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| 引 き こ も る 若 者 |
社会とのつながりを絶ち、長期間、自室にこもったままの若者が増えている。新潟県の女性監禁事件や京都市の児童刺殺事件容疑者も外の社会との結びつきをかたくなに拒絶しているかのようだった。このような『引きこもり』は決して、特異な状態ではなく、人間関係の軋轢や挫折から突然、陥る。本人もそんな状態から脱出したいと必死だが、なかなか立ち直れない。親もどうすればよいのか分からない。20代、30代と広がり、その数を100万人と推定する専門家もいる。 「僕、病気やから、大学、辞めさせてほしいんや」 関西に在住するMさん(24)が両親に切り出したのは、3年前の春。大学3年に進級する前のことだった。「ゼミで、みんなと研究するなんて、出来ない」 高校時代は、剣道部の主将。腕前は3段。大学でも成績は「優」が多かった。その彼が人と話すのが怖いという。 驚く両親をしり目に、Mさんは翌日から大学に行かなくなった。1日中、自室に閉じこもり、ハジャマ姿でテレビを見ているか、コンピューターゲームをしているかである。そのうち、やがて、昼と夜の生活が逆転した。窓から近所の人たちの話し声が聞こえると、悪口を言われているようで耳をふさいだ。外に行けるのは、「知り合いに会わなくてすむ」深夜のコンビニや本屋だけ。散髪屋もイヤで、自分で髪を切った。 「小遣いをもっとくれよ」 ある日、母親(55)に迫った。「ダメ」と断られ、形相が変わった。身の危険を感じた母親が外に逃げた後、Mさんは母親のミシンやタンスを壊した。 母親は考え込む。「あの子の口数が少なくなったのは、いつからだったのか・・・」 大学受験に失敗して通い始めた予備校で、「赤面症をバカにされた」と級友とつかみ合いのケンカをし、結局、その予備校を辞めた。1つ下の弟が東京の有名大学に合格し、周りから比べられたことも影響しているのだろうか? 関西の企業を退職して実家に戻り、無職生活を続けていたHさん(27)は語った。 「やったことは許せない。でも、新聞を見て、容疑者のせっぱ詰まった心理状態を想像しながら、人ごとではないと思った」 挙げたのは1999年9月、対人関係の悩みなどからJP下関駅で15人殺傷に至った事件。決して自分が犯罪を起こしそうだと言うのではない。人とつながりたいけれど、どうしたらいいのか、誰も教えてくれなくて、絶望感で追いつめられた、そのつらさだけは分かる、というのだ。 Hさんは、大学でも会社でも友達が出来なかった。大学では山岳部には行って、話し相手を作ろうとしたが、すぐに退部した。 人付き合いのノウハウ本を読みあさっが、現実はマニュアル通りにはいかない。「こんにちは」も率直に出ない。場違いのところで明るく振る舞い、変なヤツ、と思われる。会社では昼休みがつらかった。上司や同僚に声をかけられたら、と不安で。終業時間になると、一直線に寮に戻る。食事もコンビニで買い、独りきりの部屋ですませた。 MさんとHさんは毎週、会う。京都、大阪、神戸で、ひきこもりの若者ら約70人が集う場『ゼロからの会』。母親らからの勧めだったが、2人はそこで新しい発見をした。 「自分だけじゃない」「自分を認めてくれる人がいる」 友達と話す自身が出来たというMさんは最近、飲食店でのアルバイトを始め、大学への復学手続きをとった。 Hさんは会への参加を重ねるうち、自分を冷静に見つめられるようになった。再就職とまでいかないが、実家を出てアパート暮らしに踏み切った。 「この気持ちは、なった人でないと、分からない。自分はたまたま、ヒントをくれる出会いがあって、出口が見え始めたけれど、それが出来なかったら」 |
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「引きこもり」 「病気」 |