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ネフローゼの漢方薬






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ネフローゼ

低タンパク血症

小児ネフローゼ




ネフローゼ症候群に用いる漢方薬
  1. いんちんこうとう
    1. 8歳の男児のネフローゼを治療した。その当時の主訴は浮腫と貧血であって、尿量は少なく、尿中に多量のタンパクを証明した。私はこれに五苓散を与えたが、患者は2日ぐらい飲んで、飲みにくいからイヤだといって止めてしまった。それから2年たった。私はその患者のことを忘れていた。ところが、この患者から、突然往診を頼んできた。患者の祖母のいうことには、あれから近くの病院に入院して色々手当を受けたが、今に治らない。この状態では、いつ治るかの見当もつかない。薬が変わると、4、5日は尿量が増して、浮腫も減退するが、また間もなく、元のように尿利は減じ、浮腫が増してくる、こんなことをいつまでも繰り返しているという。
      そこで今度は必ず薬を飲ませるし、本人も飲む気になっているから、ぜひお骨折りを乞うというのである。私が往診した日の浮腫はそんなに高度ではなく、顔面と腹部とに主として水気があった。その日の朝まで、洋薬の利尿剤を飲んでいたというこの患者をいくら詳しく診察してみても、本当の証をつかむことは難しいと考えた私は、簡単に診察をすませて帰ってきた。そして3日分の分消湯を与え、この患者を紹介してくださった方に、電話で、次のように通じておいた。
      “今日、Sさんを診まして薬をあげましたが、いままで飲んでいた強い利尿剤を今日限り止めさせましたので、2、3日中に、うんとむくみが増して、小便が出なくなると思います。その時、あなたの方へ文句が来るかも知れませんが、そんなことで薬を止めるような了見では、あのような難症は決して治りませんから、どうそそのおつもりでいて下さい”
      果たせるかな、3日目の早朝、患家から電話があり、昨日から尿利が減少して、一昼夜の尿量が200‹に足らず、全身がだるまのようにむくみ、そのため胸が苦しくて昨夜は少しも眠れませんでした。至急おいでくださいと。この日の午後になって、私は患家をたずねたが、2階への梯子段を上りかけると、苦しい、苦しいという患者のうなり声が聞こえる。泣いているのである。浮腫のために僅かに開いている眼裂から涙が頬につたって流れている。腹部はひどく膨満して、鳩尾の部には、数条の青筋が見える、口渇は強いが尿は出ない。それに、3日間便秘している。浮腫は緊張が強くて、張り切っていて、強く押さないと凹まない。脈も沈んでいるが、力がある。こんな状態から考えると、この患者の浮腫は実腫であり、証のように思われた。
      は、一般に黄疸を治する処方のように考えられているが、この方は“が裏にある”と古人がいった場合に用いる方剤で、口渇・尿利の減少と尿の赤褐色・便秘・胸内苦悶・腹部膨満などを目標にして用いる。必ずしも黄疸の存在を必要としない。《中神琴渓》は、頑固な至急出血で、いろいろの手当でも治らなかったものを、裏にがあるからとて、この方を用いて治し、《村井琴山》 は、脚気で、ほていのように脹満した者に、この方を与えて速治している。
      今、この患者をみるに、浮腫はひどいけれども、茯苓や朮のような利尿剤を用いる証とも思われない。また麻黄剤の適応症のようにも見えない。この患者は、浮腫の他に、心胸部の苦煩(むなぐるしい)口渇、尿利の減少、便秘、腸満を訴えている。しかし患者の主訴は、心胸の苦煩である。そのため眠れないのである。これは正しく梔子剤の証にみられるにて眠るを得ざる証ではないか。の証に“心胸安からず”とあるのは、この状態をいったものである。または、裏のを去って口渇を治し、尿量を増やす効がある。はこの2つの薬物に大黄を加えたものである。
      このような考案によって、を与えたところ、驚くべき奇効がたちまち現れ、その翌日は尿量1500‹に達し、心胸はくつろぎ、食は進み、20日ばかりにして、腹部に浮腫を残すだけになり、自覚的には、ほとんど苦痛を訴えない状態となった。心下部の青筋と腹水はやや減少したが、全く去るというまでにはならない。その頃になって、尿量はまた少し減じ、700~800‹になった。これは気分が良いために、安静を守らないからではないかと考えた。ところが投薬を始めて26日目の夜半の2時頃より猛烈な腹痛を訴えるようになり、盲腸炎らしいから至急往診を乞うという電話があった。不思議に思いながら、駆けつけてみると、患者は眉間にシワをよせて、涙を流している。顔は蒼白である。脈をみると、浮にしてやや数である。疼痛は回盲部より右腎の部位に広がり、圧に対して過敏である。ちょっと右足を動かしても、寝返りをしても腹痛はひどくなる。しかも、腹部にはまだ浮腫が相当あるので、深部の状態を充分に探ることが難しい。体温は39度6分である。
      私は両親を別室に呼んで言った。こんどの腹痛はおそらく虫垂炎のためであろうと思う。しかしネフローゼに併発した虫垂炎を治療した経験は私にない。したがって、先の見透しはつかない。治療をしてみなければ、治るとも治らない友断言できない。私は一生懸命に手当をしてみるつもりでいるが、虫垂炎は手術しなければならないというのが一般の風潮であるから、あなた方が手術をする覚悟であるなら、私はこれを拒まない。ただ手術の結果がネフローゼに良い影響を与えると、私は考えないから、その点を御熟考の上、態度を決められたいといって帰ってきた。
      すると1時間もたたないのに薬をとりにきた。そして云った。「一切を先生にお任せします。たとえ死ぬようなことがあっても、決して恨みません。私たちは覚悟を決めました」と。そこで私は大黄牡丹皮湯を与え、午後3時頃、電話をかけて症状をたずねた。体温は37度8分をなり、腹痛も楽のようだというのが、その返事であった。
      私はいくらか安心して、往診の途中、午後7時頃、患家に立ち寄った。その時、患者は眠っていたが、脈も静になり、腹部には圧痛はあるが、自発痛は8分通り去った様子である。その翌朝早く、私はまた患家をたずねた。そして驚いたことには、いままで膨満して青筋のあった腹がぐっと小さくなり、青筋も無くなっている。尿は昨朝から1500‹以上も出たという。ほとんど飲食物をとっていないのに、いままでにない多量の尿が出たkとは、予想外であった。しかし体温は平温になった。それから引き続き6日間、大黄牡丹皮湯を与えたところ、虫垂炎の症状はすっかりとれ、尿は毎日1500‹~2200‹もあり、尿中のタンパクもほとんど出なくなった。
      この患者は前から腹部に青筋があったから、初めから、の証として、駆剤を与えるべきであったかも知れない。《大塚敬節》
  2. 越婢加朮湯
    1. 浮腫が強い、尿量減少
    2. 体力中等度
  3. 桂枝茯苓丸
  4. 牛車腎気丸
    1. 高齢者の夜間頻尿
  5. 五苓散
    1. (水滞)
    2. むくみと尿量減少があり、口が渇く者に用います
    3. 透析時の不均衡症候群
    4. 腎炎・ネフローゼの初期に
    5. 五苓散霊芝
    6. 五苓散霊芝スクアレン
    7. 五苓散陳久散
    8. 五苓散小柴胡湯
    9. 五苓散柴胡桂枝乾姜湯
    10. 五苓散紅参
    11. 五苓散当帰芍薬散
  6. 柴胡清肝湯
  7. 柴胡加竜骨牡蛎湯
    1. 肥満気味で、胸脇苦満があり、血圧が高く、尿量減少している人で、便秘して、ドキドキして、胸部に違和感がある者に用います
  8. 柴胡桂枝乾姜湯
  9. 柴胡桂枝湯
  10. 柴苓湯
    1. ファーストチョイス
    2. 腎炎、ネフローゼ
    3. 無症候性血尿、タンパク尿
    4. 顕微鏡的血尿・・・+黄連解毒湯
    5. ステロイド剤を減量できる
    6. ステロイド剤の離脱を促進できる
    7. 透析時の不均衡症候群
  11. 四逆散
  12. 四物湯(血虚)
  13. 七物降下湯
  14. 炙甘草湯
  15. 十全大補湯
    1. 慢性腎炎で貧血傾向
    2. 体力、栄養状態が悪い
    3. 皮膚粘膜の乾燥・萎縮
  16. 小建中湯
    1. 虚弱児
  17. 小青竜湯
    1. 喘鳴、咳嗽を伴う感冒後に見られる急性腎炎
    2. 尿量減少
  18. 小柴胡湯
    1. 反復性扁桃炎
    2. 疲れやすく、食欲不振
  19. 真武湯
    1. 虚証で顔色不良、冷え症で疲れやすく浮腫傾向がある(漢方診療医典)
    2. 冷え、倦怠感強く、尿量減少、下痢、めまい
  20. 大柴胡湯
  21. 猪苓湯
    1. (水滞)
    2. 口渇、尿量減少、排尿困難、血尿
  22. 当帰飲子
    1. 透析患者の皮膚掻痒症
  23. 当帰芍薬散
    1. (血)
    2. 慢性腎炎の浮腫(軽度)傾向に
    3. タンパク尿(軽度)
    4. 柴苓湯・・・無効の事例に
    5. 血色不良、手足の冷え、浮腫(軽度)
    6. 妊娠腎 、妊娠中毒症の後遺症に
    7. 産後にタンパク尿
    8. 産後に高血圧が続く
    9. 膠原病による腎障害
  24. 導水茯苓湯
    1. 寝返りがうてないほど、むくみがひどいとき
  25. 人参湯
  26. 八味地黄丸
    1. 萎縮腎、慢性腎炎、ネフローゼ
    2. 夜間多尿、疲労倦怠感
    3. タンパク尿と高血圧を目標に用いる
    4. 慢性化し軽度の浮腫やタンパク尿、高血圧を伴う者に用いる。老化に伴う腎機能低下のある者に用いられる。浮腫が無くて、タンパク尿と高血圧を主訴とするももには「釣藤鈎3.0黄柏1.5」がよい(漢方診療医典)
    5. 高齢者の夜間頻尿 、慢性腎炎
    6. 胃腸障害が出れば・・・中止する。
  27. 半夏厚朴湯
  28. 分消湯
    1. むくみがあり、腹水が著明で、脈が沈んで力がある者に用います
  29. 補気建中湯
    1. (気虚、腎虚)
    2. 気力体力が衰えて、むくみと腹水がある者に用いる
  30. 補中益気湯
    1. (気虚、腎虚)
    2. 腎炎、ネフローゼで疲労倦怠が強い。
    3. 体力の低下した人で、浮腫傾向が無く、易疲労感や全身倦怠感、食欲不振、寝汗などのある者(漢方診療医典)
    4. 虚弱児 のネフローゼ
    5. 食後に倦怠感、嗜眠傾向
  31. 木防已湯
    1. 浮腫、尿量減少
    2. 心窩部のつかえ、喘鳴を伴う呼吸困難
    3. むくみ、呼吸促迫、心臓肥大があり、呼吸がゼイゼイして、みずおち硬く抵抗感がある者。
  32. 六味丸
    1. (腎虚)
  33. 苓甘姜味辛夏仁湯
    1. 喘鳴、咳嗽を伴う感冒後に見られる急性腎炎
    2. 麻黄剤が不適の者。




民間療法
  • ○アズキ・アマチャ・スイカ・ダイコンソウ・ビワ・ムベ。
    ○[ハコベ+アシタバ]
    ○[ダイモンジソウ+キササゲ+ハトムギ]
    ○[タマネギ+ジャガイモ+ニンジン]







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