血栓 (thrombosis)
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血行不良」「打撲」「打ち身」「下肢静脈瘤ガン」「心筋梗塞」「脳梗塞」「深部静脈血栓症」「肺塞栓」「出血性素因」「エコノミークラス症候群」「ステロイドの副作用」「Dダイマー

副作用で
血栓
セレスタミンプレドニン」「インデラル

血栓 血液中の血小板などが集まって固まったもの。
傷ついた血管を修復して出血を止める働きをするが、血栓ができた場所から流されて毛細血管などをつまらせると塞栓症となる。脚にできた血栓が移動して肺の血管を詰まらせるのがエコノミー症候群。
通常は血栓ができてもその後、溶けて血流は回復するが、動脈硬化が進んでいたり、長時間座り続けて血流が滞ると、血栓がそのまま血中に残って細い血管を詰まらせ血流を遮断する
ストレスがかかると、→出血をおさえるために血管が縮む→血栓ができやすい。猛獣に襲われる(ストレス)→出血を最小限にしようとする。
検査 Dダイマー
アンチトロンビンV」(ATV)
血液凝固因子
血栓症 thrombosis」([thromb-]=凝血:[-osis]=〜の状態)
・血液は血管内にある限り固まらないのが普通で、血液は体外に取り出すとゲル状になり、時間が経つと、それから液体(=血清)が分離する。
・血清は血漿から血液凝固因子を除いたもの。
・線維素溶解や抗凝固物質の働きにもかかわらず血液凝固が血管内で起きることがある。それは動脈硬化・外傷・感染などで血管の内皮が凸凹になるため、血小板の粘着性が高まり、血流が悪くなって、その部位の血液凝固因子の濃度が上昇してしまうため。
・外傷を受けていない血管内での血液凝固を血栓症という。
・血栓(thrombus)が溶解されずに残っていると、血管壁から剥がれて血中に流れ出す。このようにして流れ出した血栓や血管内に入った空気、骨折部位からの脂肪組織・細胞破片などが血流に流れ出しものを『塞栓embolus』という。→「肺塞栓症
・血液中に糖分や脂肪が多いと、それらが赤血球の表面にくついて、赤血球が硬くなり、毛細血管の7mmの間隙を通過出来なくなったり、血栓が出来やすくなる。
深部静脈血栓症
【前脛骨区画症候群】
・・・四肢の筋肉は骨や強い膜で囲まれている。激しい運動や骨折で区画内の圧力が上がり、筋肉内の血液の流れが悪くなり、その状態が長期間続くと筋肉が壊死する。また、関節が固まり機能障害を起こすこともある。突然発症して激しい痛みを伴う急性型(骨折などの外傷後に起きる)と、運動中に痛むなり安静にすると痛みが無くなる慢性型がある。
【圧挫症候群】・・・阪神大地震で話題になった。
症状 「手足のマヒやしびれ」、
しゃべりにくい」、
「胸の痛み」、
「呼吸困難」、
「片方の足の急激な痛みや腫れ」


血栓症
thrombosis
「血管内または心臓内に凝血が形成されるもの。」
塞栓症
embolism
「血管内の異常な物理的な塊が発生場所から流れて他臓器の小さな血管に陥入した状態
「血管内の塊を塞栓(embolus)と呼ぶ。」→「肺塞栓
「塞栓の発生源として最も多いのが血栓(thromrus)」
梗塞症
ingfarction
「塞栓症の結果、組織に限局性壊死がおこれば梗塞(infarct)を生じる
「梗塞の発生した病態を梗塞症という。」

イヌイット グリーンランドの原住民イヌイットには、虚血性心疾患がきわめて稀であることが知られている。たとえば、グリーンランドのンし海岸の北極圏にあるウマナク地方には約1400人の住民がいたが、1963年〜1967年の4年間でわずか3例の動脈硬化性心疾患が登録されているのみである。しかも、その3例を詳しく調べると、1例はリウマチ性心臓疾患であり、他の2例は78歳の不整脈で2回の診療記録であった。
コレステロール(脂質の構成成分の1つであり、細胞膜の重要な構成成分でもあり、また、性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの原料の1つ)が高いと動脈硬化性虚血性心臓疾患にかかりやすいという事実が知られていたので、グリーンランドに暮らすイヌイットの血中脂質は、どのような状態であるかが興味を引いた。
そこで、1970年にウマナク地方の住民130人(男61人、女69人)について血中の脂質の分析が行われ、北欧デンマークの血中脂質との比較が行われた。その結果、イヌイットのLDLコレステロール・中性脂肪(脂肪酸とグリセリンが結合したもので、脂肪の構成物の1つ)・プレベータリポタンパク(脂質と蛋白の複合体であるリポタンパクのうち、血清の電気英同文咳でベータ分画の前に位置するもの)は、いずれもデンマーク人に比べて著しく低い値を示した。
一方、HDLコレステロールは高い値だった。
LDL値は低くHDLが高い場合には、虚血性心臓疾患になりにくいという一般的に受け入れられている説と一致した。
さらに、脂質を構成する脂肪酸についてしらべると、デンマーク人に比べてイヌイットのアラキドン酸の血中含量はきわめて低く、その代わりにエイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)の血中含量は高いことが分かった。
これらの差は人種的遺伝的な違いによるものなのか?、あるいは食習慣の違いによるものなのか?が問題になった。デンマークに居住してデンマーク人と同じ食事をしているイヌイット25人について調べると、その人たちの血中脂質はデンマーク人のものと差がなかった。
それでは、イヌイットが日常摂っている食事はどのようなものであろうか?この研究調査の対象になったイヌイットの大部分は猟師あるいは漁師とその家族である。摂取する食物は主としてアザラシ・クジラなどの海洋哺乳類と若干の魚である。穀類や野菜類を食する機会は極めて少ない。
(青木延雄著「血栓の話」p46〜)
発生解明 理化学研究所は、静脈に血の塊(血栓)が出きる仕組みを解明した。血液の流れが遅くなると赤血球の細胞膜中にある酵素(エラスターゼ)が引き金となり、血液凝固因子が働き出すという。飛行機に長時間座った乗客が、血行障害から呼吸困難に陥るエコノミークラス症候群との関連も指摘され、その診断や予防につながる成果という。
理研超分子科学研究室の貝原真副主任研究員らは、プラスチック製人工血管を使って実験した。血液の流動性を計測する特殊な道具を使い、まず血液凝固に関係している成分が赤血球であることを突き止めた。次ぎに血漿中のどの血液凝固因子が関与していりかそ調べたところ、13あるうちの第9因子が赤血球により活性化され、血液の流れを停滞させて血栓を作っていたという。
この因子を活性化する物質を赤血球膜から抽出して解析したところ、血管壁や細胞組織上にあるエラスチンと呼ぶタンパク質を分解する酵素、エラスターゼであることが分かった。
今回解明した血液凝固の仕組みは体内の要因による反応。血管の損傷などで血が固まる外部要因の反応に対して、作用するタンパク質や因子などはよく分かっていなかった。
水分不足 →「突然死
白色血栓 「血栓には大きく分けて“動脈に出来る血栓”と“静脈に出来る血栓”とがある。動脈系の血栓では、血小板の関与が大きい。動脈に出来た血栓を取り出して見ると。血栓の大部分は白色をしていることが多い。これを『白色血栓』という。白色血栓を顕微鏡で調べてみると、フィブリンに絡まった血小板の凝集が主体になっていることが分かる。動脈内の血流は速く、血小板にゆがみを生じやすく、血小板は凝集しやすくなり、塊を作る。そこへ血液凝固反応が続いて起こり血栓が出来上がる。最初に血小板の凝集を起こす引き金になるのは、血管内皮細胞が傷ついて変性・剥離し、その露出した内皮細胞へ血小板がくっつき、そこが芽になって血小板の凝集が起きる。そして血液凝固からフィブリンの折出が起こって血栓が成長していく。
剥離した血管内皮細胞の数が少なく、内皮細胞の脱落面積が少ない時には、血栓の成長も限られ、やがて血栓の表面は血管内皮細胞で再び覆われて血管は修復される。
ところが、血管内皮細胞の脱落面積が大きいほど、そしてフィブリン溶解能が低いほど血栓の成長は大きく、完全に血管内腔をふさぐ閉塞性血栓へと発展する。
心筋梗塞・脳梗塞においては、動脈硬化が血管内皮細胞の変性・剥離の原因になっている。(青木延雄著「血栓の話」から)
(1)白い血栓:
1.動脈系の血栓
2.血小板の関与が大きい。
3.心筋梗塞・脳梗塞など。
(2)赤い血栓:
1.静脈系の血栓
2.血液凝固の関与が大きい。
3.下肢の深部静脈血栓症が代表てきなもの。
4.先天的に血液凝固システムがうまく働かない体質(出血性素因)
ガイドライン 静脈血栓塞栓症
・・・
ガイドラインがやっと出来た。
「日本血栓止血学会などは手術などで長時間動かせない時に、患者の脚などの静脈に出来た血栓が血流を止めたり、または、肺塞栓症を引き起こし死亡するケースのある静脈血栓塞栓症を予防するガイドラインをまとめた。欧米ではすでに1980年代に発症予防に取り組みガイドラインができあがっている。2004年1月に発表する予定。
超音波
で破壊
帝京大学の丸山一雄教授、東京薬科大学の根岸洋一講師らは、脳梗塞や心筋梗塞の新しい治療法を開発した。
新手法は胎児のエコー診断や消化器系のガン診断などに使う超音波を応用した。リン脂質膜に超音波を跳ね返すガスを閉じこめ、これを微小な泡にして血管に注射する。泡の表面には血栓にくっつく性質を持つアミノ酸分子をつけてある。
超音波を当てて跳ね返りの違いから血栓の位置を確認。さらに治療用の超音波を送って泡を破壊させ、その勢いで血栓を壊す。防衛医科大学の菊池眞教授らのウサギを使った実験で人工的に作った血栓を治療できた。
分解 プラクチン。
1996年、東京農工大農学部の遠藤章教授らは、血管の中に生じた血栓を溶かす働きを促進する新物質を発見、ネズミを使った動物実験などで作用を確認した。新物質は分子が小さいので体内に吸収されやすいという長所があり、血栓溶解作用を持つ経口薬の開発につながる可能性もある。
発見した物質は「プラクチン」という名前。5個のアミノ酸が環状につながった構造をしており、カビの一種から抽出した。
慶應義塾大学と○○は脳梗塞などの原因になる血栓(血の塊)が、血管の中で分解されて流れる様子を正確に再現できるモデルを開発した。患者の血圧や血小板数、薬のデーターを入力すると、血管の中にできた血栓がどれほどの大きさで流れるかを予測できる。
末松誠・慶応大学部教授と梶村真弓・慶応大講師と○○の成果。
共同チームは血栓の元になる血小板が血管壁にくっついて血栓を形成する過程を分析。どれくらいの強さの血流が流れると血栓がはがれるか?を計算し、モデルを作った。
このモデルに、血栓を溶かす代表的な薬である『アスピリン』と『シロスタゾール』の作用データーをそれぞれ入力し、血栓の流れ方を再現した。アスピリンの場合は血栓が大きいまま流れ、シロスタゾールでは血栓が少しづつはがれて流れることが分かった。
さらに、人の血小板をラットに注射してアスピリンとシロスタゾールを別々に投与したところ、モデル実験で再現した通りの血栓の分解現象が起きた。
血管の中に大きな血栓ができた場合は速やかに血栓を取り除かなければならないが、はがれた血栓が大きいまま血中を流れていくと、毛細血管がつまる可能性がある。病状や血栓のできた場所に応じて、作用の異なる薬を適切に使う必要がある。
フラグミン フラグミンは1994年にFDA(米食品医薬品局)が承認した静脈血栓塞栓症の予防薬。
エーザイがワーファリンナトリウム(静脈血栓塞栓症の標準的な予防薬)との比較試験を実施。患者を2グループに分け、それぞれの薬を6ヶ月間投与した。その結果、フラグミン投与群の発症率は、ワーファリン投与群の約52%に抑えられた。静脈血栓塞栓症はガンになると起こりやすく、入院して体を動かす機会が減ると発症しやすくなる。
検査 緊急時にすぐ検査
シスメックスは2002年1/23、脳梗塞や心筋梗塞など緊急状態にある患者の血栓症の検査が現場で即座に出来る「全自動血液凝固測定装置CA-550」を発売したと発表した。従来の血液凝固測定装置に、血液中で血栓が分解されていることを示すFDPの有無を測る機能や、FDPが血栓によることを示すD-Dダイマーを調べる機能を付加した。
新製品は54cm×48.7cm×47cmと比較的小型で、夜間用の緊急治療室などにも設置が可能。価格は780万円。
また、悪性腫瘍、感染症などから発症して全身の血管に微細な血栓が起きるDIC症状の診断など難しい検査にも対応する。
血液凝固に関する指標
血管中の[気泡]と[血栓]
関西大学の大場謙吉教授らのグループは超音波を使い、血管中を流れる気泡と血栓を外部から識別する手法を開発した。
従来の検査法は気泡と血栓の区別が難しかった。
新手法は、超音波を当てたときに、血栓は血管中を流れ続けるが、気泡は減速するという反応の違いに着目。
直径3mmのゴム管に塩化カルシウムの水溶液を流し、その中に気泡とウシの血栓を流した、流れと逆方向から超音波を当てて、高速ビデオカメラで観察しあ。
超音波は微少な圧力を持つ。
気泡は周囲の水溶液に比密度が小さく軽いため、超音波に押されて減速。一方、血栓は密度が大きく重いため、超音波の影響を受けずに流れ続ける。
AAPP 蚊の唾液に含まれている血液を固まらせにくくするタンパク質を、自治医科大学の吉田栄人講師らが突き止めた。○○製薬との共同研究。
血管が傷つくと、血管の内壁から露出したコラーゲン血小板が集まる。血小板には血液を固める働きがあり、傷口をふさぐように血栓ができて血が止まる。
蚊は人の血を吸う際に、皮膚に何度も口を突き刺して血管を探すが、傷つけるごとに血小板が集まると吸血しにくくなる。このため、蚊の唾液に何らかの仕掛けが有るとされていた。
吉田講師らのチームは、ハマダラカのメスを解剖し、唾液腺を詳しく分析。その結果、唾液腺で特別に作られるタンパク質『AAPP』を発見した。
このタンパク質を抽出し、濃度に応じて血小板がコラーゲンに集まる様子がどのように変化するかを調べた。AAPPの濃度が高いほど血小板は集まりにくく、凝集を抑えることが分かった。
コラーゲンに直接結合し、血小板がくっつくのをジャマしていた。
AAPPをラットの静脈に注射して血液の流れを調べると、投与量に応じて血小板の凝集をコントロールできることが分かった。

抗血栓剤
経口抗凝固剤
(クマリン系)
ワルファリンカリウム ワーファリン
血液凝固阻止剤 乾燥濃縮アンチトロンビンV 「アンスロビンP」
「献血ノンスロン」
「ノイアート」
乾燥濃縮人活性プロテインC 「アナクトC」
ダナバロイドナトリウム 「オルガラン」
輸血用クエン酸ナトリウム 「輸血用チトラミン
血小板凝集抑制剤 アスピリン 「バイアスピリン」
イコサペント酸エチル エパデール
「ソルラミン」
塩酸サルボグレラート 「アンプラーグ」
塩酸チクロピジン パナルジン
オザグレルナトリウム 「オアグレルNa[MEEK]」
「オキリコン」
「カタクロット」
「キサンボン」
合剤 「バファリン」
シロスタゾール 「プレタール」
リマプロストアルファデスク 「オパルモン」
「プロレナール」
血栓溶解剤 アルテプラーゼ 「アクチバシン」
「グルトパ」
ウロキナーゼ ウロキナーゼ
チソキナーゼ 「ハパーゼ」
「プラスベータ」
ナサルプラーゼ 「トロンボリーゼ」
ナテプラーゼ 「ミライザー」
バトロキソビン 「デフィブラーゼ」
パミテプラーゼ 「ソリナーゼ」
モンテプラーゼ 「クリアクター」
抗トロンピン薬 アルガトロパン 「スロンノン」
「ノバスタン」
ヘパリン製剤
(抗ヘパリン製剤)
ダルテパリンナトリウム 「フラグミン」
パルナパリンナトリウム 「ローヘパ」
ヘパリンカルシウム 「カプロシン」
「ヘパリンカルシウム」
「ノパカリン」
ヘパリンナトリウム 「ノボ・ヘパリン」
「ヘパリンアトリウム」
硫酸プロタミン 「ノボ・硫酸プロタミン」
レビパリンナトリウム 「クリバリン」
「ローモリン」
副作用
厚生労働省は2008年3/10、米国内で副作用が疑われる事例が相次いだため、国内メーカー3社が自主回収を始めたと発表。
ヘパリン製剤は一般的な手術や透析治療に欠かせない。


西洋薬 ヘパリン・・・
@
ヘパリンを投与された血液透析患者54例において、抗PF4-ヘパリン複合体抗体の上昇と心血管系死亡率及び全原因死亡率のリスク増加のあいだに相関が見られた
Aヘパリンカルシウムの使用により「頭蓋内出血」を発症し、死亡した可能性がある症例が3症例認められた。(厚労省
クマリン誘導体(ワーファリン
抗血小板薬
血栓溶解薬(プラスミノーゲン賦活薬)
ウロキナーゼ <1>血栓を作るタンパク質のフィブリンを分解する働きがある。
<2>脳血栓・心筋梗塞を予防する。
<3>人間は腎臓でこの酵素を生産する。
<4>おからと納豆菌で生産。
「従来は尿や培養細胞から採取。1997.3.27 納豆菌を加熱したおからに与えて培養して生産する方法を、玉川大学農学部の竹中哲夫教授らが開発。」
サプリメント・栄養補助食品・健康食品 [紅参][霊芝][有機ゲルマニウム]
[コエンザイムQ10][コンドロイチン]
品種で 野菜/果物の抗血栓に・・・・品種差
2009年、神戸学院大学の山本純一郎教授らは、野菜や果物に血液の塊である血栓ができるのを防ぐ効果があるかを簡単に調べられる手法を開発した。
野菜などの搾り汁をマウスの血液とともに測定機器に入れて判定する。
血液内で受ける摩擦力(ずり応力)が大きいと血小板が変化し、血栓を起こしやすい。
円すい形を逆にしたような容器に大小2つの鉄球を入れておき、その上から、ラットやヒトの血液を少しづつ垂らし、落下するまでの時間を測定して血栓のできやすさや、できた血栓の溶けやすさを評価する。
ニンジンなど3品種の絞り汁を血液と共に測定装置に入れて比べてみると、品種によって血栓のできやすさに差があることが分かった。加熱すると血栓を作りやすくなる品種もあった。
イチゴやトマト・ジャガイモなどでも品種ごとに抗血栓作用に優劣があることが分かった。
この結果は、マウスに汁を飲ませて血栓のできやすさを判定する実験結果ともほぼ同じだった。
血栓の漢方薬あれこれ 桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸霊芝
桂枝茯苓丸紅参
桂枝茯苓丸紅参コンドロイチン
桂枝茯苓丸クマイ笹
桂枝茯苓丸有機ゲルマニウム
桂枝茯苓丸コエンザイムQ10
桂枝茯苓丸+陳久散
桂枝茯苓丸霊芝スクアレン

当帰芍薬湯
桃核承気湯

血栓症
(厚生労働省) 血小板数の増加、アンチトロンビンVの低下、血中免疫複合体の関与など、何らかの要因により凝固経が亢進し、血栓が形成される状態。主に脳血栓症、肺血栓症。
脳血栓症では言語障害や後遺症が認められる症例や死亡例も報告されている
症状 血栓が塞栓を起こした部位により、頭痛、胸痛、腹痛を生じる。頭蓋内血栓では、激しい頭痛、頭蓋内圧亢進による嘔吐、視神経乳頭浮腫による視覚障害を合わせて訴える場合もある。
原因となる主な薬剤 ダナゾール、副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン)など

血栓症Thrombosis  (厚生労働省
同義語:血栓、血栓塞栓症、塞栓症、梗塞(脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症) 
血のかたまり(血栓)が血管に突然つまることで起きる「血栓症」は、医薬品によって引き起こされる場合もあります。何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
   「手足のまひやしびれ」、
   「しゃべりにくい」、
   「胸の痛み」、
   「呼吸困難」、
   「片方の足の急激な痛みや腫れ」
1.血栓症とは?
血栓症とは、血のかたまり(血栓)で血管が突然つまる病気です。どこの血管がつまるかによって、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症など病名が変わってきます。症状は、どこの血管がつまるかによって変わりますが、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが共通した特徴です。
脳梗塞では、「手足のまひやしびれ」、「しゃべりにくい」といった症状、
心筋梗塞や肺塞栓では「胸の痛み」や「呼吸困難」、深部静脈血栓症では「片方の足の急激な痛みや腫れ」がみられます。また、腎臓にできた血栓で腎不全になる場合もあります。
女性ホルモンや副腎皮質ステロイド薬、止血剤、白血病治療薬などの医薬品の服用によりみられることがありますが、手術(特に足の整形外科手術、産婦人科手術)後に、深部静脈血栓症や肺塞栓を発症して、急変することがあることも知っておく必要があります。

2.早期発見と早期対応のポイント
「手足のまひやしびれ」、「しゃべりにくい」、「胸の痛み」、「呼吸困難」、「片方の足の急激な痛みや腫れ」といった症状が見られた場合で医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
突然発症するため早期発見はなかなか難しいのですが、急激な病状の変化がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師、薬剤師に連絡してください。なお、深部静脈血栓症では、その血栓の一部がはがれて肺に飛んで肺動脈をつまらせると肺塞栓になりますので、深部静脈血栓症と肺塞栓は同時にみられることもあります。
(参考)
飛行機内では、足をあまり動かせないこととも関連して、深部静脈血栓症や肺塞栓をきたすことがあることが知られており、エコノミークラス症候群やロングフライト血栓症などと言うこともあります。
1.早期発見と早期対応のポイント
血栓症とは、血栓で血管が突然閉塞する病気であり、どこの血管が閉塞するかによって、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症など病名が変わる。血栓症の症状は、どの部位の血管が閉塞するかによって異なり、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが共通した特徴である。

(1)早期に認められる症状
どの部位の血管が閉塞するかによって異なり、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが多い。
脳梗塞:四肢の脱力・麻痺、感覚障害(複視、霧視、盲点の拡大)、構語障害、嘔吐・吐き気、頭痛
心筋梗塞:胸痛、不整脈、心不全症状、ショック
深部静脈血栓症:急激な片側下肢(まれに上肢)の腫脹・疼痛・しびれ、発赤、熱感
肺塞栓:胸痛、突然の息切れ、呼吸困難、血痰・喀血、ショック、意識消失
網膜血栓:突然の視力障害

(2)副作用の好発時期
医薬品を投与してまもなく発症するもの(抗線溶薬など)から、相当期間(数週間から数ヶ月、あるいは数年以上経過することもある)経過してから発症するもの(ホルモン製剤、副腎皮質ステロイド薬)まで種々である。

(3)患者側のリスク因子
この点を明らかにした報告はないが、動脈血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症など)は、動脈硬化の危険因子である糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症などを有した患者で発症しやすい可能性がある。
静脈血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓など)は、長期臥床、脱水、多血症、肥満、妊娠、下肢骨折、下肢麻痺、癌、心不全、ネフローゼ症候群、静脈血栓症の既往などを有した患者で発症しやすい可能性がある。
血栓性素因として、先天性アンチトロンビン欠損症、プロテインC 欠損症、プロテインS 欠損症の患者では元来静脈血栓症をきたしやすい。抗リン脂質抗体症候群(あるいは抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントのいずれか一方以上の抗リン脂質抗体検査が陽性の患者)、高リポ蛋白a(Lp(a))血症、高ホモシステイン血症の患者では、元来、動脈または静脈の血栓症をきたしやすい。

(4)投薬上のリスク因子
・抗線溶薬(トラネキサム酸):播種性血管内凝固症候群(DIC)あるいは凝固活性化状態にある患者に対して抗凝固療法を併用することなく抗線溶薬を投与すると、投与直後に全身性の重篤な血栓症を発症することがある。致命的な出血のみられる線溶優位型DIC に対して、止むを得ずヘパリン類併用下に抗線溶薬を投与する場合も(必ず専門医のコントロール下において)、少量から漸増し、線溶活性化がコントロールされたら速やかに中止する。
・ワルファリン:先天性プロテインC 欠損症患者では、ワルファリン導入時に電撃性紫斑病を発症するため、導入時にはヘパリン類を併用する。ワルファリンを開始する患者では、血栓性素因の検索、電撃性紫斑病の予防の両観点から、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンの測定
を行う。
・ダナゾール、卵胞・黄体ホルモン配合剤及び副腎皮質ステロイド薬:血栓症の合併症が見られた患者は、投与期間が長い傾向にあるが、比較的短期間でみられる場合もある。特に、抗リン脂質抗体陽性の膠原病患者に対して、副腎皮質ステロイドを投与する場合は、血栓症を誘発しやすい可能性がある。
・L-アスパラギナーゼ:本薬を投与して1週間くらい経過すると、明らかな凝固因子、凝固阻止因子(アンチトロンビン、プロテインC、プロテインS)の低下がみられるようになり注意が必要である。
・遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤:血栓症の副作用の見られた症例の過半数では、医薬品の投与24 時間以内に発症し、また4割の症例では他の止血剤の併用がなされていると報告されている。用量との関連は明らかにされていない。
・トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA): ATRA に抗線溶療法も併用すると全身性の血栓傾向をきたしやすい(ATRA と抗線溶剤は併用禁忌)。しばしば、本治療直後に発症する。

(5)患者若しくは家族等が早期に認識しうる症状(医療関係者が早期に認識しうる症状)前述のように、血栓症の部位によって臨床症状は異なるが、突然発症することが共通した特徴である。前兆となるような症状はほとんどない場合が多い。

(6)早期発見に必要な検査と実施時期
血栓症は突然発症することが特徴であるため、血栓症を合併しうることが知られている医薬品を使用する場合には、定期的に凝血学的マーカー(凝固活性化マーカー:TAT(thrombin-antithrombin complex)、F1+2(prothrombinfragment 1+2)、SF(soluble fibrin),FMC(fibrin monomer complex)、D ダイマー(D dimer)など)を追跡するのが良い。ただし、それにもかかわらず、前もって凝固活性化状態を把握できないまま血栓症を発症する場合も多い。
2.副作用の概要

(1)臨床症状
脳梗塞
  四肢の脱力・麻痺、感覚障害(複視、霧視、盲点の拡大)、構語障害、嘔吐・吐き気、頭痛
心筋梗塞
  胸痛、不整脈、心不全症状、ショック
深部静脈血栓症
  急激な片側下肢(まれに上肢)の腫脹・疼痛・しびれ、発赤、熱感
肺塞栓
  胸痛、突然の息切れ、呼吸困難、血痰・喀血、ショック、意識消失
網膜血栓:突然の視力障害

(2)臨床検査(画像検査を含む)
脳梗塞:症状などから疑われた場合は、速やかに頭部CT、脳MRI などの検査を行う。ただし、CT では発症間も無い場合には所見が得られない場合がある。
心筋梗塞:疑われた場合は、速やかに心電図、胸部レントゲン写真、心エコー、血液検査などを行う。
深部静脈血栓症、肺塞栓:疑われた場合は、速やかに下肢静脈エコー、全身造影CT(胸部から下肢まで)を行う。造影CT で、肺動脈の大血管内血栓の有無は評価可能であるが、肺末梢循環に関しては肺血流スキャンを行う(原則として肺換気スキャンとともに)。
また、D-dimer(血液凝固時に形成されるfibrin の重合体が線溶系の働きで分解した時に産生されるfibrin fragment ダイマー)の測定はnegativepredictive value(陰性的中率)としての意義が極めて高い。すなわち、D-dimer が高いからと言って、深部静脈血栓症または肺塞栓と診断されるわけではないが、逆にD-dimer が正常であれば、これらの疾患は極めて高い可能性で否定することができる。
肺塞栓が疑われた場合は上記の検査に加えて、血液ガス分析、胸部レントゲン写真、心電図、心エコー検査が必要である。近年は、下肢静脈エコーや全身造影CT、D-dimer の組み合わせによってほとんどの症例で診断可能であるため、下肢静脈造影や肺動脈造影と言った侵襲的な検査の施行頻度は低下しているのが現状である。なお、下肢静脈エコーは深部静脈血栓症の診断には必要不可欠な検査であるが、実施者のテクニックにより、診断率が変わる可能性があるため、熟練したスタッフによる施行が望ましい(熟練したスタッフを養成しておく必要がある)。

(3)病理検査所見
脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓に関しては病理検査が行われることはない。
腎に関しては、安定期になって生検がなされる場合がある。

(4)発生機序(医薬品ごとの特徴を含む)
血栓症の発症機序は医薬品の系統により異なっている(不明なものも多い)。
抗線溶薬(トラネキサム酸、アプロチニン):各種出血に対してしばしば用いられている。トラネキサム酸は感冒薬の一剤として処方する臨床医も少なくない。しかし、線溶(血栓溶解)機序は過剰に形成された血栓を溶解しようとする生体の防御反応的な側面もあり、凝固活性化状態にある患者に対して、安易に抗線溶薬を用いると、全身性の血栓症を発症する。特に、DIC ではたとえ出血傾向にあったとしても、抗線溶薬を単独で用いることは避けるべきである(全身性血栓症に伴う重篤な症例の報告もある)。線溶優位型DIC に対しては、ヘパリン類の併用下に抗線溶薬を用いると出血に対してしばしば著効するが、専門医に相談できない場合は行わない方が良い(線溶優位型DIC に対しては、メシル酸ナファモスタットも有効)。
ワルファリン:血栓症、特に静脈血栓症(凝固活性化を主病態とする血栓症:DVT/PE、心房細動など)患者における血栓症予防目的としてしばしば投与される。本薬はビタミンK の拮抗薬であり、ビタミンK 依存性凝固因子(第II、VII、IX、X 因子)の活性を低下させることで抗凝固活性を発揮する。しかし、同時にビタミンK 依存性凝固阻止因子であるプロテインC、プロテインS の活性も低下させるため(半減期の短いプロテインC は急激に低下)、ワルファリン導入時に一時的に凝固活性化状態になる。特に、先天性プロテインC 欠損症患者では著しい凝固活性化状態となり、DIC と類似した病態である「電撃性紫斑病」を発症する。先天性プロテインC 欠損症に対して本薬を用いる場合は、INR(internationalnormalized ratio)(またはトロンボテスト)がコントロール域に達するまでは、ヘパリン類を併用すべきである。
ダナゾール:本薬は子宮内膜症に対して適応を有している。血中プロテインC 量を増加させる作用があるために、先天性プロテインC 欠損症患者に用いられた歴史もあるが、むしろ凝固活性化状態となる。機序については不明な点が多い。血小板数増加、アンチトロンビンの低下が一因と
する報告もある。
卵胞・黄体ホルモン配合剤:本薬の使用により生体内でのトロンビン産生が増加して凝固活性化をきたすという報告がいくつか見られるが、その機序については不明な点が多い。凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインS、TFPI(tissue factor pathway inhibitor)の血中濃度が低下するという報告がある。
副腎皮質ステロイド薬:凝固因子産生が亢進する、vWF(von Willebrandfactor)活性が上昇する、血小板活性が亢進する、線溶抑制状態になるといった報告が見られるが不明な点が多い7)。なお、副腎皮質ステロイド薬を必要とする病態(特に膠原病)ではしばしば抗リン脂質が出現し、このことも血栓傾向の重要な原因になっているものと考えられる。
L-アスパラギナーゼ:本薬は、急性リンパ性白血病などのリンパ性悪性疾患に対して使用される抗がん剤である。肝での蛋白合成抑制を反映して凝固第V、VII、VIII、IX、X、XI、フィブリノゲンといった凝固因子活性が低下するが、凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインC、プロテインS も低下するため、出血・血栓のいずれにも傾斜しやすい不安定な血栓止血病態となる。脳梗塞、DVT(deep vein thrombosis)、PE(pulmonary embolism)の報告が見られる。
遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤:本薬は血友病インヒビターや後天性血友病の止血目的に適応のある製剤である。本薬が承認される前は、外因系凝固機序を活性化する本薬の作用機序から、血栓症合併の頻度が高いのではないかと懸念されていたが、実際には血栓症の合併症は極めて少ないようである。しかしながら、皆無というわけではなく、警鐘を鳴らすような報告も見られる。
トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA):本薬は、急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia: APL)の分化誘導治療薬である。本薬は、APL のDIC に対しても優れた効果を発揮する。その機序として、ATRA によりAPL 細胞のTF 発現が抑制されることが知られているが、加えてAPL の線溶活性化に重要な役割を演じているアネキシンII の発現も強力に抑制する8)。そのためか血栓症合併の報告がある。特に、ATRAに抗線溶療法も併用すると全身性の血栓傾向をきたす。

(5)副作用発現頻度
報告の多い医薬品は以下のとおり。
ダナゾール、卵胞・黄体ホルモン配合剤、副腎皮質ステロイド薬、トラネキサム酸、トラジロール、L-アスパラギナーゼ、遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤、トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA)、ワルファリン
3.副作用の判別基準(判別方法)
抗線溶薬、遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤、ATRA と抗線溶薬の併用、L-アスパラギナーゼ、先天性プロテインC 欠損症患者に対するワルファリン投与など、凝固線溶系に直接影響を及ぼす医薬品投与中の血栓症は副作用と考えるのが妥当である。

卵胞・黄体ホルモン配合剤、副腎皮質ステロイド薬投与中の血栓症は、必ずしも副作用と断言しえない場合がある。
特に、抗リン脂質抗体を有した膠原病患者に対して副腎皮質ステロイド薬を投与している間にみられた血栓症に関しては、副作用というよりも、抗リン脂質抗体症候群と診断すべきであろう。

4.判別が必要な疾患と判別方法
抗リン脂質抗体症候群は、
血栓症(動脈、静脈のいずれもあり)、習慣性流産といった臨床症状を有し、抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体またはループスアンチコアグラントの少なくとも一方)が陽性である場合に診断される。診断基準上、3 ヶ月後に再現性を確認する必要がある。また、副腎皮質ステロイド薬内服中の患者で大腿骨頭壊死をきたし手術が必要になった症例において、周術期に深部静脈血栓症、肺塞栓を発症した場合は、医薬品の副作用というよりも手術関連の血栓症と考える方が妥当であろう。

5.治療方法
医薬品の副作用による血栓症が疑われた場合には、速やかに疑われた医薬品を中止する。
また血栓部位関連の専門医の指導の元で抗血栓療法を行う。
抗血栓療法は、抗血小板療法(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプロストなど)、抗凝固療法(標準ヘパリン、低分子ヘパリン、ダナパロイドナトリウム、ワルファリンなど)、線溶療法(ウロキナーゼ、t-PA など)に分類されるが、急性期は経静脈的に投与する医薬品、慢性期は経口的に投与する医薬品を使用することが多い。
薬物投与に伴う合併症としての血栓症であっても、他の血栓症の危険因子を合わせ持つ場合は、慢性期の抗血栓療法を継続する場合がある。この場合は、血小板活性化を主病態とする動脈血栓症に対しては抗血小板療法、凝固活性化を主病態とする静脈血栓症に対しては抗凝固療法を行うというのが基本的考えである。
典型的症例概要
【症例1】20 歳代、女性
20 cm 以上の血腫、鼻出血で入院。急性前骨髄球性白血病(APL)と診断。血小板 0.7 万/μL、線溶優位型DIC の合併あり。
第1病日より、ATRA、トラネキサム酸、副腎皮質ステロイド薬が速やかに投与され、第2病日からイダルビシンが投与された。第2病日中より、血中BUN、クレアチニンが上昇し、尿量は1日1000 mL 未満となった。腫瘍崩壊症候群が疑われ、イダルビシンは中止された。しかし、患者は無尿状態となり、体重増加、低酸素血症、胸水、浮腫、意識障害も出現し、ATRA 症候群が疑われた。ATRAは、第3 病日に中止されデキサメタゾン大量療法が行われた。APL 治療開始5日後には、体重20 kg 増加、高血圧症、高度腎障害のため、透析が必要となった。イダルビシンは、4 日間の中断後に再開されATRA は2 週間後に再開された。
APL は寛解状態となったが、腎不全は持続し透析は継続されている。腎生検では、急性腎皮質壊死と皮質内中動脈血栓の所見が得られた。(解説)APL に対して、ATRA と抗線溶療法の併用により、血栓が原因の腎不全を急激に発症している。重症の出血と、著明な線溶活性化所見がみられる場合であっても、安易に抗線溶療法を行うべきではないと考えられる。APL に対する、ATRA と抗線溶療法では、腎臓以外に、肺塞栓、心筋梗塞、脳梗塞などの血栓症合併も知られており、死亡例の報告も多い。

【症例2】60 歳代、女性
閉経に伴う症状に対して、8 年以上にわたりホルモン療法(結合型エストロゲン 0.625 mg/日、酢酸メドロキシプロゲステロン 2.5 mg/日)を受けていた。2 日以上にわたり、2 回の一過性脳虚血発作症状(TIA:10〜20 分持続する軽度の右半身不全麻痺)が出現した。MRI では異常はみられなかったものの、MRA において左中大脳動脈に高度狭窄がみられた。TIA 症状後20 日弱経過して、右半身完全麻痺が出現した。血液検査では、プロテインC 活性は70%であったが、プロテインS 活性は29%と低下していた。ホルモン療法を中止したところ、プロテインS 活性は53%に回復した。
(解説)この論文の著者らも考察しているように、元々存在した中大脳動脈の狭窄に加えて、ホルモン療法に伴うプロテインS 活性の低下が、脳梗塞を誘発した可能性が高く、定期的な凝血学的検査が必要である。
血栓症は種々の臓器で発症しうるため、血液内科(血管内科)、血管外科、神経内科、脳外科、循環器内科、循環器外科、呼吸器内科などと綿密に連絡をとりあって、診療にあたる必要がある。
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