吃音(きつおん)

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吃音どもり
  • ほとんどが一過性
    • 「ある相談機関で非常勤のカウンセラーをやっているかっての教え子から電話があった。「先生、大変!」。
      自分の子供が吃音になってしまったというものであった。そこには日頃の冷静な彼女の姿はなく、とても慌てている様子だった。話を聞くと、3歳の長男が急に「あ、あ、あ、あのね」と最初の音が出なくて、スムーズに話が出来なくなったという。
      「あなたがそういう相談を受けたらお母さんに何ていうの」と聞くと、「そおっとして様子をみましょうと言うと思いますが」という。「それでいいじゃないですか」という私の答えにはすぐには納得しないようだった。他人には冷静に、正しく対応できるのに我が子のことになると冷静さを失うことは父母や私どもにもよくあることである
      話すべきことが多くあるのにまだ流ちょうに話が出来ない。3歳前後には大なり小なり言葉がうまく出ないことがある。これは子供には意識されることはなく、一時的吃音とか生理的吃音を呼ばれている。ほとんどはいつの間にか消える一過性のものである。
      この吃音が起きたときに一番大切なことは、
      <1>「ゆっくり話してごらん」と注意したり、
      <2>「ちゃんと話せるから大丈夫だよ」と励ましたりしないことである。
      <3>スムーズに言葉が出た時に「上手に話せたんじゃない」などと誉めるのも良くない。
      吃音や話すことに子供の注意を向けさせ、緊張させるからである。そういうことをすると、ますます症状が重くなり長引くことにもなる。せいぜい最初の音が出ないときに、軽く「あ」と言い添えてやるくらいでいい。
      そういうことに気を付ければ、ほとんどはウソのようにスムーズに話すようになる。が、
      (1)半年以上も続いたり、
      (2)頻繁になったり、
      (3)体をひねり話す
      など症状が重くなったら専門家(スピーチ・セラピスト)に相談すべきである。
      吃音自体が悪いというのではない。ギリシャの雄弁家デモステネスは少年時代に吃音だったが、それを克服しようとして雄弁家になったし、吃音に負けじと演説上手な政治家になった人もいる。アドラーのいう補償作用のい成功した好例だが、吃音で苦しんでいる人も少なくない。初期の段階で対応を誤らずに、ゆとりを持って、暖かく楽しい会話が出来る雰囲気をつくることが大切である」