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| ヒ素中毒 | |
| 病態 | ヒ素は、防腐剤・殺鼠剤・殺蟻剤などに含有しているが、急性中毒の多くは、事故や自殺・殺人目的で起きている。 歯科で使われる亜砒酸も毒性が強い。 びらん性化学兵器として三塩化砒素(ルイサイト)が開発されたことがある。 |
| 検査 | ●爪・皮膚・毛髪の濃度: ・通常1ppm 以下。尿中濃度が正常化しても数ヶ月間残存する ●尿中砒素濃度: ・通常・・・50µg/日以下 ・急性中毒では数千µg/日に及ぶ。正常化に数週間。 ●血中砒素濃度: ・通常・・・3µg/dl以下。 ・急性中毒で上昇するが、血中半減期は3〜5日。 |
| 中毒症状 | 胃に劇痛、圧迫感に襲われる。 緑色の塊or血を吐く。 コレラ様症状 のどが渇いて、胸苦しくなる。 心臓の鼓動が速まり、動脈圧が低下する。 大量摂取すると:呼吸中枢・運動中枢・神経中枢が麻痺する。 意識を失い、死を招く。(致死量:0.2g) |
| (急性砒素中毒症状) 腹痛 嘔吐 水様便 循環血液減少性ショック 心原性ショック(心筋障害から) 肺水腫 心臓の刺激伝導系の異常 QT延長症候群 譫妄 昏睡 知覚障害 運動障害 汎血球減少症 つめ・・・横走する白線(Aldrich-Mees線) |
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| (慢性砒素中毒症状) 倦怠感 貧血 白血球減少症 末梢神経障害 肝機能障害 皮膚病変 皮膚ガン |
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| 応急手当 | まず吐かせる。 チオ硫酸ナトリウム(1%)溶液or硫化鉄に活性炭を加えた湯で胃洗浄。 さらに、解毒剤(キレート剤)として、 [ジメチルカプトプロパノール(バル)]・・・3〜5mg/kg、4〜6時間ごとに筋注。 or[D-ペニシラミン]投与。 以下の静注: グルコース ビタミンC ビタミンB1 カンフルorカフェイン |
| 砒化水素中毒・・・キレート剤は無効。 | |
| @気道の確保 A換気の補助 B酸素の投与 C細胞外液補充液の輸液(十分に) DTa群抗不整脈薬の投与は避ける(QT延長症候群があるため) |
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| ヒ素 (砒素) |
・砒素は3価もしくは5価の無機砒素の形で存在し、毒性が強い。 ・無機砒素は生物体内でメチル化されて有機砒素となる。 ・有機砒素の毒性は比較的低い。海産物には砒素が多く含まれているが有機砒素であるため問題はない。 ・親銅元素に属する。 酸性酸化物をつくるので、非金属元素に分類される。 地殻には硫化物として存在することが多い。 ・ヒ素の化合物は、殺虫剤・殺鼠剤・除草剤に使われている。 ・ヒ素を含有する医薬品: 梅毒の特効薬:「サルバルサン」(Arsphenamine) ・ヒ素はどんな生物にとっても必要な微量元素です。 ・ヒ素はセレンと同時に摂取すると排泄が速くなり、臓器内に留まる時間が短くなる結果、毒性は緩和される。 ・微生物が無機ヒ素によって発育阻害されているとき、リン酸塩を与えると確実に発育が促進される。(拮抗作用がある) |
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| 種類 |
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| 毒性 | ●急性毒性(ヒト)・・・・-0.4mg/kg ヒ素とその化合物は、生体に対して一般的毒性を持つ。ただし、ヒ素そのもの、及び五価のヒ素化合物には、それほどの毒性はない。 ところが、困ったことに、五価のヒ素化合物は、生体に入ると三価に変身することがある。そして三価のヒ素は、タンパク質のチオール基と容易に結合して、しかも安定した結合体を作る。 lこうして細胞中の種々の酵素がヒ素と結合してしまうと、酵素は酵素として働かなくなる。 m細胞中の物質代謝を全面的に乱し、発ガン作用・奇形誘発作用などを示す。 nどんな細胞もこの影響を受ける。→神経・筋肉・心臓・血管系細胞など。 |
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| (砒化水素)・・・・「アルシン」(AsH3) ・砒素を含んだ合金が酸と反応してできる。 ・ニンニク様臭気のあるガスで猛毒(非刺激性)。 ・赤血球に入り潜伏期(2〜24時間)の後に重症の[溶血性貧血]を起こしヘモグロビン尿・腎不全となる ・血漿遊離ヘモグロビン濃度が2g/dl以上・・・ハプトグロブリン濃度が低下 |
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| (3価の無機砒素化合物) 致死量・・・・100〜300mg(成人) 慢性中毒・・・20〜60µg/kg/日の摂取で起きる。 |
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| (5価の有機砒素化合物) 毒性・・・3価の無機化合物の1/2〜1/10。 |
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| 中毒症状 | ●無機砒素の吸入による急性中毒・・・・腐食作用から [嘔吐] [下痢] [上気道炎] [腎不全] [ショック] ●慢性暴露による中毒症状: [色素沈着] [黒皮症] [脱色] [角化症] [いぼ形成] [皮膚ガン] [筋ケイレン] [顔面浮腫] [心臓障害] [呼吸器障害] [末梢神経障害] [貧血] [白血球減少症] |
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| 含有量 | 海水・河川水・水道水・・・・1.0〜2.0ppm (海水中のヒ素は無機ヒ素として0.0023ppm存在する) 牛乳・・・・・・・・0.03〜0.06ppm 魚・・・・・・・・・・2.0〜8.0ppm 貝類・・・・・・・・3.0〜120ppm クルマエビ・・・ 〜200ppm ・貝やクルマエビなどの海産物には乾燥重量当たり100ppm以上のヒ素が含まれています。しかし、そのような海産物を常食しても、昔からヒ素中毒に罹ったことがない。 【理由】 海水中の無機ヒ素は、植物プランクトンや藻類の体内で有機ヒ素に変換され、それをエサとして摂取しているので、海洋生物の体内には化学的に安定な有機ヒ素化合物として存在し、無機ヒ素化合物としてはほとんど存在しないからです。 ・陸上の植物も無機ヒ素を土壌中から吸収し、ヒト及び動物がそれをエサとして体内に取り込んでも、一部は無機ヒ素のまま排泄される。それ以外の大部分は、時間の経過後に、主としてジメチルアルシン酸(AsO(OH)(CH3)2)として尿中に排泄される。 |
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| 抗ガン |
抗ガン作用 2000年10/3、財団法人・岐阜県国際バイオ研究所は、低濃度のヒ素に抗ガン作用があることを発見したと発表した。ヒ素は肝臓や神経への毒性が知られているが、人体に影響が少ない低濃度なら軽い副作用が出るもののガン細胞の増殖を抑えるという。同研究所は抗ガン剤が効きにくい薬剤耐性になった患者の治療に使えるとみている。研究成果は6日に横浜市で開かれる日本癌学会で発表。 |
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| 水中 | ヒ素が水中に含まれているかどうか一目で分かる技術を、宇都宮大学の前田勇・助教授と大阪大学の八木清仁教授が開発した。 ヒ素が含まれていると色が変わる遺伝子組み換え細菌を使う。 前田助教授らは、色素の一種「カロチノイド色素」を合成する細菌を使った。この細菌は土や水中に生息するありふれた細菌で、本来は赤みを帯びた色をしている。この細菌の遺伝子の一部を組み換え、カロチノイドの色が変化するようにした。細菌がヒ素を検知すると細部でタンパク質を作り、その影響でカロチノイドの色が変化する。 遺伝子を組み換えた細菌の本来の色は黄色。ヒ素が含まれている水に入れると、ヒ素の影響で12時間程度で黄色から赤色に変化する。実験では6ppm濃度のヒ素で赤色に変化することを確認。水道法の水質基準は10ppmなので、実用化に耐えられる。 またヒ素濃度が0.6ppmの場合はピンク色に変化した。 ヒ素を含む水の摂取を続けると、色素の沈着や脱色、手のひらや足の裏の硬化、臓器の障害などを引き起こす。 |
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| 分解 | 2004年、金沢大学工学部の研究グループは汚染土壌に含まれる有害な有機ヒ素化合物を分解する細菌を発見した。有機ヒ素を含む除草剤などで土壌が汚染された場合、回収・除去以外に対策がなかった。 上田一正教授・長谷川浩助教授・牧輝弥助手らが発見した。 有機ヒ素は自然界には存在しない物質で、かっては除草剤や旧日本軍の毒ガス兵器に使われた。 |
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| 除去 | 神戸製鋼所は2007年5/10、地下水や工場排水に含まれる砒素を高効率に吸着する鉄粉を開発した。 鉄粉を入れた浄化槽に砒素汚染水を流すと、ヒ素濃度が飲料水基準値にあたる1gあたり0/01mg以下まで下がる。セリウムなどの希土類元素を使った方式より2倍以上の吸着力がある 槽に入った鉄粉から発生した鉄イオンを汚染水中のヒ素イオンなどと反応させ、ヒ酸鉄の結晶を作り出す。この結晶を鉄粉方面に固定させる仕組み。 |
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| 毒殺 | 毒物カレー事件で注目されたヒ素は、鶏冠石という鉱石に自然に発生する。酸化ヒ素は無味無臭の白い粉末。致死量は亜ヒ酸で青酸カリ(シアン化カリウム)と同程度の0.1g〜0.3g。 大量に摂取すると胃の激痛、嘔吐、下痢、ケイレンなどを起こして死ぬ。 長い間に少しずつ摂取した場合は知覚・運動の失調などの末梢神経障害、筋肉の萎縮が起こり、皮膚ガンを発症することもある。 毒殺犯にとって便利なことに、砂糖や小麦粉と間違いやすいので、憎い相手の紅茶に砂糖がわりに入れられる。また、気体として吸わせたり、皮膚に塗って吸収させることもできなくはない。法律により薬局での販売は制限されているが、シロアリ駆除剤、殺鼠剤などのかたちで手に入れることが出来るのだ。」(死因事典p105〜) |
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| 解毒 | @初服知覚早き者は大藍の根葉の搗き汁を之に濯ぎ、軽ければ則ち解すべし。 A藍の無き処にては緑豆(生)を以て同じく水にて研爛し、水を以て之に濯ぎ多ければ即ち効を為す。 Bもし解せざる者は金汁を以て之に濯げば必ず甦る。 C甦りたる後にG(きちがい)の如く語らざる者は毎日ィ豆水を以て之を飲む、毒尽きれば則ち癒える。 |
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| 漢方医学 | ○性は暖、味は苦酸、有毒。 <1>瘧疾を治す。 <2>風痰が胸膈にあるのを吐かせる。 |
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| 薬性歌 | 砒霜、毒あり。風痰吐すべし。瘧を截り、哮を除き、能く沈痼を消す。《万病回春》 |
| 関連情報 |
「毒」 「水銀」 |