浮腫   edema
トップへ戻る病名・症状>浮腫 
会員サービス
関連情報
クインケ浮腫」「リンパ浮腫 」「血管浮腫」「足がむくむ「水腫」「動脈硬化」「血清病」「脚気」「静脈瘤」「下肢静脈瘤」「血分腫」「栄養失調」「スプルー」「体温が低い」「甲状腺機能低下」「蛋白漏出性胃腸症」「むくみ」「ネフローゼ」「肝機能障害」「うっ血性心不全」「子癇」「カルチノイド症候群」「血管浮腫」「活性酸素」「アルブミン」「CoQ10

浮腫 血管外の細胞外液(組織間質液)が組織間隙に過剰な水分が異常に貯留した状態をいう。
<1>組織間質液が2000cc〜3000cc以上に増加すると、臨床的に浮腫として認められる。
<2>浮腫が発生するには、組織間液(細胞間質液)と血管内にある体液の、圧力バランスに異常が起こることが必要。
 「毛細血管内の圧力と、細胞間質液の圧力とのバランスが崩れて、血管内圧力が増大すると浮腫が発生する。」
<3>組織間質液の量は、毛細血管壁を介した体液の流出と吸収、および組織間質液のリンパ系からの流出のバランスによって一定に保たれている。
<4>浮腫の改善:
 「細胞内(血管内)と細胞間質液(血管外体液)のイオン交換を促進し、細胞間質液のイオン濃度を高める酵素を活性化させることで改善出来る。
重力がむくみを引き起こす
「長い間たち続けていると、足がむくんで来るのは、重力に逆らって足の血液を心臓に戻すのに大きな負担を強いられるから。人類が立ち上がって二足歩行を始めた瞬間から、足のむくみとは無関係ではいられなくなった。
ちなみに、無重力状態では逆に上半身がむくみやすくなる。スペースシャトルで宇宙に行った最高齢の宇宙飛行士ジョン・グレンさんも、宇宙での最初の数日は顔がむくんでいたとか。」
(NHKためしてガッテン)

浮腫を引き起こす疾患
 ・肝臓病
 ・静脈瘤
 ・腎臓病
 ・心臓病
 ・フレグモニー(蜂窩炎)
チェック ・指で押すと凹(へこみ)ができて、なかなか消えない。
・夕方に、靴下のゴム跡が残る。
・体重が1日に2kg以上増える
・副作用で
ムーンフェイス(顔が丸くむくむ)ステロイドホルモン
(副作用で口唇浮腫を起こす医薬品)
眼瞼浮腫 甲状腺機能低下症
心臓性浮腫 重力作用のために身体の下方部分に浮腫が多く・・・夕方に著しい。
 立位では足・下腿に。
 座位では腰・仙骨部・陰部・足首・大腿後面に強い。
特に皮下組織の緊張が弱い部位(ex.陰部・眼下)に起こりやすい。
静脈環流が妨げられる場合(静脈瘤・血栓静脈炎)にも。
圧窩を生じるのが特徴:
甲状腺機能低下症」や「慢性のリンパ欝滞」の浮腫では・・・・固くて圧窩を生じない。
浮腫の増加は、体重の増加として現れる。
下腿・足の浮腫心不全でしばしば認められる。
局所性浮腫 「静脈やリンパ環流の一方or両方が局所性閉塞により生じる。」
深部静脈血栓症
骨盤内腫瘍による一側性の浮腫
脈管性浮腫(アレルギー性)
全身性浮腫 以下の疾患が原因となる。
鬱血性心不全
心膜疾患:
     収縮性心膜炎
     貯溜液体を伴う心膜炎
肝疾患
低アルブミン血症:
     ネフローゼ症候群
     蛋白漏出性胃腸症
その他:
     粘液水腫
     急性腎炎
     片麻痺
     特発性浮腫

浮腫と原因
  • 局所性浮腫
    1. アレルギー性浮腫・・・・ジンマシン
    2. 炎症性浮腫・・・炎症から
    3. 血管神経性浮腫・・・副作用で起きる
    4. リンパ性浮腫・・・ガン治療でリンパ節を切除したため。


体液のバランス
毛細血管内の静水圧
(hydraudic pressure)
(a)心拍出量の減少で静脈圧が上昇し浮腫を生じる
   「心不全
(b)静脈炎・静脈の閉塞で、局所的に浮腫を生じる。
血漿膠質浸透圧
(oncotic pressure)
血漿アルブミン濃度の低下から浮腫。
   「ネフローゼ
   「肝硬変
毛細血管壁の透過性 血漿水の組織間液への移行が起きる
   「炎症・血管炎」
   「血管神経性浮腫
毛細血管壁を介した体液の分布は、上記の要因によって決定される(Starlingの法則)


リンパ浮腫 リンパ水腫
  • とは?
    1. 乳ガンや子宮ガン・前立腺ガンなどの手術でリンパ節を切除したために手足がむくむのがリンパ浮腫 。→足がむくむ
      手術のためにリンパ液の流れが悪くなって四肢にリンパ液がたまるのです。
      • 「右足の2倍くらいに腫れていた左足が、元に戻った」と東京都に住むKさんは10年ぶりに細くなった足をさすった。2002年4月に近畿大学医学部堺病院で磁気と振動、温熱を組み合わせた理学療法を受けた。Kさんは14年前に子宮ガンの摘出手術と放射線治療を受け、両足の付け根にあるリンパ節も切除した。術後3年ぐらいから、左足がむくみはじめた。
        ガンの治療ではガンの転移を防ぐ目的で、病巣とリンパ節を一緒に切除するか、又は、放射線でリンパ節の機能を失わせるのが一般的だ。
    2. リンパ管を流れるリンパ液は組織などで出来た不要な体液やタンパク質を心臓に戻す役割を果たしている。リンパ節が無くなるとリンパ液の流れが停滞、水分やタンパク質が皮下組織に溜まり硬くなる。これがリンパ浮腫 です。
    3. 早くからリンパ浮腫 の治療に取り組んでいる近大堺病院の大熊守也教授は「ガン治療では術後に一部の患者で発症するリンパ浮腫 を病気と診断しないことが多い」と指摘する。
      リンパ浮腫 は一度発症すると完治しにくい。
      皮下で溜まっているタンパク質は、細菌のエサとなって炎症を起こしやすくなる。ベンゾビロンとステロイド注射でリンパ輸送を増加させる方法もいまいちで、理学療法(外部圧迫)や運動と、皮膚ケアが主な治療法だ。
      • 手でリンパドレーン・マッサージを行い、外から圧迫する。
      • 段階着圧ストッキングの使用
    4. リンパ浮腫 でむくんだ腕などはひっかきキズで蜂窩織炎を起こすことがあります。
  • 【予防】
    1. 肌の乾燥を防ぐ
    2. 虫さされに注意する
    3. 日焼けを避ける
    4. ガーデニングのときは手袋を忘れないように
    5. 運動後の汗はすぐに拭き取る
    6. 手足の曲げ伸ばしを心がける
    7. ベルトできつく絞めない
    8. ゴムがきつい靴下や下着を身につけない
  • 外科手術(保険適用)
    • 「皮膚表面のすぐ下を走るリンパ管と静脈をつなぎ、リンパ液のバイパスをつくる。
      つなぐリンパ管は直径0.3_と細いので、縫合糸の太さは0.002_。」
        北海道大病院
        東北大病院
        東京大病院
        慶応大病院
        吉村整形外科病院
        岡山大病院
        高知大病院
  • リンパドレナージ
    • ストッキングやスリーブなどの弾性着衣を使って圧迫を加え、運動・マッサージでリンパ液の排出を助ける手法。

【カ飲】 (いついん)溢飲。
=浮腫の一種。
《金匱要略》には“飲水流れめぐりて四肢に帰し、まさに汗出づべくして汗出ず、身体疼痛す、これをカ飲と曰う”とある。
【気分腫】 (きぶんしゅ)=気のめぐりが悪くて浮腫のきたもの。
【血分腫】 (けつぶんしゅ)=月経閉止による浮腫。


浮腫(導水瑣言
  • 《和田東郭》は
    • 浮腫に実腫と虚腫と虚実間腫のあることを知り、これによって治療の法則をたてて、《導水瑣言》を著した。
    • 「実腫と虚腫の判定には、浮腫の状態だけでなく、全身状態を観察し、皮膚の色沢、眼勢、腹部の動悸、舌色、食欲、大小便の状態、脈などを斟酌する必要がある《大塚敬節》
  • 虚腫の治法《導水瑣言》
    • その浮腫に勢少なく、みずおりがつかえて硬く、或いは少し息が弾み、或いは腹が脹るものは虚腫であるけれども、まだ極度には至っていない。これには済生の実脾散を用いるがよい。この上にたびたび下痢などがあって、木瓜・檳榔・草果の類を用い難い場合には、四苓散+附子橘皮または真武湯を用いる場合がある。真武湯+理中湯も良い。しかし心下の腹候に口伝がある。
      1. その浮腫の状が実脾散と同じで、ただみずおちを按して力が無ければ香砂六君子湯を用いる。
      2. もしつかえ苦しくて、息苦しいようであれば[+犀角麦芽]、
      3. 腹がひどく脹っているならば[+厚朴]、
      4. 下痢するならば[+附子]。
      しかしこの診察、加減の法は、説明がむつかしいので、自分でよくよく心を用いて推察するがよい。
      その浮腫が軟くて力が無く、按してもその跡が急に元に戻りにくく、或いは腹から下に浮腫があって、臂・肩・濡目・背はやせ細り、脈が微細或いは浮虚で、みずおちがひどくつかえて、飲食がまずいならば、それは虚腫であって、実脾散の証よりも更に一層、虚脱になったものである。これには壮原湯を用いる。
      その浮腫の状や脈状が大体前のようで、腰脚がだるくて力が少ないが或いは臍下に力のないものは八味丸料を用いるが良い。
      浮腫が硬くて、これをさすってみるに、潤が無く、革の袋に水を入れてその口を縛ったものをさすっているような感じで、カサカサとして硬いのは、陽気の脱したしるしである。或いは水気が充分にあるのに、その腫れが、皮膚にまで達せず、皮膚にシワのある者は、多くは不治である。やむを得なければ、防已茯苓湯+附子を用いるがよい。或いは附子を去って本方ばかり用いる証もある。また補中益気湯附子、補中益気湯+五苓散として用いることもある。《大塚敬節》
  1. 実腫
    1. 浮腫にしまりがあり、硬く、何となく勢いがある。
    2. 指頭で按すと凹むけれども、手を放すとすぐ元通りになる。
    3. 大便が硬く、便秘している
    4. 脈・・・沈んで力のあるもの
  2. 虚腫
    1. 何となく勢いがなく、ふわふわと柔らかい
    2. 指頭で按すと凹んだままで、手を放しても、すぐに元通りにならない。
    3. 石のように硬い虚腫がある。
         たとえば.縦隔洞腫瘍の浮腫。
    4. 下痢している。
    5. 下痢していなくても、1日に何回も、少しずつ大便がでるのは大虚の兆である。
    6. 大便を失禁し、or水を下し、血を下す者も大虚。
    7. 脈・・・沈微、沈小
      「全身状態が良くないのに、脈が大きくて、ぴんぴんと指を弾くように強く打つものは大虚で、死が数日に迫っている」
  3. 虚実間腫
    • 虚腫の症状と実腫の症状が混じっているもの

漢方療法 ◎異常な水分貯留が起こった状態。
  「腫は鐘の意に通ずる。
  寒熱の気が鐘聚、つまり一ヶ所に集まったもの。」
  「三陰がつまった症を「水」という。」
◎腰から下は利尿させ、腰から上は発汗させるのが基本
  
利尿:[五苓散][沢瀉散][神助散]
  
発汗:[麻黄甘草湯][越婢湯][防已茯苓湯]
◎経脈が運行せず、血が化して水となり、四肢が腫れ浮腫する症=「血分」
   
処方:[桂苓湯]
   【外用】[丹房奇術][塗臍膏][消河餅]
芳香療法 ◎月経前の体液の滞留に、月経前7〜10から以下の精油でマッサージする。
  • フェンネル
    ゼラニウム
    ローズマリー
◎ローズマリー+ゼラニウム:
  • 長時間立った後の浮腫
    妊娠後期の脚とくるぶしの浮腫
針灸のつぼ “腎臓で顔や手足のむくむには地機、水分に解谿がよし

治験
四君子湯
15歳の少女。
平素から身体が弱く顔色も悪い。痩せている。発病は1ヶ月前で、時々負うとがあり、食が進まず、疲れて元気がない。脈は微弱で、手足が冷える。心下部に振水音を証明する。大便は1日1行。
異常の所見から「人参湯」を与えることにした。2、3日飲むとヲ吐が止み、食が進むようになった。ところが5日目頃から全身に浮腫が現れ、眠れなくなった。そこで、人参湯中の乾姜を生姜に代え、これに茯苓を加えた。すなわち四君子湯の意である。これを数日飲むと、1日10数回の排尿があり、浮腫が去り、以上の症状はすっかり消え去った。《大塚敬節》