- 安中散
- 腰背へ痛みが放散することあり。
- 虚証の胃痛。
- 本症は慢性に経過した胃疾患であって、急性炎症のいわゆる実熱の痛みでは無いことが、第1の条件であると思われる。次に酸水を吐すとあるが、多かれ少なかれ、胃酸過多症を起こしていることが、本方の第2の条件である。しかし私は検査の結果、酸欠乏症と云われた潰瘍性の疼痛に用いて効果があったこともあるから、酸過剰は絶対的条件ではないと思われる。第3の条件は寒邪の気溜滞ということである。たいていの場合、胃内停水を認め、虚寒の症であって、実熱の疼痛では決してない。面黄肌痩・四肢倦怠の文字は、栄養の虚えた虚証を表現している。《矢数道明》
- 胃の疼痛を主症状とする。胸やけを伴う事が多い。《矢野敏夫》
- 腰背部に牽引痛を訴えることあり。その際、腹直筋攣急する者は芍薬甘草湯を、下腹の表層圧痛の強い者は当帰芍薬湯を合方する《矢野敏夫》
- 茵蔯蒿湯
- (日射病による胃の煩痛)
- 黄連解毒湯
- 急性胃炎の痛みに《山田光胤》
- 黄連湯
- 甘草湯
- 五積散
- 柴胡桂枝湯
- 四逆散
- 芍薬甘草湯
- 小柴胡湯
- 当帰芍薬散
- 八味地黄丸
- 半夏瀉心湯
- 半夏白朮天麻湯
- 38歳の主婦。
「半月前より食欲不振と鳩尾に膨満感を覚え、食事をするとその当たりが痛いという。手足が冷え、貧血がある。便通は1日1会。肩こり、めまい、頭重、腰痛、不眠を訴え、軽い耳鳴りがある。月経量は少なく、期間は2~3日で終わるという。出産は2会。体格は普通で、顔色は青白い。
脈は沈んで弱く、腹を診てみると、鳩尾当たりにつかえがあり、ふくらんでいるが、全体的には柔らかい。血圧は(96-80)。
そこで、脾胃の虚であろうと考えて柴芍六君子湯を10日間服用させたが、5日目頃からめまいと頭痛。悪心を起こすというので、半夏白朮天麻湯にかえた。1週間服用し、いくらか良いので、ほとんど同一の処方を4ヶ月間続けさせたところ、胃腸症状も睡眠状態も良くなり、5ヶ月間の服薬でほぼ治った。」《矢数圭堂》
- 六味丸
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