ノルアドレナリン
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不安・恐怖 神経伝達物質のノルアドレナリンは、不安・恐怖と深い関係を持っています。久留米大学医学部薬理学教室の田中正敏教授の研究によれば、実験動物のラットの1匹に電気ショックを与え、そのショック状態を見て不安・恐怖状態になった別のラットの脳内アドレナリンの状態を調べてみると、青斑核や視床下部でノルアドレナリンの活性が明らかに高まっていた
青斑核
青斑核ノルアドレナリン系
大脳の下には脳幹があり、脳幹は間脳・中脳・橋・延髄から出来ていて、間脳には視床と視床下部が含まれます。間脳の橋には、呼吸困難・心臓がドキドキする・冷や汗が出る・めまいなどの自律神経発作を起こす中枢である『青斑核』という神経核が左右一対に存在しています。
そして青斑核からは「ノルアドレナリン」という興奮性の神経伝達物質で作動する神経線維が出て、視床下部から大脳辺縁系、大脳皮質のすみずみまで達する『青斑核ノルアドレナリン系』と呼ばれる神経経路を構成しています。
青斑核ノルアドレナリン系の役割は、様々な感覚情報を脳内で統合し処理することですが、とりわけ、私たちが生存するために必要な感覚情報を取捨選択する神経回路です。そして、ひとたび、生存にとって有害で危険な情報を察知すると、警報を発するシステムでもあります。
動物実験で、サルの青斑核を電気刺激すると不安・恐怖状態になります。その自律神経症状は人のパニック発作時に診られるものものとそっくりです。
また、ネコを自由に行動できるようにしておいて、大きな音や犬で脅すと、ネコの青斑核神経細胞が興奮して電気的活動が活発になるという実験結果もあります。反対に、青斑核を破壊したネコを脅しても、それほど不安・恐怖反応を示さなくなります
受容体 神経細胞の受容体は大きく分けて2種類あります。
ノルアドレナリン性神経細胞でいえば

・1つは、シナプスでノルアドレナリンを受け取り情報を感じ取る普通の受容体で、(
後シナプス性受容体[β受容体])といいます。
・もう1つは、放出したノルアドレナリンを神経細胞自身が感じ取る受容体で、これを(前シナプス性受容体[α2受容体])と呼んでいます。
α2受容体 神経細胞が合成するノルアドレナリン量をコントロールしています。
@α2受容体の働きを遮断するもの:『
ヨヒンビン
「ヨヒンビンを投与すると、α2受容体のコントロール機能が正常に働かないので神経細胞はノルアドレナリンを一方的に合成します。その結果パニック発作を引き起こすことがあります。
 コネチカット精神保健センターのチャーネーらは、ヨヒンビンを健常者とパニック障害の患者さんに投与してみました。すると、ヨヒンビン5mgを投与した実験で、健常者には明らかな不安感は出なかった野に対して、パニック障害の患者は、幸福感や落ち着いた気分が弱まり、強い不安・神経過敏・眠気を訴えました。ヨヒンビンを20mgに増量すると、パニック障害の患者の実に54%が、健常者の5%がパニック発作を起こしました。」
Aα2受容体の働きを刺激するもの:『
クロニジン
β受容体 @β受容体の働きを遮断するもの:『プロプラノール
高血圧薬であるプロプラノールを長期間使っていると、β受容体が増加することから、急に服用をを止めるとノルアドレナリンによる神経伝達が急激に高まり、パニック発作を起こします。
Aβ受容体を刺激するもの:
『イソプロテノール
喘息の特効薬イソプロテノール を投与すると、ノルアドレナリンが過剰に放出されたのと同じ症状を引き起こします。
関連情報
神経細胞
パニック発作時

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