麻黄 EPHEDRAE HERBA
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【処方名】 [麻黄]
【学名】 Ephedra sinica
【英名】 Ephedra
【基原】 中国、内蒙古に自生する小低木。
マオウ科Ephedraceae草麻黄Ephedra sinica Stapf(シナマオウ)その他同族植物の地上茎。
<1>シナマオウ(川麻黄):山西省北部に自生。
<2>フタマタマオウ(山麻黄):東北部から内蒙古に自生。
<3>キダチマオウ(木本麻黄):内蒙古、陰山山脈の山岳部に自生する。
<4>エフェドラ・ゲラルディアーナ:パキスタン産
麻黄の名は、舌の先を麻痺し、黄緑色になるところからくる。
北満ではフタマタマオウを「馬不食草」と呼んでいる。
放牧された家畜は、麻黄をよく知っていて、けっして食べない
使用部位 地上茎
《傷寒論》に節を去りの注釈があるが ・・・《吉益東洞》(日本漢方/古方)は・・・後世の改ざんとして・・・全草を用いた。
【性味】 味は苦く、性は温、無毒。温瀉燥中散
【帰経】 肺・膀胱経
【分類】 麻黄=辛温解表薬
(発表薬)=発汗させて表邪を去る薬物。
発表薬には「辛温発表薬」と「辛涼発表薬」がある。
辛温発表薬・・・
 (麻黄・桂枝・紫蘇葉・荊芥・独活・防風・白芷・細辛・生姜・辛夷)
辛涼発表薬・・・
 (柴胡・升麻・葛根・薄荷・牛蒡子・菊花・香)
麻黄は辛温発表薬に含まれ、実証表症に用いられる。
【薬性歌】 “麻黄味辛能出汗 身熱頭痛風寒散”
麻黄、味辛、表を解し、汗を出し、身熱、頭疼に。風寒に発散す。
《万病回春》汗を止むるには根を用う。
効能・効果 (発汗・鎮咳・利尿)
◎中風・傷寒頭痛・瘟瘧を治し、
◎汗を出させ
◎邪熱の気と寒熱を治し
◎五臓の邪気を除き
◎理を通させ
◎瘟疫と山嵐瘴気を治す。
◎風寒頭痛に良い。「節を去り煎服。」
◎発表し、出汗して、根節はよく止汗する。人参で麻黄を添えると表の寒汗がない人は2服すればすぐ効果が現れる。
◎傷寒の解肌・発汗に良い。「水煎服。」
◎温瘧で汗の出ない症を治す。
◎上半身の浮腫
【効能・効果】
(アロマテラピー)
ハ-バリストは全草を用いる。
<1>喘息:
<2>花粉症
<3>アレルギーの治療
<4>関節炎
<5>体液の停留
【成分】 <1>アルカロイド:
  エフェドリン(ephedrine):
      血管を収縮させて、血圧を顕著に上昇する。
      心臓を興奮させる。
      気管平滑筋の痙攣を緩解する。
  ノルエフェドリン
  メチルエフェドリン
  プソイドエフェドリン(pseudoephedrine):
      心拍を抑え、血圧を下げる。
      利尿作用が顕著。
      気管平滑筋の痙攣を緩解する。
<2>タンニン

<3>サポニン
<4>フラボン
<5>精油:
     発汗作用
     インフルエンザウイルスを抑制する
【参考】 <1>《陶弘景》
“これを用いるには節根を去り、水で煮て20回余り沸騰させるのだが、その時、竹片で上に浮かぶ沫を掠め取り去る。上沫は煩を生じ、根節は能く汗を止めるものだから”
<2>以下の場合には、使用を避ける。
 1.高血圧
 2.緑内障
 3.甲状腺亢進症
 4.冠状動脈血栓症
<3>以下の者は使用出来ない。
 1.モノアミンオキシダーゼ阻害薬(抗うつ薬)使用者
ヒロポン 明治18年、14年間のドイツ留学から戻った長井長義博士は、マオウからエフェドリンを分離した。
さらに、エフェドリンの化学構造から
[β-フェニル・イソプロピルアミン]
[β-フェニル・イソプロピル・メチルアミン]
という化合物の合成にも成功した。それが、前者からゼドリン、後者からヒロポンという覚醒剤につながった。

麻黄の薬理作用
  • 交感神経興奮作用
    • エフェドリン(ephedrine)には、アドレナリン(adrenaline)類似の交感神経興奮作用がある。
      • 少量投与・・・で瞳孔散大、
      • 多量では・・・全身麻痺・血圧上昇作用
      • 発汗作用
      • 気管支筋を弛緩する。
        1. 持続的で緩和(adrenalineとの違い)
        2. 経口投与でも分解されない
  • 鎮咳作用
    • エフェドリンは、紀元前2700頃の中国で「血圧を下げ、発汗を促し、血の通りを良くし、咳にも効く」植物として使われてきた麻黄から、日本の長井義博士が発見したもの
  • 利尿作用
    • pseudoephedrineが、腎臓血管を拡張して、利尿作用
  • 胆汁分泌促進作用
  • 解熱作用



薬能&出典
《神農本草経》
風、傷寒、頭痛、瘟瘧を主る
表を発して汗を出し、邪熱の気を去り、咳逆上気を止め、寒熱を除き、堅積聚を破
《薬性提要》
汗を発し、風寒を去り、喘咳を治す
《古方薬品考》
壅を解き、湿を逐い、疼を除く
《薬徴》
喘咳・水気を主治するなり。旁ら悪風・悪寒・無感・身疼・骨節痛・一身黄腫(洪腫=大いに浮腫する)
数方を歴観するに、麻黄の喘咳・水気を主治するや明らかなり。故にその証にして悪風・悪寒、汗なく身疼、骨節痛・一身黄腫の者に用ひて皆治するなり。
《重校薬徴》
喘咳水気を主治す
「水気」=浮腫
故に一身黄腫、悪風、悪寒、無汗を治し、頭痛、発熱、身疼、骨節痛を兼治する。
甄権は根節は汗を止むと曰う。妄なり。根を去りみ用う
胸満には麻黄を用いず。身疼には杏仁を用いず。
《大塚敬節》
陽を発する
《中薬大辞典》
発汗し、平喘し、利水する。
傷寒の表実、発熱悪寒無汗、頭痛鼻塞、骨節疼痛、咳嗽気喘、風水浮腫、小便不利、風邪の頑痺、皮膚不仁、風疹痒を治す


【薬対】 ・・・・薬能の方向転換説が有名
桂枝と配合すれば発汗作用が表面に現れるが、
石膏とは逆に止汗作用となり、
杏仁とは鎮咳作用が強くなる。
朮・苡仁・赤小豆などの利水薬と配合すれば利尿作用がより顕著となる。
『麻黄+乾姜』
『麻黄+杏仁』→咳嗽気喘を治す
『麻黄+桂枝』→強い発表作用(表実無汗の者に)
『麻黄+桂枝+石膏』
『麻黄+細辛』
『麻黄+熟地黄』
『麻黄+赤小豆』
『麻黄+石膏(生)』
→止汗作用
『麻黄+白朮』→表湿による浮腫・疼痛を治す
『麻黄+附子』
『麻黄+苡仁』
『麻黄+連翹』
漢方薬  葛根湯 
五積散 
小青竜湯 
麻黄細辛附子湯 
麻黄湯          
麻杏甘石湯 
麻杏甘湯



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