イネ(稲)
トップへ戻る食物・薬物・毒物>イネ  

連作 稲作は2000年連作しても問題が無い。
高さ5cm
のイネ
2000年、農水省農業生物資源研究所は背の高さが通常の1/20以下という極めて小さな“ミニチュアイネ”を開発した。穂が出る時期になっても5cmにしか育たないため、風に倒れにくくなり収穫量の増加が期待できるという。研究チームは特殊な条件でふつうのイネを培養して、イネが持っている遺伝子の一部の働きを抑えることで、新種のイネを作り出すことに成功した。
イネの遺伝子の働きを抑えるために、研究グループはイネの中で通常は寝ている『トランスポゾン』と呼ばれる遺伝子を利用した。トランスポゾンは「動く遺伝子」と呼ばれ、ほかの遺伝子の様々な場所に潜り込んで、その働きを抑える。イネを特殊な条件下で培養することでトランスポゾンを目覚めさせ、遺伝子のいくつかを破壊し、背丈が極端に低く、葉の面積が広いイネを作り出した。
稲の成長に関わるジベレリンと呼ばれる植物ホルモンなどの合成が妨げられたことが原因と見られるが、どの遺伝子が壊れ、どのような仕組みでなったのかは分からない。
今回の技術は外部から遺伝子を導入して、作物に有益な性質を持たせる遺伝子組み替え技術とは異なり、作物そのものが本来持っている遺伝子を利用して、新しい品種を生み出せるため、普及する可能性が大きい
ムギネ酸 ■ムギネ酸の遺伝子発見
「“荒れ地”と呼ばれるアルカリ土壌の土地では、イネなどの作物はほとんど育たない。土がアルカリ性だと、植物が栄養としての鉄分を吸収することが出来ないからだ。だが、弱いアルカリ土壌ならば、大麦は育つことが多い。そこで、森敏・東京大大学院農学部教授は、2001年、大麦が鉄分を吸収するため根から出す物質「ムギネ酸」に着目。合成される経路、関係する遺伝子を突き止め、「荒れ土に強い」新種のイネを作り出すなど、国内の植物バイオテクノロジーの先陣を切ってきた。
森教授は、ムギネ酸がアミノ酸の一種である「メチオニン」から作られることを突き止めた。
「インド北部やタイの山岳地帯など、世界の陸地の25%はアルカリ土壌。そんな土地でもイネなど作物を作れるようにしたい」と語る。
ミトコンドリア
解読
農業生物資源研究所と東京大学大学院農業生命化学研究班は2002年、イネのミトコンドリアのゲノム(全遺伝情報)を完全に解読したと発表した。主要な穀物でのミトコンドリアゲノムの解読は初めて
遺伝子
組み換え
「米モンサント社は植物を乾燥から強くする遺伝子をシロイヌナズナから見つけ、この遺伝子を組み込んだイネなどを水の乏しい土地で栽培したところ、苗の伸びる速度が、同じ環境で育てた普通のものより約40%向上し、収穫量も2倍以上になるとしている。」
「農業生物資源研究所(茨城県つくば市)ではスギ花粉症の原因物質を含むコメを開発中。このコメを日常的に食べていれば免疫ができるので、スギ花粉を吸い込んだ際の症状が緩和されるという。
開花、
仕組み解析
2003年、奈良先端科学技術大学院大学の島本功教授らのチームはイネの開花メカニズムを遺伝子レベルで解明した。イネは日が短くなると開花する『短日植物』の一種。開花を促す情報伝達経路で働く3種類の遺伝子を分析。経路の上流で機能する遺伝子「OsGI」が活発に働くと、下流の遺伝子「Hd3a」が抑制され、開花しにくくなることが分かった。
遺伝子を組み換えて上流の遺伝子を過剰に働かせたイネは、野生型イネと比べて種をまいてから開花までに1.5倍から2倍かかった。
イネとは逆に日が長くなると花を咲かせる『長日植物』のシロイヌナズナは、イネとほぼ同じ3種類の遺伝子を持つ。しかし、上流の遺伝子の働きが活発になると、下流の遺伝子も活発になる。今回、両者の違いが明らかになったことで、開花の機構を人工的に調節する足がかりができた
開花ホルモン
「約70年前に仮説が唱えられた花咲物質「花成ホルモン」(フロリゲン)の正体を奈良先端科学技術大学院大学のグループが突き止めた。『Hd3a』という遺伝子が作るタンパク質で、イネで見つけた。他の多くの植物にも共通する可能性が高いという。成果は2007年4/19のネイチャー電子版に掲載。
このタンパク質を薬に応用できれば、花咲じいさんの灰のように季節や樹齢と関係なく花や実をつけさせることができるかもしれない
分子農業 ■イネで抗菌物質(昆虫が持つ)を生産
「東京理科大学と明治大学の共同研究グループはイネの遺伝子を組み替えて昆虫が持つ抗菌物質を作らせることに成功した。微生物では作りにくい有用物質を遺伝子組み換え植物を使って量産する『分子農業』の基礎技術を確立できたとしている
抗菌物質 イネで抗菌物質(昆虫が持つ)を生産
「東京理科大学と明治大学の共同研究グループはイネの遺伝子を組み替えて昆虫が持つ抗菌物質を作らせることに成功した。微生物では作りにくい有用物質を遺伝子組み換え植物を使って量産する『分子農業』の基礎技術を確立できたとしている。
抗菌物質を合成
「山形大学と東京大学などの研究グループは、イネが病気や害虫から身を守るために重要な物質を作る酵素を特定した。
解明したのは、山形大学農学部の豊増知伸助教授と佐々木武史教授、東大生物生産工学研究センターの山根久和教授らのグループ。
イネは病原菌などを感知すると『ファイトアレキシン』と呼ぶ抗菌性の物質を作る。研究グループは、イネの培養細胞を使って、4タイプのファイトアレキシンを作るのに関わる酵素6種類を特定した。
エンドファイト イネの植物共生菌(エンドファイト)を理研と前川製作所が発見。見つけたのは『アゾスピリラム』など3種類、植物の細胞と細胞の間に生息するエンドファイトの仲間。
理研はイネの茎に生息していた3種類のエンドファイトを取り出し培養。水で薄めて、別のイネに人工的に接種して耐病性を検証した。
通常のイネと比べて「イネいもち病」にかかりにくくなることが分かった。北海層の美唄市の農業協同組合と実証試験をし多結果、通常の無農薬栽培と比べて免疫力の向上や収穫量の増加を確認
免疫指令 奈良先端科学技術大学院大の島本功教授らは、植物が病原菌から身を守る免疫反応の指令役となるタンパク質をイネで見つけた。病原菌に感染すると、活性酸素などを増やして撃退するよう細胞の隅々まで指令を出していあt。
成果は、2007年12/22ランセット・セル電子版に発表。
発見したのは『Osac1』というタンパク質
乾田種まき栽培 前年にイネを刈り取った田に直接、種もみをまく不耕起乾田直まき(CT)栽培と呼ばれる手法。水を張る前に耕す田起こしや苗の育成の作業が不要になる。最終的に水を張る6月頃までの延べ作業時間が10アールあたり7時間と通常の半分に軽減できる。
CT栽培は機械や、雑草のみに効く除草剤の品質向上などで可能となった。
水の使用量が少なく土壌流出が抑えられるといった環境面での利点もある。
酵母で 生分解性プラスチックを分解
イネの葉の表面に生息する『シュードザイマ属』という酵母の一種を培養した培地の上に農業用に使われるフィルムを乗せると、分解が容易なポリブチレンサクシネートアジピン酸(PBSA)では2〜3日、ポリブチレンサクシネート(PBS)では1週間程度で分解できた。
農業環境技術研究所の成果。
土壌が
アルカリ
東京大学の西沢直子教授らは、アルカリ性の土壌でも育つ遺伝子組み換えイネを開発した。収量が8倍になった。
中東や地中海沿岸などのアルカリ性の土壌でもイネの栽培が可能になる。
アルカリ性土壌では植物の生育に不可欠の鉄が水に溶けにくい化合物の状態になっている。そのままでは吸収しにくいため、植物は根からムギネ酸などの物質を分泌して鉄を水に溶けやすくして吸収している。
ケイ素 イネが丈夫に生育するために欠かせないのが「ケイ素」。農作物に重要な栄養素で、特にイネが倒れにくくなったり、病害虫にかかりにくくなる。
馬建鋒・岡山大学教授はケイ素を吸収する働きを持つ遺伝子を突き止めた。
研究グループは、ケイ素を吸収しない突然変異したイネと通常のイネの遺伝子を比べた。『Lsi2』というイネの根で働く遺伝子が、ケイ素の吸収に関係していることを突き止めた。出穂前後にはこの遺伝子が増えていることがわかった。
成果は2007年7/12のネイチャーに掲載。
・野菜にこの遺伝子を導入すれば、病害虫に強くなり農薬使用量を減らせる。
・この遺伝子を抑えると、飼料やバイオエタノール原料として、柔らかいイネのわらが得られる。
馬教授らは、ケイ素吸収に関わる遺伝子で、土壌からケイ素を吸収する役割を持つ『Lsi1』を2006年に見つけている。
BPA ビスフェノールA
2008年、高橋美佐・広島大学助教授のグループは、イネなどの植物にBPAを吸収する作用があることを発見した。
発芽 低温でも発芽する遺伝子
ホクレン協同組合連合会と農業生物資源研究所のチームが2007年9/22の日本育種学会で発表。
研究チームは、気温が低くても発芽するイタリアの特定品種のゲノム情報を、直まき用に開発された品種「はやまさり」と比較。その結果、三番染色体にある「qLTG-3-1」と呼ばれる遺伝子が、イタリア品種では働いているのに対し、「はやまさり」ではDNA塩基配列の一部が欠損し、働いていないことが分かった。
開花しない 2007年9/19、開花せず花粉を飛散させにくいイネの突然変異体を農業・食品産業技術総合研究所が発見したと発表。
イネは開花時、花びらに相当する「りんぴ」という器官が膨らんで、花粉を作るおしべの先の器官が露出する。
「台中65号」という品種のイネからおしべの先が露出せず、鼻が閉じたままで受粉する突然変異体を見つけた
関東HD2号 通常のコシヒカリより14日遅く成熟する。夏場の高温の時期を避けて成熟するので、味が良くなるという。
コシヒカリ関東HD1号 通常のコシヒカリよりも成熟が早い。
佐賀37号 九州全域で生産されている「ひのひかり」は平均気温25℃までだが、「佐賀37号」は27℃の高温でも育つ
関連情報
コメ
粳米
治るTOP栄養外字コード病院ランキング血液検査副作用会員サービス治る治るTOP