ようこそ!!     ドクトルアウンの気になる情報 へ     シッカリ食べて  ・・・  バリバリ働き  ・・・  グッスリ休んで ・・・ ドッサリうんちをする。     そんな私に・・・・・なりたい。    
情報TOP




薬剤性腎不全



HOME ブログ 通 販 通販カタログ 病名(症状) 漢方薬 医薬品(一般名・商品名)









急性腎不全厚生労働省
英語名:Acute renal failure
腎臓の働きが短期間に低下する「急性腎不全」は、解熱鎮痛薬、抗生物質、抗菌薬、造影剤、抗がん剤などの医薬品の使用により引き起こされる場合があります。


医薬品を使用後に、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
  • 「尿量が少なくなる」、
    「ほとんど尿が出ない」、
    「一時的に尿量が多くなる」、
    「発疹」、
    「むくみ」、
    「体がだるい」

1.急性腎不全とは?
  • 急性腎不全とは、いろいろな原因で腎臓の機能が短期間に低下することをいいます。腎臓の一番大きな役割は、老廃物や余分なナトリウム、塩素、カリウムなどを尿として体の外に排泄することです。
    急性腎不全になると、老廃物が血液中にたまり
    高窒素血症という状態になり、重い場合、人工透析をしないといけない状態になります。
  • 急性腎不全になると、通常尿量が少なくなり(乏尿)、ほとんど出なくなったりします(無尿)が、逆に一時的に増えることがあり(多尿)、尿量のみでは診断できないので、高窒素血症があることを血液検査で確認してから診断することが重要です。
    慢性腎炎や糖尿病性腎症によりゆっくりと進行する慢性腎不全と異なり、急性腎不全になった場合にはその原因を除くことにより、多くの場合進行を止め、改善させることが可能です。早期発見と早期対応が、重症化を防ぐ一番よい方法です。


2.早期発見と早期対応のポイント
  • 原因と考えられる医薬品を服用・使用して数時間以内に発症することもありますし、数年経ってから発症することもあります。服用・使用している医薬品により、発症する時期がある程度予測できますので、医師・薬剤師等の説明をよく聞いてください。
  • もともと腎臓の機能が正常でない場合(慢性腎不全)、発熱、脱水(飲水量が少ない)、食事の量の減少、複数の医薬品の服用、誤って多量服用した場合などに、急性腎不全を発症しやすくなります。
  • 「尿量が少なくなる」、「ほとんど尿が出ない」、「一時的に尿量が多くなる」、「発疹」、「むくみ」、「体がだるい」などの症状がみられた場合で、医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡するか、医師の診察をすみやかに受けて下さい。
  • また、症状なく進行する場合もあるので、早期発見・早期対応のため、以下の医薬品を服用している方は、医師の勧める定期的な血液検査・尿検査を積極的に受けることが推奨されます。
    ・解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)
    ・高血圧治療薬(特にアンジオテンシン変換酵素阻害薬)
    ・抗生物質(アミノグリコシド系抗生物質)
    ・抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)
    ・造影剤(ヨード造影剤)
    ・抗がん剤(特にシスプラチン等の白金製剤) 等

1.急性腎不全の原因
  • 急性腎不全は急性腎炎、出血によるショック、O157 の感染による溶血性尿毒症症候群等の多くの原因により起こります。

  • この急性腎不全の原因の1つに医薬品があげられます。
  • 医薬品が原因となった急性腎不全を薬剤性急性腎不全といいます。体の中に入った医薬品は主として腎臓から尿中に排泄されるか肝臓から胆汁、さらには大便に排泄されます。多くの医薬品が腎臓から排泄されるため、体の他の部分より腎臓に集まることになり、腎臓に対して害を与えることが多くなります。



2.医薬品による急性腎不全の分類

1)「原因がどこにあるか」による分類:
  • 腎前性・腎性・腎後性急性腎不全はその原因がどこにあるかにより、3つの種類に分類されます。
    1. まず原因が腎臓そのものでなく、低血圧などにより腎臓に血液が十分に供給されずに腎臓の機能が低下する場合を腎前性急性腎不全といいます。
    2. 次に腎臓の中の血管の閉塞や、腎臓の中の細胞が障害を受けることにより腎臓の機能が低下した場合を腎性急性腎不全といいます。
    3. また、できた尿が通る腎臓から尿道(尿を体の外に排泄するところ)までの経路にできた石などにより尿の流れがせき止められることにより尿が体外にでることができず腎臓の機能が低下した状態になる場合を腎後性腎不全
    といいます。


2)「どのようにして起こるか」による分類:
アレルギー性・中毒性
  • 急性腎不全はどのようにして起こるかにより、アレルギー性と中毒性の2 種類に分類されます。アレルギー性は体質によることが多く予測が困難です。その代表が間質性腎炎で別のマニュアル「間質性腎炎」に記載されています(間質性腎炎のマニュアルをご覧ください)。どのような医薬品でも大量に体の中にたまると毒として働きます。腎臓に医薬品が毒として作用して腎臓の機能が急速に低下する場合を中毒性といいます。


3) 「腎臓のどこがやられるの?」かによる分類:
糸球体障害・尿細管間質障害
  • 腎臓はネフロンという尿を作る小さな器官が集まってできています。1つの腎臓は約100 万個のネフロンからできています。ネフロンは血液から多量の薄い尿をこし出す糸球体という部分と薄い尿を濃縮し実際の尿を作り出す尿細管間質という部分とでできています。このどちらの部分の機能が主として障害されるかにより、糸球体性尿細管間質性とに分類されます。
    急性腎不全が起きた場合、上の3つの分類法にてあてはまるものを診断すると、原因薬剤が判断しやすく、かつその治療法が明らかとなります。

  • 例えば抗がん剤のシスプラチンによる急性腎不全は腎性・中毒性・尿細管間質障害と分類されます。

  • 腎前性急性腎不全の原因になりうる医薬品としては高血圧治療薬と解熱鎮痛薬が代表的なものです。

  • 腎性急性腎不全の原因になりうる医薬品は種類が多く、抗生物質、抗がん剤、抗リウマチ薬、痛風治療薬、造影剤などがその代表です。

  • 腎後性急性腎不全の原因となりうる医薬品は尿酸結石形成を促す抗がん剤が代表です。





急性腎不全を起こしやすい医薬品


1) 解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)
  • 痛み止めや解熱剤により腎臓に行く血液の量が急激に落ちることにより、急性腎不全になることがあります。脱水、高齢、腎臓・心臓・肝臓などに慢性の病気などがある方ではリスクが高くなります。
    解熱鎮痛薬などを服用後に「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。


2) 高血圧治療薬(特にアンジオテンシン変換酵素阻害薬)
  • アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンU受容体拮抗薬などの降圧剤は腎臓の負担を取り、慢性の腎疾患の進行を抑制する良い効果があります。しかし、服用後に血圧が急速に低下し、腎臓にいく血液の量が急激に落ちることにより急性腎不全になることがあります。
    • 「むくみ」、
    • 「尿量の減少」、
    • 「倦怠感」、
    • 「食欲不振」、
    • 「吐き気・嘔吐」
    などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。また定期的に血液検査と尿検査をする必要があります。


3) 抗生物質(アミノグリコシド系抗生物質)
  • 感染症の治療の目的で用いられる注射の抗生物質です。腎臓(特に尿細管)に負担をかけ、腎臓の機能が低下することがあります。そのようにならぬよう、使用量・使用間隔などに十分に気をつけていますが、「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。また定期的に血液検査と尿検査をする必要があります。

4) 抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)
  • 感染症の治療の目的で用いられる抗菌薬です。腎臓(特に尿細管)に負担をかけ、腎臓の機能が低下することがあります。そのようにならぬよう、使用量・使用間隔などに十分に気をつけていますが、「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。

5) 造影剤(ヨード造影剤)
  • 病気の診断に必要な検査に用いられる薬です。ヨードから作られています。ヨード、ヨード剤でアレルギーがある方には使用できません。過去にアレルギー反応があった方は医師に相談してください。また、この薬は全て腎臓から排泄されますので、腎臓(特に尿細管)に負担をかけ、場合により腎臓の機能を低下させる場合があります。すでに腎臓の機能が低下している場合には使用量を少なくする必要があります。副作用が出ないように、使用量などに十分に気をつけて使用します。脱水状態では副作用が出やすく、使用前後に点滴を行って十分に水分を補給します。すでに腎臓の機能がある程度低下している場合には検査後に人工透析を一時的に行う場合があります。
    検査後に「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」、「発疹」、「発熱」などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。また検査直後に何度も血液検査と尿検査をする必要があります。


6) 抗がん剤(特にシスプラチン等の白金製剤)
  • シスプラチンなどの白金製剤は抗がん剤として大変有用な薬ですが、腎臓(特に尿細管)に大きな負担をかけ、使用量が多いと腎臓の機能が急に低下する場合があります。すでに腎臓の機能が低下している場合には使用量を少なくする必要があります。副作用が出ないように、使用量、使用間隔などに十分に気をつけて使用します。脱水状態では副作用が出やすく、使用前後に点滴を行って十分に水分を補給します。
    使用後に「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」などが見られた場合には、医師・薬剤師に至急連絡するか、医師の診察を速やかにうけてください。
    また定期的に血液検査と尿検査をする必要があります。


.早期発見と早期対応および予防のポイント
  • 医薬品による急性腎不全の診断チャートを示す(図1)。薬剤性腎不全が疑われる場合には、このチャートを参考に原因医薬品を推定し、腎臓の障害部位を診断し、適切な治療を行う必要がある。本マニュアルでは、医薬品による急性腎不全を扱ったため、尿細管間質障害による急性腎不全を主体に記載している。
    急性腎不全の定義は高窒素血症を基準にして行われ、医薬品服用後1〜4 週の間に「血清クレアチニン値が1 日0.5 mg/dL、血清尿素窒素が1 日10 mg/dL以上上昇する」、「血清クレアチニン値が前値の150%以上に上昇する」、「クレアチニンクリアランスが投与前にくらべて15〜50%以上低下する」、などの基準がある。
    まだ確定した定義は存在しないが、「血清クレアチニン値が前値の150%以上に上昇する」を基本と考えると簡潔である。もちろん、クレアチニン値が上昇傾向にあり、前値の150%以上に達する可能性が大きい場合も急性腎不全と考えるのが早期診断のポイントである。基本的に血清クレアチニン値で診断するので、定期的に血液検査をする必要があるが、その間隔は医薬品により異なる。造影剤使用時には使用後12 時間から24 時間以内に1 回目を、上昇傾向があればその後連日行う必要がある。アミノグリコシド系抗生物質、シスプラチンなど腎毒性の明らかな医薬品の使用時には週1 回は最低、できれば週2 回実施したい。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)などの使用開始時には2〜4 週間隔が適切と考えられる。
    どの医薬品による急性腎不全でも、危険因子として、高齢・もともとの腎機能低下・脱水・発熱などがある。なかでも脱水予防は医療行為によりコントロールできる最大な因子である。NSAIDs、ACEI、ARB による腎前性急性腎不全は有効循環血液量の減少が大きな危険因子である。有効循環血液量の減少の最も多い原因が脱水である。また腎毒性の医薬品の多くが腎排泄型であり、多くが糸球体ではなく尿細管上皮細胞より排泄される。脱水があると、薬物血中濃度が上昇しやすく、また尿細管上皮に医薬品が高濃度に蓄積され、尿細管上皮細胞が障害されやすくなる。このことは、造影剤、シスプラチンによる急性腎不全の予防に使用前からの適切な水負荷が大きな役割を示すことより理解される。他の改善できない危険因子、すなわち高齢、慢性の肝腎機能低下時などは、
    医薬品の使用量を抑えることが急性腎不全の予防となる。


(1)早期に認められる症状
  • 腎臓の障害部位および発症機序等により症状は異なるが、乏尿・無尿、浮腫、倦怠感等および血液検査においてクレアチニン、尿素窒素(BUN)の上昇で示される高窒素血症が共通して見られる症状である。医療関係者は、上記症状のいずれかが認められ、その症状の持続や急激な悪化を認めた場合には早急に入院設備のある専門病院に紹介することが望ましい。

(2)副作用の好発時期
  • 原因医薬品により異なるが、原因と考えられる医薬品を服用して数時間以内に発症することもあるし、数年経ってから発症することもある。NSAIDs、高血圧治療薬、造影剤、シスプラチン、アミノグリコシドなどによる急性腎不全は使用開始後数日以内に起こりうる。副作用なく服用していても発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、誤って多量服用した場合などの危険因子が途中で加わることにより発症することもある。


(3)患者側のリスク因子
  • 高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、肝不全などがあげられる。リスク因子は原因医薬品により異なるので、各論を参照されたい。


(4)推定原因医薬品
  • NSAIDs、高血圧治療薬(ACEI、ARB 等)、抗生物質(アミノグリコシド系等)、抗菌薬、造影剤、抗がん剤(シスプラチン等)など広範囲にわたり、その他の医薬品によっても発症しうることが報告されている。


(5) 医療関係者の対応のポイント
  • すべての医薬品は急性腎不全の原因となりうることに留意することが重要である。特にシスプラチン、アミノグリコシド系抗生物質、造影剤などの腎毒性が高い医薬品を使用する際には患者の症状を的確に把握し定期的に検査を行うなど十分な観察を行う必要がある。また、アミノグリコシド系抗生物質などは血中濃度のモニターが可能であり、感染症の治療と腎不全の予防の両面より有用であるから、積極的に測定すべきである。


[早期発見に必要な検査]
  • 必須定期検査:血清クレアチニン、尿素窒素、一般検尿・ 腎毒性医薬品(シスプラチン、アミノグリコシド等尿細管障害性の医薬品)使用時には尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)、尿β2-ミクログロブリン(β2-MG)、尿α1-ミクログロブリン(α1-MG)の一部あるいは複数を定期的に測定する。
  • 腎機能障害・急性腎不全が疑われた時は、「薬剤性急性腎不全の診断チャート」(図1)を参考に的確な検査をする。
    以下、マニュアル中のa)からe)はチャートのa)からf)と共通である。またチャートのg)尿細管間質性腎症(間質性腎炎)は頻度も高く広範囲な医薬品が原因になりうるので別マニュアルとした。









薬剤性急性腎不全 (厚生労働省
早期発見と早期対応および予防のポイント
  • 医薬品による急性腎不全の診断チャートを示す(図1)。薬剤性腎不全が疑われる場合には、このチャートを参考に原因医薬品を推定し、腎臓の障害部位を診断し、適切な治療を行う必要がある。本マニュアルでは、医薬品による急性腎不全を扱ったため、尿細管間質障害による急性腎不全を主体に記載している(「間質性腎炎」、「横紋筋融解症」については、それぞれのマニュアルを参照のこと)。
    急性腎不全の定義は高窒素血症を基準にして行われ
    • 医薬品服用後1〜4 週の間に
    • 「血清クレアチニン値が1日0.5 mg/dL、血清尿素窒素が1日10 mg/dL以上上昇する」、
    • 「血清クレアチニン値が前値の150%以上に上昇する」、
    • 「クレアチニンクリアランスが投与前にくらべて15〜50%以上低下する」、
  • などの基準がある。まだ確定した定義は存在しないが、「血清クレアチニン値が前値の150%以上に上昇する」を基本と考えると簡潔である。もちろん、クレアチニン値が上昇傾向にあり、前値の150%以上に達する可能性が大きい場合も急性腎不全と考えるのが早期診断のポイントである。
    基本的に血清クレアチニン値で診断するので、定期的に血液検査をする必要があるが、その間隔は医薬品により異なる。造影剤使用時には使用後12 時間から24 時間以内に1 回目を、上昇傾向があればその後連日行う必要がある。アミノグリコシド系抗生物質、シスプラチンなど腎毒性の明らかな医薬品の使用時には週1 回は最低、できれば週2 回実施したい。
    • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、
    • アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)
    などの使用開始時には2〜4 週間隔が適切と考えられる。
    どの医薬品による急性腎不全でも、危険因子として、高齢・もともとの腎機能低下・脱水・発熱などがある。なかでも脱水予防は医療行為によりコントロールできる最大な因子である。
    NSAIDs、ACEI、ARB による腎前性急性腎不全は有効循環血液量の減少が大きな危険因子である。
    有効循環血液量の減少の最も多い原因が脱水である。
    また腎毒性の医薬品の多くが腎排泄型であり、多くが糸球体ではなく尿細管上皮細胞より排泄される。脱水があると、薬物血中濃度が上昇しやすく、また尿細管上皮に医薬品が高濃度に蓄積され、尿細管上皮細胞が障害されやすくなる。このことは、造影剤、シスプラチンによる急性腎不全の予防に使用前からの適切な水負荷が大きな役割を示すことより理解される。他の改善できない危険因子、すなわち高齢、慢性の肝腎機能低下時などは、医薬品の使用量を抑えることが急性腎不全の予防となる。
  1. 早期に認められる症状
    • 腎臓の障害部位および発症機序等により症状は異なるが、乏尿・無尿、浮腫、倦怠感等および血液検査においてクレアチニン、尿素窒素(BUN)の上昇で示される高窒素血症が共通して見られる症状である。
      医療関係者は、上記症状のいずれかが認められ、その症状の持続や急激な悪化を認めた場合には早急に入院設備のある専門病院に紹介することが望ましい。
  2. 副作用の好発時期
    • 原因医薬品により異なるが、原因と考えられる医薬品を服用して数時間以内に発症することもあるし、数年経ってから発症することもある。
      NSAIDs、高血圧治療薬、造影剤、シスプラチン、アミノグリコシドなどによる急性腎不全は使用開始後数日以内に起こりうる。副作用なく服用していても発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、誤って多量服用した場合などの危険因子が途中で加わることにより発症することもある。
  3. 患者側のリスク因子
    • 高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、肝不全などがあげられる。リスク因子は原因医薬品により異なるので、各論を参照されたい。
  4. 推定原因医薬品
    • NSAIDs、高血圧治療薬(ACEI、ARB 等)、抗生物質(アミノグリコシド系等)、抗菌薬、造影剤、抗がん剤(シスプラチン等)など広範囲にわたり、その他の医薬品によっても発症しうることが報告されている。
  5. 医療関係者の対応のポイント
    • すべての医薬品は急性腎不全の原因となりうることに留意することが重要である。特にシスプラチン、アミノグリコシド系抗生物質、造影剤などの腎毒性が高い医薬品を使用する際には患者の症状を的確に把握し定期的に検査を行うなど十分な観察を行う必要がある。また、アミノグリコシド系抗生物質などは血中濃度のモニターが可能であり、感染症の治療と腎不全の予防の両面より有用であるから、積極的に測定すべきである。
[早期発見に必要な検査]
・ 必須定期検査:
  • 血清クレアチニン、
  • 尿素窒素、
  • 一般検尿

・ 腎毒性医薬品(シスプラチン、アミノグリコシド等尿細管障害性の医薬品)使用時には
  • 尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)、
  • 尿β2-ミクログロブリン(β2-MG)、
  • 尿α1-ミクログロブリン(α1-MG)
の一部あるいは複数を定期的に測定する。

・ 腎機能障害・急性腎不全が疑われた時は、「薬剤性急性腎不全の診断チャート」(図1)を参考に的確な検査をする。

尿細管間質性腎症(間質性腎炎)は頻度も高く広範囲な医薬品が原因になりうるので別マニュアルとした。





腎前性腎不全 (厚生労働省)
・非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)による急性腎不全
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)による急性腎不全
(臨床症状)
(1)自覚症状
  • 初期には症状が少ないが、進行すると食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少、倦怠感、発熱、全身の紅潮、乏尿、浮腫、手足のむくみ、目が腫れぼったいなどの症状が出現する。

(2)他覚症状
  • 進行すると、乏尿(1 日尿量400 mL 以下)あるいは無尿(1 日尿量100 mL以下)、高K血症、代謝性アシドーシス、体液過剰(肺うっ血、胸水、腹水、浮腫)、循環器症状(不整脈、うっ血性心不全、高血圧)、消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、消化管出血)、神経症状(意識障害や痙攣)など。

(3)臨床検査値
  • 血清クレアチニン値の上昇により急性腎不全の存在が確認できる。
    急性腎不全に遭遇した場合、尿電解質と尿一般検査を行うことが重要である。
  1. 尿検査
    Na 排泄分画fractional excretion of sodium(FENa)およびrenal failureindex(RFI)は、腎前性腎不全と腎性腎不全(急性尿細管壊死)の鑑別に有用である[FENa=(尿中Na(mEq/L)×血清クレアチニン(mg/dL) / 血清Na(mEq/L)×尿中クレアチニン(mg/dL))×100, RFI=尿中Na(mEq/L)×尿中クレアチニン(mg/dL) / 血清クレアチニン(mg/dL)]。腎性腎不全では尿細管障害によりNaの再吸収能が低下するため、尿中のNa 濃度が上昇しFENa やRFI が腎前性に比べ高値となる。
    尿中のK 濃度は、腎前性では高度の腎血流量の低下に伴うレニン・アルドステロン系の亢進のため上昇する。
    尿一般検査での血尿、蛋白尿、円柱尿は糸球体性の急性腎不全を疑わせる所見であり、赤血球変形率の高い血尿は糸球体由来の可能性が高い。尿中の白血球数の増加や白血球円柱、尿中好酸球の存在は、尿細管・間質性腎炎(主として薬剤性)の存在を疑わせる。尿中のα1-・β2 ミクログロブリンやN-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)は、尿細管・間質障害の程度を評価するのに有用である。
  2. 血液検査
    乏尿期の特徴的所見は、
    • @高窒素血症、
    • A低Na 血症、
    • B高K 血症、
    • C代謝性アシドーシス、
    • D高尿酸血症
    である。
    腎前性の場合、尿細管での尿素窒素の再吸収が増加するため血清UN(SUN)/Cr 比は20 以上となる。

(4)画像診断所見
  • 超音波検査:
    尿排泄障害の有無(腎盂・尿管の拡大)や腎の形状・大きさから慢性腎不全との鑑別が可能である。循環血漿量の低下による腎前性を疑う場合、下大静脈径の測定が有用である

(5)病理組織所見
  • 腎毒性の急性腎不全に比べ、虚血性の急性腎不全では壊死の部位が狭く散在性で、近位尿細管直部(proximal straight tubule; PST)に集中する傾向があるが、まれに曲部(proximal convoluted tubule; PCT)や遠位尿細管にも起こりうる。壊死に陥った尿細管の部位は破綻しtubulorrhexis と称されるが、同時に間質の浮腫や炎症細胞の浸潤を伴うことがある。

(6)発生機序
  1. 虚血性機序−1:
    • NSAIDsはアラキドン酸代謝経路において、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによりプロスタグランジン(PG)産生を抑制する。PGE2 やPGI2などによる腎血管拡張系が低下し、アンジオテンシンUやノルエピネフリンなどの腎血管収縮系が優位になることにより腎動脈が収縮し腎血流を減少させると考えられている(腎前性急性腎不全)。重症例においては腎組織に虚血性の変化を引き起こす。
    • ○原因医薬品:
      代表的な医薬品 ジクロフェナクナトリウム
      その他起こしうる医薬品 ロキソプロフェンナトリウム、インドメタシン、スルピリン、メフェナム酸など
  2. 虚血性機序−2:
    • ACE 阻害薬はアンジオテンシンUの産生を抑制することで輸出細動脈の収縮を抑制し、降圧効果を得る。また、糸球体内圧を下げ尿中アルブミンを減少させると考えられている。腎動脈狭窄や脱水で腎血流量が低下している患者や血清クレアチニンが高い患者に通常量のACE 阻害薬を投与すると、急激に輸出細動脈の収縮が抑制されるため、腎虚血による腎機能低下を起こすと考えられている。重症例においては腎組織に虚血性の変化を起こす。
    • ○原因医薬品:
      代表的な医薬品 マレイン酸エナラプリル
      その他起こしうる医薬品 リシノプリル、カプトプリル、塩酸イミダプリル、シラザプリル、ペリンドプリルエルブミン、塩酸テモカプリル、トランドプリル、塩酸ベナゼプリルなど
  3. 中毒性機序:
    • NSAIDs、ACE 阻害薬いずれも稀であるが、薬物が腎細胞に直接作用して用量依存性に細胞機能を障害する場合もある。
      予後:一般に投薬中止により3〜6 週で腎機能は回復する。発見が遅れた場合や腎機能低下が高度な場合には、腎機能が完全に回復しないことがある。
      3 週以上腎不全状態が続く場合には、予後不良であることが多い




副作用の判定基準


医薬品服用後1〜4 週の間に
  • 血清クレアチニン値が1 日0.5 mg/dL、
  • 血清尿素窒素が1 日10 mg/dL 以上
上昇するか、血清クレアチニン値が前値の150%以上に上昇する場合。


確定診断:腎生検被疑薬確定法:有り リンパ球刺激試験(DLST)(アレルギー性の場合)





判別が必要な疾患と判別方法
1.体液の減少
  • 下痢、嘔吐、出血、火傷、利尿薬の過剰投与

2.有効循環血漿量の減少
  • 肝硬変、ネフローゼ症候群、膵炎

3.心拍出量の減少
  • 心筋梗塞、心筋症、心タンポナーデ、不整脈

4.末梢血管拡張
  • 敗血症、アナフィラキシー

5.腎血管収縮
  • 肝腎症候群

上記を血液検査、画像診断(X 線・超音波検査など)を用いて除外する。


また上記疾患はNSAIDs、ACE 阻害薬による急性腎不全の危険因子でもあり、上記疾患を有する患者にはNSAIDs、ACE 阻害薬の使用を避けるか慎重に使用する。




治療法
予防法


高齢、循環血漿量低下などのリスク因子のある症例に対しては、慎重に投与する。

投与せざるを得ない時は、脱水状態を作らないようにする。

NSAIDs はクレアチニンクリアランス(Ccr) 60 mL/分以上では常用量投与可能であるが、副作用出現時は直ちに投与中止する。Ccr 60 mL/分未満に対しては投与量を減らすか、投与間隔を延ばすなど慎重に投与する。

ACE 阻害薬はクレアチニンクリアランス(Ccr)30 mL/分以下、または血清クレアチニンが3 r/dL 以上の場合には、投与量を減らすか、投与間隔を延ばすなど慎重に投与する。
2週から1 ヶ月に1 回程度の血液検査と尿検査を行う

治療法
  1. 原因医薬品の投与中止
  2. 水電解質代謝の維持
    カリウム制限食、食塩制限食、水分制限など。アシドーシスの補正。
  3. 栄養管理:高カロリー(2000 kcal/日)を目標とし、低蛋白食(40 g/日以下)・減塩食(5 g/日以下)、カリウム制限を基本とする。
  4. 透析療法
    上記療法でも状態が進行するときは、透析療法を考慮する。




チェック
腎不全」「急性腎不全」「慢性腎不全」「腎炎」「急性腎炎」「慢性腎炎」「人工透析」「腹膜透析」「タンパク尿」「高脂血症」「かゆい」「低カルシウム血症













TOPなおるナオル病院ランキング血液検査くすり情報針灸よく使う漢方薬