インフルエンザ influenza
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ウイルス
の種類
風邪 インフルエンザ
イノウイルス、
アデノウイルス、
エンテロウイルス
インフルエンザウイルスA・B型
感染方法 接触感染 空気感染
抗ウイルスマスクとゴーグルで予防
症状 鼻水・鼻づまり・せき・発熱 38度以上の高熱、
悪寒や筋肉痛
治療法 有効なものはない 抗ウイルス剤、ワクチン

インフルエンザ

流行性感冒(流感) 
「感冒(common cold)は徐々に発病するが、インフルエンザ(流行性感冒)は急激に高熱になって発病する。」
ウイルスが[カモ]→[アヒル]→[鶏]→[ヒト]と移っていく。野生のカモはインフルエンザウイルスのすべての型を持っている。
しかもカモは発症しない。カモは越冬するために中国に渡る。そこで、カモが家畜されたアヒルにウイルスが移る。さらに近くにいる鶏に感染が広がる。鶏はウイルスと共存できないので、感染し死に至る。
→「人獣感染症」の1つ。

欧米ではインフルエンザを「フルflu」と呼び、エイズ肝炎など特定の病気を起こすウイルスと同様に位置づけ、普通の風邪とは区別している
「インフルエンザの病原体はウイルスの水準からすると、小さくて複雑な構造をしている。タンパク質と脂質の薄い層に保護された、表面がザラザラの球体をなし、その中に遺伝物質として動物の染色体によく似た長い螺旋状の鎖を持っている。その球体は、表面に700個以上もあるタンパク質の突起を使って宿主を襲うのだが、抗原と呼ばれるそのタンパク質は赤血球細胞と溶けあうようにしてその膜を突破する。ウイルスが増殖するには遺伝物質の鎖がほどける必要があるが、その過程で子孫を死なせるかと思えば、次世代の能力を高めるなどの、様々な「エラー」が生ずる。ヒトの免疫系の抗体はタンパク質の突起に立ち向かっていくのだが、ウイルスの抗原のほうは時間の経過によって移動標的のように変化、つまり「変異」することが出来る。従って、ヒトはインフルエンザの一つの変種との勝負に勝っても、部分的に変化した相手から再試合をいどまれることになるのだ。「不連続的抗原変異」という大きな変化の結果、とくに強力な新変異株がどこかに現れると、それは急速に世界中に広がる。
しかも、インフルエンザウイルスは乾いた粘膜のなかで何時間も生き続ける。
インフルエンザを確実に防ぐ方法はないし、かかってしまえば有効な薬もない以上、ワクチンだけが唯一の医学的な防御手段である。毎年、次の冬季にはどの種類のインフルエンザが優勢になるか。情報を集めた上で予測することになる。例えば、アメリカの疾病管理センターは1994年3月、世界中の120の研究所から集めた1500のインフルエンザウイルスの標本を研究して、94年から95年に流行が予測される3つの株からワクチンを作ることにした。AテキサスとBパナマ、A山東(1993年からA北京のかわり)である。
インフルエンザAウイルスは現在最も一般的なもので、1933年に感染した人々の喉(ノド)から発見された。さらにB型が1940年に、比較的めずらしいC型が1947年に発見された。これら3つが基本的なインフルエンザウイルスで、その変異株は[B香港][Aニュウージャージ][Aバンコク]などと、一般的にはそれぞれが流行を起こした場所の名で呼ばれている。
1918年以降、インフルエンザAは57年と68年の2回、不連続的抗原変異を起こした。新しいウイルスの自然界のエサ場は恐らく、ブタと水鳥で、それらが糞を介してヒトを含めた他の生物に周期的にウイルスを移すのである。1980年には、インフルエンザウイルスAがアザラシの間で流行し、それらを助けようと世話をした人々が結膜炎に罹った

「A Field Guide to Germs by Wayne Biddle・春日倫子訳」p37〜42より
(チェック)
  1. 高熱・頭痛・関節痛・・・があればチェックしましょう:
    (「ツツガ虫病」と鑑別必要)
  2. (要注意の医薬品)
スペイン風邪 強毒性のカギを特定
1918年に大流行し、数千万人が死亡したスペイン風邪の強毒性を招いたウイルス部分を東京大学医科学研究所の河岡義祐教授らのチームが特定し、2008年12/29の米科学誌アカデミー紀要に発表。
合計で8種類あるスペイン風邪ウイルスの遺伝子を、単独や複数組み合わせて、現在流行しているAソ連型インフルエンザウイルスに組み込み、実験動物(フェレット)に感染させた。
その結果、『RNAポリメラーゼ』と呼ばれる酵素など計4種類の遺伝子を組み合わせた成分を入れたときに、スペイン風邪ウイルスと同様に肺でも増殖が確認できた。
ウイルス インフルエンザウイルスはRNAを遺伝子とするRNA型ウイルスの1種で、直径80〜100nmの球形で、エンベドープ(脂質に富んだ膜)に覆われ、エンベドープの外側に赤血球凝集素(HA)とノイラミダーゼ(NA)という2種類のタンパク質がスパイク状に突きだしている。
HAには12タイプ、
NAには9タイプの抗原型が知られている
組み合わせから144種類ある
遺伝子は核タンパク質と結合し、複合体RNP(ribonucleoprotein)を形成し、RNPの抗原性の相違からA型・B型・C型の3タイプに分かれる。
・野生のカモなどがウイルスの宿主になっている。
2009年に流行しているウイルスは18年前に発生したスペイン風邪と同じ「H1N1型」。毎年の季節性インフルエンザと区別するために「新型」と呼ばれるが、スペイン風邪に感染したことがある高齢者では抵抗があるかもしれない。
消滅したはずのスペイン風邪の子孫が77年ぶりに再び現れたのは、どこかの研究所に保管されていたウイルスが事故(だといいのですが)で流出したみられている
2種類の
突起
インフルエンザウイルスの表面には、取りや人間などの細胞にくっつく役割を持つ『ヘマグルチニン(H)』と、細胞内で増やしたウイルスを細胞外に押し出す『ノイラミダーゼ(N)』という2種類の突起がある、
Hは16種類、Nは9種類あり、その組み合わせによって144通りあり、、どんな動物が感染するかが決まる。アジアに蔓延するH5N1は毒性が強い。これまでヒトで流行した報告がないので免疫を持っている人はいないので、一端広がり始めると被害は一気に拡大すると思われる。
2005年夏からロシアを初めヨーロッパでも鳥インフルエンザが発生。いずれもH5N1型だった。
ヒトからヒトに感染するウイルスは、鳥と鳥の間での感染が終息した後に起こる可能性がある。1918年に大流行したスペイン風邪は、鳥インフルエンザが変異したウイルスが原因で4000万人が死亡した。このスペイン風邪のウイルスは鳥への感染性は持っていなかった。
ウイルス
増殖
◆1個のインフルエンザウイルスは、1日で10億個に増え、1万回の変異を引き起こす。
◆東京大学医科学研究所を中心とする科学技術振興機構の研究チームは、インフルエンザのウイルスが増殖する際の仕組みを新たに見つけた。東大の河岡義裕教授・野田岳志渡航人助手らの研究成果で2006年1/26のネイチャー電子版に掲載。
ウイスルはタンパク質の殻の中に8本のRNAを持つ構造をしている。細胞内のウイルスを電子顕微鏡で観測した結果、RNAを増やした後に、1個分のRNA8本が塊になって殻に封入される過程が分かった。そのさい、1本のRNAを残りの7本が規則正しく並んで取り囲む構造をしているという。
この過程を阻害できる医薬品を開発すればウイルス増殖を抑えられる可能性がある。
「タミフル」はウイルスが増殖後に細胞外へ出るために、自分自身を細胞から切り離す過程を阻害する。
プレパンデミック プレパンデミックワクチン
2008年、新型インフルエンザ向けのプレパンデミック(大流行前)ワクチンを使った厚労省研究班の臨床研究で、接種を受けた5561人のうち8人が接種1ヶ月後までに入院したことが分かった。気管支ぜんそくの既往歴ある人が接種9時間後に高熱を出した例もあった。研究班が懸念するのは心室細動など心臓への異常を思わせる症例が2件あったこと。
気道でブロック 新らしい仕組みで作用する抗インフルエンザウイルス薬を佐藤智典・慶應義塾大学教授が開発した口から吸い込んで感染場所となる気道でウイルスを待ちかまえ、体内の細胞内に侵入するのを防ぐ。
感染した細胞からウイルスが出てくる“出口”を抑える従来品と異なり、新しい薬は“入り口”でブロックする。
インフルエンザはウイルスが体内細胞に侵入して増殖し、細胞外へ出て広がっていく。タミフルなどもウイルスの細胞の出口を止める薬。
免疫細胞
総動員
“インフルエンザにかかると免疫細胞が総動員されます。病状の経過を見れば、免疫の仕組みが良く分かるでしょう”国際免疫学会連合会長の多田富雄・東京大名誉教授はこういう。
会社員Aさんの例を見よう。
冬の朝、満員電車の中で、隣の男性が何度も激しいせきをしていた。Aさんは顔をそむけたが、ウイルスを吸い込んでしまう。2日後、鼻水やクシャミが出始めた時、100万を超えるウイルスが、Aさんの鼻やのどの粘膜細胞で悪さをしていた。
感染した粘膜細胞の表情は、通常時とは少し違ってくる。そんな変化に[NK細胞]がいち早く気付き、ウイルスの潜む粘膜細胞を殺していく。もちろん、ウイルスの方もどんどん細胞を破壊する。これらの細胞の死骸は、アメーバに似た[マクロファージ](白血球の1種)が食べて掃除する。
4日目、帰宅したAさんの体温は37℃。
死骸を食べたマクロファージが、「ウイルスの味がするぞ」と叫び始めたのだ。叫び声を聞いた[キラーT細胞]は、マクロファージから教わったウイルスの特徴を手がかりに、」感染細胞を探しては殺す。キラーT細胞も大声を出して仲間を増やすので、Aさんの熱は38℃を超え、せきも激しくなる。高熱は免疫の効率を上げるためだが、Aさんは堪らず会社を休んでしまった。最初の朝から6日目のことである。この一連の反応を『細胞性免疫』といい、ウイルス感染の際に働くことが多い。
同じ頃、Aさんの体の中では、別の反応も進んでいた。
マクロファージの叫び声を、[ヘルパーT細胞]が聞きつけたのだ。この細胞は免疫の司令官。キラーT細胞を元気づけるとともに、[B細胞]も指揮することができる。「ウイルスをたたけ」と命令されたB細胞は、抗体というミサイルを発射する。抗体に取り付かれたウイルスは、感染力が弱まっていく。抗体が体液の中を流れるため、この反応を『液性免疫』という。
細胞性免疫と液性免疫の両方が働いたおかげで、ウイルスは体内からいなくなった。7日目の朝、気分良く目覚めたAさんは、“休んだ日に病院でもらった薬が効いた”と考えた。しかし、多田さんは言う。“治ったのは、医師や薬のおかげではありません。あなた自身の免疫力に感謝するべきでしょう”」 
アザラシ 2000年、東京大学海洋研究所の宮崎信之教授らは、20年以上前にヒトの間で感染が広まったインフルエンザウイルスを、カスピ海のアザラシから発見した。「アザラシに移ったウイルスが、逆に人間に空気感染する可能性もある」と宮崎教授は警告する。
全A型 抗体発見
2011年、「H1」や「H3」などの型にかかわらず、すべてのA型インフルエンザウイルスに作用する抗体を、藤田保健衛生大学などのチームが発見した。
成果は米科学誌ジャーナル・オブ・ビロロジーに掲載。
インフルエンザの感染は、ウイルスの表面にあるタンパク質「ヘマグルチニン分子」と人間の細胞にある「シアル酸」が結合することで起きる。人への感染が懸念されるウイルスの型は、ヘマグルチニン分子のアミノ酸配列の違いで、「H1、H2、H5」と「H3、H7」の2グループに分けられる。
一度免疫ができて抗体が結合を阻害しても、ヘマグルチニンのアミノ酸配列を変異させ、抗体の“攻撃”を避けるようになるため、2つのグループに同時に作用する抗体は無いとされてきた。


鳥インフルエンザ
  • とは?
    • A型インフルエンザウイルスが鳥に感染して起きる鳥の病気。2種類のタンパク質に組み合わせで分類される。鳥ウイルスの運び役であるカモは無症状だが、ニワトリでは死ぬこともある。
      2003年、香港で通常は人間に移らない鳥のA型インフルエンザウイルス(H5N1)に家族5人が感染し、うち2人が死亡したことが分かった。H5N1は1997年に初めて香港でヒトへの感染が確認され、6人が死亡している。
      香港当局の発表によると、家族5人は旧正月で1月中旬から中国福建省の親類宅を訪問。1月28日に次女(8才)が肺炎を起こし、現地の病院で死亡。父親(33)も香港に帰ってから肺炎になり、2月17日に死亡。長男(9)も発熱などの症状が出て入院したが、快方に向かっている。
      H5N1は長男と父親から検出された。香港衛生当局によると、ウイルスは97年に流行したものとは微妙に異なっているという。
      また、オランダではH7N7型が人間に感染し1人が死亡している。
    • 2004年1/12、日本(山口県)で79年ぶりに鳥インフルエンザが確認された
      「2004年1/20、農林水産省は検出したウイルス(H5N1型)は、香港で見つかったH5N1型ウイルスとは異なると発表した。動物衛生研究所(茨城県つくば市)が実施したウイルス遺伝子の塩基配列解析で分かった。
    • 2004年3/8、京都府丹波町の船井農場と、隣接する園部町でカラスの死骸2羽から鳥インフルエンザウイルスが発見された。
  • アヒル
    • 2004年10/29、WHOはアヒルは鳥インフルエンザのウイルスに感染しても健康状態を保ち、長期間ウイルスをまき散らす恐れがあるという研究成果を発表した。2004年ベトナムで発生した、感染力の強い『H5N1型ウイルス』をアヒルに感染させたところ、何の症状も示さないケースがほとんどだった。感染したアヒルは呼吸や排泄物を通じて17日以上もウイルスを排出し続けた。2003年の場合はウイルスの排出は長くても10日にとどまっていた。
      1997年に発生したウイルスの場合は37℃で2日しか持たず鳥インフルエンザウイルスは熱に弱いとされていたが、2004年のウイルスは37℃で6日間も持ち、耐性が高まっていることが判明
  • 変異が
    • 鳥類に感染するインフルエンザが鳥インフルエンザ。1997年に香港で人にも感染するH5N1型が見つかった。人が感染すると、通常のインフルエンザのように「高熱」「せき」「全身のだるさ」や「呼吸不全」を発症する。
      鳥から人への感染は簡単には起きないが、通常のインフルエンザのように人から人へ感染して世界的な大流行が起きる可能性がある。
      専門家が中止するのは鳥での感染拡大。2005年の夏ロシア・カザフスタン・ルーマニア・トルコなどで新たな感染が見つかった。ベトナムではすでに41人が死亡。
  • 呼吸不全
    • 新型インフルエンザに罹ると重度の呼吸不全や免疫機能が暴走する。その原因の一端を秋田大学・オーストリア科学アカデミー分子生物学研究所などのチームが突き止めた。
      成果は2008年4/18のセル電子版に発表
      今井由美子・秋田大学主任研究員らは毒性が強くて新型インフルエンザに変異すると云われる鳥インフルエンザウイルス(H5N11型)を使って実験した。
      マウスの肺に投与したところ、肺から『酸化リン脂質』が分泌されることが分かった。之を引き金に本来は病原体の侵入を見張る役目を担っているタンパク質『TLR4』(Toll様受容体)が過剰に働くようになり、炎症物質が大量にできた。
      遺伝子操作でTLR4を欠損させたマウスにも。呼吸不全の症状が現れたが症状は軽かった。さらに研究チームは、鳥インフルエンザウイルスに感染・発症して死亡した患者の肺で、免疫が過剰に働いた痕跡を見つけた
  • ノイラミニダーゼの変異
    • タミフルが効かない「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスに対し、別の藥である「リレンザ」が効く可能性があるとする研究成果を英国立医学研究所がまとめた。
      タミフルはインフルエンザウイルスが増殖するのに不可欠な酵素「ノイラミニダーゼ」の働きを抑えて治療を早める。タミフルが効かないH5N1型を調べたところ、ノイラミニダーゼの構造の一部が変異すると効果を失わせることがわかった。
      リレンザはこの変異があっても、効果がほとんど変わらなかった
  • 小型センサーで監視
    • 2009年、産業技術総合研究所などのグループは、鶏の健康状態を遠隔で監視できるシステムを開発した。温度センサーで「体温」、加速度センサーで[運動量]を測定し、データを無線送信する小型端末を開発した。
      大きさは1円サイズで、3g以下。
  • T-705
    • 2009年、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授と木曽真紀研究員らにグループは、富山化学工業が臨床試験中のインフルエンザ薬[T-705]の効果を確認した。既存の治療薬タミフルより治療効果が高いことをマウス実験で確認。
      タミフル耐性遺伝子のあるH5N1型ウイルスにも効果があることを同様の実験で確認。
      成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に発表。
      研究チームは、ベトナムで人から採取されたH5N1型ウイルスをマウスに感染させ、グループ分けした上でその1時間後から、T-705とタミフルをそれぞれ8日間経口投与して効果を比較。T-705を高用量で投与した10匹は、21日が経過してもすべて生き残った。
      一方タミフルを投与した10匹のうち半分が死んだ。
      何もしなかったグループは観察期間中にすべて死亡した。
      T-705はウイルスの遺伝子複製を担っているRNAポリメラーゼの働きを阻害し、細胞内でのウイルス増殖そのものをジャマする。
  • H5N1型と季節性インフルエンザが混合
    • 2010年、東京大学・医科学研究所などのチームは、病原性の高い鳥インフルエンザであるH5N1型と人の季節性インフルエンザういるが混合した場合、より病原性や感染力が高いウイルスが生まれる可能性が高いことを、マウス実験で確かめた。
      研究チームはインドネシアで採取された「H5N1型」と、人の季節性、A香港型「H3N2型」ウイルスを遺伝子操作技術で動物の細胞内で人為的に混合。遺伝子が少しづつ異なる新ウイルスを作製した。このうち親ウイルスから「H5」の遺伝子を受け継いだ75種類のウイルスをマウス4匹づつに感染させた。そのうち22種類のウイルスが感染したマウス4匹はすべてが死に、親ウイルスより病原性が高かった。これらのウイルスはすべてA香港型から「PB2」という遺伝子を受け継いでいた。
      PB2遺伝子はウイルスが人や鳥の細胞で増速する際の最適な温度などを決定する。
  • ベトナムで治療に成功
    • 2010年、国立国際医療研究センターの工藤宏一郎センター長らのグループは、病原性の高い「H5N1型」鳥インフルエンザウイルスに感染したベトナムの女性2人を治療することに成功したと発表。
      同センターは患者の血液を体外に取りだして浄化し、血液中のウイルスなどを除去する治療法の臨床研究に取り組んでいる。
      3/10にH5N1ウイルスに感染してハノイ市の国立バクマイ病院に入院した25歳の女性患者にこの治療法をテスト。従来であれば治療が困難だった重症肺炎が回復し、救命に成功したという。


ブタから新型インフルエンザ(厚生労働省
ブタ体内で新ウイルス?
  • 「A型からC型まであるインフルエンザウイルスのうち、最もよく流行を起こすのが、A型。その人間型は1933年に発見されたが、豚型はその3年前に見つかっている。馬やカモ・アヒル・ニワトリなどの鳥類に感染する型も確認されている。
    さらの1970年代に香港大学のK・F・ショートリッジ教授が中国の豚を調べ、人間型や鳥類のウイルスも持っていることを見つけた。鳥型は人間には移らないが、豚には人間型も鳥型も移ることが分かってきた。
    1970年代後半にはドイツの研究者によって、世界的に大流行した香港風邪(1968年)のウイルスと、その前に流行したアジア風邪ウイルスを比べると、 8本の遺伝子のうち6本が共通し、残り2本は鳥のウイルスと共通していたことが明らかになった。こうした経緯から、人間と鳥のウイルスが同時に豚に感染し、豚の体内で遺伝子が交じり合う「交雑」を起こしているらしいとの見方が出てきた。
      8本の遺伝子
    「名古屋市大医学部の中島捷久教授(ウイルス学)は93年、遺伝子の進化の速度から香港型ウイルスが生まれた時期を逆算した。その結果、鳥と人間とのウイルスが交雑して67年末ごろに豚の中で生まれたと推定する。中島教授は「普通のウイルスは遺伝子が1本だがA型インフルエンザウイルスは8本の遺伝子を持っていることが特徴。交雑で新型に変身することで大流行を起こす」とみる。
    アジア風邪と香港風邪は流行経路から中国南部から起こったと見る研究者が多い。しかし、なぜ中国南部が新型ウイルスの発生地と考えられるのか。
    ショートリッジ教授は80年代前半、中国南部で豚を通してウイルスの遺伝子が交じり合う可能性が高いことを指摘した。その第一の理由として挙がられるのが、人間と豚、アヒル、ニワトリなどが接近して暮らしている生活様式だ。庭先の豚がアヒルなどのウイルスを含んだ糞を吸い込む。人間からもウイルスが移る、という訳だ。
    もう一つの理由として、根路銘国昭・国立予防衛生研究所・呼吸器系ウイルス研究室長は「南寧では春秋に小さな流行期がありながら年間を通してウイルスが見つかる」と話す。冬に集中して流行し、夏にウイルスが消える日本とは対称的だ。年中感染の機会が有れば、新型ウイルスが生まれた時に人間社会に定着しやすい。
      要警戒「H7」
    「次の大流行がはたして起きるのか。根路銘室長や中島教授が警戒するのは鳥で流行してきたH7という型が人間に入ってくることだ。毒性が強く「トリペスト」とも呼ばれ、鶏舎のニワトリを全滅させるほどの被害をもたらす。ショートリッジ教は95年、中国南部の豚からH7ウイルスの抗体を見つけたと報告している。
新型インフルエンザ
  • 2009年、豚のインフルエンザから変異して発生した「新型インフルエンザ」と毎年流行する「季節性インフルエンザ」の違いが明らかになりつつある。
    今回発生した、新型インフルエンザ「A型H1N1」は、豚の体内で複数のインフルエンザが混ざって誕生した。
    インフルエンザウイルスはエンベロープと呼ぶ殻に包まれた微小粒子で、その殻の中に遺伝情報のRNAがある『RNAウイルス』。
    季節性インフルエンザ・・・潜伏期間(2〜3日)
    新型インフルエンザ・・・・潜伏期間(最大7日)、18歳以下の若者に多い(米国)
  • (WHO指針)2009年5月
    • ・型インフルエンザは複雑な病気ではなく発症期間も短い。
      ・大半の患者は入院もインフルエンザ治療薬も必要ない。
      ・ただ、妊婦のほか、糖尿病、心臓や肺に慢性疾患のある患者などには、合併症を起こしやすくリスクが高い。
      ・合併症によって肺炎を併発した場合・・・酸素吸入が不可欠。
      ・副作用のあるステロイドの投与や抗生物質の予防投与はしない。
      ・新型かどうかの診断は、季節性インフルエンザの簡易検査では難しく、遺伝子検査が必要です。
      ・医師や看護師・・・患者からの二次感染を防ぐために高性能マスク、ゴーグル、手袋を着用しましょう。
  • 2009年8月、新型インフルエンザに感染した男性が死亡した。
    • 神戸市保険衛生局によると、男性は8/16に38℃の発熱や体のだるさ、軽いセキがでた。
      8/17日に受診したかかりつけの医療機関で肺炎の疑いがあると診断され、精密検査のために市内の別の総合尿陰に入院。同病院での簡易検査でA型陽性だったため、8/17午後にタミフルを投与し、抗生剤を点滴した。
      だが、容体は悪化し、8/18午前6:20ごろに死亡。
      市環境保険研究所は、生前に採取した男性の検体の遺伝子検査を行い、8/18午後3時に新型インフルエンザの感染を確認した。
  • 学校閉鎖
    • 2009年、8/13、欧州連合加盟国の専門家や欧州委員会でつくるEU健康安全委員会は、新型インフルエンザの感染拡大を予防するための大規模な学校閉鎖は不要とする見解をまとめた。
      生徒の感染者が出た学校の閉鎖は被害拡大を抑える点で「有効」としながらも、学校での生徒間の感染が確認できない段階であらかじめ登校を禁止する方策の効果は「不透明」としている。
      欧州では8/12日時点でこれまでに3万5千人が感染し、死者は55人。欧州委員会のワシリウ委員は「過小評価すべきでないが、パニックになる理由もない」と冷静な対応を呼びかけた
  • 死因は細菌?
    • 2009年、感染拡大が続いている新型インフルエンザで、死亡の直接の原因は何か?
      ブタ由来の新型インフルエンザ発生以来、多くの研究者や医師が関心を寄せている死因について、CDC(米疾病対策センター)が9/29に興味深いレポートを公表。
      新型インフルエンザで死亡した77人の肺の組織などを分析したところ、29%(22人)から細菌が検出されたという。このうち10人から肺炎球菌が検出された。
      季節性インフルエンザの場合、死亡例の多くは細菌の二次感染による肺炎を起こしているとされている。
      今回の新型インフルエンザでは死亡例の大半で細菌が見つからず、ウイルスそのものによるウイルス性肺炎が死亡の引き金になっていると見られてきた。
      細菌性肺炎であれば、抗生物質の投与で死亡のリスクを軽減できる。
  • ワクチン
    • 2009年10/11、国立感染症研究所の田代真人インフルエンザウイルス研究センター長は、ブタ由来の新型インフルエンザウイルスは発生当初と比べて遺伝子はほとんど変異していないとの分析結果を発表。
      WHOを通じて世界各地の新型インフルエンザのウイルス1万〜2万株を調べたところ、ほぼすべてのウイルスが遺伝子的に均一な性質を保っていた。
      このため、「製造中のワクチンは良く効くと推定できる」と指摘。
  • 28タイプ
    • 2009年に発生が確認された新型インフルエンザのウイルスは、遺伝子レベルで少なくとも28のタイプが2009年9月までに国内に侵入していとの解析結果を、国立感染症研究所感染症情報センターの椎野禎一郎主任研究官らがまとめた。
    • 2009年5/8〜9/20までに採取された新型インフルエンザウイルス75検体と世界各地で採取された163検体の合計238検体について遺伝子の塩基配列を分析した。その結果、
      1. 初期にメキシコや北米で検出されたタイプ
      2. ニューヨーク市などで見つかったタイプ
      3. これらが交雑して生まれた2つのタイプ
      の4タイプに分類された。
    • さらに、国内で検出されたウイルスを細かく分類したところ、各地で集団発生を起こした12のタイプと、単発で検出された16のタイプに分けることができた、
  • 遺伝子変異が増殖を促す
    • 2010年、豚由来の新型インフルエンザウイルスが人間の体内で増えやすくなる原因を、東京大学などの国際共同チーム突き止めた。特定の遺伝子の変異が引き金になるという。
    • 病原性の高い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスでも同様と見られ、変異の有無を調べれば大流行の可能性が早い段階で分かるという。
    • 東大と米ウィスコンシン大学との共同成果で、米科学誌プロス・パソジェンスに掲載。
    • 体内でのウイルス増殖に関連する「PB2」遺伝子を解析し、細胞内での増えやすさを調べた。その結果、ブタ由来の新型インフルエンザではPB2の591番目の遺伝子が変異して、人間の細胞で増えやすくなることが分かった。
    • 人間に流行するインフルエンザウイルスの遺伝子変異は、これまで[627番目]と[701番目]の遺伝子のみが重要とされていた。
  • 新型インフルエンザの名称を止める・・・・2011/3/31から(厚生労働省)
抗原原罪説
  • 60才以上の感染・・・少ない
    • 2010年、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザウイルス(H1N1型)感染者と接触した場合の感染の成立しやすさは、60歳以上は20〜30歳代と比べて1/5以下になるという数理モデルをオランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員と米アリゾナ州立大学などがまとめ、「バイオメソッド・セントラル」関連2誌に発表した。
  • 2009年5/29〜7/14の日本国内の流行状況を元に調べた。20〜39歳と比べると
    • 40〜59歳・・・・・・0.56倍
    • 60歳以上・・・・・・0.17倍
    • 0〜5歳・・・・・・・・2.77倍
    • 6〜12歳・・・・・・・2.67倍
    • 13〜19歳・・・・・・2.76倍
  • H1N1型ウイルスは過去にも季節性インフルエンザとして1918年〜57と77年以降、現在まで流行を続けてきた。生まれて最初に感染したウイルスと同じタイプには生涯にわたって強い免疫が誘導されるとする「抗原原罪説」という仮説にもとづくと、60歳代以上の人が生まれて最初に感染した季節性のH1N1型ウイルスは今回の新型ウイルスと共通部分が多いため強い免疫が誘導されていると考えられる。
鳥インフルエンザウイルス(H5N1)がブタにも
  • 2010年、アジアなどで人に感染し死者も出ている高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1が、インドネシアの家畜のブタから7.4%という高い頻度で検出されたと東京大医科学研究所の河岡義裕教授らが米専門誌に発表した。“今後、ブタでのウイルス監視が非常に重要だ”と語る。
  • ブタは、トリで広がるウイルスと人で広がるウイルスの両方に感染するため、鳥のウイルスがブタの体内で人に感染しやすくなる性質を獲得する可能性が指摘されている。
  • 河岡教授らは2005年〜2009年に、インドネシアの23の養豚場や食肉処理場で健康なブタ702匹から鼻のぬぐい液や血液を採取。52匹からH5N1が検出された。


誤判定 診断キットで誤判定
ノドの奥を数回こすって、用意して置いた溶液に綿棒を浸した後、液をインフルエンザウイルスの型を判定するキットに数滴垂らす。待つこと約10分。キットに赤や青の腺が浮かび上がればウイルスに感染していることになる。
この迅速診断キットはインフルエンザ対策の強い味方の1つだ。
ところが、
「インフルエンザの感染の有無を迅速に診断する検査試薬の一部に、間違った検査結果を表示する可能性があることが2003年7/4日分かった。大阪府公衆衛生研究所の調査によると、誤判定が出たのは以下の2製品。
  1. ニチレイの『ジースタットフルーA&Bキット』
    • 感染している患者の6割近くを陰性と判定
  2. 三菱化学ヤトロンの『プロラストチェックFiuA&B』
    • 感染している患者の5割近くを陰性と判定
簡易検査 簡易検査は被験者の鼻やノドの粘膜から取った検体を溶液を塗ったチップにとって反応させる。陽性反応には数百万個のウイルスが必要だった。
2009年、富士フイルムは数万個のウイルスで確認できる簡易検査を開発した。
立体構造 2012年、東京大学の河岡義裕教授らはインフルエンザウイルスの内部の立体構造を突き止めた。
8種類の遺伝子がRNA(リボ核酸)とみられるひも状の物質を介して結合し、1つの複合体を形成していた。
1933年に人から採取し実験用に使っているインフルエンザウイルスを「走査型透過電子顕微鏡」で観察した。


西洋薬 <1>A型のみ:
「アマンタジン(商品名:シンメトレル)」:(副作用:ふらつき・不眠)
<2>A・B型に有効
「リレンザ」(ザナビル):欧州で承認、豪州で発売
「タミフル」・・・
急性腎不全や白血球減少などの副作用が報告されている
「イナビル」・・・吸入粉末剤
2009年、7月。塩野義製薬は「ペラミベル」(一般名)の第3相試験を終えた。ペラミベルは経口剤ではなく、静注する。
タミフル 体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える働きがある抗ウイルス薬。
  1. タミフルで死亡
    2005年11/17,FDA(米食品医薬品局)は、鳥インフルエンザの治療薬として期待されている抗ウイルス剤「タミフル」の副作用で2000年以降日本で12人の子供が死んだ疑いがあると発表。
    欧米を含め他の国では死亡例がない。
    米メディアによると、内訳は自殺1人、突然死4人、心停止4人など。
  2. タミフルで精神症状
    服用後に異常行動などの精神症状が出た事例が32例あり、このうち31例が日本で起きた
  3. 耐性ウイルス
    ベトナムで2005年2月に見つかった高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)患者から、強力なインフルエンザ治療薬『タミフル』に耐性を持つウイルスが検出されたことが、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究でわかった。“特効薬”とされるタミフルへの耐性が見つかったのは初めて。
    河岡教授は「今のところ耐性ウイルスが世界中に広まる可能性はほとんど無いが、慎重な監視が重要」と話している。
    成果はネイチャーに掲載。
    H5N1型はアジアを中心に流行。患者死亡率が60%と高い。
    高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染して死亡したベトナムの患者2人から、抗ウイルス薬タミフルへの耐性を持つウイルスが検出されたことが2005年12/22分かった。耐性ウイルスによる死亡は初めてとみられている。ベトナムや米国の研究チームが12/22付けの米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
    耐性ウイルスが見つかったのは13歳と18歳の少女。いずれも1月に入院、タミフルによる治療を受けたが、それぞれ8日目と20日目に死亡
  4. 国内9県で耐性ウイルス
    2008年、全国の地方衛生研究所を通して採取したAソ連型ウイルス(H1N1)1713株を調べた結果、山形・栃木・神奈川・長野・愛知・兵庫・鳥取・島根の計44株が、遺伝子の一部が変異し、タミフルが効かなくなっていた。
  5. タミフル&リレンザ
    子供への薬効に差がない
    けいゆう病院の菅谷憲夫小児科部長や河岡義裕・東京大学教授らのチームは2008年、比較試験で確認し、米医学誌に発表した。
    4〜15歳の患者約350名を対象に熱が出ていた期間を発症後と投与後に分けて調べた。
    A香港型(H3N2型)
    Aソ連型(H1N1型)
    B型
    の3タイプについて比較した。いずれも効果に差がなかった。


ワクチン
“インフルエンザワクチンは感染自体を防ぐことはできない”(神谷斉・国立病院機構三重病院名誉院長)。接種すると血液中にウイスルを攻撃する抗体ができるが、ウイルスは目鼻やノドから侵入する。血中に抗体があっても感染は防げない。ただ、神谷名誉院長ラが実施した研究によると、季節性インフルエンザのワクチン接種で65歳以上の発症を34〜55%予防し、脂肪は82%減らす効果があった。
季節性のワクチンの有効率は年によって約20〜80%の幅があるという
(日本臨床内科医会)
水銀たっぷり
1998年〜2003年4月にかけてインフルエンザワクチン接種を受けた9人が肝機能障害を発症し、うち2人が死亡していたことが分かり、2003年8/28、厚生労働省は医薬品・医療用具等安全情報を出して、医療機関に注意を呼びかけた。死亡したのは70代と80代の男性。さらに、喘息発作の副作用も11例報告された。
ギランバレー症候群
2002年度にインフルエンザワクチン接種による副作用で1歳女児が死亡していたことが判明。主治医の報告では死因は急性脳症」
死亡率下がらず
「65歳以上の高齢者がインフルエンザの予防接種ワクチンの接種を受けても、未接種の人に比べて死亡率はあまり下がらない可能性があるとする論文を2005年2/14、米厚生省傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の研究グループが米内科学会誌に発表した。
その論文によると、1980年には20%だった米高齢者のワクチン接種率は2001年に65%に上昇したが、この間インフルエンザが直接・間接の死亡原因になった高齢者の割合には毎年変化が無かったという。」
鼻からスプレー
2008年、聖マリアンナ医科大学のC野研一郎・准教授らは、新型インフルエンザの予防ワクチンを開発した。開発し亜ワクチンは、ベトナムで採取された「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスをもとに作製した。免疫効果を高めるために「カイメン」から発見された化合物を補助剤として加えた。
鼻の免疫に投与すると、体内の免疫細胞が活性化されて粘膜にウイルスへの抗体ができ、感染を防止する。
マウスにあらかじめこのワクチンを投与しておくと、ワクチンの元となったベトナムのウイルスへの感染を100%防止できた。
香港で採取された別系統のH5N1型ウイルスに対しても100%の予防効果を確認した。
「セルバパン」
2009年8/5、米のバクスター・インターナショナルは、新型インフルエンザ用ワクチンの生産を開始した。1回目の供給用で、世界で初めての量産となった。
ウイルスを製造するにはニワトリの卵でウイルスを増殖させる方法が一般的。バクスターは従来の手法より早く作れる細胞工学技術をつかった。


TSS 1999年1〜2月にかけて、三重県多度町の精神病院で入院患者19人がインフルエンザなどで亡くなった。同県桑名保健所は、19人のうち複数の患者が、抗生物質が効かないMRSAとインフルエンザの複合感染でショック死する「毒素性ショック症候群(TSS)」で死んだ可能性が高いと報告した。
調査によると、インフルエンザによる発熱などの症状がいったん回復したにもかかわらず5日後に突然死した例や、朝食後に突然倒れて死んだ例、部屋でショック状態で倒れているのが見つかった例、2回吐いた直後に呼吸不全になった例など、容体が急変した例が目立った。(東嶋和子著「死因事典」p166講談社)
魚の生食 →「人喰いバクテリア
58人が
死亡
急性脳炎
「今年1月〜3月末までにインフルエンザと診断された患者のうち、217人が急性脳炎・脳症を発症し、58人が死亡していたことが25日、厚生省が実施した発の全国調査で分かった。5歳までの乳幼児が発症者の8割を占め、回復した患者のうち4割に後遺症が残っていることも明らかになった。
インフルエンザ脳炎・脳症は急性脳症の一種で、ウイルスや細菌の感染で起きるとされる。乳幼児に多く、高熱が出てから意識障害やケイレンなどを起こすまで症状の進行が早いのが特徴。
発症後の経過を見ると、約4人の1人の割合の57人が死亡、17人が病状の経過観察中。回復した142人のうち、ほぼ4割にあたる56人に歩行障害や知的障害などの後遺症が残ったという
予防物質 主要なインフルエンザウイルスの感染を防ぐことが出来る物質を慶応義塾大学の佐藤智典助教授と大塚製薬が共同で開発した。従来の薬と異なりウイルスが細胞に接触することを妨げる。試験管レベルでの実験で効果を確認した。国立感染症研究所と協力して動物実験に着手し臨床試験の早期実施を目指す。新薬として実用化できれば、ウイルス感染の流行防止につながる可能性がある。
新物質はアミノ酸が15個つながったペプチドと呼ばれるもの。人体に入ったインフルエンザウイルスは細胞内に侵入して増殖することで発病する。新物質は、ウイルスの手に相当する糖タンパク質に結合する働きがあり、ウイルスが体の細胞へ侵入することを防ぐ


解熱剤で悪化
ボルタレン
東北大学大学院医学研究科の船渡忠男助教授らは、インフルエンザ患者に使うと脳炎や脳症の重症化をもたらすとして投与が禁忌になった解熱剤の遺伝的メカニズムを解明する研究を開始する。
個人による遺伝子の微妙な違いであるSNP(一塩基多型)を調べ、解熱剤を分解しにくい体質を突き止める。
ニワトリ実験などを通じ、2〜3年後をメドに明らかにしたいとしている。
非ステロイド系の解熱剤であるジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)などは脳炎・脳症の重症カや患者の死亡と関係が深いとして2000年11月インフルエンザには禁忌となった。
重症患者の2/3がボルタレンを処方されており、子供や高齢者で重症患者が多かった。
しかし、同薬を同じ用法・用量で投与しても薬に対する反応には個人がある。研究グループは、体内で薬剤を分解する酵素であるチトクロームP450の仲間のうち、CYP2C9が関係しているとみて研究を進める。
健常者30人の血液を採取し、DNA(デオキシリボ核酸)からSNPを解析したところ、CYP2C9には3種類あることが分かった。
このうち1つの型を持つタイプでは、肝臓での酵素の働きが低く、ジクロフェナクナトリウムを投与しても分解スピードが通常より遅れ、血中での濃度が高くなると見ている。この結果、血管内皮が壊れやすくなり出血することが考えられるという」 
使用禁止
発熱時に使うと急性脳症を引き起こす恐れがあるとして2001年〜2000年にかけて、インフルエンザの子供への投与が禁止された2種類の解熱剤が、その後もインフルエンザ以外の子供に使われ続けていることが、2002年12月14日、大阪府立公衆衛生研究所の調査で判明。
調査した同研究所の奥野良信ウイルス課長は「脳症に至るまでの時間が短く、診断が難しいことを考えると、インフルエンザでなくてもこれらの薬は使うべきではない。家庭にあった薬での死亡例も出ているので、使い残しの薬などは医師に相談してから使ってほしい」と話している。
2つの解熱剤は、インフルエンザ・水ぼうそうなどウイルス性疾患の子供の対する投与が原則禁止された『ジクロフェナクナトリウム』(商品名:ルタレン)とインフルエンザの子供に限って使用が中止された『メフェナム酸』(商品名:ポンタール)。
2001年12月〜2002年1月にかけて、大阪府内の医師に使用状況を質問し、小児科医213人とそれ以外の医師146人の計359人が回答した。
インフルエンザによる子供の発熱時には、小児科医の84.5%、それ以外の医師の80.9%が「別の解熱剤を使用している」と答え、「一切の解熱剤を使用しない」と含めると大半の医師が使用中止の措置を守っていた。しかし、「インフルエンザでない場合、発熱した子供にこれらの解熱剤を使う」と答えた小児科医が1.4%(小児科医以外:16.3%)いた
解熱剤使わず安静に
「インフルエンザウイルスは閉鎖した空間でくしゃみや咳で飛び散った飛沫の中のウイルスで空気感染する。
ウイルスは冷たい場所でよく増え、公園では増殖できなくなる。
真冬に流行するのはこのためだ。流行時には寒い所を避けることだ。
電車や教室内でマスクをすることは、空中に飛散したウイルスを含む粒子が鼻や口に直接入るのを妨げ、ノドを冷やさないように出来るので、意味があるかもしれない。クズ湯を飲むと良いと言うのは、ノドや体を暖めるからだろう。
治療には解熱剤を使わない方がよい。頭痛がひどくて眠れない場合にだけアセトアモノフェンを少量使う程度にして、解熱剤を使わず安静にしている方が早く治る。解熱剤を使用して無理をするとこじらせる元になる。日本ではインフルエンザワクチンは効果がないとして学童への集団摂取が中止された


うがい うがいの効果は、多くの専門家が懐疑的。ウイルスはノドの粘膜に付着すると数分で細胞に取り込まれてしまう
感染者がマスクをするのは・・・有効
手洗い・・・・指先から手首まで入念にあらいましょう。
消毒 長期固定
「2009年、広島大学の二川浩樹教授らは、9/17、インフルエンザウイルスなど病原体に対する消毒薬を、机や衣類などの表面に長期間固定できる化合物を開発したと発表。
実験室レベルでは半年以上も効果が持続した。
化学メーカーの○○と共同開発した。開発した化合物はエタノールなどを材料にした「エトキシシラン系」の液体成分。医療用の消毒薬に含まれる「4級アンモニウム塩」と結合した構造をしている。水やエタノールなどで薄めて木材や繊維、金属などの表面に噴霧すると、消毒薬の成分が物質の表面に固定される。
人が多く集まる公共スペースでも、1〜2週間に1回程度の消毒で済む。
「H5N3」型の鳥インフルエンザや黄色ブドウ球菌など複数の病原体で効果を実証した。
【芳香療法】 <1>初期:
「ティートリー、1〜3滴をバスタブに入れて熱い沐浴をすると、発汗させて治療」
「ユーカリ+ラベンダー」:沐浴及び精油バーナーで蒸散噴霧。
<2>回復期:
 1.ベルガモット
 2.ローズマリ
【色彩療法】 <1>緑色
<2>青色
<3>赤紫色
<4>紫色
【民間療法】 緑茶

インフルエンザの漢方薬
漢方薬あれこれ
  1. 葛根湯
  2. 桂枝湯
  3. 柴胡桂枝乾姜湯
  4. 柴胡桂枝湯
  5. 小柴胡湯
  6. 小青竜湯
  7. 参蘇飲
  8. 清上防風湯
  9. 大柴胡湯
  10. 調胃承気湯
  11. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
  12. 白虎加人参湯
  13. 防風通聖散
  14. 麻黄細辛附子湯
  15. 麻黄湯