熱中症
Heat Attack (Heat Stroke)
トップへ戻る病名・症状>熱中症/高温環境に過剰に暴露されることに起因する障害
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関連情報
スポーツ障害」「高熱」「脱水症」「夏バテ」「熱性ケイレン
WBGT値と気温・湿度の関係   (WBDT=湿球温度)
  31以上(危険)
  28〜30(厳重警戒)  
  25〜27(警戒)
湿度
40%
湿度
45%
湿度
50%
湿度
55%
湿度
60%
湿度
65%
湿度
70%
湿度
75%
湿度
80%
湿度
85%
湿度
90%
湿度
95%
気温40℃ 33 34 35 35 36 37 38 39 40 41 42 43 気温40℃
気温39℃ 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 気温39℃
気温38℃ 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 気温38℃
気温37℃ 30 31 32 33 35 36 37 38 39 40 気温37℃
気温36℃ 29 30 31 32 33 34 34 35 36 37 38 39 気温36℃
気温35℃ 29 30 31 32 33 33 34 35 36 37 38 気温35℃
気温34℃ 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 気温34℃
気温33℃ 27 28 28 29 30 31 32 32 33 34 35 35 気温33℃
気温32℃ 26 27 28 29 30 31 31 32 33 34 34 気温32℃
気温31℃ 25 26 27 27 28 29 30 30 31 32 33 33 気温31℃
気温30℃ 25 26 27 27 28 29 29 30 31 32 32 気温30℃
気温29℃ 25 26 26 27 28 29 30 31 31 気温29℃
気温28℃ 25 25 26 27 28 28 29 30 30 気温28℃
気温27℃ 25 26 27 27 28 29 29 気温27℃
気温26℃ 25 26 26 27 28 28 気温26℃
気温25℃ 25 25 26 27 27 気温25℃
気温24℃ 25 26 26 気温24℃
気温23℃ 25 25 気温23℃
気温22℃ 気温22℃
「日常生活における熱中症予防指針」Ver.1(日本生気象学会)より

熱中症の症状と分類(厚生労働省)
(分類) (症状)
T度
  • めまい/失神
    • 立ちくらみ」という状態で、
    • 脳への血流量が瞬間的に不十分になったことを示し“熱失神”と呼ぶこともある
  • 筋肉痛/筋肉の硬直
    • 筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴う。
    • 発汗に伴う塩分(ナトリウム等)の欠乏により生じる。
    • これを“熱痙攣”と呼ぶこともある。
  • 大量の発汗
U度
  • 頭痛/気分の不快/吐き気/嘔吐/倦怠感/虚脱感
    • 体がぐったりする。
    • 力が入らないなどがあり。
    • 従来から“熱疲労”といわれていた状態。
V度
(重症)
  • 意識障害/痙攣/手足の運動障害
    • 呼びかけや刺激への反応がおかしい
    • 体がガクガクと引きつけがある。
    • 真っ直ぐに走れない、歩けない
  • 高体温
    • 体に触れると熱いという感触がある
    • 従来から“熱射病”や“重度の日射病”と言われていたものに相当する


熱中症の症状(環境省のマニュアル)
T度(軽度) めまい/立ちくらみ/汗がドンドン出る/水分と塩分の補給
U度(中度) だるい/ガンガン頭痛/判断力低下水分補給できないと病院へ
V度(重度)
  • 呼びかけへの反応がおかしく、体にひきつけがある。
  • 体に触れると熱いという高体温状態。
意識がない./ケイレン/まっすぐ歩けない/救急車を呼ぶ


日射病 heat stroke
  • 体温上昇しない
熱虚脱 heat collapse
熱ケイレン
熱痙攣
Heat Convulsion
  • 高温多湿下での作業・運動で多量発汗した後、塩分を喪失しているのに、水のみ補給した場合に筋肉痛を伴うケイレンを起こす。
熱疲労 Heat Fatigue
  • 発汗による脱水と放熱反応の代償不全のために、体温が上昇し、ショックに陥るが、体温が41℃以下にとどまるものを熱疲労という。
熱射病 Heat Exhaustion
  1. 熱射病では、41℃を超えて体温が上昇、細胞障害、組織酸素欠乏、アシドーシス(酸血症)、脳・肺・肝・腎不全、横紋筋融解症、播種性血管内凝固症候群から多臓器不全に進み、死に至る。
  2. 高温・多湿下での運動による熱負荷によることが多い。
  3. 早期発見と治療により救命できるが、約3割の患者が死亡する。
  4. 直腸温40℃以上で、意識障害があれば
    • すぐに冷却、補液などの治療。
    • 気道確保、呼吸と脈の確認。
    • 肝臓・腎臓機能の検査。
    • 尿ミオグロビン、血液クレアチンキナーゼの測定。
(診断)
  • マラソン大会のさなかに、高校生が意識不明状態で倒れた。
  • 医師は、頭部打撲による脳しんとうと誤診し、マンニトールなどを投与し、高熱、血圧低下、低血糖、乏尿に対して対症療法を施したが、全身状態が悪化して死亡した。
  • 判決は、医師は状況を詳しく問診し、症状の経過を観察すれば熱射病を疑うことが出来たとし、またマンニトール(脳圧下降剤だが、組織から水分を喪失させる作用がある)は脱水を悪化させたとして医師の責任を肯定した(静岡地沼津支判決:判例時報1534号p89)



熱中症 体温を調節出来なくなり、体温が上がり続ける状態。
体温は汗をだすことで(気化熱を利用して)体温を下げている。

湿度が問題
  1. 救急学会が2006年に全国の救命救急センター(66施設)の528症例を分析したところ、年代別では20歳前後が最も多く、次いで60歳代だった。
  2. 若年層の75%がT度(軽度)だったが、高齢者の30%弱がV度(重度)だった。
    真夏の炎天下でスポーツをしていて倒れるイメージが強いが、実は気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日は要注意
    若者は運動による熱中症が多いが、汗をかく機能が衰えている高齢者は室内で熱中症を発症することも少なくない。
  3. 気象業務支援センターが労働現場で熱中症に罹って死亡(毎年30〜40人)し、労災認定された人を詳しく調べたところ、
    • 約3割の人は気温が30℃以下で熱中症にかかっており、
    • 湿度がいずれも60〜80%と高かった。
  4. 人間の体は汗をかいて、水分を蒸発させ、熱を体外へ放出する。
    いわゆる「打ち水」の原理で体を冷やしている。また、皮膚表面の血管を拡張させて、外気で血液の温度を下げようとしている。
    湿度が高いと、汗が出ても蒸発しにくくなり、打ち水効果が出ない。
    • 汗をかくといっても、玉のような汗が皮膚表面にある状態もよくない。
    • 蒸発しないと効果が無い。
(対策)
  • 扇子やうちわであおぐ
  • 首やわきの下を冷やす
  • アンダーシャツに汗を体外へ放出しやすい生地(化繊)を選び、その上に綿の生地を選んで着用する(衣服内気候を最適に)。
  • こまめに水と塩分(梅干しなど)を補給する。

2008年に熱中症で死亡した人・・・591人(厚労省の人口動態統計)
2010年7月に熱中症で救急搬送された人は17680人。そのうち94人は病院到着後に死亡していたことが8/3、総務省消防庁の速報値で分かった。搬送者の内65才以上の高齢者は48.6%を占めた。集計によると7/20〜7/26の救急搬送は7日か連続で1000人を超えた。
4タイプ
  • 熱失神』皮膚の血管が拡張して血圧が低下したりして起こる、
    熱疲労』脱水によるめまいや吐き気など。
    熱ケイレン』大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下して起こる、
    熱射病』体温の上昇で意識障害を起こす
などがある。
厚生省の統計によると、熱中症による死亡事故は年に100件ほど起きている。記録的な猛暑になった1994年は589人が亡くなった。
その後、工事現場など屋外作業の労働基準が強化されたことで、労働中に熱中症にかかる人は減っている。
しかし運動時に倒れる人は減っていないという。
  1. とりわけ危ないのが中学や高校、大学のクラブ活動。昔と違って指導者は水分補給の大切さを認識しているはずだが「選手任せのことが多く、水分が不足しがちだ」と日本体育・学校健康センターの川原貴・国立スポーツ科学センター設置基準室長は指摘する。
  2. 暑さになれていない夏合宿の初日や急激に気温が上がった日は要注意。「身体が暑さに慣れていないのに激しい運動をするからだ」と川原室長は言う。
  3. 炎天下のゴルフにも気をつける必要がある。ゴルフ場でプレーしていた人が倒れるケースは多い。「ハンデが多い人は歩く距離が長くなりがちなので要注意」

体温の調節には、気温と湿度が関係している日本生気象学会
アスファルト熱に注意
炎天下では天気予報の気温より、アスファルトで舗装された道路の温度は5℃ぐらい高くなっている。ベビーカーの乳児や幼児は地面に近いため、大人よりも熱さを感じている。しかも、体が小さいため熱が体にこもりやすく、要注意。


熱射病
heatstoke
ひときわ暑い夏だった。埼玉県の高校2年生が、登山中に具合が悪くなって、十分な応急処置を受けないまま登山を続行。
3日目、下山開始から10分で意識を失い、亡くなった。熱射病だった。
亡くなったのは埼玉県のY君。身長174.5cm 体重83.5kg 。大柄で体を動かすことが好きな高校生だった。
1994年7月、山岳部の合宿が山形県の朝日連峰であり、Y君ら部員9人と引率教員3人が参加。Y君は初日から遅れ気味で、テントには他の部員より1時間後に到着した。
2日目。足取りはさらに遅くなる。教員2人と生徒1人に付き添われ、ザックもはずして歩いたが、徐々に悪化していく。脈絡のない言葉を発するなど意識障害も起こってきた。体温は38℃台。ぬれタオルで額などを2時間ほど冷やした。
しかし、病院へは運ばれず、夜には血のような色の汗も出た。この夜もテントで過ごした。
3日目。多少体温が下がり、ゆっくりなら歩けたことなどから、午前6時頃、下山を開始。約10分後、150mほどの地点で動けなくなり、そのまま亡くなった。
事故は民事訴訟に発展。今年3月、浦和地裁は引率教員の過失を認め、埼玉県に賠償金の支払いを命じた。県は控訴せず、判決は確定した。
両親は「怒りや憎しみだけでは、前進がない」と、小冊子をつくり、全国に約6000校ある高校への配布を始めた。息子の死について、両親は「不見識が最大の原因」と言う。登山前にY君がもらってきた手引書にも、熱射病に対する警告はあった。しかし、引率教員に危機感がなかったことが、判決の中で明らかになっている→「突然死
意識が無ければ体を冷やす
「猛暑に見舞われた2年前の夏。高温で体に異常が出る熱中症のなかでも一番深刻な『
熱射病』にかかり、病院に運ばれる人が相次いだ。

その中に室内で倒れたお年寄りがいた。
  1. 冷房が嫌いで、気温が30℃を超えても冷房していない部屋にいた。室温は40℃近くまで上がったが、温度に対する感覚が鈍っており、水分を摂らずに、体がだるくて寝転がったままじっとしていた。
    病院に来た時は、脱水症状が進み、発汗機能も損なわれ、体温は40℃を超えていた。顔は紅潮し、皮膚は乾いて熱く、意識も無かった。熱射病の典型的な症状だ。
  2. 日本医科大学千葉北総病院の益子邦洋・救命救急部長のいると、酔ってサウナに入って寝込んでしまい、熱射病になったケーズもある。「炎天下の屋外だけで起きるとは限らない。落とし穴に要注意です」と話す。
    措置が遅れると、命に関わる。
    高熱の刺激で、血液を固まらせるのに働く体内物質が活性化されるため、毛細血管の血液が固まって流れが悪くなる。これが肝臓・腎臓・心臓などの働きを損なうからだ。
  3. 「救急車が来るまでの応急手当として、体を冷やし出来るだけ体温を下げることが肝心」と益子さん。服を脱がし、ぬれたタオルをかけて、風を当てる。動脈が皮下を通る首の横や脇の下、脚の付け根を冷やすと効果的だ。水は飲ませない。意識がないので無理に飲ませると窒息する恐れがある横向きにし、気道が舌でふさがれないようにすることも必要だ。
熱中症でも程度の軽い『日射病』の手当は、熱射病と異なる。
  • 一時的に貧血を起こしている状態なので、涼しい場所に移し、衣服をゆるめて寝かせると意識は回復する。そこで水分を補給する。ナトリウムやカリウムなどの電解質を含むスポーツドリンクがいい。発汗機能は働いているので、体に触れるとむしろ冷たい感じがする。涼しくしてやれば十分で、体を冷やす必要はない。
熱中症は予防も大切。「頭がボーとして目がくらみ、体に力が入らなくなれば、休憩と水分補給を」と益子さん

高温環境に過剰に暴露されることに起因する障害
  • 4種類
    1. 熱失神
    2. 熱痙攣
    3. 熱疲労
    4. 熱射病




スポーツ スポーツする時の水分補給
マラソンランナーらが小ぶりのボトルから、水を少し口に含み、残りを体にかけているのを良く目にする。炎天下に走り続けているのに、少量の水で足りるのだろうか?
運動中の水分補給は汗で失った水分の補給と、体温を下げることが目的だ。昔は練習中に水を飲ませない、などという鬼監督もいたらしいが、これこそ命を縮めてしまう。
  1. 運動中の水分不足は熱中症の原因だからだ。
  2. しかし、まとめて大量のを飲んでしまうと、その吸収のために腸がフル活動しなければならず、体が疲労してしまう。
  3. これを防ぐためには、少量の(100〜200cc)をこまめに飲むことだ。
  4. もし、脱水症状や熱中症の恐れがある場合には、冷たいの方が吸収が早いことも覚えておこう。
(NHKためしてガッテン)
蒸し暑い夏 30分程度で発症も
スポーツや作業をしているときに気をつけたいのが、日射病をはじめとする『熱中症』だ。最悪の場合は命を落とすこともある。
梅雨が明けて本格的に暑くなる頃からが要注意だ。
気温が30℃を超えた日の午後、東京都練馬区の大学でラクロスの試合をしていた男子学生が突然倒れ近くの病院に運ばれ、脱水症状がひどく入院した。
この男子学生は典型的な熱中症だった。
  • 熱中症は過激な運動や強い日差しによって体温が上昇し、めまいケイレンなどを起こす。気温が28℃を超えると倒れる人が増える。
  • 運動中は体内から大量の熱が発生するので、30分程度でも発症することがある。
東京消防庁によると、2000年7/1日〜7/2日にかけて東京都内では32人が熱中症にかかり病院に運ばれたという。
○2008年7月に熱中症で救急搬送された人は12747名だった。そのうち33名が病院に搬送後、死亡が確認された。
気温35℃以上は中止
熱中症を防ぐには
  <1>気温など環境条件に応じて運動量を変える。
  <2>休息や水分補給を計画的にとる
ことが大切だ。中京女子大学の浅山正巳教授は「気温が35℃以上になったら原則的に運動は中止すべきだ」と話す。
川原室長は「水分は30分おきに補給するのが望ましい」と言う。スポーツや屋外作業をしていてノドが渇いたと思ったら、スポーツドリンクなどを飲むと塩分も補える。体調がおかしいときは軽い運動にとどめるべきだ。浅山教授は「体調が良くないときは自律神経の働きが悪い。体温の調節昨日が落ちていたり、熱中症になりやすい」と指摘する。
まず、身体を冷やして
指導者は選手の様子をよく観察して、様子がおかしいときは言葉をかけるようにした方が良い。フラついたり、ろれつが回らなくなったりしたら、熱中症を起こしている。こんなときは木陰で休ませ、あおいだり、頭から水をかけたりして、体温を冷やさないと死に至ることもあると言う。「休ませれば大丈夫だろうと思っている指導者が多いが、身体を冷やすことが重要だ」と浅山教授は言う


時間 午後1時〜午後4時に発症しやすい
独身
高齢者
救急専門医が熱射病を診るポイントは汗・体温・意識の3つだ。
人は恒温動物だから、暑い環境では汗の蒸発熱で体表から熱を逃して体温を調節している。高温多湿の場所から救急搬送された人が大量に発汗していたら、調節機構が正常に機能している証拠だ。
発汗がなければ、すぐに体温をチェックする。
40℃を超えていれば生命に関わる一大事。
意識障害を伴っていれば重症の熱射病だ。体温調節機構は破綻し、まるで石が熱せられるようにカラダに熱がたまり(ウツ熱という)、体温はどんどん上昇する。
  • 熱射病は高温多湿の環境下での労働や激しいスポーツが原因のことが多かったが、近年は、独居高齢者が暑い部屋で寝ていて熱射病となるケースがある。
  • 高齢者はクーラーを嫌い、暑い日でも部屋に1人で休んでいることがある。
  • 汗が出て脱水状態となり、体力を消耗する。もともと高齢者発汗の予備力が少なく体温を下げる力が弱い。汗が出ないので、やがて体温がジリジリと上昇に衰弱が激しくなる。
    この状態を『熱疲労』といい、熱射病の一歩手前だ。
  • 床から起きあがって水分補給も出来なくなり、意識がもうろうとなる。
体温調節の中枢機能がおかしくなると体温は一気に上昇し、休んでいても熱射病となる。高齢者にとって真夏日に室温を適度の保つことは快適さを求める以上の意味がある」(行岡哲男・東京医科大学教授
43℃ 気温43℃で、吐く息より吸う息が熱い
血圧は下がり脈拍が上昇する


水と塩 0代のAさんは朝から草刈りをしていた。
  1. 昼食後も作業を続けていたところ、よろよろと倒れ込んだ
  2. 全身がケイレンし、意識を失った
すぐに救急車で病院に運んだがその日のうちに死亡
熱中症は暑さが体にもたらす障害の総称。
炎天下で発症した熱中症は日射病とも呼ばれる。
日本体育協会がまとめた目安の1つに
24℃〜28℃は
  • 「注意すべき気象条件」熱中症の死亡事故が発生する可能性がある。体の異変に注意し頻繁に水分を摂る。
さらに31℃までは
  • 「警戒すべき気象条件」。
    熱中症の危険性が増す。30分おきに休んで水を飲む。
35℃になると
  • 「厳重警戒すべき気象条件」で、激しい運動は避ける。
35℃以上は「運動中止」
ただし、気温が同じでも湿度が高いと危険度が大きくなる。
「体重の2%に相当する量の脱水が起きると熱中症が発生しやすくなる」と水分補給の大切さを田中英登・横浜国立大学教授は語る。だが、やお茶をガブガブ飲めが安心と考えるのは誤解という。厚生労働省の調べでは水分を補っても塩分の補給が無いと発症していた。
汗をかくと、水分と同時に塩分(ナトリウム)も出て行く。
田中教授は「水だけでなくナトリウムを補わなければケイレンが起きる」と話す。
補給する目安は100mlあたり40〜80mgのナトリウムだ。コップ1杯の水に、ほんのひとつまみの塩を混ぜる。
  • ノドの渇きに気づいた時には、もうすでに脱水が進んでいる
    1. 体を動かす前に250cc〜500ccを飲むように指導。
    2. の温度は5℃〜10℃ぐらいが吸収しやすい。
    3. 運動中も水分補給を欠かさないように、15分〜30分ごとに休憩して水分を補給する。
    4. 1時間あたり500C〜1000ccの水分を摂る。
注意がいるのは、
  • スポーツなどでふるえているアスリートが熱中症でケイレンしているのを“寒さで震えている”と勘違いして、冷やさないといけないのに、毛布を掛けたりすることがあること。
◇水分不足は・・・低温でも熱中症の原因となり、筋肉のケイレンやこむら返り(腓腹筋ケイレン)を引き起こす。
水を飲んではいけない時がある
熱中症や脱水症になってしまったときだ。
私(藤田)もかって、ひどい熱中症を経験した。10数年前のことで、イラクからクウェートに向かって砂漠を車で走っていた。焼け付くような日差しのなか、社外の気温は50℃近くになっていた。それでも、砂漠の景色は美しく、わたしは黄金の世界へと車から飛び出したのだ。
20分も歩くと急に頭痛吐き気に襲われた。
気温が50℃の世界では、体温の熱を放散させる間もなく、汗が瞬時に乾燥する。
汗はどんどん出るのに、体温は下がらず、気がついた時には脱水を起こし、熱中症になっていた。
あわてて車に戻り、冷えたミネラルウォーターを飲もうとした。
しかし、ノドは渇いているのに、少し飲むと後は体が受け付けなくなった。
アドルフ博士が砂漠で実施した有名な実験がある。
  • 数人の被験者に脱水症状が出るまで砂漠を歩いてもらい、その後、真水を飲んでもらった。ある程度までを飲んだが、私と同じように、途中から飲めなくなってしまった。真水では脱水量の回復がうまくできないことが分かった。
なぜだろうか?
森本武利京都府立医科大学(当時)らがネズミを使った実験で明らかにした。
  • ネズミを体重の7%の割合で脱水状態にさせた。その後真水を与えたが、途中で飲むのを止めてしまい、脱水快復率は50%にとどまった。
    同じネズミに、血液と同じ濃度の電解質を含む水を与えると、脱水率が100%回復した。
(藤田紘一郎・人間総合科学大学教授)
予防 じょうずに水分補給
一般に成人の場合、1日に1g〜1.5gの水分が必要とされる。食事から約1g得られるが、毎日2.5gは尿などとして排泄されているからだ。
水分が不足すると汗が出なくなり、からだの深部温度が高くなる。
37℃〜40℃になると、だるさ食欲不振など熱中症の症状が出てくる。40℃以上で意識がなくなるなど神経症状が現れる。

夏場の水分補給はノドの渇きを潤すために飲むだけでは不十分
  (労働安全衛生総合研究所国際情報・研究振興センターの澤田晋一センター長)
建築現場など屋外の職場で熱中症を起こした患者を調べたところ、水分補給をしていても熱中症になる事例が少なくなかった。
澤田センター長らば夏場のような暑い環境下で軽い運動をしたときの体への影響と水分摂取状況を調べた。
  • 20歳代の男性7人に、室温を30℃台に設定した中で30分間の歩行運動をしてもらった後、ノドの渇きがおさまるまで好きなだけ水を飲んでもらった。
熱中症リスクの指標になる深部体温を計測して、運動の前後で体重の変化を調べた。
  • 深部体温が上がり、発汗によって体重が減っていた。飲んだ水の量を調べると、体重が平均261c減少した場合は・・・208c。発汗で失った水分を補えていなかった。

“特別な運動をしているときでなければ、日中は30分ごとにコップ半分くらい飲めばよい”
    (藤田紘一郎・人間総合科学大学教授)
睡眠中は水分補給ができないので、就寝前と起床時はそれぞれ水をコップ1杯づつ飲むようにする。
“日常的に飲むのなら、ミネラルウォーターなどの天然水”と藤田教授。
食事が和食中心なら腎臓への負担が軽い軟水があうが、脂肪やコレステロールが多い洋食中心なら硬水を一緒に飲むと脳梗塞心筋梗塞の予防になる。



生体肝移植 京都大学医学部付属病院(京都市左京区)は8/13日、熱中症で重い肝不全となった患者に生体肝移植を7月に実施したと発表した。患者の容体は安定しているという。熱中症患者への肝臓移植は欧米で1988年以降に3例あるが、日本国内では初めて。
移植を受けたのは東海地方に住む16歳の男子高校生。部活のランニング中に熱中症で倒れた。肝臓機能が低下していたため、7/11に地元の病院から京大病院へ転院。40代の母親から肝臓の一部を移植した

熱中症の漢方薬
  1. 胃苓湯
  2. 牛黄清心丸+紅参
  3. 柴苓湯
  4. 至宝丹
  5. 清暑益気湯
  6. 白虎加人参湯+紅参
  7. 六一散