(脳神経細胞) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 関連情報 |
「アルツハイマー病」「脳」「神経細胞」「中枢神経」「神経再生」「再生医療」「神経細胞成長因子」 |
| 脳神経(cranial nerve) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 脳細胞の再生 | ||
|
| 骨髄中の タンパク質 |
ガレクチン1 慶応義塾大学の岡野栄之教授と坂口昌徳助手らは、脳梗塞などでダメージを受けた脳の神経細胞が再生するのを手助けするタンパク質を、マウス実験で確認した。2006年4月の米アカデミー紀要に掲載。 脳の中には脳神経に成長する能力を持った『神経幹細胞』という細胞が含まれ、脳梗塞などによって脳機能が低下したときに脳神経を再生したり修復する働きをしている。神経幹細胞は胎児の脳には比較的多いが大人になると微量しか含まれていない。 研究グループは、骨髄中で神経を修復させる物質を分泌している『骨髄間質細胞』という特殊な細胞から『』というタンパク質を抽出。このガレクチン1に神経幹細胞を増殖させる作用があることを突き止めた。脳の中では神経幹細胞が自らこのタンパク質を分泌していると考えられる。 試験管内の実験で、ガレクチン1を加えた分量に比例して神経幹細胞がほぼ無限に増殖。健康な大人のマウスの脳に注入すると神経幹細胞が2倍に増殖したほか、このタンパク質を持たない遺伝子改変マウスでは、神経幹細胞の量が1/3~1/4に減少した。 このタンパク質は脳神経だけでなく中枢神経全般の増殖・再生にも関わっていると考えられている |
| 比喩 | 脳の「角回」・・・比喩 「米カリフォルニア大学の研究者らは、脳の『角回』と呼ばれる部分が、比喩表現を理解する機能と関係していることを発見した。左側の角回が傷ついている右利きの患者4人で調べた。患者らは「隣の芝生は青い」などの比喩の意味をほとんど理解できなかった。 患者らは全員英語力や思考力にも問題はなかったが、比喩の意味を尋ねても文字通りの意味しか理解できなかった。 脳の他の部分に傷が付いている患者には、このような傾向は見られなかった。人間の角回は他の動物より大きく、比喩の理解や抽象的な思考を助けている可能性があるという。 |
| ほ乳類 | ほ乳類の脳 2008年、ほ乳類の脳の形成に関わる遺伝情報を、東京工業大学と理化学研究所の研究チームが発見した。ほ乳類が約2憶年前に地球上に誕生したときに、この遺伝情報を獲得したとみられる。 発見したのは『レトロポゾン』と呼ばれる遺伝子情報。脳を作る遺伝子の働きを助け、「視床」という脳の重要な部位を作る。マウス実験で確認した。 視床は耳や目が捉えた感覚情報を脳内で処理し、ほ乳類が周囲の様子を素早く把握して行動するための重要な役割を果たしている。 鳥類や両生類にはほ乳類のような視床は無い。 |
| 神経回路 | 神経網の可塑性 理化学研究所・脳科学総合研究センターのヘンシュ貴雄チームリーダーらは、脳の神経回路が柔軟に組変わる能力が発揮される背景に神経の興奮を抑制する仕組みの存在が重要な役割を果たしていることを突き止めた。詳細は2000年3/9日付の英科学誌「ネイチャー」に発表する。 研究はマウスの大脳で視覚情報を処理する神経回路を対象に進めた。この回路に目から情報が入ると、神経が興奮して情報伝達を強める刺激と、逆に興奮を抑制して情報伝達を弱める刺激の両方が組合わさって働く。また生後のある時期に限って、外部の刺激で神経回路が柔軟に組変わることが知られている。これを『脳の可塑性』と予備、可塑性が現れる時期を『臨界期』という。 遺伝子技術を用いて、興奮を抑制する刺激がうまく働かないマウスを作り、脳の可塑性にどんな影響が出るか調べた。その結果、こうしたマウスは大人に成長するまで全く可塑性が現れなかった。しかし大人になってから興奮抑制作用がある薬剤を投与すると、可塑性を持ち始めた。 逆に神経回路の抑制作用が未熟な生後間もないマウスに同じ薬剤を投与すると、通常よりも早く臨界期になった。 こうした結果から研究グループは「可塑性が現れるには一定レベル以上の抑制性の刺激が不可欠」と結論づけている。 |
| 伝達・誘導 | 脳内細胞の情報伝達・誘導物質 「脳の神経細胞内で情報伝達にかかわる様々な物質を運ぶ「分子モーター」の行き先を決める誘導タンパク質を東京大学の広川信隆教授らが発見した。 このタンパク質の働きを明らかにできれば、神経細胞に異常が起きる様々な神経変性疾患や老化に伴う記憶障害などの解明や治療法の開発に結びつく可能性がある。 広川教授らは、分子モーターが<GRIP1>というタンパク質とくっつくと、神経細胞の中心から樹状突起と呼ぶ部分に移動することを突き止めた。分子モーターはGRIP1を介して記憶形成に不可欠な別のタンパク質と結びつき、情報伝達を樹状突起に送り届けるという。 マウスの実験では、GRIP1の働きを阻害すると分子モーターが樹状突起に移動できなくなった。逆にGRIP1の働きを高めると、樹状突起に集まる分子モーターが多くなった。 神経細胞は軸索という細長い手を持ち、そこから他の神経細胞の樹状突起に情報を伝える。これまで、分子モーターを軸索に向かわせるタンパク質は見つかっていたが、樹状突起に分子モーターが移動する仕組みは不明だった。 分子モーターなどはヒトやマウスに共通。「高齢動物では分子モーターの働きが低下することが分かっており、ヒトの記憶障害にもかかわる可能性がある」(広川教授)という。」 |
| グリア細胞 | 理化学研究所の研究チームは脳の神経細胞が成長する際に『グリア細胞』と呼ぶ別の細胞との接触が重要な役割を果たしていることを突き止めた。成果は、2004年2/5付けの米科学誌ニューロンに掲載。 神経細胞が成長して結合する過程では、周囲のグリア細胞との接触が重要な役割を演じていると推測、グリア細胞が分泌する物質に浸けた神経細胞を2つのグループに分け、一方をグリア細胞に接触、他方は接触させないで比較した。その結果、接触させた方が神経細胞の結合の数が5~6倍多く、結合を促す物質が神経細胞内で活発に働いていた。 血中塩分の調節 「基礎生物学研究所の野田昌晴教授と檜山武史助教授らのグループは、脳の神経回路を支えるグリア細胞が、血液中の塩分濃度を検知して神経細胞をコントロールしていることとを突き止めた。成果2007年4/4付けのニューロンに掲載。 研究チームは、脳室のそばにあるグリア細胞の違いでマウスが塩水錐を飲んだり飲まなくなったりすることに着目。 グリア細胞の膜に血液中のナトリウムイオンを検知して取り込む特殊なタンパク質が存在することを発見した。ナトリウムイオンを取り込むときにエネルギーを使う。グリア細胞はグルコースからエネルギーを取り出した後に残る乳酸を神経細胞に供給することで、神経細胞の興奮を抑えることを分かった。神経の興奮が抑制されると塩分の摂取行動も抑制されると推定される。 このタンパク質を作れないようにしたマウスでは、脱水状態にして血液中の塩分濃度を上げてもいつまでも塩水を飲み続けていた。正常なマウスは塩水を飲まなくなった。 グリア細胞は神経細胞へ栄養分を供給すると考えられているが、人間の生理活動の基本である塩分濃度の調節に深く関与しているのが分かったのは初めて。 |
| 左右非対称 | 理化学研究所と英ロンドン大学は2005年1/19、脳内の神経回路のつながり方が左右非対称になっていることを確認したと発表。 ゼブラフィッシュを対象に、視覚や嗅覚などの情報が入る脳内の手綱核と呼ばれる部分を調べた。手綱核は脳の中心線上にあり左右に分かれた構造。左右それぞれから、同じく中心線上にある脚間核という部分に神経で繋がっている。 蛍光性のタンパク質を入れて脳内で働く遺伝子を可視化して神経の結合を観察したところ、手綱核の左側と右側では神経が脚間核と結合する位置が異なっていた。また、可視化した遺伝子が右側で働くタイプと左側で働くタイプとでは結合が左右逆だった。手綱核は人間にもあり、研究チームは人間の脳機能の解明に役立てる |
| 情報伝達 | 2007年9月、理化学研究所は脳内で複数の情報が混乱しないで伝わるように手助けするタンパク質を突き止めた。 4つのタンパク質が働いて情報ごとに伝達経路が区別されるという。 脳神経細胞は他に細胞に情報を送る際、軸索と呼ぶ突起をのばす。 情報を受け取る細胞では樹状突起をつかって情報を受け取る。 樹状突起のどこに結びつくかで情報の種類がくばられるが詳細は不明。 ネズミの海馬で調べたところ、送り手細胞の軸索表面には『ネトリンG1』と『『ネトリンG2』と呼ぶタンパク質のいずれかが現れた。 受け手細胞の樹状突起では、 先端近くに『NGL-1』、 根元近くには『NGL-2』と呼ぶタンパク質が存在。 ネトリンG1はNGL-1 ネトリンG2はNGL-2 とそれぞれ結合し、別々の情報を伝える経路を張るという。 成果は米アカデミー紀要電子版に掲載。 |
| 脳の神経細胞 | シナプスの働きをコントロール 2009年、自然科学研究機構・生理学研究所の深田正紀教授らのチームが、脳の神経細胞にあるパルミトイル化酵素の一部が、情報伝達を担うシナプスの働きをたくみに制御していることを解明した。 成果は7/13のジャーナル・オブ・セルバイオロジーの掲載。 深田教授らが発見したこの酵素には23種類あることが分かっているが、そのうちの2種類に的を絞り、GEP(緑色蛍光タンパク質)を使ってマウスの脳を観察した。その結果、譲歩言う伝達物質をやりとりしているシナプスのセンサー機能を調整するタンパク質の量を、この酵素がコントロールしていることが明らかになった。 シナプスの働きが弱くなると、タンパク質をより多くシナプスに移動させていることが分かった。 深田教授は「パルミトイル化酵素のいくつかは統合失調症などに関連するとの報告があり、それぞれの酵素に合わせた創薬が期待できる」と語る。 死滅の仕組み 2010年、秋田大学の佐々木雄彦教授らはマウス実験で、脳神経細胞が死ぬ仕組みの一端を解明した。 細胞内で不要になったリン脂質を分解する酵素が働かなくなると細胞が失われ、運動機能に障害が出ることを確認した。 成果は5/13のネイチャー(電子版)に掲載。 佐々木教授らは細胞膜を構成するリン脂質の分解酵素に着目。 この酵素を無くしたマウスを作るとリン脂質が分解されずに細胞に溜まり、細胞死を招いた。その結果、体が勝手に動くなどの運動障害が起きた。 古いリン脂質がたまると細胞は神経伝達物質の1つ、グルタミン酸に過剰に反応するするようになることも分かった。酵素を無くした細胞は通常に比べ高い濃度のグルタミン酸に対する耐性が弱くなることも分かった。 高濃度のグルタミン酸は細胞に対し毒性を持つことが知られている。それを同じ反応が起きて、細胞が死ぬと考えられる。 佐々木教授は酵素が“リン脂質の量を調整して細胞を守る働きをする”とみている。 酵素は『INPP4A』と呼ばれ、存在は知られていたが、神経細胞の死に関連している事は不明だった。 酵素とリン脂質やグルタミン酸の関係が詳しく分かれば、アルツハイマー病など神経細胞が失われて生じる病気の治療法につながる。 緑色で操作 2010年、東北大学の八尾寛教授らは、緑色LED(発光ダイオード)で脳の神経細胞を操作する技術を新たに開発した。 研究チームは単細胞の緑藻類クラミドモナスが持つ「チャネルロドプシン」という光を吸収するタンパク質を改変した。緑色に反応するタイプの一部を青色に反応するタイプに組み込み、青と緑色の両方に反応する新しい光感受性タンパク質「チャネルロドプシン・グリーン・レシーバー」を作った。 新タンパク質の遺伝子をマウスの大脳皮質の運動野に注入したところ、運動野の神経細胞で新タンパク質が発現した。そこで、3~10ヘルツの緑色LED光を脳に当てたところ、特定の神経細胞が活動し始めた。 別の周波数に変えると活動は弱まった。 精華は9/23の米オンライン学術雑誌パブリック・サイエンス・ワンに掲載 |
| センサー | 2009年、奈良先端科学技術大学院大学と近畿大学のグループは、脳の神経細胞の活動状態を可視化する半導体センサーを開発した。開発したのは太田淳・奈良先端大教授らと近代医学部の加藤天美教授のグループ。 ペンのような装置の先端部を脳にわずかに差し込む。その先端部は長さ4mm、幅1mmのナイフ状。この表面にCMOS(相補性金属酸化膜半導体)で作った撮像素子約13800個を張り付けセンサーとした。 遺伝子操作で光を当てると発光するタンパク質(GFP)を神経細胞に持つマウスを作製し、開発したセンサーをマウスの海馬まで挿入した。センサー上部に取り付けたダイオードの光を受けて神経細胞が発光、その光を受けたCMOS撮像素子で生きている神経細胞を撮影できることを確認した。 脳内の神経細胞の損傷は局所的にとどまりセンサー挿入後もマウスは生きているという。 |
| ミラーニューロン | ハプニングから見つかった。 サルが実験用イスに座っている。実際には動かないようにイスに縛られている。そしてサルの脳神経のは脳性を測定していたんだけど、その途中で研究者が休憩をとって、シャーベットか何かを食べてたの。 そしたら、研究者がスプーンを口に持っていくたびに、それを見ていたサルの脳で、ある神経が活動したんだ。その神経を詳しく調べたら、なんと、サル自身が何かを口まで持っていくときにも反応する神経だった。 これは自分であろうと、他人であろうと関係なく、ある<しぐさ>に対して反応する神経なので、ミラー(鏡)の神経という名前がついている。 |
| 数字 | 2002年、数字に反応する神経がサルから見つかった。たとえば「2」という数字に反応する神経が見つかった。つまり、リンゴが2個ある、サルが2匹いる。何でもいい。とにかく、「2」というものが目の前にあったときに反応する神経が見つかった。(池谷裕二著「進化しすぎた脳」p163) |
| eCB | (内因性カンナビノイド) 2010年、理化学研究所と米ジョンズ・ホプキンズ大学のチームは、脳内で信号伝達を調節する「内因性カンナビノイド(eCB)」という物質が働いて、脳細胞を伝わる信号を安定させていることをラットで解明した。 ラットの脳細胞は、生後2~3週目で信号の伝わり方が強くなったり弱くなったりと不安定。ところが、生後約5週目を過ぎると、信号伝達が安定する。 eCBの働きを妨げると、信号伝達が不安定なままで、脳細胞の発達が遅れることが分かった。また、暗闇でしいくして視覚刺激を与えないようにすると、eCBが合成されなくなり、脳細胞の発達が遅れた。 |
| 連続的 | 2011年、東京大学の池谷裕二准教授らは記憶を担う脳の神経細胞の活動を調節する新たなメカニズムを突き止めた。 神経細胞が働く「オン」と、何もしない「オフ」の2つの状態しかないとみられていたが、実際には、活動の程度が連続的に変わることがわかった。 成果は2/4のサイエンス(電子版)に掲載。 神経細胞は表面の電気が「オン」の状態になると活動、となりの神経細胞に情報を伝える。研究チームはラットの脳を使い、記憶を担う「海馬」領域に細い電極を刺して神経細胞の働きを調べた。 その結果、「オン」のトキに活動の強さを連続的に変化させるメカニズムを見つけた。 神経細胞のまわりにある「アストログリア」と呼ぶ星型の細胞が伝達物質を出して神経細胞に働きかけ、活動を強めることがわかった。 |
| 左右の脳をつなぐ遺伝子 |
|