胸腺 thymus

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胸腺 T細胞の分化を行うリンパ組織。
ヒトでは5〜15歳を頂点として成長し、それ以後は退縮しはじめ、40歳頃から脂肪組織に置き換わる
構造
機能
  1. 胸腺は左右両葉からなり、思春期に最大40gに達した後、退縮する。
  2. 胸腺は皮質と髄質に分かれ、上皮細胞の網目にリンパ球がつまって存在する。
  3. 骨髄の前T細胞が皮質に入り、上皮細胞の影響を受け、T細胞に分化し髄質から末梢リンパ組織へ移行する。
  4. 末梢リンパ組織には
    1. リンパ節
    2. ワルダイエル輪をつくる扁桃
    3. アデノイド
    4. 虫垂
    5. 腸管のpeyer板
    などがある。
  5. リンパ節はリンパ管系に介在するふるい装置で、輸入リンパ管からリンパ液をうけ、門部の輸出リンパ管へ一方向にリンパ液やリンパ球を送る。
  6. リンパ節は皮質と髄質に分けられるが、細網内皮細胞が網目構造をなし、辺縁洞に囲まれる。
  7. Bリンパ球は一次濾胞、明るい胚中心を持つ二次濾胞として皮質に分布する。胚中心を取り巻く暗殻もB細胞領域である。
  8. Tリンパ球は髄質と辺縁帯(傍皮質)にT依存領域をつくり、75%近くを占める。
  9. 洞などにはマクロファージが、間質血管周囲には形質細胞が分布する。
  10. リンパ節は異物として抗原をふるいにかけ、その情報をマクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球で分かちあった細胞性・体液性抗体を産生する
胸腺ホルモン
  • 「サイモシン」=thymosin
    • 胸腺細胞から分泌されるT細胞分化因子。
      骨髄細胞で作られた前駆体細胞は胸腺に入って分化し、成熟T細胞になるが、この際に働く因子の1つ。
    • 10数種類が確認されている
  • 「サイモポエチン」=thymopoietin
    • サイロベリン、血路ベリンともいう。
      胸腺から抽出されるT細胞分化因子の1つ
  • 「血清胸腺因子(STF)」
  • 「胸腺液体因子(THF)」
胸腺プロテアソーム (酵素)
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007年6/1、村田茂穂・東京都臨床医学総合研究所主任研究員と科学技術振興機構のチームが、ウイルスや細菌から体を守る免疫システムに必要不可欠な酵素を発見した。
その酵素は、異物を排除する『キラーT細胞』が正常に育つように制御していた。成果はサイエンスに発表。
未熟なT細胞は、心臓の近くにある「胸腺」で成熟する。この過程で、役に立つ見込みのないものや、異物ではなく自己組織と反応してしまうT細胞を死滅させ、異物を排除できる正常なT細胞だけを生かす仕組みが働いている。
研究チームは正常異なT細胞を生かす仕組みに関わっている酵素を発見した。
胸腺に現れるタンパク質分解装置のプロテアソームのため『胸腺プロテアソーム』と名づけられた。
この酵素が働かないようにしたマウスではキラーT細胞がほとんど作られなかった。
正常なT細胞を生かし、異常なものを死滅させるバランスが崩れると、異物を排除できない免疫不全や、自己組織を誤って排除する自己免疫疾患などに罹る。
T細胞 胸腺の作用を受けて成熟するのはT細胞で以下の生体反応に関与する
1.遅延型アレルギー
2.移植片拒絶反応
3.移植片対宿主反応
T細胞の生成過程を解明
2008年、東海大学の穂積勝人準教授らのグループは、免疫反応の中心を担うリンパ球の一種の『T細胞』ができる仕組みを解明した。
T細胞ができる臓器の細胞表面にあるタンパク質がカギを握っていた。
このタンパク質が働かないと、別の免疫細胞(B細胞)を作ることも分かった。
穂積准教授らはT細胞ができる胸腺という臓器の細胞表面にある膜タンパク質の『D114』に着目した。マウスの遺伝子を組み換えて、このタンパク質ができないようにしたところ、T細胞になる前の細胞からT細胞ができなくなり、B細胞ができてしまった。
T細胞とB細胞はもともとよく似た細胞だが、正常な場合はT細胞は胸腺で作られ、B細胞は骨髄で作られる。
今回の成果から、人工的にT細胞を作り出せる可能性が出てきた。T細胞ができないと、病原菌に感染したときに免疫反応ができず、重症の感染症になってしまう。
生成の遺伝子
2010年、理化学研究所は新潟大学と共同で、リンパ球の一種「T細胞」の生成に必須の遺伝子を発見した。
T細胞は血液細胞のもととなる造血幹細胞が成長してできるが、この遺伝子が働かないとT細胞になる前段階で止まってしまう。
成果は7/2のサイエンスに掲載。
キラーT細胞 2010年、ウイルス感染やガンから体を守る「キラーT細胞」の生成には、胸にある胸腺で作り指される特有の酵素が欠かせないことを、徳島大学や東京大学などのグループがマウス実験で突き止めた。
グループは胸腺皮質上皮細胞でタンパク質の断片をつくっている『胸腺プロテアソーム』という酵素に注目。
胸腺プロテアソームを作れないように遺伝子操作したマウスと正常なマウスを比較した。
酵素を持たないマウスはキラーT細胞の生成量が約1/3に減少した。
マウスをインフルエンザウイルスに感染させた実験では、正常なマウスはすべて生き残ったが、胸腺プロテアソームを持たないマウスは約6割が死んだ。
高浜洋介・徳島大学教授は“酵素を利用してキラーT細胞を回復させたり強化できれば、感染症やガンの治療法開発につながる可能性がある”と話している。

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