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医薬品の副作用でおきる血栓
血栓症


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血栓症
thrombosis」([thromb-]=凝血:[-osis]=〜の状態)

  • 血液は血管内にある限り固まらないのが普通で、
    • 血液は体外に取り出すとゲル状になり、時間が経つと、それから液体(=血清)が分離する。
  • 線維素溶解や抗凝固物質の働きにもかかわらず血液凝固が血管内で起きることがある。それは動脈硬化・外傷・感染などで血管の内皮が凸凹になるため、血小板の粘着性が高まり、血流が悪くなって、その部位の血液凝固因子の濃度が上昇してしまうため。
  • 血栓症
    • 外傷を受けていない血管内での血液凝固を血栓症という。
  • 血栓(thrombus)が溶解されずに残っていると、血管壁から剥がれて血中に流れ出す。
    • このようにして流れ出した血栓や血管内に入った空気、骨折部位からの脂肪組織・細胞破片などが血流に流れ出しものを『塞栓embolus』という。→「肺塞栓症
  • 血液中に糖分や脂肪が多いと、それらが赤血球の表面にくついて、赤血球が硬くなり、毛細血管の7mmの間隙を通過出来なくなったり、血栓が出来やすくなる。


(血栓症の症状)
  • 「手足のマヒやしびれ」、
    「しゃべりにくい」、
    「胸の痛み」、
    「呼吸困難」、
    「片方の足の急激な痛みや腫れ」


深部静脈血栓症


前脛骨区画症候群
  • 四肢の筋肉は骨や強い膜で囲まれている。激しい運動や骨折で区画内の圧力が上がり、筋肉内の血液の流れが悪くなり、その状態が長期間続くと筋肉が壊死する。また、関節が固まり機能障害を起こすこともある。突然発症して激しい痛みを伴う急性型(骨折などの外傷後に起きる)と、運動中に痛むなり安静にすると痛みが無くなる慢性型がある。


圧挫症候群
  • 阪神大地震で話題になった。





血栓症
thrombosis
「血管内または心臓内に凝血が形成されるもの。」
塞栓症
embolism
「血管内の異常な物理的な塊が発生場所から流れて他臓器の小さな血管に陥入した状態。
「血管内の塊を塞栓(embolus)と呼ぶ。」→「肺塞栓」
「塞栓の発生源として最も多いのが血栓(thromrus)」
梗塞症
ingfarction
「塞栓症の結果、組織に限局性壊死がおこれば梗塞(infarct)を生じる。
「梗塞の発生した病態を梗塞症という。」





血栓症
(厚労省) 血小板数の増加、アンチトロンビンVの低下、血中免疫複合体の関与など、何らかの要因により凝固経が亢進し、血栓が形成される状態。
主に脳血栓症、肺血栓症。
脳血栓症では言語障害や後遺症が認められる症例や死亡例も報告されている
症状 血栓が塞栓を起こした部位により、頭痛、胸痛、腹痛を生じる。
頭蓋内血栓では、激しい頭痛、頭蓋内圧亢進による嘔吐、視神経乳頭浮腫による視覚障害を合わせて訴える場合もある。
原因となる主な薬剤 ダナゾール、副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン)など





血栓症Thrombosis  (厚生労働省
同義語:血栓、血栓塞栓症、塞栓症、
梗塞(脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症) 
血のかたまり(血栓)が血管に突然つまることで起きる「血栓症」は、医薬品によって引き起こされる場合もあります。何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
  • 「手足のまひやしびれ」、
    「しゃべりにくい」、
    「胸の痛み」、
    「呼吸困難」、
    「片方の足の急激な痛みや腫れ」


1.血栓症とは?
  • 血栓症とは、血のかたまり(血栓)で血管が突然つまる病気です。どこの血管がつまるかによって、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症など病名が変わってきます。
  • 症状は、どこの血管がつまるかによって変わりますが、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが共通した特徴です。
    1. 脳梗塞では、「手足のまひやしびれ」、「しゃべりにくい」といった症状、
    2. 心筋梗塞や肺塞栓では「胸の痛み」や「呼吸困難」、
    3. 深部静脈血栓症では「片方の足の急激な痛みや腫れ」
    がみられます。また、腎臓にできた血栓で腎不全になる場合もあります。
    女性ホルモンや副腎皮質ステロイド薬、止血剤、白血病治療薬などの医薬品の服用によりみられることがありますが、手術(特に足の整形外科手術、産婦人科手術)後に、深部静脈血栓症や肺塞栓を発症して、急変することがあることも知っておく必要があります。
    1. 副作用で血栓症を起こす医薬品(平成18年10月集計)
      1. ヘパリンナトリウム 2件
      2. デソゲストレル・エチニルエストラジオール 2件
      3. 酢酸メドロキシプロゲステロン 1件
      4. フルバスタチンナトリウム 1件
      5. ホスフェストロール 1件
      6. レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール 1件
      7. 塩酸セビメリン水和物 1件
      8. 塩酸ラロキシフェン 1件
2.早期発見と早期対応のポイント
  • 「手足のまひやしびれ」、「しゃべりにくい」、「胸の痛み」、「呼吸困難」、「片方の足の急激な痛みや腫れ」といった症状が見られた場合で医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。
    突然発症するため早期発見はなかなか難しいのですが、急激な病状の変化がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師、薬剤師に連絡してください。なお、深部静脈血栓症では、その血栓の一部がはがれて肺に飛んで肺動脈をつまらせると肺塞栓になりますので、深部静脈血栓症と肺塞栓は同時にみられることもあります。
    (参考)
    • 飛行機内では、足をあまり動かせないこととも関連して、深部静脈血栓症や肺塞栓をきたすことがあることが知られており、エコノミークラス症候群やロングフライト血栓症などと言うこともあります。





1.早期発見と早期対応のポイント
  • 血栓症とは、血栓で血管が突然閉塞する病気であり、どこの血管が閉塞するかによって、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症など病名が変わる。血栓症の症状は、どの部位の血管が閉塞するかによって異なり、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが共通した特徴である。

(1)早期に認められる症状
  • どの部位の血管が閉塞するかによって異なり、ほとんど何の前触れもなく突然発症することが多い。
  • 脳梗塞
    • 四肢の脱力・麻痺、感覚障害(複視、霧視、盲点の拡大)、構語障害、嘔吐・吐き気、頭痛
  • 心筋梗塞
    • 胸痛、不整脈、心不全症状、ショック
  • 深部静脈血栓症
    • 急激な片側下肢(まれに上肢)の腫脹・疼痛・しびれ、発赤、熱感
  • 肺塞栓
    • 胸痛、突然の息切れ、呼吸困難、血痰・喀血、ショック、意識消失
  • 網膜血栓
    • 突然の視力障害

(2)副作用の好発時期
  • 医薬品を投与してまもなく発症するもの(抗線溶薬など)から、相当期間(数週間から数ヶ月、あるいは数年以上経過することもある)経過してから発症するもの(ホルモン製剤、副腎皮質ステロイド薬)まで種々である。

(3)患者側のリスク因子
  • この点を明らかにした報告はないが、動脈血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症など)は、動脈硬化の危険因子である糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症などを有した患者で発症しやすい可能性がある。
  • 静脈血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓など)は、長期臥床、脱水、多血症、肥満、妊娠、下肢骨折、下肢麻痺、癌、心不全、ネフローゼ症候群、静脈血栓症の既往などを有した患者で発症しやすい可能性がある。
  • 血栓性素因として、先天性アンチトロンビン欠損症、プロテインC 欠損症、プロテインS 欠損症の患者では元来静脈血栓症をきたしやすい。抗リン脂質抗体症候群(あるいは抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントのいずれか一方以上の抗リン脂質抗体検査が陽性の患者)、高リポ蛋白a(Lp(a))血症、高ホモシステイン血症の患者では、元来、動脈または静脈の血栓症をきたしやすい。

(4)投薬上のリスク因子
  • 抗線溶薬(トラネキサム酸):
    • 播種性血管内凝固症候群(DIC)あるいは凝固活性化状態にある患者に対して抗凝固療法を併用することなく抗線溶薬を投与すると、投与直後に全身性の重篤な血栓症を発症することがある。致命的な出血のみられる線溶優位型DIC に対して、止むを得ずヘパリン類併用下に抗線溶薬を投与する場合も(必ず専門医のコントロール下において)、少量から漸増し、線溶活性化がコントロールされたら速やかに中止する。
  • ワルファリン
    • 先天性プロテインC 欠損症患者では、ワルファリン導入時に電撃性紫斑病を発症するため、導入時にはヘパリン類を併用する。ワルファリンを開始する患者では、血栓性素因の検索、電撃性紫斑病の予防の両観点から、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンの測定を行う。
  • ダナゾール、卵胞・黄体ホルモン配合剤及び副腎皮質ステロイド薬:
    • 血栓症の合併症が見られた患者は、投与期間が長い傾向にあるが、比較的短期間でみられる場合もある。特に、抗リン脂質抗体陽性の膠原病患者に対して、副腎皮質ステロイドを投与する場合は、血栓症を誘発しやすい可能性がある。
  • L-アスパラギナーゼ:
    • 本薬を投与して1週間くらい経過すると、明らかな凝固因子、凝固阻止因子(アンチトロンビン、プロテインC、プロテインS)の低下がみられるようになり注意が必要である。
  • 遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤:
    • 血栓症の副作用の見られた症例の過半数では、医薬品の投与24 時間以内に発症し、また4割の症例では他の止血剤の併用がなされていると報告されている。用量との関連は明らかにされていない。
  • トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA):
    • ATRA に抗線溶療法も併用すると全身性の血栓傾向をきたしやすい(ATRA と抗線溶剤は併用禁忌)。しばしば、本治療直後に発症する。

(5)患者若しくは家族等が早期に認識しうる症状(医療関係者が早期に認識しうる症状)前述のように、血栓症の部位によって臨床症状は異なるが、突然発症することが共通した特徴である。前兆となるような症状はほとんどない場合が多い。


(6)早期発見に必要な検査と実施時期
  • 血栓症は突然発症することが特徴であるため、血栓症を合併しうることが知られている医薬品を使用する場合には、定期的に
  • 凝血学的マーカー(凝固活性化マーカー を追跡するのが良い。
    ただし、それにもかかわらず、前もって凝固活性化状態を把握できないまま血栓症を発症する場合も多い。







2.副作用の概要
(1)臨床症状
  • 脳梗塞
    • 四肢の脱力・麻痺、感覚障害(複視、霧視、盲点の拡大)、構語障害、嘔吐・吐き気、頭痛
  • 心筋梗塞
    • 胸痛、不整脈、心不全症状、ショック
  • 深部静脈血栓症
    1. 急激な片側下肢(まれに上肢)の腫脹・疼痛・しびれ、発赤、熱感
    2. 副作用で深部静脈血栓症を起こす医薬品(平成17年7月集計)
      1. 塩酸ラロキシフェン 9件
      2. バルサルタン 4件
      3. テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム 4件
      4. シスプラチン 4件
      5. リスペリドン 3件
      6. パクリタキセル 3件
      7. 酢酸メドロキシプロゲステロン 2件
      8. トラネキサム酸 2件
      9. 酒石酸ビノレルビン 2件
      10. 塩酸ゲムシタビン 2件
      11. その他 23件
    3. 副作用で深部静脈血栓症を起こす医薬品(平成18年10月集計)
      1. 塩酸ラロキシフェン 13件
      2. プレドニゾロン 6件
      3. レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール 4件
      4. ヘパリンナトリウム 4件
      5. パクリタキセル 3件
      6. オランザピン 2件
      7. リツキシマブ(遺伝子組換え) 2件
      8. シクロスポリン 2件
      9. カルボプラチン 2件
      10. ダナパロイドナトリウム 2件
      11. その他 21件
  • 肺塞栓
    1. 胸痛、突然の息切れ、呼吸困難、血痰・喀血、ショック、意識消失
    2. 副作用で肺動脈血栓症を起こす医薬品(平成18年10月集計)
      1. レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール 2件
      2. 塩酸ブレオマイシン 1件
      3. ダルテパリンナトリウム 1件
      4. デソゲストレル・エチニルエストラジオール 1件
      5. トレチノイン 1件
      6. ノルエチステロン・エチニルエストラジオール 1件
      7. ヘパリンナトリウム 1件
      8. シクロスポリン 1件
      9. ワルファリンカリウム 1件
  • 網膜血栓
    • 突然の視力障害
  • 大脳静脈血栓症
    1. 副作用で大脳静脈血栓症を起こす医薬品(平成17年7月集計)
      1. 酢酸リュープロレリン 2件
      2. 吉草酸エストラジオール 2件
      3. グリセリン 2件
      4. コハク酸プレドニゾロンナトリウム 2件
      5. プレドニゾロン 2件
      6. L−アスパラギナーゼ 2件
      7. ノルゲストレル・エチニルエストラジオール 1件
      8. シクロスポリン 1件



(2)臨床検査(画像検査を含む)
  • 脳梗塞
    • 症状などから疑われた場合は、速やかに頭部CT、脳MRI などの検査を行う。ただし、CT では発症間も無い場合には所見が得られない場合がある。
  • 心筋梗塞
    • 疑われた場合は、速やかに心電図、胸部レントゲン写真、心エコー、血液検査などを行う。

  • 深部静脈血栓症肺塞栓
    • 疑われた場合は、速やかに下肢静脈エコー、全身造影CT(胸部から下肢まで)を行う。造影CT で、肺動脈の大血管内血栓の有無は評価可能であるが、肺末梢循環に関しては肺血流スキャンを行う(原則として肺換気スキャンとともに)。
      また、D-dimer(血液凝固時に形成されるfibrin の重合体が線溶系の働きで分解した時に産生されるfibrin fragment ダイマー)の測定はnegativepredictive value(陰性的中率)としての意義が極めて高い。すなわち、D-dimer が高いからと言って、深部静脈血栓症または肺塞栓と診断されるわけではないが、逆にD-dimer が正常であれば、これらの疾患は極めて高い可能性で否定することができる。
      肺塞栓が疑われた場合は上記の検査に加えて、血液ガス分析、胸部レントゲン写真、心電図、心エコー検査が必要である。近年は、下肢静脈エコーや全身造影CT、D-dimer の組み合わせによってほとんどの症例で診断可能であるため、下肢静脈造影や肺動脈造影と言った侵襲的な検査の施行頻度は低下しているのが現状である。なお、下肢静脈エコーは深部静脈血栓症の診断には必要不可欠な検査であるが、実施者のテクニックにより、診断率が変わる可能性があるため、熟練したスタッフによる施行が望ましい(熟練したスタッフを養成しておく必要がある)。


(3)病理検査所見
  • 脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓に関しては病理検査が行われることはない。
    腎に関しては、安定期になって生検がなされる場合がある。



(4)発生機序(医薬品ごとの特徴を含む)
血栓症の発症機序は医薬品の系統により異なっている(不明なものも多い)。
  • 抗線溶薬(トラネキサム酸、アプロチニン)
    • 各種出血に対してしばしば用いられている。トラネキサム酸は感冒薬の一剤として処方する臨床医も少なくない。しかし、線溶(血栓溶解)機序は過剰に形成された血栓を溶解しようとする生体の防御反応的な側面もあり、凝固活性化状態にある患者に対して、安易に抗線溶薬を用いると、全身性の血栓症を発症する。特に、DIC ではたとえ出血傾向にあったとしても、抗線溶薬を単独で用いることは避けるべきである(全身性血栓症に伴う重篤な症例の報告もある)。線溶優位型DIC に対しては、ヘパリン類の併用下に抗線溶薬を用いると出血に対してしばしば著効するが、専門医に相談できない場合は行わない方が良い(線溶優位型DIC に対しては、メシル酸ナファモスタットも有効)。
  • ワルファリン
    • 血栓症、特に静脈血栓症(凝固活性化を主病態とする血栓症:DVT/PE、心房細動など)患者における血栓症予防目的としてしばしば投与される。本薬はビタミンK の拮抗薬であり、ビタミンK 依存性凝固因子(第II、VII、IX、X 因子)の活性を低下させることで抗凝固活性を発揮する。しかし、同時にビタミンK 依存性凝固阻止因子であるプロテインC、プロテインS の活性も低下させるため(半減期の短いプロテインC は急激に低下)、ワルファリン導入時に一時的に凝固活性化状態になる。特に、先天性プロテインC 欠損症患者では著しい凝固活性化状態となり、DIC と類似した病態である「電撃性紫斑病」を発症する。先天性プロテインC 欠損症に対して本薬を用いる場合は、INR(internationalnormalized ratio)(またはトロンボテスト)がコントロール域に達するまでは、ヘパリン類を併用すべきである。
  • ダナゾール
    • 本薬は子宮内膜症に対して適応を有している。血中プロテインC 量を増加させる作用があるために、先天性プロテインC 欠損症患者に用いられた歴史もあるが、むしろ凝固活性化状態となる。機序については不明な点が多い。血小板数増加、アンチトロンビンの低下が一因と
      する報告もある。
  • 卵胞・黄体ホルモン配合剤
    • 本薬の使用により生体内でのトロンビン産生が増加して凝固活性化をきたすという報告がいくつか見られるが、その機序については不明な点が多い。凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインS、TFPI(tissue factor pathway inhibitor)の血中濃度が低下するという報告がある。
  • 副腎皮質ステロイド薬
    • 凝固因子産生が亢進する、vWF(von Willebrandfactor)活性が上昇する、血小板活性が亢進する、線溶抑制状態になるといった報告が見られるが不明な点が多い。なお、副腎皮質ステロイド薬を必要とする病態(特に膠原病)ではしばしば抗リン脂質が出現し、このことも血栓傾向の重要な原因になっているものと考えられる。
  • L-アスパラギナーゼ
    • 本薬は、急性リンパ性白血病などのリンパ性悪性疾患に対して使用される抗がん剤である。肝での蛋白合成抑制を反映して凝固第V、VII、VIII、IX、X、XI、フィブリノゲンといった凝固因子活性が低下するが、凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインC、プロテインS も低下するため、出血・血栓のいずれにも傾斜しやすい不安定な血栓止血病態となる。脳梗塞、DVT(deep vein thrombosis)、PE(pulmonary embolism)の報告が見られる。
  • 遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤
    • 本薬は血友病インヒビターや後天性血友病の止血目的に適応のある製剤である。本薬が承認される前は、外因系凝固機序を活性化する本薬の作用機序から、血栓症合併の頻度が高いのではないかと懸念されていたが、実際には血栓症の合併症は極めて少ないようである。しかしながら、皆無というわけではなく、警鐘を鳴らすような報告も見られる。
  • トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA):
    • 本薬は、急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia: APL)の分化誘導治療薬である。本薬は、APL のDIC に対しても優れた効果を発揮する。その機序として、ATRA によりAPL 細胞のTF 発現が抑制されることが知られているが、加えてAPL の線溶活性化に重要な役割を演じているアネキシンII の発現も強力に抑制する8)。そのためか血栓症合併の報告がある。特に、ATRAに抗線溶療法も併用すると全身性の血栓傾向をきたす。



(5)副作用発現頻度・・・報告の多い医薬品は以下のとおり。
  • ダナゾール、
  • 卵胞・黄体ホルモン配合剤、
  • 副腎皮質ステロイド薬、
  • トラネキサム酸、
  • トラジロール、
  • L-アスパラギナーゼ、
  • 遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤、
  • トレチノイン(all-trans retinoic acid: ATRA)、
  • ワルファリン





3.副作用の判別基準(判別方法)
  1. 抗線溶薬、遺伝子組換え血液凝固活性型第VII 因子製剤、ATRA と抗線溶薬の併用、L-アスパラギナーゼ、先天性プロテインC欠損症患者に対するワルファリン投与など、凝固線溶系に直接影響を及ぼす医薬品投与中の血栓症は副作用と考えるのが妥当である。
  2. 卵胞・黄体ホルモン配合剤、副腎皮質ステロイド薬投与中の血栓症は、必ずしも副作用と断言しえない場合がある。
  3. 特に、抗リン脂質抗体を有した膠原病患者に対して副腎皮質ステロイド薬を投与している間にみられた血栓症に関しては、副作用というよりも、抗リン脂質抗体症候群と診断すべきであろう。



4.判別が必要な疾患と判別方法
  • 抗リン脂質抗体症候群は、
    • 血栓症(動脈、静脈のいずれもあり)、習慣性流産といった臨床症状を有し、抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体またはループスアンチコアグラントの少なくとも一方)が陽性である場合に診断される。診断基準上、3 ヶ月後に再現性を確認する必要がある。また、副腎皮質ステロイド薬内服中の患者で大腿骨頭壊死をきたし手術が必要になった症例において、周術期に深部静脈血栓症、肺塞栓を発症した場合は、医薬品の副作用というよりも手術関連の血栓症と考える方が妥当であろう。



5.治療方法
  1. 医薬品の副作用による血栓症が疑われた場合には、速やかに疑われた医薬品を中止する。
  2. また血栓部位関連の専門医の指導の元で抗血栓療法を行う。
    抗血栓療法は、抗血小板療法(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプロストなど)、抗凝固療法(標準ヘパリン、低分子ヘパリン、ダナパロイドナトリウム、ワルファリンなど)、線溶療法(ウロキナーゼ、t-PA など)に分類されるが、急性期は経静脈的に投与する医薬品、慢性期は経口的に投与する医薬品を使用することが多い。
  3. 薬物投与に伴う合併症としての血栓症であっても、他の血栓症の危険因子を合わせ持つ場合は、慢性期の抗血栓療法を継続する場合がある。この場合は、血小板活性化を主病態とする動脈血栓症に対しては抗血小板療法、凝固活性化を主病態とする静脈血栓症に対しては抗凝固療法を行うというのが基本的考えである。





典型的症例概要
【症例1】20 歳代、女性
  • 20 cm 以上の血腫、鼻出血で入院。急性前骨髄球性白血病(APL)と診断。血小板 0.7 万/μL、線溶優位型DIC の合併あり。
    第1病日より、ATRA、トラネキサム酸、副腎皮質ステロイド薬が速やかに投与され、第2病日からイダルビシンが投与された。第2病日中より、血中BUN、クレアチニンが上昇し、尿量は1日1000 mL 未満となった。腫瘍崩壊症候群が疑われ、イダルビシンは中止された。しかし、患者は無尿状態となり、体重増加、低酸素血症、胸水、浮腫、意識障害も出現し、ATRA 症候群が疑われた。ATRAは、第3 病日に中止されデキサメタゾン大量療法が行われた。APL 治療開始5日後には、体重20 kg 増加、高血圧症、高度腎障害のため、透析が必要となった。イダルビシンは、4 日間の中断後に再開されATRA は2 週間後に再開された。
    APL は寛解状態となったが、腎不全は持続し透析は継続されている。腎生検では、急性腎皮質壊死と皮質内中動脈血栓の所見が得られた。(解説)APL に対して、ATRA と抗線溶療法の併用により、血栓が原因の腎不全を急激に発症している。重症の出血と、著明な線溶活性化所見がみられる場合であっても、安易に抗線溶療法を行うべきではないと考えられる。APL に対する、ATRA と抗線溶療法では、腎臓以外に、肺塞栓、心筋梗塞、脳梗塞などの血栓症合併も知られており、死亡例の報告も多い。

【症例2】60 歳代、女性
  • 閉経に伴う症状に対して、8 年以上にわたりホルモン療法(結合型エストロゲン 0.625 mg/日、酢酸メドロキシプロゲステロン 2.5 mg/日)を受けていた。2 日以上にわたり、2 回の一過性脳虚血発作症状(TIA:10〜20 分持続する軽度の右半身不全麻痺)が出現した。MRI では異常はみられなかったものの、MRA において左中大脳動脈に高度狭窄がみられた。TIA 症状後20 日弱経過して、右半身完全麻痺が出現した。血液検査では、プロテインC 活性は70%であったが、プロテインS 活性は29%と低下していた。ホルモン療法を中止したところ、プロテインS 活性は53%に回復した。
    (解説)この論文の著者らも考察しているように、元々存在した中大脳動脈の狭窄に加えて、ホルモン療法に伴うプロテインS 活性の低下が、脳梗塞を誘発した可能性が高く、定期的な凝血学的検査が必要である。
血栓症は種々の臓器で発症しうるため、血液内科(血管内科)、血管外科、神経内科、脳外科、循環器内科、循環器外科、呼吸器内科などと綿密に連絡をとりあって、診療にあたる必要がある。





抗血栓剤
経口抗凝固剤
(クマリン系)
クマリン誘導体
ワルファリンカリウム ワーファリン
血液凝固阻止剤 乾燥濃縮アンチトロンビンV 「アンスロビンP」
「献血ノンスロン」
「ノイアート」
乾燥濃縮人活性プロテインC 「アナクトC」
ダナバロイドナトリウム 「オルガラン」
輸血用クエン酸ナトリウム 「輸血用チトラミン
血小板凝集抑制剤 アスピリン バイアスピリン
イコサペント酸エチル エパデール
「ソルラミン」
塩酸サルボグレラート 「アンプラーグ」
塩酸チクロピジン パナルジン
オザグレルナトリウム 「オアグレルNa[MEEK]」
「オキリコン」
「カタクロット」
「キサンボン」
合剤 「バファリン」
シロスタゾール 「プレタール」
リマプロストアルファデスク 「オパルモン」
「プロレナール」
血栓溶解剤

(プラスミノーゲン賦活薬)
アルテプラーゼ アクチバシン
「グルトパ」
ウロキナーゼ ウロキナーゼ
チソキナーゼ 「ハパーゼ」
「プラスベータ」
ナサルプラーゼ 「トロンボリーゼ」
ナテプラーゼ 「ミライザー」
バトロキソビン 「デフィブラーゼ」
パミテプラーゼ 「ソリナーゼ」
モンテプラーゼ 「クリアクター」
抗トロンピン薬 アルガトロパン スロンノン
「ノバスタン」
ヘパリン製剤
(抗ヘパリン製剤)
ダルテパリンナトリウム 「フラグミン」
パルナパリンナトリウム 「ローヘパ」
ヘパリンカルシウム カプロシン
「ヘパリンカルシウム」
「ノパカリン」
ヘパリンナトリウム 「ノボ・ヘパリン」
「ヘパリンアトリウム」
硫酸プロタミン 「ノボ・硫酸プロタミン」
レビパリンナトリウム 「クリバリン」
「ローモリン」
副作用
厚生労働省は2008年3/10、米国内で副作用が疑われる事例が相次いだため、国内メーカー3社が自主回収を始めたと発表。
ヘパリン製剤は一般的な手術や透析治療に欠かせない。

@ヘパリンを投与された血液透析患者54例において、抗PF4-ヘパリン複合体抗体の上昇と心血管系死亡率及び全原因死亡率のリスク増加のあいだに相関が見られた
Aヘパリンカルシウムの使用により「頭蓋内出血」を発症し、死亡した可能性がある症例が3症例認められた。(厚労省





ICH 国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)ver. 10.0 における主な関連用語一覧
  • 日米 EU 医薬品規制調和国際会議(ICH)において検討され、取りまとめられた「ICH 国際医薬用語集(MedDRA)」
(名称) (英語名)
  1. カテーテル関連血栓
  2. シャント血栓症
  3. 移植片血栓症
  4. 医療機器内血栓
  5. 陰茎海綿体血栓症
  6. 陰茎静脈血栓症
  7. 横静脈洞血栓症
  8. 化膿性血栓静脈炎
  9. 海綿静脈洞血栓症
  10. 冠状動脈血栓症
  11. 冠動脈バイパス血栓症
  12. 感染性血栓症
  13. 肝静脈血栓症
  14. 肝動脈血栓症
  15. 偽血栓性静脈炎
  16. 頚静脈血栓症
  17. 頚動脈血栓症
  18. 血栓後症候群
  19. 血栓塞栓性卒中
  20. 血栓症
  21. 血栓性血小板減少性紫斑病
  22. 血栓性静脈炎
  23. 血栓性静脈瘤
  24. 血栓性微小血管症
  25. 血栓性閉塞性血管炎
  26. 骨盤静脈血栓症
  27. 鎖骨下静脈血栓症
  28. 鎖骨下動脈血栓症
  29. 四肢静脈血栓症
  30. 四肢動脈血栓症
  31. 術後血栓症
  32. 術後深部静脈血栓症
  33. 小脳動脈血栓症
  34. 上矢状洞血栓症
  35. 心臓内血栓
  36. 心房血栓症
  37. 新生児血栓性静脈炎
  38. 新生児静脈血栓症
  39. 深部静脈血栓症
  40. 腎静脈血栓症
  41. 腎動脈血栓症
  42. 静脈血栓症
  43. 静脈穿刺部位血栓
  44. 大静脈血栓症
  45. 大動脈血栓症
  46. 大脳血栓症
  47. 大脳静脈血栓症
  48. 大脳動脈血栓症
  49. 注射部位血栓
  50. 注入部位血栓
  51. 腸間膜血栓症
  52. 腸間膜静脈血栓症
  53. 腸間膜動脈血栓症
  54. 腸骨動脈血栓症
  55. 椎骨動脈血栓症
  56. 頭蓋内静脈洞血栓症
  57. 動静脈移植片血栓症
  58. 動静脈瘻血栓症
  59. 動脈血栓症
  60. 妊娠中の静脈血栓症
  61. 脳幹血栓症
  62. 脳血栓
  63. 脳脊髄血栓性タンポナーデ
  64. 脳底動脈血栓症
  65. 肺血栓症
  66. 肺静脈血栓症
  67. 肺動脈血栓症
  68. 表在性血栓性静脈炎
  69. 腹腔動脈血栓
  70. 分娩後静脈血栓症
  71. 埋込み部位血栓
  72. 網膜血管血栓症
  73. 網膜静脈血栓症
  74. 網膜動脈血栓症
  75. 門脈血栓症
  76. 遊走性血栓静脈炎
  77. 腋窩静脈血栓症
  78. 脾静脈血栓症
  1. Catheter thrombosis
  2. Shunt thrombosis
  3. Graft thrombosis
  4. Thrombosis in device
  5. Thrombosis corpora cavernosa
  6. Penile vein thrombosis
  7. Transverse sinus thrombosis
  8. Thrombophlebitis septic
  9. Cavernous sinus thrombosis
  10. Coronary artery thrombosis
  11. Coronary bypass thrombosis
  12. Infective thrombosis
  13. Hepatic vein thrombosis
  14. Hepatic artery thrombosis
  15. Pseudothrombophlebitis
  16. Jugular vein thrombosis
  17. Carotid artery thrombosis
  18. Post thrombotic syndrome
  19. Thromboembolic stroke
  20. Thrombosis
  21. Thrombotic thrombocytopenic purpura
  22. Thrombophlebitis
  23. Thrombosed varicose vein
  24. Thrombotic microangiopathy
  25. Thromboangiitis obliterans
  26. Pelvic venous thrombosis
  27. Subclavian vein thrombosis
  28. Subclavian artery thrombosis
  29. Venous thrombosis limb
  30. Arterial thrombosis limb
  31. Postoperative thrombosis
  32. Deep vein thrombosis postoperative
  33. Cerebellar artery thrombosis
  34. Superior sagittal sinus thrombosis
  35. Intracardiac thrombus
  36. Atrial thrombosis
  37. Thrombophlebitis neonatal
  38. Venous thrombosis neonatal
  39. Deep vein thrombosis
  40. Renal vein thrombosis
  41. Renal artery thrombosis
  42. Venous thrombosis
  43. Venipuncture site thrombosis
  44. Vena cava thrombosis
  45. Aortic thrombosis
  46. Cerebral thrombosis
  47. Cerebral venous thrombosis
  48. Cerebral artery thrombosis
  49. Injection site thrombosis
  50. Infusion site thrombosis
  51. Thrombosis mesenteric vessel
  52. Mesenteric vein thrombosis
  53. Mesenteric artery thrombosis
  54. Iliac artery thrombosis
  55. Vertebral artery thrombosis
  56. Intracranial venous sinus thrombosis
  57. Arteriovenous graft thrombosis
  58. Arteriovenous fistula thrombosis
  59. Arterial thrombosis
  60. Venous thrombosis in pregnancy
  61. Brain stem thrombosis
  62. Thrombotic stroke
  63. Cerebrospinal thrombotic tamponade
  64. Basilar artery thrombosis
  65. Pulmonary thrombosis
  66. Pulmonary venous thrombosis
  67. Pulmonary artery thrombosis
  68. Thrombophlebitis superficial
  69. Truncus coeliacus thrombosis
  70. Postpartum venous thrombosis
  71. Implant site thrombosis
  72. Retinal vascular thrombosis
  73. Retinal vein thrombosis
  74. Retinal artery thrombosis
  75. Portal vein thrombosis
  76. Thrombophlebitis migrans
  77. Axillary vein thrombosis
  78. Splenic vein thrombosis

チェック
血栓」「深部静脈血栓症」「肺塞栓血行不良」「血行不良」「打撲」「打ち身」「下肢静脈瘤」「ガン」「心筋梗塞」「脳梗塞」「出血性素因」「エコノミークラス症候群」「ステロイドの副作用」「Dダイマー」「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)





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