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急性好酸球性肺炎






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好酸球性肺炎




急性好酸球性肺炎
英語名:acute eosinophilic pneumonia            (厚生労働省
  • 薬の服用により、肺に好酸球という細胞が集まって炎症を起こす「急性好酸球性肺炎」が引き起こされる場合があります。
    抗不整脈薬、抗がん薬、降圧薬、抗リウマチ薬、造影剤から、抗てんかん薬などさまざまな医薬品で起こり得ますので、医薬品の服用・注射後、数日から1週間で、以下のような症状がみられた場合は、速やかに医師を受診してください。
    • 「咳」、
    • 「階段を上ったり・少し無理をすると息切れがする・息苦しくなる」、
    • 「発熱」
    など





1. 急性好酸球性肺炎とは?
肺炎は肺に炎症がおこる病気ですが、急性好酸球性肺炎では、肺の炎症部位に好酸球という細胞が集まってくるのが特徴です。
  1. 急性好酸球性肺炎は、急性の息切れ・呼吸困難、乾性咳(から咳せき)、発熱で発症します。
  2. 両肺に炎症を起こし急性呼吸不全を伴うことが多いのですが、薬剤を中止し、副腎皮質ステロイドの使用で、軽快するのが一般的です。
  3. 薬剤以外の原因として、喫煙開始後に発症する症例が多く報告されています。

これまで、アミオダロン(抗不整脈薬)、ブレオマイシン*(抗がん薬)、カプトプリル(降圧薬)、金製剤*(抗リウマチ薬)、造影剤*、メトトレキサート*(抗がん薬、抗リウマチ薬)、フェニトイン(抗てんかん薬)などで報告されています(*は注射剤です)が、これ以外にも多くの薬で報告されているので注意が必要です

肺内に好酸球の浸潤を認める疾患として、Croftonらは1952年に、末梢血の好酸球増加を伴い組織学的に肺内の好酸球浸潤を示す疾患の総称としてPIE (pulmonary infiltration with eosinophilia) 症候群を提唱した。
その後、Liebow、Carringtonらは1969年に、末梢血の好酸球の増加の有無にかかわらず組織学的に肺内に好酸球浸潤を示す疾患を、好酸球性肺炎(eosinophilic pneumonia)として報告した。さらに、Carringtonらは1969年に原因不明の好酸球性肺炎で、2〜6ヶ月の慢性の経過をたどる病態を慢性好酸球性肺炎(chronic eosinophilic pneumonia:CEP)として報告した。


一方、これらの疾患と異なる新しい概念として、Allen、Badeschらは1989年に急性好酸球性肺炎(acute eosinophilic pneumonia:AEP)を報告した。この疾患は、急性の呼吸困難、乾性咳、発熱で発症し、肺胞壁への好酸球の浸潤を特徴とする疾患で、呼吸不全を伴うことが多いが、ステロイドの反応が良好である。


診断基準を表1に示した。急性好酸球性肺炎の経過、臨床症状、画像所見などは慢性好酸球性肺炎の特徴と異なる(表2)。好酸球性肺炎は、臨床的に原因不明(特発性)のものと、原因が特定されるものに分けられる。原因不明のものとして慢性好酸球性肺炎、急性好酸球性肺炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎、特発性好酸球増加症候群があり、原因が特定されるものとして寄生虫などの感染症、気管支肺アスペルギルス症と類似疾患、そして薬剤性があげられる(表3)3)。薬剤による好酸球性肺炎は、これらのうち、原因不明の疾患に類似した病型を示す。好酸球性肺炎の原因となる薬剤を表4に示した4)。
急性好酸球性肺炎も他の好酸球性肺炎と同様に原因を特定できないことが多い。しかし、本邦では、喫煙開始後に発症する症例が多く報告され、喫煙との関連が指摘されている。原因を検索した報告では、155症例中喫煙が30例、薬剤性が22例、などである5)(表5)。発症までの期間は、中島らが集計した急性好酸球性肺炎55症例中、喫煙歴の記載がある24症例中7例(29%)が喫煙開始から2週間以内、11例(45%)が1ヶ月以内に発症している。外国産煙草での発症例もあるにもかかわらず、喫煙との関連性に関しては海外ではほとんど報告されていない。これは、喫煙との関連性への注目度の相違である可能性があり、今後、詳細に検討すべきと思われる。急性好酸球性肺炎症例で真菌やニューモシスチスカリニ肺炎などの存在がみられないにも関わらず、気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid: BALF)中のβ-D-グルカンが高値を示す例が報告されている。煙草の煙の組成の中にもβ-D-グルカンが含まれており、これらは発症機序を考える上で興味深い。




副作用の概要
  • @ 自覚症状
    • 急速に進行する発熱、乾性咳嗽、呼吸困難、胸痛などで、
      ときに腹部症状や筋肉痛を伴うことがある。
  • A 他覚症状・所見
    • 胸部身体所見では両肺野の捻髪音(fine crackles)を認める。
  • B 臨床検査所見
    • 血液検査では、末梢血中の好中球を主体とした白血球数の増加を認める。急性期には好酸球数の増加は認められないが、回復期に一過性に好酸球数増加を認める。CRPは高値を示す。血中IgEの上昇は約半数で認められる。胸水は浸出性で、胸水中の好酸球の増加を認める。BALFでは、総細胞数の増加と25%を越える(平均約40%)好酸球分画の増加を認める、好中球やリンパ球も増加することはあるが、CD4/8比は一定しない。BALF中のインターロイキン-5は高値を示す。血液ガス分析では肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-a DO2)の拡大を伴った動脈血酸素分圧(PaO2)の低下を認め、しばしばPaO2は60mmHg以下となる。
  • C 画像検査所見
    • 胸部レントゲン、CT所見は、両肺にびまん性のスリガラス状陰影や浸潤影が種々の程度で混在する。Kerley A、Bラインを認め、CT上小葉間隔壁や気管支血管束の肥厚を認めることがある。また、胸水貯留を合併することが多いのも特徴である(約70%)。
  • D 病理検査所見
    • 肺胞隔壁および肺胞腔内への好酸球の浸潤が基本であり、細気管支周囲や小葉間間質、胸膜にまで好酸球の浸潤が及ぶことがある。
      同時にマクロファージの増加、フィブリン沈着を示すことが多い(図1)。
      急性期には線維化の所見は認められない。









    • 図1 急性好酸球性肺炎の病理組織像
      • 肺胞壁および、肺胞腔内に著明な好酸球浸潤をみとめる。腔内にはフィブリン沈着も目立つ。

  • E 発生機序
    • 急性好酸球性肺炎の発症は、IgEの増加症例がみられることからI型アレルギーの関与説、過敏性肺炎に類似した機序によって発症するとする説、ウイルス感染説、喫煙関連説などがあるが、明確な機序は明らかではない。薬剤による急性好酸球性肺炎は、薬剤リンパ球刺激試験(DLST)陽性症例もあり、V型、W型アレルギーの関与が示唆される。




表1急性好酸球性肺炎の診断基準
1. 5日以内の急性の発熱
2. 低酸素性呼吸不全
3. 胸部レントゲン写真上のびまん性肺胞性もしくは混合性浸潤影
4. 気管支肺胞洗浄液で好酸球分画が25%以上
5. 寄生虫、真菌、その他の感染症がないこと
6. ステロイド治療に速やかに反応すること
7. ステロイド治療後に再発しないこと






表2 急性好酸球性肺炎と慢性好酸球性肺炎の特徴
特徴 急性
好酸球性肺炎
(AEP)
慢性
好酸球性肺炎
(CEP)
発症 急性(1ヶ月以内、多くは1週間以内) 重篤なことが多い 慢性(1ヶ月から1年)





禁煙開始後に発症することがある 禁煙者はむしろ少ない(約10%)




合併しない 合併する(約50%)



Kerler A、Bライン、びまん性のスリガラス状陰影や浸潤影(末梢の優位性は認めない)、CT上、小葉間隔壁や気管支血管束の肥厚、胸水貯留 末梢優位の浸潤影(photographic negative of pulmonary edema)、陰影の移動。CT上、上中肺、胸膜直下優位の分布を示す





正常。回復期に増加 増加(20%以下)
BAL中
好酸球
著明に増加(25%以上、時に40%以上) 著明に増加
ステロイド
治療の反応
良好 良好
再発 まれ 多い





表3 好酸球性肺炎の病因による分類
原因不明(突発性)
  • 肺限局
    • ・慢性好酸球性肺炎
      ・急性好酸球性肺炎
  • 全身疾患に伴うもの


原因が特定されるもの
  • ・寄生虫感染症
    ・その他の感染症
    ・気管支肺アスペルギルス症と類似疾患
    ・薬剤性


ときに好酸球浸潤を伴う呼吸器疾患
  • ・器質化肺炎
    ・気管支喘息
    ・突発性間質性肺炎
    ・ランゲルハンス細胞性組織球症
    ・移植肺
    ・サイコイドーシス
    ・悪性腫瘍随伴好酸球性肺炎




表4 好酸球性肺炎を引き起こす薬剤
原因としてしばしば見られる薬剤
  • ・アミオダロン
  • ・ブレオマイシン
  • ・カプトプリル
  • ・金製剤
  • ・ヨウ素製剤(造影剤)
  • ・L-トリプトファン
  • ・メトトレキサート
  • ・フェニトイン
原因として時々見られる製剤
  • ・アスピリン
  • ・カルバマゼピン
  • ・GM-CSF
  • ・ミノサイクリン
  • ・ニルタミド(日本未承認)
  • ・ペニシラミン
  • ・サルファ剤
  • ・スルファサラジン



好酸球増多」「顆粒球減少」「猩紅熱」「脚気」「薬物性肝障害
気管支喘息」「白血球」「好酸球」「アレルギー性肉芽腫性血管炎
PIE症候群






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