像をチェックする。
    ・ 上部及び下部消化管粘膜障害をともなう場合、内視鏡検査にて粘膜の炎症所見やびらん・潰瘍をチェックする。
いずれの場合も各診療科とのチーム医療が重要となる。

(5)病理組織所見
  • 真皮上層の浮腫と表皮への細胞浸潤、表皮細胞の個細胞壊死の多発と、好酸性壊死に陥った表皮細胞にリンパ球が接着するsatellite cellnecrosis が認められる。
    表皮の壊死性変化が進行すると、表皮全層の壊死や表皮-真皮間の裂隙(表皮下水疱)形成がみられる。
(6)発症機序
  • 医薬品(ときに感染症)により生じた免疫・アレルギー反応により発症すると考えられているが、種々の説が唱えられており、未だ統一された見解はない。
    病変部では著明なCD8 陽性T 細胞の表皮への浸潤がみられることから、発症は活性化された細胞傷害性T リンパ球(CD8 陽性T 細胞)の表皮細胞攻撃の結果と考えられるが、その機序としては、直接的に表皮細胞のアポトーシスを誘導する、もしくはこの細胞から産生されるIFN-γやマクロファージから産生されるTNF-αが細胞傷害を引き起こすと想定されている。
    また、細胞死を誘導する受容体であるFas とFas に対するリガンドであるFas ligand (FasL)の異常発現を認め、分子の相互作用によって表皮細胞のアポトーシスが生じるとの考え方もある。すなわち、原因薬剤刺激により産生される末梢血単核球由来の可溶性FasL (sFasL)が表皮細胞のFasに結合しアポトーシスを誘導することによりSJS/TEN を発症させ得ると推測されている。
(7)医薬品ごとの特徴
  • 現時点では、原因医薬品ごとの特徴についての知見は得られていない。
(8)副作用発現頻度
  • 人口100 万人当たり年間1~6 人との報告がある。
(9)自然発症の頻度
  • 自然発症の頻度は明らかではない。発症の原因としては、医薬品(健康食品を含む)によるものが多いとされ、そのほか一部のウイルスやマイコプラズマ感染に伴うものなどがみられる。


3.副作用の判別基準(判別方法)
(1)概念
  • 発熱を伴う口唇、眼結膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹および皮膚の紅斑で、しばしば水疱、表皮剥離などの表皮の壊死性障害を認める。原因の多くは、医薬品である。

(2)主要所見(必須)
  • ①皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられること。
    ②しばしば認められるびらん若しくは水疱は、体表面積の10%未満であること。
    ③発熱。

(3)副所見
  • ④皮疹は非典型的ターゲット状多形紅斑である。
    ⑤角膜上皮障害と偽膜形成のどちらかあるいは両方を伴う両眼性の非特異的結膜炎。
    ⑥病理組織学的に、表皮の壊死性変化を認める
ただし、ライエル症候群(Toxic epidermal necrolysis: TEN)への移行があり得るため、初期に評価を行った場合には、極期に再評価を行う。







4.判別が必要な疾患と判別方法

(1)多形滲出性紅斑
  • 患部 主として四肢伸側、関節背面に円形の浮腫性紅斑を生じる。
    紅斑 紅斑は辺縁が堤防上に隆起し、中心部が褪色して標的状となる(target lesion)
    ときに中心部に水疱形成をみる。
    病因 病因は
    単純ヘルペスやマイコプラズマなどの感染症に伴う感染アレルギー、
    昆虫アレルギー、
    寒冷刺激、
    妊娠、
    膠原病(特に全身性エリテマトーデス)、
    内臓悪性腫瘍などがある。

(2)多形紅斑型薬疹
  • 医薬品服用後に四肢、体幹に浮腫性の紅斑がみられる。発熱や肝機能障害を伴うことがあるが、粘膜疹は伴わないか伴っても軽症である。

(3)中毒性表皮壊死症(TEN)
  • 広範囲な紅斑と、全身の10%を超える表皮の壊死性障害による水疱、表皮剥離・びらんを認め高熱と粘膜疹を伴う。原因の大部分は医薬品である。SJS からの移行があり得る。
    (「中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)」のマニュアル参照)

(4)水痘
  • 体幹に大豆大までの浮腫性紅斑としてはじまり、すぐに小水疱と化す。
    新旧の皮疹が混在し、個疹は数日で乾燥して痂皮となる。体幹、顔面に多く、被髪頭部、口腔内、結膜、角膜にも生じる。ときに膿疱化する。潜伏期は10〜20 日。成人や免疫の低下した患者では高熱を伴い、脳炎や肺炎などの臓器障害侵襲を認めることがある。

(5)薬剤性過敏症症候群
(drug-induced hypersensitivity syndrome:
DIHS
  • 医薬品を服用後、通常2週間以上経過してから発熱を伴って全身に紅斑丘疹や多形紅斑がみられ、進行すると紅皮症となる。通常粘膜疹は伴わないか軽度であるが、ときに口腔粘膜のびらんを認める。全身のリンパ節腫脹、肝機能障害をはじめとする臓器障害、末梢白血球異常(白血球増多、好酸球増多、異型リンパ球の出現)がみられる。医薬品の中止後も症状は遷延し、経過中にヒトヘルペスウイルス-6の再活性化をみる。






5.治療方法
  • まず被疑薬の服用を中止する。厳重な眼科的管理、皮疹部および口唇・外陰部粘膜の局所処置、補液・栄養管理、感染防止が重要である。薬物療法として以下に挙げるものが有効である。

(1)ステロイド全身投与
  • 急性期にはプレドニゾロン換算で、中等症は0.5~1 mg/kg/日、重症例は1~2 mg/kg/日、最重症例はメチルプレドニゾロン 1 g/日(3 日間)から開始し、症状に応じて適宜漸減する。

(2)高用量ヒト免疫グロブリン静注(IVIG)療法
  • 重篤な感染症の併発が危惧される場合、もしくは重症例でステロイド療法との併用療法として、通常、5~20 g/日、3 日間を1 クールとして投与する。

(3)血漿交換療法
  • ステロイド療法で症状の進行がくい止められない重症例、もしくは重症感染症がある場合

(4)急性期の眼病変に対しては、
  • 眼表面の炎症、瞼球癒着を抑えて眼表面上皮を温存し、眼表面の二次感染を防止する。
  1. 眼表面の消炎
    • ステロイドの大量全身投与に加えて、眼局所にもステロイドを投与する。ベタメタゾンあるいはデキサメタゾンの点眼(1 日4 回程度)が有効であり、炎症が高度な場合にはベタメタゾン眼軟膏を併用する。
  2. 感染症予防
    • 初診時に結膜嚢培養あるいは分泌物の塗沫及び培養検査を行い、予防的に抗菌点眼薬を投与する。菌を検出すれば薬剤感受性を考慮して抗菌薬を変更する。
  3. 偽膜除去
    • 清潔な綿棒に絡めとるなどの方法で、生じた偽膜を丁寧に除去する。(ただし偽膜除去の効果については一定の見解がなく、現在のところ偽膜は除去するのが好ましいという意見が多数をしめる。完全に除去する必要はないと考えられる。
  4. 癒着解除
    • 点眼麻酔下に硝子棒を用いて機械的に瞼球癒着を剥離する。
  5. 眼圧チェック
    • ステロイドを大量に使用する可能性があるため、手指法で眼圧を適宜チェックする

角膜を口中の細胞で培養し・・・・再生
  • 2015年、大阪大学の西田幸二主任教授らは、口の中から取った細胞をシート状に加工し、目の網膜に移植する医師主導の治験を開始する。





【症例】10歳代、男性
(初診):1999年4月
(主訴):発熱、口唇の発赤腫脹、体幹の紅斑
(家族歴):特記すべきことはない。
(既往歴):てんかん
(現病歴):1999年3月上旬より感冒症状あり。
  • 投与開始 てんかん発作予防目的でゾニサミドの服用を開始。
    投与20日目 眼球結膜充血、口唇の発赤腫脹が出現
    投与22日目 38℃の発熱と体幹の紅斑が出現し、当科受診。SJSの診断で入院。ゾニサミドの服用中止。


(入院時現症):
  • 口唇腫脹と口唇および口腔粘膜の発赤、びらん(図3参照)、眼結膜の充血、体幹および四肢の大豆大までの紅斑の多発(図4参照)を認めた。水疱の形成なし。
図3  図4
SJSの画像 SJSの画像

(検査所見):
  • 入院時、白血球 8200/μL(好中球 83.5%、リンパ球 8.5%、好酸球 3.0%)、Hb 14.01 g/dL、総蛋白7.1 g/dL、AST 25 IU/L、ALT 14 IU/L、 LDH 442 IU/L、 CRP 0.0 mg/dL、その他血液生化学、尿一般検査すべて異常なし。
    経過中マイコプラズマ抗体、単純ヘルペス抗体の上昇なし。
    心電図および胸部レントゲン検査にて異常なし。


(入院時皮膚病理組織所見):
  • 前腕より皮膚生検を施行。表皮ケラチノサイトのアポトーシスの多発と表皮下水疱、真皮上層のリンパ球を主体とする細胞浸潤を認めた
  • (図5参照)

  • SJS

(入院後経過及び治療):
  • ベタメタゾン10 mg/日(体重50 kg)を入院日より4日間点滴静注した。紅斑及び口唇口腔粘膜疹は、軽快傾向を示したため以後漸減し、入院14日目にはプレドニゾロン20 mg/日に切り替え、入院20日目にステロイド薬は中止となった。紅斑はステロイド軟膏外用、口唇はアズレン含有軟膏を塗布した。ステロイドの減量中に、両眼に高度の結膜炎を認め(図6参照)、次第に偽膜形成を伴うようになり、眼科医による偽膜除去とステロイドおよび抗菌薬の点眼で軽快した。


(原因検索) ステロイド中止後のリンパ球幼弱化試験及びパッチテストでゾニサミドは陰性であったが、経過よりSJSの原因としてゾニサミドが最も疑われた。






角膜再生
角膜上皮幹細胞の機能が失われ、失明する恐れがある「角膜上皮幹細胞疲弊症」を治療対象
  • 医薬品の副作用で角膜の透明性を失い失明する「スティーブンス・ジョンソン症候群」などに治験
  • 京都府立医科大学が開発した再生医療技術
    胎盤の羊膜を精製し、シート状のコラーゲンを採取。
    シート上に角膜上皮細胞を培養
    他人からの角膜を使う
  • アルブラストが2010年の治験を目指す
臨床
  • 2010年、慶應義塾大学のグループは、目のもとになる幹細胞などをシート状に培養し、移植する再生医療の臨床研究を始めた。SJSの男性患者1人に移植し、視力は回復しつつある。
    • 眼科の坪田一男教授と再生医学の福田恵一教授らのグループ。



関連情報 中毒性表皮壊死症

薬剤性過敏症症候群

結膜炎


急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)







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