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間質性腎炎

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間質性腎炎
腎炎」「腎不全」「腎臓病



間質性腎炎 (厚生労働省
Interstitial nephritis(尿細管間質性腎炎)
  • 腎臓に炎症が起こり機能が低下する「間質性腎炎」は、主に抗生物質、抗結核薬、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、消化性潰瘍薬、痛風治療薬などの医薬品の服用により引き起こされる場合があります。
    医薬品を服用後に、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    • 「発熱」、
    • 「発疹」、
    • 「関節の痛み」、
    • 「はき気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状」
    など
    また、これらの症状が持続したり、その後に「むくみ」、「尿量が少なくなる」などが見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。 →(初期症状
1.間質性腎炎とは?
  • 間質性腎炎は、腎臓の尿細管やその周囲の組織(間質)に炎症を起こす病気です。全身性のアレルギー反応による発熱、発疹、関節の痛み、はき気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状など、一般的なかぜのような症状もみられます。進行すると腎機能が低下して、尿量が減ったりむくんだりします。さらに進んで症状が重くなると、透析療法が必要となることがあります。
    すべての医薬品が原因となる可能性がありますが、主に抗生物質、抗結核薬、解熱鎮痛薬、抗てんかん薬、消化性潰瘍薬、痛風治療薬で多いとされており、医薬品などに対するアレルギー反応がその発症の原因と考えられています。
    治療は、早期の場合は医薬品の服用を中止すれば特別な治療をしなくても治ることが多く、早期発見と早期治療が重要です。中等度以上の重い場合には、通常、ステロイド薬を短期間使用します。
2.早期発見と早期対応のポイント
  • 原因と考えられる医薬品の服用後、2 週間以内に発症することが多いのですが、1 ヶ月以上経ってから起こることもあります。
    「発熱」、「発疹」、「関節痛」、「はき気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状」がみられ、その症状が持続したり、その後「むくみ」や「尿量が少なくなる」、「体重減少」などがみられたりする場合であって、
    医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    また、連絡の際には、服用した医薬品の種類、服用からどのくらいたっているかなどを医師・薬剤師に伝えてください。



間質性腎炎(尿細管間質性腎炎)
(厚生労働省) 間質に炎症反応が起こった状態を間質性腎炎という。アレルギー性の間質性腎炎はしばしば薬剤によって起こるが、糸球体や尿細管の炎症の波及により起こることもある。
症状 発熱、発疹、かゆみ、疲労感、食欲不振、吐き気、嘔吐、呼吸困難
原因となる主な薬剤 消炎鎮痛剤(ナプロキセン)、
消化性潰瘍用剤(オメプラゾール)、
抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム)など



早期発見と早期対応のポイント
(1)早期に認められる症状
  • 初発症状としては、医薬品の服用後の
    1. 発熱、皮疹、関節痛、悪心・嘔吐、下痢、体重減少、側腹部痛などの非特異的アレルギー症状である。
    2. その後に尿量減少、浮腫、体重増加などの症状が出現する。
    医療関係者は、上記症状のいずれかが認められ、その症状の持続や急激な悪化を認めた場合には早急に入院設備のある専門病院に紹介する必要がある。
(2)副作用の好発時期
  • 原因医薬品を服用後2 週間以内に発症することが多いが、数日以内あるいは1 ヶ月以上のこともある。
(3)患者側のリスク因子
  • 以前医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状、腎機能障害、肝機能障害などを認めた既往のある患者には注意して医薬品を使用する。
(4)推定原因医薬品
  • 主な推定原因医薬品は、抗生物質、抗結核薬、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、消化性潰瘍薬、痛風治療薬など広範囲にわたる。
  • アレルギーが関与していると考えられており、どのような医薬品でも発症する可能性がある。
(5)医療関係者の対応のポイント
  1. 発熱、皮疹、関節痛、悪心・嘔吐、下痢、体重減少、側腹部痛などの非特異的なアレルギー症状の後に、尿量減少、浮腫、体重増加などの症状が出現した場合は本症を疑う。
  2. 確定診断は腎生検によるが、本症を疑った場合には、早急に採尿・採血検査等を行い、他の腎機能障害の原因となる疾患の否定が必要である。
  3. 以上の症状・検査により本症が強く疑われる場合は、直ちに入院させた上で、腎臓内科とのチーム医療を行う。
[早期発見に必要な検査]
  • • 検尿・沈渣所見:
    • 尿蛋白、尿潜血、尿沈渣、
    • N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)、
    • 尿α1-ミクログロブリン、
    • 尿β2-ミクログロブリン
  • • 血液検査:
    • 尿素窒素(BUN)、
    • クレアチニン(Cr)、
    • 電解質、白血球数、好酸球数、
    • RIST (Radioimmunosorbent test:血清IgE 濃度を測定)
    • 画像検査(腎臓超音波検査)



副作用の概要
  • 間質性腎炎は病理組織学的概念であり、確定診断には腎生検を行う必要がある。
    一般的な症状のみでは診断が困難なことも多い。
    少しでも本疾患を疑った場合は、早期に検査を行う必要がある。
(1)自覚症状
  • 発熱、皮疹、関節痛、悪心・嘔吐、下痢、体重減少(脱水が原因)、側腹部痛などの非特異的なアレルギー症状の後に、尿量減少、浮腫、体重増加(尿量減少による体液量増加が原因)、呼吸困難などを認める
(2)他覚症状
  • 皮疹、体重減少、浮腫、体重増加
(3)臨床検査値
  • 尿検査
    • 尿蛋白陽性(1 g/日以下であることが多い)、
    • 尿潜血陽性、尿沈渣にて好酸球や白血球円柱あり(赤血球円柱なし)、
    • NAG 増加、
    • 尿α1-ミクログロブリン増加、
    • 尿β2-ミクログロブリン増加血液検査 BUN 増加、Cr 増加、
  • 血液検査
    • BUN 増加、
    • Cr 増加
    • 電解質異常(高K、低Na 血症)、
    • 代謝性アシドーシス、
    • 白血球数増加、
    • 好酸球数増加、
    • RIST 増加特殊検査 リンパ球刺激試験(DLST:試験の結果が陽性の場合には、原因医薬品を特定できることがある。)
(4)画像検査所見
  • ・腹部超音波検査や腹部CT などにより、急性では両側の腎腫大を認め、慢性では腎萎縮を認める。
    ・67Ga(ガリウム)シンチグラムで、腎への取り込みの増大を認める。
(5)病理組織所見
  • (腎臓)尿細管上皮の腫大・増生・変性と、上皮内および周囲への炎症細胞の浸潤が認められる。
  • 尿細管腔内にはTamm-Horsfall(TH)蛋白を含む硝子円柱や顆粒円柱が散在する。
  • 間質も浮腫が強く細胞浸潤を巣状に認める。
  • 間質への細胞浸潤、浮腫をさまざまな程度に認めることが特徴である。
    ときに類上皮細胞と多核巨細胞からなる肉芽腫を認める。
  • 間質への細胞浸潤はヘルパーT 細胞が多くを占める。
一部の症例では、
  • 蛍光抗体法にて、尿細管基底膜上にIgG、C3 が線状に沈着を認めることがある。
    慢性化した間質性腎炎では浮腫は減少し、かわりに繊維化、尿細管の萎縮を認めることが特徴である。
(6)発生機序
  • 薬剤性間質性腎炎の発生機序は、詳細は明らかではないが、その臨床症状および病理学的所見から、免疫学的メカニズムの関与が考えられ、アレルギーのⅠ~Ⅳ型まですべてが関与する可能性がある。
  • Ⅰ型:
    • 血清IgE が増加し、腎にIgE 産生細胞、好塩基球、好酸球の浸潤を認めレアギンにより生じた即時型過敏反応を示す。
  • Ⅱ型:
    • 医薬品が尿細管からの分泌あるいは再吸収時にTBM(尿細管基底膜:Tubular basement membrane)の蛋白と結合し、これが抗原となって抗TBM抗体産生へつながり、尿細管障害を生じ間質への炎症へ波及する。
  • Ⅲ型:
    • 医薬品がハプテンとして蛋白と結合し、その抗体による免疫複合体が尿細管や間質に沈着する。
  • Ⅳ型:
    • 腎の間質に浸潤しているリンパ球TD 細胞が再度薬物抗原を認識すると、速やかに活性化され種々のリンホカインを産生し、組織に炎症が生じる。
    • また同様に誘導された細胞障害性Tリンパ球は、細胞免疫性の遅延反応に関与している。



(7)医薬品ごとの特徴
  • ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、ラニチジン、リファンピシンなどでは、間質性腎炎の組織像に加え、微少変化型の糸球体変化を併発していた報告がある。
    フェナセチン(国内販売中止)の長期使用により慢性間質性腎炎を発症する。
(8)副作用発現頻度
  • アロプリノールの場合、フロセミドやチアジドとの併用で発症頻度が増加するとの報告がある。
副作用の判別基準(判別方法)
  • (1)主要所見
    • ・尿細管間質障害を疑わせる検査所見(薬剤使用後数日から数週間)
      ・アレルギー症状の併発(発熱、発疹、関節痛、好酸球増多など)
      ・画像検査にて両側腎腫大(急性の場合)
      ・腎生検にて間質性腎炎の確認
    (2)参考所見
    • ・DLST の陽性化
      ・67Ga シンチグラムでの腎への取り込み
判別が必要な疾患と判別方法
他の原因による間質性腎炎
  • (1)感染症
    • ・腎盂腎炎(細菌性、真菌性、ウイルス性)
      ・全身性感染症(A 群溶連菌、ジフテリア、トキソプラズマ 他)
      ・特殊な腎感染症(結核、梅毒 他)
  • (2)免疫異常
    • ・尿細管抗原に対する抗体によるもの(抗TBM 抗体病、Goodpasture 症候群 他)
      ・自己や外来抗体に対する免疫複合体によるもの
    • SLESjogren 症候群、クリオグロブリン血症 他)
  • (3)電解質や代謝異常
  • (4)糸球体腎炎に続発する間質障害
  • (5)その他
    • サルコイドーシス、
    • 放射線性腎症、
    • 逆流性腎症、
    • 閉塞性腎症、
    • ぶどう膜炎に伴う尿細管間質性腎炎
  • ① 急性尿細管壊死
    • 薬剤による直接的な毒性にて発症し、用量依存性である。
      アミノグリコシド系抗生物質、第1 世代セフェム、アムホテリシンB、シスプラチン、シクロスポリン他で認めることがある。
  • ② 腎血流低下
    • 薬剤による腎血流減少作用による腎前性腎機能障害。
      非ステロイド性抗炎症薬、ACE 阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、シクロスポリン他で認めることがある。


治療方法
  • ① 早期発見で腎機能障害が軽度(検査値異常など)であれば、原因医薬品の中止のみでよい。
    ② 副腎皮質ステロイド薬は急性間質性腎炎では腎機能の回復を早める場合がある。
    副腎皮質ステロイド薬の抗炎症、抗体産生抑制作用で、腎間質の浮腫、炎症細胞浸潤の抑制には有効であると考えられている。
    プレドニゾロン 0.8~1.0 mg/kg で使用されることが一般的であるが、少量投与やステロイドパルス療法や免疫抑制剤の使用を行うこともある。
    ③ 腎不全状態では透析療法を行うことが望ましい。
【症例】50 歳代、女性
主訴:発熱、蛋白尿
既往歴:特記事項なし
家族歴:特記事項なし
現病歴:食欲不振、心窩部痛が出現し、約1ヶ月後に悪心、嘔吐が出現、 その後コーヒー様の嘔吐、タール便を認めた。上部消化管造影にて胃潰瘍よりの出血と診断され、シメチジン600 mg の投与が開始された(投与開始日)。
投与開始8 日後、38℃を超える発熱が出現し、初めて蛋白尿(2+)を指摘された。
この際、トスフロキサシン 225 mg、ピロキシカム 20 mgを投与されたが、発熱と蛋白尿が持続するため当院受診した。
BUN 50.7mg/dL、Cr 7.67 mg/dL と、上昇を認めたため、投与開始28 日後に精査・治療目的で入院となった。
入院時現症:身長153cm、体重47kg、体温37.3℃で軽度の発熱を認めた。
血圧は130/70 mmHg、脈拍数は104/分で整。皮膚は乾燥しており、眼瞼結膜に貧血を認めた。胸部に異常を認めず、腹部は触診にて軟かつ平坦であるが、心窩部に圧痛を認めた。四肢に浮腫なく、神経学的所見に異常を認めなかった。
入院時検査所見:検尿では、白血球(1+)、蛋白(2+)、潜血(−)、沈渣にて白血球10~20 個/HPF、上皮円柱1~2 個/LPF、全視野にて硝子円柱1 個、顆粒円柱2 個であった。尿中細菌培養は数回にわたる検査にて全て陰性であり、無菌性膿尿を呈していた。赤沈は124 mm/hr と亢進していた。末梢血においては、白血球数 14700/μL と上昇し、分画では好酸球 6.0%、総数882 個と好酸球増多を認めた。
Hb 10.1 g/dL、Ht 30.2%と貧血を認め、血小板数は62.6×104/μLと著明に上昇していた。
血液生化学検査では、TP 6.8 g/dL、ALB 3.0 g/dL とやや低アルブミン血症、BUN 50.7 mg/dL、Cr 7.67 mg/dL と著明な腎機能障害を認め、尿酸も11.3 mg/dL と上昇していた。AST、ALT は正常であったが、ALP 351 IU/L、γ-GTP 57 IU/L と胆道系酵素の上昇を認めた。免疫・血清学的検査においては、CRP 34.0 mg/dL と著明に上昇していたが、RA テスト(−)、LE テスト(−)、抗核抗体10 と異常を認めなかった。
IgE については、入院時は、116 U/mL と一応正常範囲であったが、その後、57 U/mL、39 U/mL と経過を追うと低下傾向を認めた。胸部レントゲン写真はCTR 47%で心拡大等はなく、そのほか特に異常陰影は認めなかった。
腎生検所見:入院後第3 病日に施行した腎生検の光顕像、HE 染色では、標本内に、腎髄質と13 個の糸球体を含んだ腎皮質が認められた。糸球体像では、異常を認めなかった。間質には単核球細胞と少数の好酸球の浸潤および浮腫があり、一部では尿細管の構造が破壊されており尿細
管炎の所見を呈した。血管系には著変は見られなかった。
ホルマリン固定標本でMT1(anti-human T cells monoclonalantibody)、MB2(anti-human B cells monoclonal antibody)、OPD4(monoclonal mouse anti-human T cells antibody)の各抗体による
免疫染色を行ったが、MT1 染色では、間質に浸潤している細胞は、ほとんどが、MT1 陽性であり、T 細胞と考えられた。OPD4 染色では、OPD4陽性の細胞は、MT1 陽性細胞も約半数と考えられ、T4、T8 はほぼ同数と推定された。
入院後経過:本症例の急性腎不全の原因として薬剤の関与、特に経過からシメチジンの影響が強く疑われた。入院直後より薬剤投与を中止したところ、入院第3 病日よりBUN、Cr、K 等、腎機能の著明な改善を認め、入院後1 週間目には蛋白尿も陰性化し、Cr 1.18 mg/dL とほぼ正常化した。上昇していたALP、γ-GTP も第21 病日には214 IU/L、13 IU/Lと正常化した。各種薬剤によるリンパ球刺激試験の結果は、シメチジンについては、S.I.157%であり陽性ではなかったが、他の薬剤に比して有意に高い値であると考えられた。
(小荒田 秀一他. 日腎誌. 34(11):1227-1232, 1992)



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