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検査項目 基準値 病態
CH50
(血清補体価)
30〜45U/mL [重症感染症]
[急性糸球体腎炎]
[慢性肝炎]
[肝硬変]
・補体は体内に異物が侵入したときに、単独あるいは抗体と協力して溶菌や貪食して生体防御に関与する。
・CH50・・・血清中に残存する補体活性の総和。
C3
(補体第3成分)
60〜116mg/dL [膠原病]
[肝疾患]
[糸球体腎炎]
C4
(補体第4成分)
15〜44mg/dL
IC
(免疫複合体)
3.0µE/mL以下:C1q法
3.4.5µg/mL:抗C1q法
8.5µg/mL:抗C3q法
4.2µg/mL:モノクロナールRF法
[膠原病]

免疫
システム
自然免疫システムと適応免疫システム
もともと私たちには病原菌などから体を守るための防御システム「免疫」が備わっています。それは大きく分けて「自然免疫システム」と「適応免疫システム」の2つから成り立っています。
「自然免疫システム」は、一般的な異物・微生物などの侵入に対する無差別な排除のためのもので、初期段階に行われるものです。このシステムは無脊椎動物を含めて多くの動物に備わっています。それに対して「適正免疫システム」は、一度感染して回復すると、同じ病原菌に再度感染しにくくする為のもので、侵入物を認識してから行われる高度なシステムで、脊椎動物にしか備わっていません。
自然免疫システムには、外部との障壁である皮膚や粘膜、局部的にある抗菌性物質、そして好中球や単球(マクロファージ)による無差別攻撃などがあります。好中球やマクロファージは、常に体の中を巡回して異物を見つけると直ちに攻撃を加え、相手をやっつけてしまいます。
「好中球」は、生体に異物が侵入すると約2時間で血中に増殖して、近くの小静脈から侵入して組織に入って防御の第一線を形成します。異物に侵入で刺激されたTリンパ球が作る活性物質(白血球遊走因子)の濃度が高い炎症部分へ遊走し。細菌やウイルスを捉えて摂食・消化します。
「単球」は好中球より少し遅れて局所に到着し、防御第2線を張ります。組織に入った単球はマクロファージ(大食細胞)に転化し、触手を伸ばして異物を捉えて包み込んでそれらを消化します。同時に、酵素処理をして消化した異物の特徴を情報として免疫担当のT細胞とB細胞に伝えるという重要な働きをしています。
以上の自然免疫システムの段階で異物を排除できれば問題ないのですが、異物の攻撃が強いときには脊椎動物だけが持っている高度な防御システムが作動することになります。それがリンパ球たちによる組織的な防御法であり、「適応免疫システム」と呼ばれるものです
まず、自然免疫システムの主役であるマクロファージが食べた異物を消化して、その異物の表面の特徴を「リンパ球T細胞」に示します。T細胞はその特徴を解読して「感作リンパ球」となって化学伝達物質の「リンホカイン」(マクロファージの殺菌機能を高める)を産出します。さらに、役割を持つ細胞に分かれます。
「細胞障害性T細胞(キラーT細胞)」は殺し屋細胞で、同じ表面構造を持ったウイルス感染細胞や腫瘍細胞、移植した臓器(異物と認識される)などに攻撃をかけます。
「ヘルパーT細胞」は、リンパ球B細胞に「抗体」(異物である抗原に対抗する)を作るように指令を出します。また、「サプレッサー細胞」は逆にB細胞に抗体を作りすぎないように指令します。
「B細胞」はT細胞の指令で分裂・増殖を繰り返し、自分の仲間を増やして異物(抗原)にピッタリ張り付く結合物質(抗体)を作ります。
「抗体」は免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質で、その型によって[IgG][IgA][IgM][IgD][IgE]の5種類の抗体になります。抗体は、細菌やウイルスとカギと鍵穴のような形で結合します。また、B細胞より大量に放出されてマクロファージや補体と協力して異物に次々と結合します。また、マクロファージがうまく食べられない細菌(肺炎球菌などのように、ヨロイのような硬い細胞膜で覆われた細菌)や異物の表面に付着して、食べやすいような形にする体液成分を生成し(オプソニン効果、または免疫食作用という)、マクロファージが攻撃しやすくします。
こうして、数日して異物との戦いに勝つと、サプレッサーT細胞は抗体の産出を抑えて戦いを終了させます
防御の役目を終えたリンパ球は死滅していきますが、一部のT細胞・B細胞は生き残り、同じ異物が再び侵入してきた時に素早く対応できるように、その異物を記憶しておきます。
なお、リンパ球にはT細胞・B細胞以外に「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)があります。このNK細胞は適応免疫で働くのではなく、好中球やマクロファージのように自然免疫システムという、速効性の必要な分野で働いている特異リンパ球です。この細胞は、単独でガン細胞を非自己細胞と認識すると直ちに攻撃する重要な機能を持っています。 「赤血球や白血球などの血球は骨髄で作られます。白血球の一種であるリンパ球のうち、骨髄で作られたT細胞は胸腺に入り、ここで自己と非自己を見分けられるようになった、正常なT細胞だけが専門の役割を担って任務につきます。胸腺での訓練は、まず、抗原に反応できる抗原レセプターを持ったT細胞ができると、胸腺のメッシュ構造である上皮細胞で主要組織適合(HLA)抗原を認識できるかどうか選抜されます。次ぎに自己のHLAを認識できない細胞は自己を排除してしまう恐れがあるので、「細胞死」のプログラムが働き排除されます。こうして生き残れるT細胞は、わずかに5%ぐらいです。
ところが、中にはこうした厳しい教育と選別の網の目から逃げ出して、T細胞として任務に就き暴走して自分自身の体を攻撃することがあります。これがバセドウ病、慢性関節リウマチなどの膠原病、アルレギーなどの「自己免疫疾患」なのです。
正しく訓練されたT細胞は、血行に乗って抗原との戦場になる末梢リンパ組織(リンパ節・脾臓・扁桃・消化管など)、気道のリンパ組織、結合組織などに移動し、体内を循環します。リンパ節は、いわばリンパ球の駐屯地であり、そこにはT細胞・B細胞がたくさん含まれています。」
→「胸腺プロテアソーム
異物から体を守る
はしかは1度なると免疫が出来て2度とかからないが、C型肝炎は免疫が出来にくく、慢性化しやすい。免疫とは体に侵入した病原体や病的な細胞などを自分のものでない(非自己)と認識して排除する働きのことである。
 免疫の仕組みには、大きく分けて2種類ある。血液中に浮かんでいる成分で病原体を攻撃するのが「液性免疫」、ウイルスなどに感染した細胞を破壊するのが「細胞性免疫」である。
 液性免疫の場合、異物を認識するヘルパーT細胞が活発になり、そこから出た指令で別の細胞が抗体を作るようになる。抗体が病原体とくっつくと、異物を処理する食細胞に捕獲されやすくなる。
細胞性免疫では、ウイルスを認識して直接退治するキラーT細胞が関係し、その指令がキラーT細胞を完熟させている。
ウイルスをやっつける抗体や、ウイルスの一部や発病する力を弱めたウイルスを利用したりする予防接種(ワクチン)は、いずれも免疫現象を利用した病気の予防方法である。
 
免疫は、体を異物から守るすばらしい仕組みだが、しばしば不都合なことを引き起こす。ある特定の物質に過剰反応するのがアレルギー。自分の体の一部を外敵であると認識して排除ようとするのがリウマチや膠原病などの自己免疫病である
自然免疫 CARD9
「ウイルスや細菌から体を守る「自然免疫」反応において重要な働きをするタンパク質を、斎藤隆・理化学研究所ディレクターらが発見。『CARD9』と呼ぶもので、免疫細胞を活性化する経路の要に鳴っていた。関節リウマチなどの自己免疫疾患や感染症などの新たな治療薬につながる。
免疫には、生まれながら備わっている自然免疫と、ヒトなど高等生物だけが持つ獲得免疫がある。
それぞれの免疫細胞の活性化には同じ構造を持つ受容体の関係が指摘されていたが、自然免疫の仕組みについては詳しく分からなかった
研究チームは、「獲得免疫」を担う細胞の活性化に必須のタンパク質に構造が似た「CARD9」に着目。このタンパク質の遺伝子が欠損したマウスで自然免疫を担う細胞を調べると、免疫反応を引き起こす分子の活性化をジャマしていた。実際に病原体に対する感染抵抗性が著しく低下していた。
病原体のDNAを検知
「東京大学の谷口維紹教授と高岡晃・北海道大学教授らは、体内の細胞に侵入した病原体のDNAを検知し、免疫機構を始動するタンパク質を発見。成果は2007年7/9のネイチャーに掲載。
マウス細胞の実験で、細胞に侵入したウイルスや病原菌のDNAに結合し、感染を知らせるタンパク質『DAI』を発見。DAIの結合によって免疫反応の第1段階である『自然免疫』が作動し、抗ウイルス作用を持つ[インターフェロン]などが作られる。
自然免疫は感染から数時間以内に作動し、病原体を攻撃する。侵入した病原体だけを攻撃する高度な免疫機構の応答には数日かかり、免疫の初動システムとして注目されている。
DAIがヒトのDNAに結合すると、自分自身に対する免疫反応を引き起こす恐れがあり、自己免疫疾患の発症に関わっている可能性がある
細胞性免疫 微粒子で高める
「2008年、東海大学発のベンチャー「バイオメッドコア」(横浜市)は、ウイルスに感染した後、重症化するのを防ぐ細胞性免疫を高める微粒子を開発した。
白血球の一種であるマクロファージが取り込みやすいように設計した。
直径200ナノ〜1マイクロの脂質リポソームの細胞表面にある「マンノース鎖」をつけて微粒子を作製した。
ワクチンの効果を高める補助剤(アジュバント)への応用を目指す。
細胞性免疫はウイルスなどを直接攻撃する訳ではないが、すでに感染してしまった細胞をやっつけて発症が広がるのを防いだり、症状が重くなるのを防ぐ。
マンノース鎖は細胞の表面にある糖鎖の根本にある構造。
細胞が老化して糖鎖が無くなるとマンノース鎖が露出され、それを目印にしてマクロファージが細胞を食べて排除する。
マンノース鎖をマークにして免疫系が活発になると見ている。
インフルエンザウイルスの表面にもマンノース鎖があることが知られている。開発された微粒子をインフルエンザワクチンを組み合わせると、抗原量を抑えても同じ効果が引き出せ、副作用が少ないワクチンが出来るかかもしれない
細胞
山之内製薬は病原体が体内に侵入した際に免疫細胞が働くキッカケとなるカルシウムの細胞内への流入の仕組みを解明、米科学誌サイエンス17日号に発表した。細胞膜にあるイオンの通り道(イオンチャンネル)を突き止め、働きを解明した。チャンネル開閉を制御できる薬剤が出来れば、免疫細胞が関係するアトピー性皮膚炎や喘息・エイズなどの治療につながる可能性がある。
同社分子医学研究所の佐野頼方、稲村耕平研究員らが遺伝情報を元にタンパク質などの機能を解析するゲノム創薬の手法で明らかにした。
『LTRPC2』という遺伝子が作るイオンチャンネルが免疫細胞へのカルシウムイオン流入を制御していた。チャンネルは生物のエネルギー供給源であるアデノシン三リン酸(ATP)の細胞質内での濃度に応じて開閉する。病原菌が侵入するなどして免疫反応が起こると、ATP濃度が低下しチャンネルが開き、カルシウムイオンが流れ込み、免疫細胞が活性化するという
細胞にも独自の免疫系
「国立遺伝学研究所と科学技術振興機構、大阪大学の研究チームは細胞にも独自の免疫系があり、侵入してきた細菌を分解する働きがあることを突き止めた。細胞内に侵入した細菌を分解するだけでなく、捕捉する働きもあるという。
研究チームはヒトなどの細胞中にある『オートファゴソーム』(自食胞autophagosome)と呼ばれる小器官に着目。この器官は大きさが約1マイクロb(1マイクロ=1/100万)の薄膜状の物質で、体内のタンパク質などを他の栄養素に分解する「自食作用」を促す。細胞内に細菌が入ると、大きさが10倍にもなって細菌を取り囲み、消化酵素を含む物質と組んで分解する。
細菌は細胞の「食道」に相当する部分を通って細胞内に入ろうとするが、この際に免疫系が働く。連鎖球菌の一種などは毒素を出して破壊して細胞内に入ろうとする。
これまでは細菌の侵入後に細胞内で働く免疫系は無いと考えられていた
複雑化 細菌やウイルスから体を守るため、日夜がんばっている各種の免疫細胞たち。彼らは大まかに言って、『通常部隊』(自然免疫)と『特殊部隊』(獲得免疫)に分けることができる。
病原体が体内へ侵入してきたら、通常部隊が真っ先に立ち向かっていく。相手を食べるマクロファージ、敵を抱き込んで自爆する好中球、ウイルス感染細胞を破壊するNK細胞ーーー。慶応大医学部の小安重夫教授(免疫学)は「自然免疫を担う細胞の特徴は、敵と見なせば、誰にでもワァーッと襲いかかる点です」と説明する。
ところが、幅広い相手を素早く攻撃できる代わりに、侵入してきた敵を完全に排除する能力が十分でない。病原体の中には手強いものもいて、通常部隊の攻撃をかわしたり、乗り越えたりする事がある。
そんなときでも大丈夫。狙った獲物を見逃さない特殊部隊がカバーする。特殊部隊のリンパ球(T細胞やB細胞)は、細胞性と液性の免疫を巧みに使い、ウイルスや細菌を確実にやっつけていく。
「免疫系が自己と非自己を精密に見分け、敵だけを排除できるのは、脳神経系に匹敵するくらい複雑なシステムを持っているからです」と小安さん。何しろ、集めれば重さ1kgにもなる1兆個のリンパ球が全身に散らばり、お互いに対話しながら体を守っているのだ。
こうした複雑さは、生き物の進化とともに積み上がられてきた。たとえば、ミミズは、マクロファージのような細胞が異物を取り除いている。ウナギの先祖は、Nk細胞らしきものを持ち始める。さらに進んでサメくらいになると、T細胞とB細胞を持つようになる。原始的な自然免疫から高等な獲得免疫まで、様々なレベルの免疫が働いている人間の体内には、進化の過程がそのまま残っている。まさに脳と同じである。
東京大名誉教授の多田富雄さん(免疫学)によると、こうした複雑化は、免疫システムの宿命なのだと言う。この複雑さが仇となり、アレルギーや、免疫系が体に有害な作用をする自己免疫疾患が起きるようになった。多田さんは言う。「汚れた場所に住んでいても、ウジムシの体内は無菌状態です。免疫系は本来、もっと大ざっぱな仕組みで十分なのかもしれません。タコかイカくらいがちょうどいいのです
サイトカイン

睡眠
サイトカインと睡眠
風邪を引くと、熱が出て眠くなる。そして、グッスリ眠ると回復する。
どうして?
インフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスの遺伝子である二重鎖リボ核酸が引き金となって、インターフェロンやインターロイキンという『サイトカイン』が体内に放出される。サイトカインは白血球や神経細胞から放出され、深いノンレム睡眠と発熱を引き起こすだけでなく、免疫を増強する作用もある。いくつかのサイトカインはさらに、ほかの睡眠物質の生産や放出を促す。
細菌に感染して発病した時にも、発熱とともに深いノンレム睡眠が引き起こされ、レム睡眠が抑制される。細菌の細胞壁を構成する物質が人体の食細胞(マクロファージ)によって分解されると、ムラミルペプチドが出現し、これが引き金となってサイトカインの放出を促進します。
細菌の細胞壁には内毒素(エンドトキシン)と呼ばれる物質も含まれていて、ムラミルペプチドと同じように、サイトカインを介して睡眠と発熱を誘発させる。
このような研究から睡眠は免疫を強める過程と密接に関わっていることが明らかになった。サイトカインが一方で睡眠を、他方で免疫を増強するからだ。ウイルスや細菌に感染した後に出現する深い眠りは、生体防御の重要な一翼を担っていることになる。外敵の分解産物を逆手にとった、したたかな眠りといえる。
★リンダ・トス博士(アメリカ)のウサギの実験
細菌に感染させた動物を長眠群と短眠群とに分けると、長眠群の方が回復率と生存率が高かった。また、長眠群で血中の単球増加(T細胞の活性化)が起きたこれは免疫機能増強を示す指標だ。
逆に、薬物によって免疫機能を低下させると、感染後の過剰な睡眠は誘発されなかった。
私の研究室の木村昌由美博士がアメリカ留学中に行った実験で、ウサギをインフルエンザウイルスに感染させると、発熱と過剰な深い眠り(ノンレム睡眠)が出現したが、やがて正常に戻った。そこで24時間後にウイルスに再感染させると、今度は、発熱もノンレム睡眠も誘発されなかった。
★体外からの病原菌が急性の睡眠誘発に関わるなら、私たちの体内に常在する腸内細菌ではどうか?・・・驚くべきことに腸内細菌の量の多少がヒトの睡眠量を左右するのです。韓国の李栄浩教授らによると、不眠症患者の腸内細菌数は不眠でない人に比べて有意に少ない。睡眠時間の短い高齢者も、腸内細菌が少ない。抗生物質で腸内細菌を減らしてしまった人は、短眠傾向を示す(井上昌次郎・東京医科歯科大学教授)
NKT細胞 ガン細胞の増殖抑制・・・「第四のリンパ球
「千葉大学医学部の谷口克教授らは免疫細胞であるリンパ球の働きを高めてガン細胞の増殖や転移を抑えることに成功した。ガンや自己免疫疾患を治す新しい免疫療法になると期待される。米科学誌「サイエンス」の最新号に研究成果を発表した。
ガン細胞の増殖を抑えたリンパ球は『NKT細胞』と呼ばれ。これまで知られている3種類のリンパ球のうち、T細胞とNK細胞の働きを併せ持つため「第四のリンパ球」と呼ばれる。
谷口教授は肝臓ガンのネズミに抗ガン剤の[インターロイキン12]を投与したところNKT細胞だけを持つネズミはガンが縮小したのに対し、NKT細胞だけを持たないネズミはガンの大きさが変化しなかった。肺ガンや皮下腫瘍でも同様の結果が得られたという。また、[ガラクトシルセラミド]という糖脂質がNKT細胞の働きを活発にすることも発見し、ガンの転移を抑える効果を動物実験で確認した。
NKT細胞は慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど自己免疫疾患を発症すると体内から完全に消滅し、自己免疫疾患の発病を抑えるとも言われていた。谷口教授は「予防や治療につながる可能性もある」と話している
ガン縮小
千葉大学の研究グループは第4のがん療法として注目される「免疫療法」で、実際の患者のガンを縮小させることに成功した。2種類の免疫細胞を患者の血液から採取し、体外で培養した後に患者の体内に戻す。
千葉大学大学院医学研究院の中山俊憲教授と岡本美孝教授は、ガン細胞を攻撃して増殖を抑制し他の免疫細胞の働きも刺激する『NKT細胞』と、免疫の司令塔となる『樹状細胞』を組み合わせた新しい免疫療法を開発した。採血後に2種類の細胞だけ選別して培養、NKT細胞は動脈注射、樹状細胞は鼻から投与する。
臨床研究には、他に治療医法が無い再発した頭頸部ガンの患者8名を対象に試みた。3名でガンの大きさが30%以上縮小した。頭頸部ガンは口やノド・鼻などにできるガンの総称で、主にタバコが原因で中高年男性に多い。
小さながんの転移であれば死滅させられる可能性が出てきた
AID遺伝子 免疫制御の遺伝子特定
細菌やウイルスなどの外敵から身を守るために、体の中で働いている免疫システムを制御している遺伝子を突き止めることに京都大学とフランスの医療機関の共同研究チームが成功した。ナゾの多い免疫の仕組み解明につながる。1日発行の米科学誌「セル」に発表した。
研究チームの本庶祐京大医学部教授らが突き止めた免疫システムの制御遺伝子は『AID遺伝子』と呼ばれる。研究チームは昨年にこの遺伝子をみつけていたが、機能は不明だった。しかし、実際にこの遺伝子を壊したマウスを作ったところ、免疫が働かず無菌状態でしか生きられなくなることが分かった。
フランスのネッカー小児病院の(パリ)の研究グループが、重い感染症を起こす『高IgM症候群』という病気の患者の遺伝子を詳しく解析したところ、AID遺伝子に異常があることが確認できたためAID遺伝子が免疫システムを制御しているとの結論を出した。
人の体内に細菌などの抗原が入ると、抗体が抗原にくっついて攻撃する。これを免疫システムという。このシステムでは
<1>抗原の種類に応じて抗体を別の種類に変化させる「クラススイッチ」と、<2>抗体が抗原に結合する力を高める「体細胞突然変異」
という2つの重要な仕組みが知られている。研究グループはAID遺伝子がないと両方とも機能しないことを突き止めた。
ただAID遺伝子がどのような仕組みでこうした制御をしているのははっきししておらず「今後の大きな研究課題」(本庶教授)としている。
高IgM症候群の患者は国内に約100人いる。今回、原因遺伝子が特定されたことで、早期診断治療などへの足がかりが得られた
CD100 大阪大学微生物研究所の菊谷仁教授らはマウスを使った実験で、これまでに知られていない新しい仕組みを発見した。細菌などの外敵が体内に入ると、抗体を作り出す免疫細胞の表面に特定の分子が結合し、通常は免疫反応を止めているブレーキを解除する。効果の高いワクチンや免疫疾患の治療薬などに応用できるという。
研究チームは免疫の司令塔であるT細胞の表面に存在する『CD100』と呼ばれるタンパク質に注目。外敵が体内に侵入するとこのタンパク質の働きが強まることをマウスの実験で見つけた。
さらにこのタンパク質は、抗体を作る別の免疫細胞であるB細胞の表面にある『CD72』というタンパク質に結合することが分かった。
CD72は免疫反応のブレーキ役を果たしており、外敵がない普通の状態ではこのブレーキが利いて免疫反応は起きない。外敵が侵入して2つのタンパク質が結合する結果
TLR Toll様受容体
一度もお目にかかったことのないウイルスや細菌に接触したときに働くのが自然免疫システムと呼ばれるものです。様々な病原体が作り出す特有の分子を認識し、これらの異種分子を感知すると、自然免疫システムは炎症反応を引き起こします。
ある種の免疫細胞が侵入者のまわりを取り囲み、それが広がるのを抑える。さらにこれらの細胞の活動や分泌される化学物質によって、感染したところが赤くなったり腫れたりして、発熱や身体の痛みなどの症状が引き起こされる。
こうした炎症の引き金になるのは『Toll様受容体』だ。この受容体は自然免疫を引き起こすタンパク質ファミリーの1つで、その起源は古く、系統的に遠く離れたカブトガニ〜ヒトまで生物界に広く見られる。
もしToll様受容体がうまく働かないと、すべての免疫システムは崩壊し、身体は感染に対して全く無防備な状態となる。その一方で、Toll様受容体が強く作用しすぎると、「関節炎」や「全身性エリテマトーデス」「心血管障害」など、慢性的で深刻な炎症を特徴とする疾患を引き起こしてしまう。
Toll様受容体と病原体が遭遇した後に起きる出来事が分子レベルで明らかになりつつあり、どの分子を薬剤の標的にすれば良いのかも分かってきた。
自然免疫  1997〜2001の論文
○1999年、大阪大学微生物病研究所の審良静男教授が、免疫細胞の表面にあるタンパク質『トル様受容体(TLR)』が、病原体を識別する仕組みを突き止めた。
○兵庫医科大学の中西憲司教授が、アトピーとIL18の関係などを解明。
○千葉大学の谷口克教授が、ナチュラルキラー細胞を活性化する物質を特定。
○兵庫医科大学の岡村春樹教授が、IL18による情報伝達を解明。
○林原生物化学研究所の栗本雅司常務が、IL18による情報伝達を解明。
○京都大学の門脇則光助手が、「樹状細胞」による免疫の仕組み。
○京都大学の稲葉カヨ教授が、「樹状細胞」による免疫の仕組み
○関西医科大学の黒崎知博教授が、「B細胞」による情報伝達。
免疫力を高める仕組み
東京大学と東京医科歯科大学のグループは、結核菌など細菌感染に対する免疫を強力に活性化する仕組みを分子レベルで解明した。インターフェロン制御因子(IRF1)と呼ぶタンパク質が、免疫の攻撃力を高める役割を担っていることが分かった。成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
体内のマクロファージなどの免疫細胞には病原体を認識する受容体(TLR=トル様受容体)があり、異物を認識すると病原体を攻撃する指令物質を放出する。特にその周囲にT細胞など別の免疫細胞があって、インターフェロンγを分泌すると攻撃指令が強められる。これまで、インターフェロンγがあると攻撃指令が強化されるが、その理由はナゾだった。
東大の本田賢也助手と根岸英雄研究員らは、細菌を認識するTLRの信号を細胞内に伝える分子に、IRF1と呼ぶタンパク質が結合することを突き止めた。IRF1を作る遺伝子を持たないマウスでは、攻撃指令の誘導が起きなかった。IRF1はインターフェロンγによって増幅される。増えたIRF1がTLRの信号に作用することで、攻撃指令が強められると考えられる。→「腸管免疫」「ガン-免疫療法
免疫というと[T細胞]を思い浮かべるが、これは一度感染した病原体の再感染を防ぐシステム(獲得免疫系)のことで、一度も感染したことがない新しい病原体には役に立たない。
生物が生存するには未経験の病原体の感染を監視し生体防御するシステム、すなわち自然免疫系が必要になる。ほ乳類以外の脊椎動物や昆虫も自然免疫系を持っている。
自己と非自己の違いを認識する獲得免疫系に比べて自然免疫系は細菌やウイルスを構成する物質を認識する。人体内に存在しないが病原体に存在する物質を認識することで感染を防ぐ。
自然免疫系は体内にある「マクロファージ」や「樹状細胞」という外部から侵入した病原体や異物を食べるアメーバ状の細胞が担っている。これらは体内のあらゆる細胞で活動している。感染機会が多い[消化管]や[皮膚]の下にはマクロファージが列をなし、病原体の侵入を防いでいる。
自然免疫系に再び注目が集まったのは、病原体由来の物質を特異的に認識するアンテナ『Toll様受容体(TLR)』を分子レベルが明らかになったからだ。
研究の糸口はハエの研究だった。ハエのカビの対する感染防御に、TLR遺伝子がアンテナとして働いていることが1996年に分かった。1997年にはほ乳類にもTLRがあることが分かり、審良静男教授らは、TLR遺伝子を破壊したノックアウトマウスを使って、明らかにしていった。
TBK DNAワクチン・・・酵素が必要
DNAワクチンが免疫が機能するには、細胞内にある『TBK1』という酵素が不可欠なことが分かった。
審良静男・大阪大学教授と石井健准教授らは、DNAワクチンが体内で働くメカニズムを解明した。成果は2008年2/7付けのネイチャーに掲載。
DNAワクチンは環状DNAに免疫を引き起こす抗原の遺伝子を組み込んで作る。投与すると抗原に反応して免疫機能が働く。
従来のワクチンより簡単に作れるが、何故効くのか不明だった。
研究チームは抗ウイルス作用を持つタンパク質インターフェロン1を作るのに関わるTBK1に着目。TBK1を欠いたマウスにDNAワクチンを投与しても、全く効果が出なかった。
今まではTLR9というタンパク質がワクチンに作用すると思われていた。
糖鎖 糖鎖(シアリル6-スルホLex)
「名古屋大学の村松喬・名誉教授などの国際チームは、免疫が働くために必要な物質を新たに特定した。糖の一種で、リンパ球がリンパ節に入って異物を取り除く機能を獲得する足がかりになる。
この糖の分布異常がリウマチなどの自己免疫疾患に関わるとされており、糖の働きを抑える治療薬の開発につながる。
突き止めたのは、『シアリル6-スルホLex』と呼ぶ糖鎖。リンパ球をくっつける作用があり、全身の末梢リンパ節内を走る血管壁にある。異物を認識できるようになるためにリンパ球が血管の中からリンパ節に移動する足がかりになる。
遺伝子を操作して、この糖の合成に必要な酵素2種類を持たないマウスを作り実験。その結果、不完全な糖しかできず、リンパ節に入れるリンパ球が25%に低下した。
関連情報
腸管免疫
免疫機能不全
免役UP
CoQ10
ガン
活性酸素
ストレス
ガンの転移
霊芝
サメ軟骨
「ビタミンC

「ビタミンE
SOD
膠原病
慢性関節リウマチ
ステロイド
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