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薬剤による接触皮膚炎



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薬剤による接触皮膚炎   (厚生労働省)      
英語名:medicament contact dermatitis
同義語:contact dermatitis due to topical medicaments , contact dermatitis due to topical drugs
  • 医師からもらった、あるいは薬局で購入した薬剤を塗ったり、貼ったり、点眼、点鼻、消毒している場合に、薬が効かず、かえって治そうとした病気が悪くなるとき、薬剤による接触皮膚炎が考えられます。これらのお薬を使用していて次のような症状があった場合は、放置せずに医師・薬剤師に相談してください。
    薬剤を使ったらすぐに
    • 「ひりひりする」、
    • 「赤くなる」、
    • 「かゆくなり、塗ったところにじんましんがでた」。
    また、あるときから
    • 「かゆみや赤み、ぶつぶつ、汁などが急に出てくる」など


接触皮膚炎とは?
  • 接触皮膚炎は「かぶれ」と一般によばれています。
  • これは外から皮膚についた化学物質が原因となって、皮膚に痒みや痛みを起こさせ、赤くなる、腫れる、ぶつぶつがでる、ただれるなどの炎症をおこす病気です。
  • かぶれには、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎があります。
  • そして、ついた化学物質に光があたってはじめてかぶれる、光毒性接触皮膚炎と光アレルギー性接触皮膚炎があります。
  1. 刺激性接触皮膚炎
    • 刺激をおこす化学物質が濃い濃度で皮膚に付くと、だれにでも症状がでます。その原因は、化学物質が皮膚の細胞の膜を障害したり、代謝を障害したりして皮膚を傷めてしまうからです。
      原液を薄めて使う消毒薬の濃度が濃すぎる場合、傷のあるところへアルコール基剤のしみる塗り薬を使った場合、乾燥症状の強い皮膚にローションやクリーム基剤の塗り薬を塗った場合などによくみられます
  2. アレルギー性接触皮膚炎
    • だれにでもおこるのではなく、ある特定の人にだけおこります。
    • これは皮膚についた化学物質が吸収されて、皮膚の表面をおおっている表皮の見張り役、ランゲルハンス細胞や、表皮の下の真皮にいる樹状細胞に取り込まれた結果、その人の体に悪いものと考えられた場合におこります。これらの抗原提示細胞は活性化されて体の中を移動して所属リンパ節までたどりつきます。そこで、この悪い化学物質をやっつけるリンパ球をつくるようにたのみます。そして、十分なリンパ球がつくれた時に、皮膚に悪い化学物質が残っていると、リンパ球は、その場所へ集まり攻撃して、皮膚を水浸にし、かぶれの原因になるものを薄めようとするのです。そのために、小さい水ぶくれができ、ひどくなると大きな水ぶくれになります。そして、悪い化学物質がついた皮膚をできるだけ早く剝はがして新しい皮膚に変えようとします。その結果、ただれて、汁がでてくるなどの「かぶれ」という症状になります。この反応が軽い場合は赤くなりぶつぶつができ、そして、かさかさしてなおります。
      薬剤は、皮膚の病気をなおす目的で使われます。多くの人には治療効果があり、かぶれの症状はおこしません。しかし、診断を間違えて使ったり、使い方を間違えると、刺激性接触皮膚炎をおこすことがあります。また、これらの薬剤も、体にはもともとない異物です。診断が正しくても、皮膚や体に合わないものと判断する体の仕組みをもっている人には、アレルギー性接触皮膚炎を起こすことがあります。
      アレルギー性接触皮膚炎は、いろいろな薬剤によっておこります。頻度が高いのは抗真菌外用薬(みずむし、たむしなどを治す薬)、抗菌外用薬(とびひ、にきび、おできなどを治す薬)、消毒薬、抗炎症外用薬(関節の痛み、肩こりなどを治す薬)などですが、かぶれを治す目的のステロイド外用薬(湿疹、かぶれを治す薬)でもおこることがあります
  3. 光が当たってはじめてかぶれをおこす光毒性接触皮膚炎光アレルギー性接触皮膚炎があり、薬剤を使用するときに紫外線にあたらないように注意しなければならない薬剤があることも知っておかなければならない知識です。
    重症の光アレルギー性接触皮膚炎を起こす薬剤としてケトプロフェンを含む貼り薬や塗り薬があります。
  4. ごくまれに、薬剤の成分に免疫グロブリンE という抗体ができて、蕁麻疹がでる接触蕁麻疹という即時型のかぶれもあります。
    これは、ショックや死の危険もある、危ないかぶれです。
    原因の薬剤としては、消毒薬、抗菌薬などが知られています。



薬剤による接触性皮膚炎の典型的症例
(1)ケトプロフェン含有テープによる光アレルギー性接触皮膚炎
  • [症例1] 30 歳代、女性
    (家族歴)特になし
    (既往歴)スギ花粉症。これまでに接触皮膚炎の既往はない。
    (主訴)右足背・下腿の長方形の紅斑浸潤病変と全身に分布する多形紅斑
    (現病歴)初診の1ケ月前に腰痛、右足関節痛、筋肉痛があり、ケトプロフェン含有テープを数回貼付した。紫外線に弱いことを知らず、スカートのまま素足で外出していた。
    2週間前から右足背と下腿に痒い丘疹が出現し、近医で外用薬をもらい塗布したが、1週前に痒みが増し、足首を掻いたら、翌日から四肢に多型紅斑が多発、顔面と耳にも紅斑が出現し、昨日近医皮膚科でステロイドの点滴治療を受け、その後当院の耳鼻科より紹介された。
    (現症)全身状態は良好で、食欲あり、発熱なし。
    図3のように強い痒みを伴い、右足背、下腿に長方形のケトプロフェン含有テープに一致した紅斑・浸潤・丘疹局面があり、足首にはびまん性紅斑、そして周囲に紅斑・丘疹が散在している。
  • 四肢に、同様の多形紅斑が散在しており顔面と耳介に紅斑・浮腫を認めた。
    • 図3.
    • 症例1の初診時 右下腿から足背にテープ剤の形に一致した長方形の紅斑と浸潤病変があ
      り、足首にはびまん性の紅斑があり、その周囲に紅斑丘疹が散在している。強い痒みがある。
    • (検査所見)
      末梢血
      血球計算:
      • 白血球数 9000/µL ;分葉核球 48%, 好酸球 15% ↑, リンパ球 31% ↓,
        単球 6%
        赤血球数 467 万/µL Hb 13.0 g/dl 血小板数 56.9 万/µL
      生化学検査:
      • LDH 335(119-229) IU/L ↑ その他は肝機能、腎機能 正常範囲
        非特異的IgE 273.0 ↑ 特異的IgE(CAP-FEIA) :スギ(5), ヨモギ(2),
        ヤケヒョウヒダニ(2)
    • (パッチテスト・光パッチテスト)
      • ケトプロフェンに光パッチテスト陽性 パッチテストは陰性
      (診断と治療経過)
      • ケトプロフェンによる光アレルギー性接触皮膚炎と診断し、ベタメタゾンを1日1mg内服、吉草酸ジフルコルトロンユニバーサルクリームを外用し、帽子、衣類、およびSun Protection Factor 50+, Protection grade of UVA +++ のサンスクリーンクリームを露出部に塗布し、20 日後に略治した。その後も、6ケ月は紫外線防御を指導し、皮疹の再燃は認めていない。


(2)フマル酸ケトチフェン点眼液によるアレルギー性接触皮膚炎
  • [症例2]60 歳代、女性
    (家族歴)特になし
    (既往歴)高血圧。接触皮膚炎の既往はない。ピリン、サルファ剤で固定薬疹。
    (主訴)4ケ月続く難治な眼瞼から周囲の皮疹
    (現病歴)初診の4か月前に、目のまわりがだんだん赤くなった。アレルギー性結膜炎と診断され目薬を使用したが、あまり改善せず、2ケ月前にプロピオン酸アルクロメタゾン軟膏を使用したが、改善せず2週間前からケトチフェン点眼液を使用開始し5週前に症状が悪化した。
    (現症)両側の眼瞼および眼周囲、特に内眼角から頬には痒みを伴う紅斑・浮腫、一部は丘疹を認めた(図4)。
    • 図4. 上眼瞼、下眼瞼から頬にかけて痒みの強い紅斑と浮腫がみられる。
  • (検査所見)
    末梢血:血算は異常なし 好酸球 3%
    生化学検査:肝機能 正常 腎機能 正常
    非特異的IgE 23.6 IU/ml 特異IgE ヤケヒョウヒダニ イヌジョウヒネコノフケ ハンノキゾク シラカンバゾク スギ ハルガヤ ブタクサ ヒノキ すべて陰性
    パッチテスト結果:フマル酸ケトチフェン点眼液 1週間後 強陽性
    成分のフマル酸ケトチフェンは0.005%水溶液まで強陽性 0.0001%水溶液まで陽性
    (図5)。
    • 図5. フマル酸ケトチフェンパッチテスト1週後の陽性所見製品の含有濃度は0.07%
    • (診断と治療経過)
    • ケトチフェンによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。
    • ベタメタゾン1mg/日を3日間内服し、その後4日間0.5mg/日内服し、ステロイドを外用後、パッチテスト陰性の塩酸レボカバスチン点眼液を使用し略治した。



(1)早期に認められる症状
  1. 薬剤を使用後、当日あるいは翌日、発赤、腫脹、水疱、びらん等の症状がでたとき。
  2. 薬剤を使用後、すぐに痒くなり外用したところに蕁麻疹が出た場合。
  3. 薬剤を使用している部位に、はじめは症状が良くなっていても、ある時から痒みや紅斑、丘疹、滲出液などが急に出現するとき。重症になると、リンパ節腫脹、全身に拡大、発熱などを伴う。
  4. 薬剤を使用した部位に紫外線を浴びた後に、紅斑や浮腫、丘疹、水疱などが生じたとき。
  • 医療関係者は、上記a からd に記載した症状のいずれかが認められ、その症状の急激な悪化を認めた場合は、早急に入院設備のある皮膚科の専門病院に紹介する。軽度の症状であっても、原因を確定するために皮膚科の専門医に紹介する。



(2)副作用の好発時期
  1. 薬剤による重症の刺激性接触皮膚炎は、使用直後、あるいは当日に痛みを伴って皮疹が出現する。
  2. アレルギー性接触皮膚炎は、あらかじめ感作されている場合は24 時間から72 時間後に皮疹が惹起される。しかし、感作されてはじめて発症する場合は、1 週間から2週間後に皮疹が発症する。
  3. 光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎は、同じ医薬品を使用していても、紫外線曝露がなければ発症しない。紫外線の照射量が多い春から秋の時期に好発する。


(3)患者側のリスク因子
  1. 皮膚のバリア機能が障害されている患者、すなわち、ドライスキン、アトピー性皮膚炎、慢性の湿疹のある患者、滲出液のでている足白癬、発汗の多い患者、皮膚潰瘍、特に下腿潰瘍の患者に発症しやすい。
  2. 医薬品、化粧品による接触皮膚炎の既往のある患者は発症しやすい。
  3. 薬疹の既往のある患者は、同じ成分や類似した成分を含む外用薬に接触皮膚炎を起こすリスクが高い。



(4)推定原因医薬品
  1. 抗菌外用薬
    1. アミノグリコシド系と非アミノグリコシド系に分けて表示した。アミノグリコシド系抗菌薬は比較的接触感作原性の高い医薬品で、フラジオマイシンはその中で高率に感作を起こすことが知られている。
    2. フラジオマイシンにかぶれた患者は基本構造骨格のdeoxystreptamineを共有するゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシンなどのその他のアミノグリコシド系抗菌薬と交叉反応することが報告されている
  2. 抗真菌外用薬
    • 表1に、接触皮膚炎を起こすことが報告されている抗真菌薬の外用薬を、イミダゾール系とそれ以外に分けて表示した
  3. 消炎鎮痛外用薬(局所麻酔薬や鎮痒薬も含む)
    • 表2は、接触皮膚炎を起こすと報告されている消炎鎮痛外用薬とその市販薬(OTC)によく配合されている局所麻酔薬や鎮痒外用薬を表示した。消炎鎮痛外用薬に配合される主剤のNSAIDs は、いずれも接触皮膚炎を起こすが、ブフェキサマクやイブプロフェンピコノールは接触感作原性が高いことで知られる。
      ケトプロフェンに代表されるアリルプロピオン酸系のNSAIDs は、接触皮膚炎よりむしろ光接触皮膚炎を引き起こし易いことで知られる。表3にはプロピオン酸系NSAIDsの一般名と剤型を示した。
  4. ステロイド外用薬
    • 表4は、接触皮膚炎を起こすと報告されているステロイド外用薬をCoopman らの考えにしたがって立体構造式をもとにA からD まで4 つのグループに分類したものである
  5. 点眼薬
    • 表5は、接触皮膚炎を起こすと報告されている点眼薬を薬効別に表示したものである。感作成立までの期間が1 年以上に及ぶこともあり、接触皮膚炎を起こす頻度は、外用薬と同様にアミノグリコシド系抗菌薬が高いとされている
  6. 消毒薬・潰瘍治療薬
    • 表6は、接触皮膚炎を起こすと報告されている消毒薬・潰瘍治療薬をそれぞれ表示したものである。かつて接触皮膚炎が多かったマーキュロクロム、チメロサールなどの水銀消毒薬やメチルロザニリン塩化物は、現在殆ど使用されなくなったため、それらの接触皮膚炎の報告は著明に減少している。
  7. 坐薬・膣錠
    • 表7は、接触皮膚炎を起こすと報告されている坐薬と膣錠を示したもので、主薬が複数配合されているものもある。接触皮膚炎を起こす含有成分を示した。
  8. その他の外用薬;乾癬治療外用薬など
    • タカルシトール、カルシポトリオール、マキサカルシトールなどのビタミンD3 軟膏による接触皮膚炎やメトキサレンの光接触皮膚炎の報告は稀であるが報告されている
  9. 基剤、保湿剤、防腐剤
    • 基剤では、ラノリン、セタノール、亜硫酸ナトリウム、防腐剤ではパラベンが多数の外用剤に含まれており、接触皮膚炎の頻度も高い。また保湿成分であるプロピレングリコールや1,3 ブチレングリコールも稀ではあるが接触皮膚炎の報告が増えている。点眼薬では、基剤のε‐アミノカプロン酸や防腐剤の塩化ベンザルコニウムの報告が多い
  10. 湿疹型薬疹の原因薬として報告されている主な医薬品
    • 外用薬による接触皮膚炎と湿疹型の薬疹は密接な関係がある。湿疹型薬疹は、全身に強いそう痒を伴うびまん性潮紅や紅色丘疹・漿液性丘疹の汎発を認め、組織も湿疹とほぼ同じような形をとる。表8は、湿疹型薬疹の原因薬として報告されている主な医薬品を表示したものである。抗てんかん薬カルバマゼピンなどの中枢神経治療薬、アスピリンなどの鎮痛解熱薬、塩酸メキシレチンなどの循環器治療薬、鎮咳薬リン酸ジヒドロコデインなどの呼吸器治療薬、塩酸チクロピジンなどの血液・体液疾患治療薬、局所麻酔薬などの末梢神経治療薬、アミノグリコシド系・β‐ラクタム系・ST 合剤などの抗菌薬、金チオリンゴ酸ナトリウムや抗ヒスタミン薬などの免疫・アレルギー疾患治療薬、ゲフィチニブなどの抗腫瘍薬、チオプロニンなどの肝臓疾患治療薬、甘草などの漢方薬、プレドニゾロンなどのホルモン製剤、アルファカルシドールなどのビタミン剤、その他のシアナマイドやアロプリノールなど、多種薬剤が原因となる25)。これら薬剤によるパッチテストは他の臨床型の薬疹に比べると陽性率が高いとされている。
      経皮的に感作され、その後その薬剤を内服や注射など皮膚ではない経路で摂取されて生じる皮膚炎を全身性接触(型)皮膚炎(英語ではsystemic contact-type dermatitisと称していたが、現在はsystemic contact dermatitis が多く使用されている)という。
      全身性接触(型)皮膚炎の多くが、湿疹型薬疹の臨床型をとるが、この場合、a からhの接触皮膚炎を起こすと報告されている薬剤の項で紹介した抗菌外用薬、消炎鎮痛外用薬、配合薬の局所麻酔薬などが原因薬剤となる頻度が高い。


表1 接触皮膚炎を起こすと報告されている抗菌・抗真菌外用薬
(病型) (原因物質) (部位・特徴)










アミノグリコシド
系抗菌薬
硫酸フラジオマイシン、
ゲンタマイシン、
カナマイシン
創部(切創、びらん、潰瘍)に好発。
アミノグリコシド系抗菌薬は基本構造骨格が類似しており、交叉感作を起こしやすい。
交叉反応により、同系統の注射薬などで全身性接触(型)皮膚炎としての薬疹が誘発されることがある
アミノグリコシド
系以外の抗菌薬
クロラムフェニコール、
バシトラシン、
フシジン
酸ナトリウム、
ナジフロキサシン、
スルファジアジン銀、
塩酸オキシテトラサイクリン、
リン酸クリンダマイシン、
硫酸ポリミキシンB、
エリスロマイシン
イミダゾール系抗
真菌薬
クロトリマゾール、
ケトコナゾール、
塩酸ネチコナゾール、
ルリコナゾール、
硝酸スルコナゾール、
ビホナゾール、
ラノコナゾール
足、股部、臀部などの外用部位に好発。
イミダゾール系抗菌薬間では、交叉反応を起こしやすいため、起こした場合は別系統の外用に変更したほうがよい。
イミダゾール系以
外の抗真菌薬
塩酸アモロルフィン、
塩酸テルビナフィン、
塩酸ブテナフィン、
トルナフテート


表2 接触皮膚炎を起こすと報告されている消炎鎮痛外用薬(局所麻酔薬や鎮痒薬を含む)
(病型) (原因物質) (部位・特徴)
アレルギー性接触皮膚炎 NSAIDs の外用薬・貼付薬 ブフェキサマク、
イブプロフェンピコノール、
ウフェナマート、
ジクロフェナクナトリウム、
インドメタシン
患部(湿疹・疼痛部位)に好発。
接触感作原性が高い。
交叉反応により、同系
統の内服薬などで全身性接触(型)皮膚炎としての薬疹が誘発されることがある。
OTC にも多く含まれる。
光接触皮膚炎 ケトプロフェン、
ピロキシカム
アレルギー性接触皮膚炎 局所麻酔薬 エステル型局所麻酔薬:
塩酸プロカイン、
アミノ安息香酸エチル
アミド型局所麻酔薬:
塩酸ジブカイン
アセトアニリド誘導体局所麻酔薬:塩酸リドカイン
同系統の薬剤間で高頻度に交叉反応が認めら
れる。強い反応をおこし、接触皮膚炎症候群
の頻度も高い。
OTC にも多く含まれる。
抗ヒスタミン
薬などの鎮痒
外用薬
塩酸ジフェンヒドラミン、
クロタミトン、
L-メントール、
サリチル酸グリコール、
サリチル酸メチル
頻度は多くないが、多くの鎮痒外用薬のOTCに含まれるため、注意が必要。


表3 プロピオン酸系NSAIDs の剤型
一般名 剤型
ケトプロフェン ・外用薬 (軟膏、クリーム、ローション、テープ、パップ、ゲル)
・内服薬(カプセル、徐放製剤)
・注射薬(筋注用デポ剤)
・坐薬
スプロフェン ・外用薬(軟膏、クリーム)
チアプロフェン ・内服薬
イブプロフェン ・内服薬
・外用薬(軟膏、クリーム)
ナプロキセン ・内服薬
フルルビプロフェン ・内服薬
・外用薬(テープ、パップ)
・注射薬(静注)


表4 接触皮膚炎を起こすと報告されているステロイド外用薬の分類
病型 原因物質 部位・特徴










クラスA:
ヒドロコルチゾンタイプ
酢酸ヒドロコルチゾン、
ヒドロコルチゾン、
プレドニゾロン
既存の湿疹病変などに塗布することが多いため、患部の増悪、皮疹の遷延化といった形で症状が現れるので、接触皮膚炎とわかりにくいことが多い。

左記に示す、同じグループ内では交叉感作をおこしやすい。

グループ間でも特にB とD は交叉反応が多い。
パッチテストでは72 時間判定だけでなく、96 時間後から1週間までの判定が重要とされる。
クラスB:
トリアムシノロンタイプ
トリアムシノロンアセトニド、
ハルシノニド、
フルシノニド、
アムシノニド、
フルシノロンアセトニド
クラスC:
ベタメタゾンタイプ
デキサメタゾン
クラスD:
ヒドロコルチゾン-17 ブチレンタイプ
酪酸ヒドロコルチゾン、
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、
プロピオン酸デプロドン、
吉草酸酢酸プレドニゾロン、
プロピオン酸クロベタゾール、
酪酸クロベタゾン、
吉草酸ベタメタゾン、
吉草酸デキサメサゾン 、
吉草酸ジフルコルトン、
ジプロピオン酸ベタメサゾン、
酪酸プロピオン酸ベタメサゾン、
プロピオン酸ベクロメタゾン、
ジプロピオン酸デキサメサゾン、
ピバル酸フルメタゾン、
アルクロメタゾン、
フランカルボン酸モメタゾン、
ジフルプレドナート、
酢酸ジフロラゾン


表5 接触皮膚炎を起こすと報告されている点眼薬
病型 原因物質 部位・特徴




|






緑内障治療点眼薬 塩酸フェニレフリン、
塩酸ピバレフリン、
硫酸アトロピン
眼周囲に起こす。

感作成立までの期間が1 年以上に及ぶことがある。

外用薬同様、アミノグリコシド系抗菌薬の頻度が高い。
抗アレルギー点眼薬 フマル酸ケトチフェン
クロモグリク酸ナトリウム、
アンレキサノックス
抗菌薬含有点眼薬 トブラマイシン、
硫酸ジベカシン、
硫酸シソマイシン
β-ブロッカー点眼薬 マレイン酸チモロール、
ニプラジロール、
塩酸ベフノロール


表6接触皮膚炎を起こすと報告されている消毒薬・潰瘍治療薬
病型 原因物質 部位・特徴
アレルギー性接触皮膚炎

または
刺激性接触皮膚炎


ポピドンヨード、
塩化ベンザルコニウム、
グルクロン酸クロルヘキシジン、
アクリノール、
アズノール、
*マーキュロクロム
創部(切創、びらん、潰瘍)の増悪という形で現れるので分かりにくい。

水銀系消毒薬(マーキュロクロム、チメロサール)は、消毒薬としては使用されなくなったが、一部の絆創膏に今でも含有されている。
潰瘍治療薬 塩化リゾチーム、
ポピドンヨード、
トラフェルミン6)


表7 接触皮膚炎を起こすと報告されている坐薬・膣錠
病型 原因物質 部位・特徴
アレルギー性接触皮膚炎

全身性接触(型)皮膚炎

(湿疹型薬疹)
痔疾用薬 ヒドロコルチゾン・塩酸ジブカイン・フラジオマイシン配合軟膏、
大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン配合クリーム、
西洋トチノキエキス配合軟膏
肛門・膣周囲だけでなく、粘膜
部より吸収されるため、全身性
接触(型)皮膚炎としての湿疹
型薬疹を起こすこともある。
感作されやすい抗菌薬、局所麻
酔薬など複数の薬剤が配合さ
れていることも多い。
痔疾用薬
(OTC)
塩酸リドカイン配合
抗菌薬膣錠 クロラムフェニコール


表8 湿疹型薬疹の原因薬として報告されている医薬品
抗痙攣薬などの中枢神経治療薬 カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、エチゾラム、ニトラゼパム、イデベノン、塩酸ミアンセリン
鎮痛解熱薬 抱水クローラル、アスピリン、トルフェナム酸、ブコローム
循環器治療薬 塩酸メキシレチン、メシル酸ドキサゾシン、ジピリダモール、硝酸イソソルビド
呼吸器治療薬 リン酸ジヒドロコデイン、テオフィリン
血液・体液疾患治療薬 塩酸チクロピジン、ベラプロストナトリウム、リマプロストアルファデクス
局麻剤などの末梢神経治療薬 塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸トルペリゾン
抗菌薬 アミノグリコシド系:ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、イセパマイシン、アルベカシンβ‐ラクタム系:アンピシリン、セファクロルその他:ST 合剤、セフタジジム、レボフロキサシン、ホスホマイシン
免疫・アレルギー疾患治療薬 金チオリンゴ酸ナトリウム、ブシラミン、メキタジン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、アンレキサノックス
抗腫瘍薬 ゲフィチニブ、カルモフール
肝臓疾患治療薬 チオプロニン
漢方薬 甘草、十全大補湯、柿の葉+スギナ
ホルモン製剤 レボチロキシンナトリウム、 プレドニゾロン
ビタミン剤 アルファカルシドール、メナテトレノン、ビタミンB、メコバラミン
その他 シアナマイド、アロプリノール、
オオウメガサソウ・ハコヤナギ・
セイヨウオキナグサ・スギナ・
コムギ胚芽油配合剤


副作用の概要
(1)自覚症状
  • 刺激性接触皮膚炎、光毒性接触皮膚炎では刺激感、疼痛が出現する。
    アレルギー性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎では痒み、重度になれば発熱、全身倦怠感が出現する。
    接触蕁麻疹では痒み、息苦しさ、重度では意識喪失、ショックになり得る。
(2)他覚症状
  • 原因となる医薬品を外用した部位に紅斑、浮腫、丘疹、漿液性丘疹、小水疱、びらんが生じる(図1)。重度になれば外用部位を超えて紅斑、浮腫、丘疹が拡大する(図2)。
    原因が除去されれば皮疹は約2 週間で改善するが、あとに、色素沈着を残す場合もある。接触皮膚炎に気づかず慢性に経過すると皮膚が厚くなり苔癬化病変を示すこともある。
(3)臨床検査値
  • 軽度の接触皮膚炎では、末梢血に変化はない。皮疹が広範囲になり重度であれば、白血球の増多、好酸球増多などを認めることがある。
(4)画像検査所見
  • 本疾患に画像検査は特に必要ない。
(7)発症機序
  1. 刺激性皮膚炎の発症機序
    • 角層はバリアの役割を果たしており、正常な皮膚では分子量1000 以上の物質が角層を通過することはないと考えられている。しかし、現在の生活環境においては角層の障害が起こる機会が多くなっているため、皮膚に接触した刺激物質が障害部位より侵入して角化細胞を刺激しサイトカイン、ケモカインの産生を誘導すると考えられている。表皮細胞から産生されたサイトカイン、ケモカインが炎症細胞の局所への浸潤を引き起こし炎症が起こると考えられている。
  2. アレルギー性接触皮膚炎の発症機序
    • 接触皮膚炎で難治性を示すものがアレルギー性接触皮膚炎である。アレルギー性接触皮膚炎は刺激性皮膚炎と異なり、微量のハプテンで皮膚炎を起こし得る。アレルギー性接触皮膚炎の発症には感作経路(sensitization phase) と惹起反応(elicitationphase) の2つがあるとされている。
      感作経路 接触アレルゲンはほとんどが分子量1000 以下の化学物質でハプテンと呼ばれる。ハプテンが皮膚表面から表皮内を通過して蛋白と結合しハプテン蛋白結合物を形成する。
      このハプテン蛋白結合物を抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞(LC)ないしは真皮樹状細胞が捕獲して所属リンパ節に遊走し抗原情報をT リンパ球に伝え、感作リンパ球が誘導されることにより感作が成立すると考えられている。アレルギー性接触皮膚炎では主にTh1 細胞であるCD8+細胞が重要な役割を果たすと考えられている。
      惹起反応 惹起反応はまだ明らかにされていないところが多い。感作が成立した個体に再び接触アレルゲンが接触後、表皮細胞より種々の化学伝達物質、サイトカイン、ケモカインの産生が見られる。さらには、肥満細胞の脱顆粒、血管の拡張と内皮細胞の活性化、好中球、好酸球の浸潤である。これらの顆粒球の浸潤に続いてT リンパ球も浸潤してくる。
      T リンパ球の活性化においてランゲルハンス細胞あるいは真皮樹状細胞などの抗原提示細胞がT リンパ球に情報を伝える。活性化されたエフェクタ-T リンパ球が表皮に向かい遊走し再び皮膚、特に表皮内に集まり種々のサイトカインを局所に放出し、活性化されたT リンパ球が表皮細胞を障害、もしくはTNF により直接表皮細胞が障害され、海綿状態を主とした湿疹性の組織反応が形成され、アレルギー性接触皮膚炎が発症すると考えられている
  3. 光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎と光アレルギー性接触皮膚炎)の発症機序
    • 接触皮膚炎が惹起されるのに、光を必要とする型があり、光接触皮膚炎と呼ぶ。ある物質が塗られた皮膚に、太陽などの紫外線(UV)が照射され、皮膚炎が生ずる。皮膚炎を起こす光線の波長は通常長波長紫外線(UVA)である。一般の接触皮膚炎とおなじく、光接触皮膚炎にも2 つの型、すなわち光毒性と光アレルギー性機序がある。光毒性とは、物質に紫外線が当たり、それによって活性酸素が発生し組織や細胞障害をもたらすものである。一方、光アレルギー性接触皮膚炎は、光抗原特異的な免疫反応機序によって起こったものであり、感作を必要とし、T 細胞が媒介する。その根幹部分においては通常のアレルギー性接触皮膚炎と同様で、感作相と惹起相が存在するが、UVA 照射という操作が加わらなければ発症しない。感作物質はハプテンであり、UVA 照射がなされると、その一部が光分解され、近傍の蛋白質と結合し、皮膚樹状細胞が光ハプテン修飾を受け、光抗原を担った樹状細胞は、リンパ節に移動しナイーブT 細胞を感作する。


副作用の判別基準(判別方法)
(1)概念
  • 薬剤の外用によって生じる接触皮膚炎で、薬剤を使用後使用部位に紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、大水疱、びらんを発症する。刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎、接触蕁麻疹などが生じる。

(2)主要所見
  1. 刺激性接触皮膚炎
    • 1)痛み、刺激感
      2)原因外用薬を使用した部位に一致して紅斑、浮腫、水疱、びらん
      3)パッチテストではアレルギー反応なし
  2. アレルギー性接触皮膚炎
    • 1)痒み
      2)原因外用薬を塗布した部位に最も顕著な紅斑、丘疹、漿液性丘疹、浮腫、水疱、びらん
      3)全身に紅斑・丘疹、あるいは多形紅斑が拡大することもある
      4)重症例では微熱、リンパ節腫脹を伴う
      5)使用していた薬剤にパッチテスト陽性
  3. 光毒性接触皮膚炎
    • 1)痛み、刺激感
      2)原因外用薬を使用した、しかも紫外線に曝露した部位に一致して紅斑、浮腫、水疱、びらん
      3)光パッチテストでは光アレルギー性なし
  4. 光アレルギー性接触皮膚炎
    • 1)痒み
      2)原因外用薬を塗布し、しかも紫外線照射部位に最も顕著な紅斑、丘疹、漿液性丘疹、浮腫、水疱、びらん
      3)全身に紅斑・丘疹、あるいは多形紅斑が拡大することもある
      4)重症例では微熱、リンパ節腫脹を伴う
      5)使用していた薬剤に光パッチテスト陽性
  5. アレルギー性接触蕁麻疹
    • 1)痒み
      2)原因外用薬を使用した部位に、蕁麻疹
      3)全身に蕁麻疹が拡大、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシー
      4)使用していた薬剤にプリックテストあるいはスクラッチテスト陽性


(3)副所見
  1. 皮膚病理組織学的に表皮に海綿状態、真皮浅層血管周囲にリンパ球を主体にした細胞浸潤
  2. 除外診断:
    化粧品など薬剤以外の接触皮膚炎、白癬、酒さ、酒さ様皮膚炎、毛包虫症、アトピー性皮膚炎


判別が困難な疾患と判別方法
  • 接触皮膚炎は臨床症状、パッチテスト、使用テストなどで診断する。臨床的に鑑別を要する疾患について、簡単に述べる。
 
(1)白癬
  • 白癬は痒みを伴い、紅斑、丘疹が出現する疾患であり、病理組織でも海綿状態がみられる鑑別を要する疾患である。とくに、顔面の白癬は、化粧品による接触皮膚炎と誤診されることが多く、ステロイド外用薬により、さらに悪化している場合、ステロイド外用薬による接触皮膚炎と鑑別する必要がある。鑑別の基本は、輪状、あるいは環状の拡大する紅斑の内側に鱗屑がある臨床所見と、白癬菌陽性であることが白癬の確定診断になる
(2)酒さ・酒さ様皮膚炎・毛包虫性痤瘡
  • 酒さは、ステロイド外用薬により悪化するために、化粧品皮膚炎やステロイド外用薬による接触皮膚炎と鑑別を必要とする。特徴は、顔面の頬を中心に左右対称性に毛細血管拡張、紅斑・浮腫、丘疹、火照り感などが持続することである。酒さ様皮膚炎はステロイド外用薬の顔面への長期使用により酒さと類似した症状が出現する疾患で、皮膚萎縮、痛み、膿疱などが出現する。鑑別は、組織検査とパッチテスト、毛包虫の有無による。
(3)アトピー性皮膚炎
  • 痒みを主訴に、慢性に経過する苔癬化など特徴的な皮疹の分布と形態を呈する湿疹である。接触皮膚炎の合併の有無と鑑別には、パッチテストが必要である。慢性に掻破することが皮疹の誘発因子となる。
(4)外用薬以外の接触皮膚炎
  • 皮疹からは接触皮膚炎が考えられるが、原因が、スキンケア製品であったり、身の回りの金属であったり、診断には落とし穴がある。臨床症状、発症経過をよく聞き、原因と推定されるものを網羅したパッチテストを行うと同時に、スタンダードアレルゲンを貼布することで、身近なアレルゲンの見落としを防ぐことができる。


治療方法
  • 薬剤による接触皮膚炎の治療は、まず、原因となった薬剤を中止し、接触アレルギーを起こさないステロイド外用薬を選択し、炎症症状の強い場合には、局所作用の強いステロイド外用薬を使用する。
    皮疹が重度で広範囲に分布する場合、顔面の浮腫が強い場合、自家感作性皮膚炎を生じて汎発疹がみられる場合、発熱や倦怠感を伴う強い反応を示す場合(接触皮膚炎症候群)などでは、ステロイド内服が奨められる(推奨の強さA:エビデンスのレベルと推奨度の決定基準参照)。
    原因疾患を治療するためには、その疾患に適した外用薬のうち、接触アレルギーを持っていないものをパッチテストにより選定することが必要である。アレルギー性接触皮膚炎および、光アレルギー性接触皮膚炎ではパッチテストあるいは光パッチテストが推奨の強さAとされている。抗ヒスタミン薬の内服は推奨度C1であり、使うことが奨められる。なお、ステロイド、抗ヒスタミン薬のアレルギー、基剤成分のアレルギーの場合は、外用薬の選択に十分注意し、接触アレルギーを持つ薬剤や交叉反応を起こす薬剤を患者に書面で通知し、内服・注射しないよう、生活指導を徹底する。
 






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