免疫療法 

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免疫療法
  • 第4の治療法
    • ガンの治療方法として、外科手術、放射線治療、抗ガン剤治療に次ぐ第4の治療法として免疫療法が注目されている。
      もともと体内にそなわる免疫システムの機能を高める方法。
  • もともとの免疫システムがガンを攻撃するのは?
    • 免疫システムが、ガン細胞を攻撃するには2つの方法がある。
    • 1つは、NK細胞が直接攻撃する方法
    • もう1つは、ガン細胞を樹状細胞が食べて消化し、がんペプチドの情報をキラーT細胞あんどに渡して攻撃させる方法。
    • NK細胞もキラーT細胞も、ガン細胞を自滅に導く物質を渡す。
    1. NK細胞(ナチュラルキラー細胞)はつねに体内を循環して攻撃相手をさがしている。
      • NK細胞はガン細胞を見つけると、自滅に導く反応を引き起こす物質を渡す
    2. 樹状細胞とキラーT細胞の連携
      • 樹状細胞は常に体内を循環しており、キラーT細胞はリンパ節などに多く存在する細胞。
      • まず、未熟な樹状細胞が、弱ったガン細胞を食べる。
      • 食べられたガン細胞は、未熟な樹状細胞の体内で消化され、細かい断片になる。
      • ガンの細かい断片(ガンペプチド)は、細胞内の通路を通って細胞の表面から、タンパク質でできた「手」に乗って出てくる。
      • やがて、樹状細胞は成熟し、近くにあるリンパ節などに移動する。
      • 体内の細胞も自分自身の一部をのせた「手」を表面に出している。ガン細胞も、表面上に「手」を持っていて、ガンペプチド(ガン細胞自身の一部)を手にのせている。
      • キラーT細胞は自分の表面上の「手」を使って、樹状細胞からでているガンペプチドを認識する。そして、徐々に増えて、血液やリンパ液の流れにのってガン細胞を探す。
      • キラーT細胞はガン細胞の表面のガンペプチドを認識して、それが以前に、樹状細胞から出ていたものと同じであると知ると、攻撃相手であると理解する。そしてガン細胞に自滅に導く反応を引き起こす物質を渡す。
      • 冠者のガン細胞のどれだけの「手」がでているかを調べる方法の1つに「免疫組織染色検査」があります。しらべた結果、「手」がほとんど無い場合にはNK細胞が治療に使われる。反対に、手がたくさんあれば、樹状細胞やキラーT細胞を使う。

自然免疫 1997〜2001の論文
○1999年、大阪大学微生物病研究所の審良静男教授が、免疫細胞の表面にあるタンパク質『トル様受容体(TLR)』が、病原体を識別する仕組みを突き止めた。
○兵庫医科大学の中西憲司教授が、アトピーとIL18の関係などを解明。
○千葉大学の谷口克教授が、ナチュラルキラー細胞を活性化する物質を特定。
○兵庫医科大学の岡村春樹教授が、IL18による情報伝達を解明。
○林原生物化学研究所の栗本雅司常務が、IL18による情報伝達を解明。
○京都大学の門脇則光助手が、「樹状細胞」による免疫の仕組み。
○京都大学の稲葉カヨ教授が、「樹状細胞」による免疫の仕組み
○関西医科大学の黒崎知博教授が、「B細胞」による情報伝達。
樹状細胞 2000年、横浜市で4日から3日間開かれた日本癌学会では、新しい免疫療法や、特定の遺伝子の違いによって、癌の発症率が変わることを統計的に示した分子疫学が発表され、治療や予防に直結する研究として注目を集めた。
新しい免疫療法の担い手と期待されるのが樹状細胞
脊髄で作られた後、全身に配置される免疫監視細胞で、異物を取り込んで攻撃するリンパ球のキラーT細胞に攻撃相手を正確に教えるのが役目だ。
これまでの免疫療法は、インターロイキン2と呼ばれる生理活性物質などでキラーT細胞を活性化していたが、相手をきちんと指示しないため、効果が低かった。
京都大大学院医学研究科腫瘍外科の化真崎政治助手らは、樹状細胞による癌治療の効果をマウスの実験で示した。体外に取り出した樹状細胞に、抗ガン剤で細胞死させたガン細胞の目印物質を取り込ませて攻撃相手を“教育”した後、マウスの腹部に1週間おきに3回注射した。
その後、同じガン細胞を背中に入れると、13匹中7匹でガン細胞が消えた。教育しない樹状細胞の投与で、ガンが消失したのは5匹中1匹、抗ガン剤の投与では8匹中1匹だった。
樹状細胞を活用した治療はすでに米国で一部のガンについて行われ、皮膚のガンである悪性黒色腫や、大腸ガンが消えたケースがわずかだが、あったという。
自分のがんで 自家がんワクチン治療
2002年夏〜秋にかけ、筑波大学附属病院など首都圏の3つの医療機関で、ガンの再発・転移の防止を目指した新しい治療が始まった。患者から摘出したガン細胞に加工を施して戻し、患者の免疫力を高める『自家がんワクチン治療』だ。その治療は細胞医療のベンチャー企業、セルメデシン(茨城県牛久市)が」技術面を支える。
自家がんワクチンはホルマリンなどで防腐などの処理をして、がんとして再び増殖を始めないように活性を完全になくした組織が元になる。人の免疫力を刺激する「アジュバンド」という薬剤を混ぜるなどの方法で作る。
これを患者に投与するとワクチンを異物として認識し、癌を攻撃する免疫細胞が増えるという。
NKT細胞 (ガン縮小)
千葉大学の研究グループは第4のがん療法として注目される「免疫療法」で、実際の患者のガンを縮小させることに成功した。
2種類の免疫細胞を患者の血液から採取し、体外で培養した後に患者の体内に戻す。
千葉大学大学院医学研究院の中山俊憲教授と岡本美孝教授は、ガン細胞を攻撃して増殖を抑制し他の免疫細胞の働きも刺激する『NKT細胞』と、免疫の司令塔となる『樹状細胞』を組み合わせた新しい免疫療法を開発した。
  • NKT細胞は、リンパ球の一種。
  • ガン細胞を攻撃するとともに樹状細胞を活性化する働きも持つ
採血後に2種類の細胞だけ選別して培養、NKT細胞は動脈注射、樹状細胞は鼻から投与する。
臨床研究には、他に治療法が無い再発した頭頸部ガンの患者8名を対象に試みた。
3名でガンの大きさが30%以上縮小した。
頭頸部ガンは口やノド・鼻などにできるガンの総称で、主にタバコが原因で中高年男性に多い。
小さながんの転移であれば死滅させられる可能性が出てきた

2012年、メディネットは、NKT細胞を活性化する物質「KRN7000」の権利を持つレグイミューンと細胞療法を共同開発する。
  • KRN7000の成分は「αガラクトシルセラミド」と呼ぶ化合物で、キリンファーマが海綿から発見した糖脂質をもとに構造を変化させてつくり出した。
T細胞 リンパ球の一種。
樹状細胞からガン細胞の目印についての情報を受取り、目標のガン細胞のみを攻撃する。
リンパ球を体外に取り出し、増殖させ活性化して戻す。
CTL 細胞障害性T細胞
リンパ球の一種。
T細胞からの情報に頼らずに、単独でガン細胞の特徴を認識して攻撃することもできる免疫細胞。
体外に取りだして、患者のガン細胞を培養液に入れて特徴を覚えさせ、増殖させて戻す。
酵素が活性化 理化学研究所は、免疫機能を活性化するメカニズムを見つけた。
『IKK』と呼ぶ酵素が活性化のためのシグナルを増幅する役割を果たしていることが分かった。
IKKの働きを調節することで、免疫が低下したり、反対に過剰になってガンを引き起こしたりするのを防げると見ている。
成果は2007/12/17の米科学誌に掲載。
免疫細胞の受容体が体内の異物を認識すると、様々な反応を経て、最終的に免疫機能に重要なタンパク質『NF-κB』が活性化する。途中で『CARMA1』と呼ぶタンパク質や[IKK酵素]が働いていることが知られていたが、詳細は不明だった。
CARMA1がIKKの働きを高めることを解明。
さらに、IKKはNF-κBに直接働きかけて活性化するが、同時にCARMA1をリン酸化して活性化することを突き止めた。
この仕組みでシグナルがどんどん増幅され、NF-κBの機能が活発になっていた。
NF-κKの働きが弱まると免疫不全につながる。反対に過剰に活性化すると自己免疫疾患やガンを誘発する。
レトロネクチン レトロネクチン誘導Tリンパ球療法
2010年5月、京都市の百万遍クリニックは先進的なガン免疫細胞療法を始めた。
特殊なタンパク質を使いリンパ球を培養する。
自由診療で、細胞投与1回25万円。
患者の血液からリンパ球を取りだして無菌バッグに入れ、適温で培養する。この療法で利用するタンパク質はタカラバイオが開発した「レトロネクチン」。
京都府立医科大学が臨床試験を手がけ、ガン治療に特化した百万遍クリニックで治療を始めた。
(特徴)
「活性化リンパ球療法」など従来の細胞療法と比べて、体内で持続的に働く「ナイーブT細胞」をたくさん培養できる。
(実績)
9例のうち、1例はCT画像上でガン細胞が消失。
別の1例はガン細胞が35%消失
ワクチン (食道ガン)
2010年、山梨大学のコウノ浩二准教授と東京大学医科学研究所の中村祐輔教授らのチームは、食道ガンの細胞にだけある「抗原」と呼ぶタンパク質の一部をまねたペプチドを開発した。3種類の抗原それぞれに合うワクチン(ペプチド)を組み合わせて体に入れる第T相臨床試験を実施。末期の食道ガン患者10人のうち、9人で食道ガンを攻撃するリンパ球ができた。2人は肝臓に転移したガンが一時的に小さくなったり消えたりした。
(すい臓ガン)
阪大の杉山治夫教授と東京慈恵会医科大学のチームは、ワクチンと既存の抗ガン剤を併用した。
振興したすい臓ガン患者26人に、多くのガンの抗原であるペプチド「WT1」と抗ガン剤のゲムシタビンを同時期に投与する臨床試験をした。治療の2年半後に約2割の患者が生存。
高度医療 がんワクチン
2010年久留米大学発のバイオベンチャー、グリーンペプタイソ(久留米市)が、厚労省の先進医療専門家会議で承認された。同社が実用化を目指すのは、ガン細胞に多く存在するペプチド(タンパク質の断片)を患者に注射するワクチン。患者に投与されると、体内の異物を攻撃する免疫細胞がこのペプチドの特徴を覚えて攻撃対象と認識し、集中して攻撃する。このワクチンは異なるペプチド14種類から、患者ごとに効果の高い最大4種類を選んで投与するのが特徴。
5月に「高度医療」に認められた。8月から患者の費用負担が軽減された、
がんワクチンは「ガン免疫療法」の一種で、ガン細胞に多く存在するペプチドを患者に注射する薬剤。この薬剤が投与されると、体内に侵入してきた異物を攻撃する免疫細胞がこのペプチドの特徴を覚えて攻撃対象と認識する。そして、ペプチドの刺激を受けて増殖し、ガン細胞を集中的に攻撃する。
久留米大の例では、高度医療の対象は特定の条件を満たす前立腺ガンの患者。
ワクチン接種の費用は自己負担だが、血液検査や画像検査費用は保険が使えるようになり、患者負担は30万〜40万円安くなる。

特許成立
  • がん抗原ペプチド
    • 2011年、メディネットは免疫細胞を活性化する「がん抗原ペプチド」の特許が英国やドイツ、フランスなど欧州11ヶ国で成立したと発表。
    • 特許が成立したのは熱などの刺激を受けて体内で作られるタンパク質「HSP105」の一部である「HSP105由来がん抗原ペプチド」。
    • このHSP105は大腸ガンや乳ガン、食道ガンなどで多く産生される。
    • 体に入った異物を攻撃するリンパ球にHSP105由来がん抗原ペプチドの特徴を覚え込ませると、ガン細胞を攻撃する効果が期待できる。
    • 日本国内特許はすでに取得済み。

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