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薬で緑内障に






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緑内障」 

解放隅角緑内障
     





医薬品による緑内障・・(厚生労働省
医薬品による緑内障は、
  • 頻度は多くありませんが、総合感冒薬、アレルギー薬など、何らかのお薬(点眼薬および軟膏も含む)を使った後、次のような症状がみられた場合は、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
  1. 急激に発症する場合:
    1. 急激に
      • 「目の充血」、
      • 「目の痛み」、
      • 「目のかすみ」、
      • 「頭痛・吐き気」
      を生じる。
    2. 遠視眼、中高年女性に発症しやすい。
  2. 慢性に進行する場合:初期には症状はあっても軽微だが、進行すると
    • 「視野の中に見えない部分がある」、
      「視野が狭くなる」
    • 症状がみられる。

緑内障とは?
  • 緑内障とは、眼球でとらえた像を脳に伝える視神経が障害され、視野の中に見えない部分ができたり、視野が狭くなる病気です。
    • 散瞳薬、睡眠薬、抗うつ薬、副腎皮質ステロイド薬などでおこる場合があります。

    医薬品による緑内障は、医薬品の作用により眼球の中を満たしている水(房水)の排出が障害され、眼球の内圧(眼圧)が異常に高まることにより発症します。
    急激に発症するものと慢性に進行するものがあります。放置すると重篤な視機能の障害を残すので、早めに対処することが大切です。





1.早期発見と早期対応のポイント
  • 総合感冒薬、アレルギー薬などの医薬品を使った後、急激に「目の充血」、「目の痛み」、「目のかすみ」、「頭痛・吐き気」が生じた場合は、放置せずにただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    原因と考えられる医薬品の使用からこれらの症状が現れる期間は数時間以内あるいは1 ヶ月以上経ってから起こることもあります。
    慢性のタイプは、初期には症状はあっても軽微なことが多いので、特に副腎皮質ステロイド薬を使用している場合は定期的な眼科検査が必要です。





1)散瞳作用および毛様体浮腫によるもの
  • (1)初発症状
    • 眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐、充血、視力低下など
  • (2)好発時期
    • 発症までの期間は、原因薬使用後数時間で生じた症例から、数ヶ月後あるいは1 年以上経過して発症したと考えられる症例も報告されており、まちまちである。一日の時間帯としては夜間が多く、季節は冬に多いと言われている。
  • (3)患者側のリスク因子
    • 狭隅角眼および原発閉塞隅角緑内障眼で発症しやすい。これらは高齢、遠視の患者により多く認められ、また、女性の方が多く生じると報告されている。人種による違いもあり、東あるいは南アジア諸国で原発閉塞隅角緑内障の有病率は高いが、日本人は他のアジア諸国に比べて少ない。なお、片眼にすでに急性原発閉塞隅角緑内障を生じていた場合、もう片眼にも5〜10 年以内に急性原発閉塞隅角緑内障が生じる可能性が高い。
  • (4)原因となる医薬品とリスク
    • i@散瞳作用によるもの
      • 散瞳薬(アトロピン、シクロペントラート、トロピカミド、フェニレフリン)、
        チエノジアゼピン系抗不安薬(エチゾラム)、
        三環系抗うつ薬(アミトリプチン、イミプラミン)、
        カテコラミン系昇圧薬(アドレナリン)、
        ベンゾジアゼピン系全身麻酔薬(ミダゾラム)、
        ベラドンナアルカロイド(スコポラミン)、
        非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(ゾルピデム)など。
      A毛様体浮腫によるもの
      • スルホンアミド系薬剤
  • (5)早期発見のポイントと必要な検査
    • 急性原発閉塞隅角緑内障が生じると、眼内の房水循環が障害されて眼圧が急上昇する。そのため、
      • 三叉神経第一枝領域に一致した痛みが眼部だけでなく、前頭部、耳、副鼻腔、歯などに放散することがある。
      • また、角膜浮腫が生じ、かすみ目、霧視、あるいは光源の周りに光の輪や虹が見える現象が生じる。
      • 眼圧の上昇によって、さらに迷走神経反射による吐き気、嘔吐、徐脈、発汗などが生じる。
      • 毛様充血と呼ばれる角膜周囲の結膜充血や、
      • 瞳孔の麻痺による中等度散瞳、あるいは対光反射の消失などが認められる。
      • 眼圧下降が遅れると、不可逆的な視神経障害とそれに基づく視野障害が生じ、数日で失明に至る可能性がある。
      これらの症状は時間とともに増悪し、一刻も早い眼科専門医での対応が望まれるが、頭痛や消化器症状を伴うことから脳外科や他科を受診し、眼科の処置が遅れて重篤な視機能の喪失をもたらすこともあるので注意を要する。
      診断に必要な検査は眼科で行われるが、救急外来などで眼科医以外が診察を行う際には、触診による眼球の硬化や、視診による角膜周囲の結膜充血、角膜の混濁を確認し、眼圧上昇を予測する。
      眼科で行う検査としては、
      • 眼圧測定、
      • 細隙灯顕微鏡による前眼部所見、
      • 隅角鏡を用いた隅角検査
      などが必要である。
      なお、開放隅角眼でも散瞳によって眼圧上昇が生じることがあるが、落屑症候群を合併しない限り、あっても眼圧上昇は軽度であり、瞳孔径の回復により眼圧は下降することが多い。そのため、自覚症状は軽度であり、結膜充血や角膜混濁もみられないことが多く、実際に眼圧測定を行わなければ、眼圧上昇を確認できないことが多い。一方、落屑症候群を合併する場合は開放隅角眼でも散瞳による眼圧上昇が問題となる場合があり注意を要する。





2)副腎皮質ステロイド薬によるもの
(1)初発症状
  1. 初期には全く無症状で、あっても充血、虹輪視、羞明、霧視、軽い眼痛、頭痛程度であり、
  2. 進行すると視野欠損、視力低下を来す。
  なお、幼児では流涙、角膜混濁、角膜径拡大などを認めること  がある。

(2)好発時期
  • 副腎皮質ステロイド薬投与後の眼圧上昇までの期間はさまざまであり、薬物の種類、投与方法、投与量、投与頻度、他の眼科疾患あるいは全身疾患の有無など多くの因子に依存するが、従来から眼圧上昇の程度には個体差があることが知られている。投与後1〜2 週間ほどで眼圧上昇を来す症例がある一方で、短期間では副腎皮質ステロイド薬による眼圧上昇が証明されていない症例でも長期使用で眼圧上昇を来すことがあり注意を要する。

(3)患者側のリスク因子
  • 副腎皮質ステロイド薬を頻回、あるいは長期間使用している患者では眼圧が上昇しやすく、原発開放隅角緑内障患者とその近親者、糖尿病患者、強度近視眼、膠原病患者、幼少児では特に眼圧が上昇しやすいことが報告されている。

(4)原因となる医薬品とリスク
  • ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルオロメトロン、クロベタゾール、ジフルプレドナート、フルオシノロン、クロベタゾン、アルクロメタゾンなどがある。
    副腎皮質ステロイド薬であれば種類や投与方法にかかわらず眼圧上昇を来しうるが、その眼圧上昇作用は主に糖質コルチコイド作用の力価と眼内移行性、および各投与方法の眼内移行の程度に相関するとされている。

(5)早期発見のポイントと必要な検査
  1. 初期には自覚症状がなく、診断には眼科での精査を要するため、被疑薬、特に副腎皮質ステロイド薬を使用している患者には定期的眼科受診をすすめるべきである。
  2. 必要な検査として細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査などがある。







2.副作用の概要
1)散瞳作用および毛様体浮腫によるもの
  • (1)自覚症状
    • 視力低下、霧視、虹視症、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐など。
  • (2)他覚症状
    • 対光反射の減弱ないし消失、瞳孔の中等度散大、結膜充血および毛様充血、角膜混濁など。
  • (3)検査結果
    • 正常値20 mmHg を超える眼圧上昇、時に40〜80 mmHg に及ぶこともある。
      隅角検査で広範な隅角閉塞。
      眼底検査では乳頭腫脹、静脈うっ滞、乳頭出血などを認めることがある。
  • (4)発生機序
    • @散瞳作用によるもの
      • 抗コリン作用(副交感神経遮断作用)による瞳孔括約筋の麻痺、あるいはアドレナリン作用(交感神経刺激作用)による瞳孔散大筋の収縮によって散瞳が生じる。散瞳状態においては、下記の2つの眼圧上昇機序が単独に、あるいは複合して生じると考えられる。
          @)相対的瞳孔ブロック
        狭隅角眼では、水晶体前面と虹彩の接触範囲が広く、元々房水は通過しにくい。何らかの原因で瞳孔が散大したのち、通常瞳孔に回復する過程において、虹彩と水晶体の接触はさらに高度となり、房水の通過障害が起こる(=相対的瞳孔ブロック)。そのため、後房圧が上昇し、虹彩がさらに前面に屈曲することによって虹彩根部が房水の流出路である隅角を閉塞し、房水は貯留し眼圧が上昇する。相対的瞳孔ブロックの機序以外に、下記のプラトー虹彩機序を合併し眼圧上昇を来す症例も少なくない。
          A)プラトー虹彩機序
        虹彩付着部の形態異常により、特徴的な隅角構造を有する患者に生じる。相対的瞳孔ブロックの機序なしに、散瞳によって虹彩が弛緩し、虹彩根部が隅角を閉塞することによって房水流出は阻害され、眼圧上昇が生じる。
    • A様体浮腫によるもの
      • スルホンアミド関連薬などにより毛様体浮腫を起こした場合、毛様体の浮腫により虹彩根部が前方に偏位し、隅角が閉塞したり、水晶体が前方に偏位し、相対的瞳孔ブロックが誘発されることによって眼圧上昇が生じる。
  • (5)薬剤ごとの特徴
    • 抗コリン薬などの散瞳作用を有する薬剤、スルホンアミド関連薬などで起きるが、現時点では、原因薬剤ごとの特徴についての知見は得られていない。
      しかし、一般的には、交感神経刺激作用よりも副交感神経遮断作用によって生じる散瞳径の方が大きく、眼圧上昇発作を誘発する可能性は高いと考えられている。
  • (6)副作用発現頻度
    • 頻度については不明のものが多い。
  • (7)自然発症の頻度
    • 日本における緑内障疫学調査によると40 歳以上の原発閉塞緑内障の有病率は0.6%(男性0.3%、女性0.9%)であるが、続発閉塞隅角緑内障の有病率は明らかになっていない。


2)副腎皮質ステロイド薬によるもの
  • (1)自覚症状
    • 初期には全く無症状(あっても充血、虹輪視、羞明、霧視、軽い眼痛、頭痛程度)で、進行すると視野欠損、視力低下。
  • (2)他覚症状
    • 初期には全く無症状で、あっても結膜充血程度。幼児では羞明、流涙などを認めることがある。
  • (3)検査結果
    • 高眼圧、開放隅角、眼炎症所見なし、緑内障性視神経症と対応する視野障害、被疑薬中止後の眼圧正常化。小児では角膜混濁、乳幼児では角膜径拡大など、早発型発達緑内障に類似した所見を認めることがある。
  • (4)発生機序
    • 副腎皮質ステロイド薬による眼圧上昇は前房隅角での房水流出障害が原因と考えられているが、その発現機序は下記のような種々の説が報告されているものの、今のところ統一した見解はない。
      ・副腎皮質ステロイド薬が線維柱帯において線維柱帯細胞のライソゾームの膜を安定化し、グリコサミノグリカンの分解を調節する酵素の放出を抑制するため線維柱帯にグリコサミノグリカンが蓄積する。
      ・副腎皮質ステロイド薬により線維柱帯細胞が細胞外成分を盛んに産生し、線維柱帯細胞に多量の細胞外成分が蓄積する。
      ・副腎皮質ステロイド薬が線維柱帯細胞の内皮細胞の食作用を阻害することで、残渣が線維柱帯に沈着する。
      このように線維柱帯での流出抵抗が増大することで眼圧が上昇すると考えられる。また、副腎皮質ステロイド薬がプロスタグランジンの産生を抑制することにより眼圧が上昇するとの説もあるが、依然不明の点が多い。
  • (5)薬剤ごとの特徴
    • 現在臨床に用いられている副腎皮質ステロイド薬には多くの種類があるが、その眼圧上昇作用は主に糖質コルチコイド作用の力価と眼内移行性、および各投与方法の眼内移行の程度に相関することが知られており、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロンは眼圧上昇作用が強いとされている。
      また投与方法と眼圧上昇の関連については、点眼薬による眼圧上昇の報告が多くなされているが、眼周囲(球後、結膜下、テノン嚢下)注射でも眼圧が上昇しやすく、特に貯留型の薬剤(例:トリアムシノロン)では顕著であることが分かっている。また、顔面や眼瞼、さらには遠隔部の皮膚への軟膏など外用薬の投与でも、眼圧を上昇させるのに十分な量が吸収され眼組織に到達し、眼圧上昇を来すことが知られている。このことから、特にアトピー性皮膚炎患者への副腎皮質ステロイド外用薬使用の際には眼圧上昇の発現に注意する必要がある。なお、副腎皮質ステロイド薬の全身投与でも眼局所投与と比較し影響は少ないものの眼圧が上昇する可能性がある。
  • (6)副作用発現頻度
    • 報告により差があるが代表的な報告では0.1%デキサメタゾン点眼液投与により正常者の5〜6%に高度、30%前後で中等度の眼圧上昇を認めるとされている。
  • (7)自然発症の頻度
    • 日本における緑内障疫学調査によると、40 歳以上の副腎皮質ステロイド薬の副作用によるものを含む全続発緑内障の有病率は0.3%(男性0.3%、女性0.4%)である。





3.副作用の判別基準
1)散瞳作用および毛様体浮腫によるもの
  • 明視下で前眼部を観察し、患側と健側の比較により、
    1. 浅前房、角膜浮腫混濁、散瞳、結膜毛様充血など、閉塞隅角緑内障に特徴的な前眼部所見を把握する。
    2. 眼瞼上より眼球硬度を触診し、高眼圧を確認する。
    3. 頭痛や嘔吐など全身症状が強い場合には、患者が内科を受診し、頭蓋内疾患や消化器疾患と診断される場合もあり、鑑別を要する。
    4. 問診において、眼科手術の既往の確認も重要である。
2)副腎皮質ステロイド薬によるもの
  • まず、眼圧および眼底検査による管理を行う。
    眼圧の上昇や視神経乳頭の陥凹、神経線維束欠損などの緑内障を疑わせる眼底所見を認めたら、視野検査により緑内障性障害の有無を調べる。
    また、隅角検査により、新生血管や周辺虹彩前癒着などを確認することが他の疾患との鑑別に有用である。







4.判別が必要な疾患と判別方法
散瞳作用および毛様体浮腫によるもの

(1)原発閉塞隅角緑内障
  • 前眼部所見からの鑑別は困難である。症状発現前の加療歴、検査内容、投薬中の薬剤について正確に聴取することが必要である。

(2)悪性緑内障
  • 原発閉塞隅角緑内障に対するレーザー虹彩切開術や観血的手術後も浅前房と眼圧上昇が持続して初めて気づくことが多い。房水の硝子体内腔への流入、毛様体突起の浮腫、毛様体の前方回旋などにより硝子体圧上昇、浅前房を来す。

(3)続発閉塞隅角緑内障(代表的な原因疾患を以下に記載する)
  • @膨隆白内障
    • 白内障の進行により水晶体が膨化し相対的瞳孔ブロックが生じ、閉塞隅角緑内障を発症する。
    • 細隙灯顕微鏡検査により瞳孔領に白内障を認める。
    A水晶体脱臼
    • 自然にあるいは外傷、Marfan 症候群、ホモシスチン尿症により水晶体が脱臼し、浅前房や隅角閉塞を来す。
    • 体位変換により水晶体が移動し、眼圧が変動する。
    B虹彩後癒着
    • 虹彩炎や前部ぶどう膜炎により生じた虹彩後癒着により瞳孔ブロックが生じ、閉塞隅角緑内障を発症する。細隙灯顕微鏡検査で角膜後面沈着物、虹彩結節を伴い、隅角検査では周辺虹彩前癒着、隅角結節などを認める。


副腎皮質ステロイド薬によるもの

(1)原発開放隅角緑内障
  • 眼圧、眼底(視神経乳頭など)、視野では鑑別は困難である。過去や現在の薬剤、特に点眼薬の使用状況を正確に聴取することが必要である。

(2)続発緑内障(代表的な疾患を以下に記載する)
  • @落屑緑内障
    • 細隙灯顕微鏡により瞳孔領や水晶体前面に偽落屑を認める。
    • また、線維柱帯に色素沈着を認める。
    Aぶどう膜炎
    • 細隙灯顕微鏡により角膜後面沈着物を認めることがある。
    • 隅角検査により周辺虹彩前癒着、隅角結節や線維柱帯における色素沈着などを伴うことがある。
    B血管新生緑内障
    • 隅角に新生血管を伴う。
    • 進行例では、虹彩、特に瞳孔縁に新生血管がみられる。
    • 眼底に糖尿病網膜症や網膜静脈(分枝)閉塞症などの虚血性病変を認める。





5.治療方法
1)散瞳作用および毛様体浮腫によるもの
散瞳作用による相対的瞳孔ブロックが眼圧上昇機序とされる場合には、副交感神経刺激薬の頻回点眼により速やかに相対的瞳孔ブロックを解除すると同時に、高浸透圧薬や炭酸脱水酵素阻害薬の点滴、内服、併せて、緑内障治療薬の点眼を行うことにより、眼圧を正常化することが治療の原則である。
薬物療法が奏効しない場合は、レーザー虹彩切開術または手術的虹彩切除術などの手術療法を行う。
毛様体浮腫によるものについては、副交感神経遮断薬、交感神経刺激薬点眼により散瞳を行って前房形成を図ると同時に、高浸透圧薬や炭酸脱水酵素阻害薬の点滴、内服を行うことにより、眼圧の正常化をめざす。薬物療法が奏効しない場合は、水晶体摘出や硝子体切除術などの手術療法を行う。
2)副腎皮質ステロイド薬によるもの
可能であれば、まず被疑薬を中止する。同時に眼圧、眼底や視野障害の程度に応じて、抗緑内障薬の点眼や炭酸脱水酵素阻害薬の内服を行う。薬物療法が奏効しない場合は、レーザー線維柱帯形成術または線維柱帯切開術や線維柱帯切除術などの手術療法を行う。





6.典型的症例概要
1)散瞳作用および毛様体浮腫によるもの
  • 【症例】60 歳代、男性緑内障の画像
    (主 訴):右眼の眼痛と視力低下
    (家族歴):特記すべきことはない。
    (既往歴):特記すべきことはない。
    (現病歴):
    会社検診で胃潰瘍疑いの指摘を受け、精査目的で消化器内科にて上部消化管内視鏡検査を施行。臭化ブチルスコポラミンの投与を受けた。
    検査終了後、右眼の眼痛と視力低下を自覚したため、眼科を救急受診した。
    (初診時現症):
    視力:右手動弁(矯正不能)、左1.2(矯正不能)。眼圧:右58 mmHg、左16 mmHg。
    細隙灯顕微鏡検査にて、右眼の瞳孔は散瞳し、角膜浮腫、結膜毛様充血、浅前房を認めた(図1)。左眼には異常を認めない。
    (経過と治療):
    20%マンニトール300 mL の点滴静注を開始、同時に2%ピロカルピンの頻回点眼を行った。瞳孔は次第に縮瞳し、角膜浮腫も改善。眼圧も下降し、眼痛も軽快した。翌日、再診し、レーザー虹彩切開術を施行した。
2)副腎皮質ステロイド薬によるもの
  • 【症例】30 歳代、男性
    (主 訴):視野異常
    (家族歴):特記すべきことはない。
    (既往歴):アトピー性皮膚炎、春季カタル
    (現病歴):
    10 年来、アトピー性皮膚炎に対して、眼瞼を含めて顔面に副腎皮質ステロイド薬を含有した軟膏を使用していた。また、春季カタルに対して、抗アレルギー剤および副腎皮質ステロイド薬の点眼を行ってきた。
    (初診時現症):
    視力:右0.2(矯正1.2)、左0.5(矯正1.0)。眼圧:右24 mmHg、左26mmHg。
    前眼部、中間透光体に特記すべき所見は認めなかった。眼底は、両眼ともに乳頭は蒼白であった。視野検査では、両眼ともに中心10 度とそれに続く耳側の視野が残存するのみであった(図2)。
    (経過と治療):
    前医から処方されていたチモロールとラタノプロスト点眼薬に追加して炭酸脱水酵素阻害薬の点眼薬を処方した。現在は、両眼ともに眼圧は20mmHg 以下である。




緑内障(glaucoma)の種類
絶対緑内障
absolute g,
緑内障の最終段階
急性うっ血性緑内障
acute congestive g,
空気ブロック緑内障
air-block g,
手術後に起きる緑内障の1つ。
瞳孔or周辺虹彩切除部かあ虹彩後方へ空気が入る
隅角閉塞性緑内障
angle-closure g,
潜在性隅角閉塞性緑内障
angle-closure g, latent
隅角閉塞緑内障の第1期。
まだ自覚症状は無いことが多い。
間欠性隅角閉塞緑内障
angle-closure g, intermittent
隅角閉塞緑内障の第2 期。
眼圧の上昇、角膜の浮腫、眼疼痛
急性隅角閉塞緑内障
angle-closure g, acute
隅角閉塞緑内障の第3期。
初期では症状は間欠性隅角閉塞緑内障に似ている。眼内圧が持続的に上昇すると、角膜は腫脹し、湯気が立ちこめたように混濁する。
眼痛・悪心・嘔吐、進行すると充血し鬱血する。
慢性隅角閉塞緑内障
angle-closure g, chronic
隅角閉塞緑内障の第4期。
隅角後退性緑内障
angle-recession g,
眼の挫傷による続発性緑内障。
無水晶体性緑内障
aphakic g,
水晶体摘出後に起こる緑内障
卒中性緑内障
apoplertic g,
迷路内圧力が増加して
耳性緑内障
auricular g,
水晶体緑内障
lenticular g,
通常、前房隅角における物理的閉塞が原因で起きる
水晶体嚢緑内障
g. capsulare
落雪性症状を伴う開放隅角緑内障
水晶体溶解性緑内障
phacolytic g,
成熟(過成熟)の白内障から、レンズのタンパクが前房水に流れ込み、マクロファージによって貪食されて空間をふさぐ事で起きる開放隅角緑内障
慢性緑内障
chronic g,
慢性狭隅角緑内障
chronic narrow-angle g,
重症うっ血性症状を伴わない狭隅角緑内障
慢性単純性緑内障
chronic simple g,
キモトリプシン性緑内障
chymotrypsin-induced g,
閉塞隅角緑内障
closed-angle g,
狭隅角緑内障
narrowangle g,
原発性緑内障の1型。隅角を虹彩が札倶為房水の流出がジャマされる。
先天性緑内障
congenital g,
うっ血緑内障
congestive g,
非うっ血性緑内障
noncongestive g,
ドンデルス緑内障
Donders' g、
酵素緑内障
enzyme g,
手術後発生する一過性緑内障
幽霊細胞緑内障
ghost cell g,
開放隅角緑内障で、硬い崩壊赤血球が房水排出路を閉鎖したもの
出血性緑内障
hemolytic g,
開放隅角緑内障で、血液凝固物が隅角を満たして起きる。
赤血球が小柱メッシュに詰まって起きる。
出血緑内障
hemorrhagic g,
網膜出血圧力による緑内障
血管新生性緑内障
neovascular g,
続発性緑内障の1つ。
切迫性緑内障
g, imminens
乳児緑内障
若年緑内障
juvenile g,
30才まで、眼球の肥大は起きない。
炎症性緑内障
inflammatory g,
網様体充血、角膜混濁、視力低下を繰り返す
低眼圧緑内障
low-tension g,
高眼圧を伴わない開放隅角緑内障
悪性緑内障
malignat g,
虹彩切除でも急速に悪化する
黒色腫緑内障
melannomalytic g,
壊死性悪性黒色腫がある、
閉塞性緑内障
obstructive g,
開放隅角緑内障
open-angle g,
原発性緑内障の1型。
色素性緑内障
pigmentary g,
開放隅角緑内障の1つ。
原発緑内障
primary g,
先行する疾患がない眼圧上昇
続発性緑内障
secondary g,
疾患・損傷によって前房への出血で眼圧が上昇
単純性緑内障
g, simplex]
顕著な炎症はない
ステロイド緑内障
steroido g,
ステロイド使用による起こる二次的開放隅角緑内障
外傷性緑内障
traumatic g,
眼球の非穿孔性損傷から
硝子体閉塞性緑内障
vitreousblock g,
手術後に生じる緑内障
広隅角緑内障
wide-angle g,










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