甲状腺ガンと副甲状腺ガンの判別
  • 日本医科大学と東京大学の共同チームは、区別が難しい甲状腺ガンと副甲状腺ガンを的確に見分ける手法を開発した。
    副甲状腺ガンだけを発光させる薬剤を用いる。
    18人の患者でテストした。甲状腺は首の気道の前側にある臓器で、日常生活に不可欠なホルモンを分泌している。その裏側に4つある米粒大の臓器が副甲状腺で、甲状腺とは別のホルモンを分泌し血液中のカルシウム量を調節している。
    副甲状腺が小さく甲状腺にくっついているため、「ガンがどちらの臓器にあるのか見分けたり、甲状腺摘出の際に副甲状腺を取らずに残したりするのは簡単ではない」と日本医科大学の清水一雄教授は話す。
    清水教授らは、特定のガン組織に集まる性質を持った『5アミノレブリン酸』という薬剤を経口投与することにより、病気になった副甲状腺だけを紫外線下で光らせる手法を考案、手術に応用した。2006.2.27《日経》





甲状腺ガン
チェルノブイリの原発事故
  • チェルノブイリの原発事故で、放射線で子どもが、特に5歳以下で、甲状腺がんになることがはじめて分かった。
    チェルノブイリの原発事故以後、こどもに対する摂取基準が設定された。
    大人は、特に40才以上では、放射線の影響が少なかった。
  • 放射線障害


20〜40歳代女性に多い。
  • 「日本人がよく食べる海藻に多量に含まれているヨードの摂取量と甲状腺ガンとの関係が話題になっている。
    海藻をあまり食べない低ヨード摂取地域のスイスでは、甲状腺ガンのうち、濾胞ガンや悪性度の高い未分化ガンの割合が多い。
    一方、高ヨード摂取地域の日本では、質の良い甲状腺乳頭ガンが80%を占め、特に20〜40歳代の女性に多く見られる。
    Kさんは42歳の女性。胆石症の診察時に偶然、甲状腺の右側に直径1cm大の腫瘍が見つかった。レントゲン検査で腫瘍に砂状の石灰化像がと診断された。ガンを含めて甲状腺の2/3と周りのリンパ節を切除した。5年後の現在も再発の兆候は見られない。
    もともと甲状腺は甲状軟骨(のど仏)下部の気管の左右にへばりついた蝶のような形をした内分泌腺で、種々の物質代謝を促進させる甲状腺ホルモンを分泌する。その重さは約20gと軽く、薄くて軟らかいので普段は全く気がつかない。だが、炎症や腫瘍が出来ると手に触れるようになる。
    甲状腺乳頭ガンの多くはKさんのように他の疾患の診察時にたまたま発見されるか、他の甲状腺疾患の超音波検査やレントゲン検査などで発見される。
    40歳代までに発症する乳頭ガンは発育が遅い。早期に手術すれば術後10年生存率は、90%と良好だ。
    しかし、長期間放置すると悪性度の高い未分化ガンという種類になることがある。
    もっとも未分化ガンは甲状腺ガン全体の3〜4%と少なく、60歳以上の高齢者に多い。」(木下博明・大阪市立大学医学部教授)


甲状腺の調査
  • 放射性ヨード・・・で検査
    • 高単位
      1. 一般にはあまり知られていませんが甲状腺疾患の診断のために放射性ヨード(放射性ヨウ素)は検査薬として普通に(!!)投与されています。
      2. 検査の際の投与量は3.7MBq (メガベクレル)=つまり370万ベクレルです。
  • 環境省は2013年3月、青森県弘前市、甲府市、長崎市の3〜18才の計4365人の甲状腺について調べた結果を発表した。
    1. 5_以下のしこりや20_以下の嚢胞(液体が溜まった袋)が見つかった割合は
      • 3県全体で・・・・56.5%
      • 弘前市・・・・・・57.5%
      • 甲府市・・・・・・69.3%
      • 長崎市・・・・・・42.5%
    2. 福島県の約13万3千人・・・41.2%
  • 2013年8月、東京電力福島第一原発事故によるこどもの健康への影響を調べるあめに、青森・山梨・長崎3県での甲状腺調査を継続することを環境省が決めた。福島県の「県民健康管理調査」では、従来考えていたよりも高い割合で甲状腺がんが見つかっている。







福島原発事故
甲状腺調査
  • 原子力委員会は、2011年、福島第1原発事故後3月下旬に実施した15歳までの子供約1000人を対象にした調査で、約45%の子供が甲状腺被ばくしていたことを7月に明らかにした。
  • 調査は3/26〜3/30、福島県いわき市、川俣町、飯舘村の0〜15歳の1080人にサーベイメーターで実施した。
  • 甲状腺被ばくは約45%で見つかり、実測の最高値は1歳児の年間甲状腺被爆線量で50mSvに相当する毎時0.1µSvだった。
  • ほとんどは毎時0.04µSv以下で、年間被爆線量に換算できないレベルだった。
  • 基準値として設定した毎時0.2µSvを超えた子供は専門機関で精密検査を行う方針だったが、対象者はいなかった。


異常値
  • 2011年10/4月、長野県松本市の認定NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」と信州大病院が福島県内の子供130人を対象に実施した健康調査で、甲状腺ホルモンが基準値を下回るなど、10人に甲状腺機能の数値に異常が見られた。

福島
  1. 甲状腺ガンと診断が確定した子どもは2013年11月が26人。
  2. 2014年2月、あたらに7人が増えた。
  3. 2014年5/20、福島県の「県民健康調査」の検討委員会で、福島県立医大が発表。甲状腺ガンと確定した子供は前回の2月の33人から50人に増えた。





細胞老化で
  • 2009年、京都大学の高橋智聡研究員とシャムマ・アワド研究員らは、進行ガンを抑え込むシステムが体内にあることを見つけ、4/7のキャンサー・セル(電子版)に発表。
    進行ガン患者の多くはガンを抑制する遺伝子が作り出す『Rbたんぱく質』があまり働いていないことに着目。Rbたんぱく質遺伝子を欠いたマウスを作り実験した。
    甲状腺の細胞でRbタンパク質が働かないと、ガン細胞と同様に他の細胞も増殖しやすくなったが、同時に増殖抑制作用もある細胞老化も促進された。そこで、Rbタンパク質遺伝子と細胞老化を担っている遺伝子を共に欠いたマウスを作製して、実験した。その結果、高い確率でガンができた。
    詳しく調べると、Rbタンパク質が働かないと『N-RaS』という遺伝子が作るタンパク質の成熟スピードが増して、すばやく活性化することが分かった。
    N-RaSのタンパク質が通常より約10倍活性化され、老化の関連遺伝子に働きかけていた。
    N-RaSはガン関連遺伝子としても知られ、突然変異を起こすと様々な場所でガンを引き起こす。脳下垂体では甲状腺と異なり、正常でもガンを悪化させる。


RNAが関与
  • 「米オハイオ州立大学の研究グループは、『マイクロRNA』と呼ぶ微小なRNA(リボ核酸)が甲状腺ガンの発症に関わることを突き止めた。
    研究グループは15名の患者の組織を調べた。
  • ガン化している部分では5種類のマイクロRNAが増えていたが、その周囲の一見健康そうに見える部分でも、このうち1種類が増えていた。ガン化の最初の変調である可能性がある。

甲状腺ガンの仕組み
  • 2015年、ガン抑制遺伝子2種類が機能を失うことで発症することを佐々木雄彦秋田大学教授らのチームが突き止めた。
  • 2種類の遺伝子は乳がんや前立腺ガンで機能が低下する「INPP4B」と、多くのガン細胞で欠損する「PTEN」。
  • 2つの遺伝子が作るタンパク質はいずれも、ガン発症に関わるとされる脂質を分解する働きがあり、脂質の量が少ないときはPTEN、多い時はINPP4Bと、役割分担していることが分かった。
  • 2つの遺伝子が無いときは、悪性の甲状腺ガンを発症することも判明。




(医薬品)
  • 「レンニチブ」
    • 2014年、エーザイは9月までに日本と米国、欧州で販売承認を申請する。




関連情報 ガン
Thyroid Cancer 
甲状腺腫
甲状腺肥大

橋本病
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放射線障害







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