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脳細胞



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脳細胞
(脳神経細胞)

」「神経細胞」「中枢神経」「神経再生」「再生医療」「神経細胞成長因子」「アルツハイマー病




脳細胞の再生
  • 大人でも新たな脳細胞
    1. 大人の脳は成長が止まり、年齢とともに脳細胞が破壊されると考えられていたが、認識や知覚などの重要な働きをつかさどる大脳皮質には、大人になっても新しい脳細胞が付け加わっていることがわかった。
      米プリンストン大のエリザベス・ゴールド博士らがアカゲザルを使った実験で確認。
      1999年10/15日付けの米科学誌サイエンスに発表した。
      サルと人間の脳は極めて似ていることから、人間の脳でも同じ現象が起きているとみられる。博士らは、新たに付け加わる脳細胞は記憶や学習などの高度な機能に関連があるらしい、と指摘している。
      博士らは、細胞分裂して新たに増えた細胞に取り込まれる特殊な化学物質を、成獣のアカゲザル12匹の腹に注入。2時間から7週間後にサルの脳を調べ、どの部分から化学物質が見つかるかを分析した。
      その結果、注入2時間後の脳では、脳の中心近くで見つかり、新たな細胞が脳の奥深くで作られていることが判明。新たな細胞は時間とともに、脳の外層である大脳皮質で移動し、脳神経細胞として成熟することが分かった。新たな細胞は大脳皮質の中でも判断力など特に高度な機能を持つ部分に付け加わるという
    2. 発達期以降も成長!?
      2010年、理化学研究所は脳の視覚野にある神経細胞を観察し、生後の一定期間を過ぎると発達しないとされてきた通説を覆す現象を見つけた。
      マウスの目に光を当てる実験で、抑制性というタイプの脳神経細胞は脳の発達期を過ぎても働きが変化していた。抑制性の神経細胞は大人に相当する成熟期でも新生するとの研究がある。
      成果はジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表。
      マウスは生後19~32日の「臨界期」と呼ぶ時期に視覚野の働きがほぼ決まると考えられてきた。研究チームは臨界期を過ぎた生後50日のマウスを観察した。大坊皮質の視覚野にある神経細胞を生きたまま彩色したところ、抑制性という神経細胞の一種は目から入った光に反応する様子が臨界期の場合と似ていた。
      生後の一定時期に限らず、その後の成長過程でも発達している可能性を示唆するという。
  • 脳神経再生の遺伝子(bc12遺伝子
    • 一度傷つくと再生しないとされていた脳の中枢神経が、『bc12』と呼ばれるガン遺伝子によって再生されることを、ノーベル医学生理学賞受賞者の利根川進マサチューセッツ工科大教授らがマウスを使った実験で突き止めた。
      中枢神経は人間の活動で重要な働きをしており、解明が進めば脳障害の治療に大きく役立つと期待される。
      利根川教授は「この遺伝子を体内に注入する遺伝子治療などで、脳に障害がある新生児や脳卒中の後遺症治療、神経変性疾患などを治療できる道が開ける」と話しており、研究成果は30日付けの英科学誌ネイチャーに発表された。
       利根川教授によると、研究グループは受精後の日数が異なるマウスの胎児の網膜と脳の一部をそれぞれ取り出し、互いに接触させた状態で培養した。網膜と脳の神経細胞は通常はつながっているが実験では切断された。
      実験の結果、受精後間もない胎児は網膜の神経細胞の軸索の部分が再生したが、受精後かなり日数が経過し生まれる直前の胎児は再生せず、成長のある段階を境に再生しなくなることを確認。再生しなくなる時期は、bc12が作るタンパク質の量が極端に減る時期とほぼ一致することを発見した。
      一方、bc12遺伝子が作るタンパク質の量が成長しても減らないよう遺伝子を操作したマウスで実験したところ、成長の過程に関係なく中枢神経の細胞は再生、この遺伝子が再生に関与していることが分かった、という。
      bc12遺伝子は異常が起きるとある種のガンを起こすなど、細胞の増殖・分化に関係する幅広い働きをすることで最近注目されていた



  • の電位で増殖
    • 国立循環器病センターの研究グループは、脳の神経細胞が新たに作られるキッカケとなる生体現象を、ラットを使った動物実験で解明した。
      脳梗塞などで脳の神経細胞の損傷を受けた人の回復に役立つかもしれない。
      脳に血流不足などが生じた際に、脳内で発生する電位変化の波が脳の神経細胞を新たに生み出す役割を担っていた。
      成果は米医学誌「ストローク」2005年7月号に掲載。
      頭部の外傷や脳の血管が詰まって脳の血流不足が起きると、損傷を受けた神経細胞胃の付近でカリウム濃度が上昇し、周辺の神経細胞以内の電位も上昇する。この電位変化が脳全体へ波紋のように広がっては消えていく現象が起きることが知られていた。・・・だが、何のために起きているのが不明だった。
      同センターの柳本広二。脳血管障害脳外科研究室長らはラットの脳に電位変化を発生させ、顕微鏡で脳を観察した。その結果、新しい神経細胞が多数、現れていることを確認した。新たな神経細胞を作り出す『神経幹細胞』が、電位変化で刺激されたためと考えている。
  • 「海馬」に幹細胞
    • 中枢神経の再生に役立つ発見。
      2009年、産業技術総合研究所の器官発生工学研究ラボの浅島誠・研究ラボ長らのグループは、大人の脳で神経に成長する神経幹細胞を制御する仕組みを解明した。
      幹細胞が未分化のままでいる指令と神経に成長する指令をうまく使い分けながら、幹細胞を制御していることが分かった。
      成果は、ネイチャー・ニューロサイエンスに発表。
      中枢神経は再生しないと考えられてきたが、脳の中心部にある海馬という部分に幹細胞が存在することが明らかになった。
      幹細胞は自己複製する能力と、「神経細胞」や「アスロトサイト細胞」、「オリゴデンドロサイト」の3つの細胞に育つ能力がある。
      アストロサイト細胞は神経細胞を生み出すにに必要な『Wnt3a』(ウイント3a)を出しているが、その因子が幹細胞にどうやって働きかけているのかが不明だった。
      研究グループは、ウイント3aが幹細胞の遺伝子の特定配列部分に働きかけると神経細胞に育つことを突き止めた。一方、別の因子によってこの配列が刺激されると幹細胞のままでいるという。
      ウイント3aが特定の配列部分に働きかけないようにすると、幹細胞は新しい神経細胞を生み出すことはほとんどできなくなった。
  • 脳の老化と若返り
    • ウィント3
    • 2011年、産業技術総合研究所は脳の老化と若返りを調節するタンパク質をマウス実験で発見した。記憶などにかかわる海馬で新しい神経が作られるのを、このタンパク質が促進しており、若いマウスでは量が多く、老齢では少なかった。
    •  運動によって増えることも分かった。
    • アルツハイマー病やうつ病の治療に役立つ可能性がある。
    • 筑波大との共同成果で、米国の実験生物学の科学誌「FASEBジャーナル」に掲載。
    •   みつけたタンパク質は「ウィント3」。海馬の中で神経の元になる神経幹細胞と隣接するアストロサイト細胞が分泌する。
    • 細胞培養実験で調べると、老齢マウスの細胞のウィント3生産能力は若齢のマウスの1/30程度に減少していた。
    •  マウスに1日20分のランニングを2週間させると、ウィント3の生産が大幅に増え、幹細胞が活性化され新しく生まれる神経細胞が増えた。
  • ニューロン新生
    • 2010年、東北大学の大隅典子教授らは、脳神経細胞(ニューロン)が成体の脳の中で新たに生み出される「ニューロン新生」と呼ばれる現象のメカニズムを解明した。
      脳血管の大きさの調整に関わり、ニューロン新生にも関与していルト見られる遺伝子を特定した。ニューロン新生の異常はうつ病や統合失調症にも関与していると考えられている。
      研究グループは細胞膜にあるタンパク質「Ephrin-A5(エフリンA5)」を作る遺伝子の無い成体のマウスを観察。正常なマウスに比べて、記憶の中枢である「海馬歯状回」の毛細血管が細くなり、新生ニューロンの生存率が3割ほど低下していることを突き止めた。
      この遺伝子が脳の血管の大きさなどを調節し、ニューロン新生にも重要な役割を担っているとみられる。
      脳は多数のニューロンなどで構成される。多くは胎児期に作られるが、成体でも脳の「脳室下帯」「海馬歯状回」で絶えず作られており、ニューロン新生がうまくいかないと「うつ病」等が現れると考えられている。
      今回の成果は、脳の血流を改善することが精神疾患の予防や治療にもつながる可能性を示した。
  • 脳の神経が複雑な構造を作る仕組み
    • 2013年、東京大学の後藤田季子教授らは、脳の神経が複雑な構造を作る仕組みを解明した。
    • 生まれたての未熟な神経は脳の奥で互いにくっついて動かないが、成熟すると「Scratch」と呼ぶタンパク質が働いて離れ、順番に脳の特定場所に向かって動き出す。
    • 成果はネイチャー・ニューサイエンスに掲載。
    • マウスの脳の成長を観察した。
    • 神経の塊をほどくタンパク質(Scratch)の作用が弱いと、神経が層状に並んだ正しい脳の構造が作れなかった。脳が正しく働くためには神経の配置が大切
  • 不要な接続を切り捨てる
    • 2014年、赤ちゃんの脳で、神経細胞はたくさんの神経細胞とつながっている。
    • 脳が正常に働くには必要なつながりを強くする一方、必要のないつながりを切ってししまう必要がある。
    • 不要な神経同士のつながりを残しておくと、神経を伝わる情報が「混戦」して脳がうまく働かなくなるから。
    • 東京大学の狩野方伸教授と三国貴康特任研究員らは神経細胞が不要なつながりを「刈り込む」仕組みの一端を解明した。
    • 研究チームはマウスの脳の中で運動を司る小脳に着目。
    • 運動機能を担うプルキンエ細胞という神経細胞は、生まれたてのマウスでは約10個の神経細胞とつながって情報を受け取っている。はじめに何らかの理由で1つの細胞から強い信号を受け取ると、そのつながりがどんどん太くなって強化された。それ以外のつながりは逆に弱くなって強い信号が通らなくなり、その結果ますます弱って15日で刈り込まれて無くなってしまった。
    • この仕組みに「Arc」という遺伝子が関わることも突き止めた。



脳神経(cranial nerve)
  • 脳神経の起始部
    1. 脳神経は、脳に直接出入りする末梢神経である。
    2. 12対からなり、脳の前方から出る順番がつけられている
      • 脳神経



  • 脳神経とその機能
    • 番号 名称 支配 機能 部位
      臭神経(S) 鼻粘膜嗅部 嗅覚 大脳半球
      視神経(S) 眼球網膜 視覚 間脳
      大脳半球
      動眼神経(M) 上直筋
      下直筋
      内側直筋
      下斜筋
      上眼瞼挙筋
      瞳孔括約筋
      毛様体筋
      上斜筋
      眼球・眼瞼挙上 中脳
      滑車神経(M) 上斜筋 眼球運動 中脳
      三叉神経(S/M) 顔面
      頭部


      咀嚼
      顔面感覚
      外転神経(M) 外側直筋 眼球運動
      顔面神経(S/M) 表情筋

      唾液腺
      顔面運動
      味覚
      内耳神経(S) 内耳
      コルチ器官
      半規管
      聴覚
      平衡感覚

      延髄
      舌咽神経(S/M)
      咽喉
      唾液腺
      嚥下
      味覚
      延髄
      迷走神経(S/M) 喉頭
      心臓
      胃腸
      運動
      内臓覚
      延髄
      副神経(M) 頭部
      頚部
      肩甲部の筋
      運動 延髄
      脊髄
      舌下神経 舌筋 舌の運動 延髄
      (S):感覚神経
      (M):運動神経
      (S/M):混合神経


骨髄中の
タンパク質
ガレクチン1
慶応義塾大学の岡野栄之教授と坂口昌徳助手らは、脳梗塞などでダメージを受けた脳の神経細胞が再生するのを手助けするタンパク質を、マウス実験で確認した。2006年4月の米アカデミー紀要に掲載。
脳の中には脳神経に成長する能力を持った『神経幹細胞』という細胞が含まれ、脳梗塞などによって脳機能が低下したときに脳神経を再生したり修復する働きをしている。神経幹細胞は胎児の脳には比較的多いが大人になると微量しか含まれていない。
研究グループは、骨髄中で神経を修復させる物質を分泌している『骨髄間質細胞』という特殊な細胞から『』というタンパク質を抽出。このガレクチン1に神経幹細胞を増殖させる作用があることを突き止めた。脳の中では神経幹細胞が自らこのタンパク質を分泌していると考えられる。
試験管内の実験で、ガレクチン1を加えた分量に比例して神経幹細胞がほぼ無限に増殖。健康な大人のマウスの脳に注入すると神経幹細胞が2倍に増殖したほか、このタンパク質を持たない遺伝子改変マウスでは、神経幹細胞の量が1/3~1/4に減少した。
このタンパク質は脳神経だけでなく中枢神経全般の増殖・再生にも関わっていると考えられている
比喩 脳の「角回」・・・比喩
「米カリフォルニア大学の研究者らは、脳の『角回』と呼ばれる部分が、比喩表現を理解する機能と関係していることを発見した。左側の角回が傷ついている右利きの患者4人で調べた。患者らは「隣の芝生は青い」などの比喩の意味をほとんど理解できなかった。
患者らは全員英語力や思考力にも問題はなかったが、比喩の意味を尋ねても文字通りの意味しか理解できなかった。
脳の他の部分に傷が付いている患者には、このような傾向は見られなかった。人間の角回は他の動物より大きく、比喩の理解や抽象的な思考を助けている可能性があるという。幽体離脱
ほ乳類 ほ乳類の脳
2008年、ほ乳類の脳の形成に関わる遺伝情報を、東京工業大学と理化学研究所の研究チームが発見した。ほ乳類が約2憶年前に地球上に誕生したときに、この遺伝情報を獲得したとみられる。
発見したのは『レトロポゾン』と呼ばれる遺伝子情報。脳を作る遺伝子の働きを助け、「視床」という脳の重要な部位を作る。マウス実験で確認した。
視床は耳や目が捉えた感覚情報を脳内で処理し、ほ乳類が周囲の様子を素早く把握して行動するための重要な役割を果たしている。
鳥類や両生類にはほ乳類のような視床は無い。
神経回路 神経網の可塑性
理化学研究所・脳科学総合研究センターのヘンシュ貴雄チームリーダーらは、脳の神経回路が柔軟に組変わる能力が発揮される背景に神経の興奮を抑制する仕組みの存在が重要な役割を果たしていることを突き止めた。詳細は2000年3/9日付の英科学誌「ネイチャー」に発表する。
研究はマウスの大脳で視覚情報を処理する神経回路を対象に進めた。この回路に目から情報が入ると、神経が興奮して情報伝達を強める刺激と、逆に興奮を抑制して情報伝達を弱める刺激の両方が組合わさって働く。また生後のある時期に限って、外部の刺激で神経回路が柔軟に組変わることが知られている。これを『脳の可塑性』と予備、可塑性が現れる時期を『臨界期』という。
遺伝子技術を用いて、興奮を抑制する刺激がうまく働かないマウスを作り、脳の可塑性にどんな影響が出るか調べた。その結果、こうしたマウスは大人に成長するまで全く可塑性が現れなかった。しかし大人になってから興奮抑制作用がある薬剤を投与すると、可塑性を持ち始めた。
逆に神経回路の抑制作用が未熟な生後間もないマウスに同じ薬剤を投与すると、通常よりも早く臨界期になった。
こうした結果から研究グループは「可塑性が現れるには一定レベル以上の抑制性の刺激が不可欠」と結論づけている
伝達・誘導 脳内細胞の情報伝達・誘導物質
「脳の神経細胞内で情報伝達にかかわる様々な物質を運ぶ「分子モーター」の行き先を決める誘導タンパク質を東京大学の広川信隆教授らが発見した。
このタンパク質の働きを明らかにできれば、神経細胞に異常が起きる様々な神経変性疾患や老化に伴う記憶障害などの解明や治療法の開発に結びつく可能性がある。
広川教授らは、分子モーターが<GRIP1>というタンパク質とくっつくと、神経細胞の中心から樹状突起と呼ぶ部分に移動することを突き止めた。分子モーターはGRIP1を介して記憶形成に不可欠な別のタンパク質と結びつき、情報伝達を樹状突起に送り届けるという。
マウスの実験では、GRIP1の働きを阻害すると分子モーターが樹状突起に移動できなくなった。逆にGRIP1の働きを高めると、樹状突起に集まる分子モーターが多くなった。
神経細胞は軸索という細長い手を持ち、そこから他の神経細胞の樹状突起に情報を伝える。これまで、分子モーターを軸索に向かわせるタンパク質は見つかっていたが、樹状突起に分子モーターが移動する仕組みは不明だった。
分子モーターなどはヒトやマウスに共通。「高齢動物では分子モーターの働きが低下することが分かっており、ヒトの記憶障害にもかかわる可能性がある」(広川教授)という。」
グリア細胞 理化学研究所の研究チームは脳の神経細胞が成長する際に『グリア細胞』と呼ぶ別の細胞との接触が重要な役割を果たしていることを突き止めた。成果は、2004年2/5付けの米科学誌ニューロンに掲載。
神経細胞が成長して結合する過程では、周囲のグリア細胞との接触が重要な役割を演じていると推測、グリア細胞が分泌する物質に浸けた神経細胞を2つのグループに分け、一方をグリア細胞に接触、他方は接触させないで比較した。その結果、接触させた方が神経細胞の結合の数が5~6倍多く、結合を促す物質が神経細胞内で活発に働いていた

血中塩分の調節
「基礎生物学研究所の野田昌晴教授と檜山武史助教授らのグループは、脳の神経回路を支えるグリア細胞が、血液中の塩分濃度を検知して神経細胞をコントロールしていることとを突き止めた。成果2007年4/4付けのニューロンに掲載。
研究チームは、脳室のそばにあるグリア細胞の違いでマウスが塩水錐を飲んだり飲まなくなったりすることに着目。
グリア細胞の膜に血液中のナトリウムイオンを検知して取り込む特殊なタンパク質が存在することを発見した。ナトリウムイオンを取り込むときにエネルギーを使う。グリア細胞はグルコースからエネルギーを取り出した後に残る乳酸を神経細胞に供給することで、神経細胞の興奮を抑えることを分かった。神経の興奮が抑制されると塩分の摂取行動も抑制されると推定される。
このタンパク質を作れないようにしたマウスでは、脱水状態にして血液中の塩分濃度を上げてもいつまでも塩水を飲み続けていた。正常なマウスは塩水を飲まなくなった。
グリア細胞は神経細胞へ栄養分を供給すると考えられているが、人間の生理活動の基本である塩分濃度の調節に深く関与しているのが分かったのは初めて。
左右非対称 理化学研究所と英ロンドン大学は2005年1/19、脳内の神経回路のつながり方が左右非対称になっていることを確認したと発表。
ゼブラフィッシュを対象に、視覚や嗅覚などの情報が入る脳内の手綱核と呼ばれる部分を調べた。手綱核は脳の中心線上にあり左右に分かれた構造。左右それぞれから、同じく中心線上にある脚間核という部分に神経で繋がっている。
蛍光性のタンパク質を入れて脳内で働く遺伝子を可視化して神経の結合を観察したところ、手綱核の左側と右側では神経が脚間核と結合する位置が異なっていた。また、可視化した遺伝子が右側で働くタイプと左側で働くタイプとでは結合が左右逆だった。手綱核は人間にもあり、研究チームは人間の脳機能の解明に役立てる
情報伝達 2007年9月、理化学研究所は脳内で複数の情報が混乱しないで伝わるように手助けするタンパク質を突き止めた。
4つのタンパク質が働いて情報ごとに伝達経路が区別されるという。
脳神経細胞は他に細胞に情報を送る際、軸索と呼ぶ突起をのばす。
情報を受け取る細胞では樹状突起をつかって情報を受け取る。
樹状突起のどこに結びつくかで情報の種類がくばられるが詳細は不明。
ネズミの海馬で調べたところ、送り手細胞の軸索表面には『ネトリンG1』と『ネトリンG2』と呼ぶタンパク質のいずれかが現れた。
受け手細胞の樹状突起では、
先端近くに『NGL-1』、
根元近くには『NGL-2』と呼ぶタンパク質が存在。
ネトリンG1はNGL-1
ネトリンG2はNGL-2
とそれぞれ結合し、別々の情報を伝える経路を張るという。
成果は米アカデミー紀要電子版に掲載。
脳の神経細胞 シナプスの働きをコントロール
2009年、自然科学研究機構・生理学研究所の深田正紀教授らのチームが、脳の神経細胞にあるパルミトイル化酵素の一部が、情報伝達を担うシナプスの働きをたくみに制御していることを解明した。
成果は7/13のジャーナル・オブ・セルバイオロジーの掲載。
深田教授らが発見したこの酵素には23種類あることが分かっているが、そのうちの2種類に的を絞り、GEP(緑色蛍光タンパク質)を使ってマウスの脳を観察した。その結果、譲歩言う伝達物質をやりとりしているシナプスのセンサー機能を調整するタンパク質の量を、この酵素がコントロールしていることが明らかになった。
シナプスの働きが弱くなると、タンパク質をより多くシナプスに移動させていることが分かった。
深田教授は「パルミトイル化酵素のいくつかは統合失調症などに関連するとの報告があり、それぞれの酵素に合わせた創薬が期待できる」と語る。

死滅の仕組み
2010年、秋田大学の佐々木雄彦教授らはマウス実験で、脳神経細胞が死ぬ仕組みの一端を解明した。
細胞内で不要になったリン脂質を分解する酵素が働かなくなると細胞が失われ、運動機能に障害が出ることを確認した。
成果は5/13のネイチャー(電子版)に掲載。
佐々木教授らは細胞膜を構成するリン脂質の分解酵素に着目。
この酵素を無くしたマウスを作るとリン脂質が分解されずに細胞に溜まり、細胞死を招いた。その結果、体が勝手に動くなどの運動障害が起きた。
古いリン脂質がたまると細胞は神経伝達物質の1つ、グルタミン酸に過剰に反応するするようになることも分かった。酵素を無くした細胞は通常に比べ高い濃度のグルタミン酸に対する耐性が弱くなることも分かった。
高濃度のグルタミン酸は細胞に対し毒性を持つことが知られている。それを同じ反応が起きて、細胞が死ぬと考えられる。
佐々木教授は酵素が“リン脂質の量を調整して細胞を守る働きをする”とみている。
酵素は『INPP4A』と呼ばれ、存在は知られていたが、神経細胞の死に関連している事は不明だった。
酵素とリン脂質やグルタミン酸の関係が詳しく分かれば、アルツハイマー病など神経細胞が失われて生じる病気の治療法につながる。

緑色で操作
2010年、東北大学の八尾寛教授らは、緑色LED(発光ダイオード)で脳の神経細胞を操作する技術を新たに開発した。
研究チームは単細胞の緑藻類クラミドモナスが持つ「チャネルロドプシン」という光を吸収するタンパク質を改変した。緑色に反応するタイプの一部を青色に反応するタイプに組み込み、青と緑色の両方に反応する新しい光感受性タンパク質「チャネルロドプシン・グリーン・レシーバー」を作った。
新タンパク質の遺伝子をマウスの大脳皮質の運動野に注入したところ、運動野の神経細胞で新タンパク質が発現した。そこで、3~10ヘルツの緑色LED光を脳に当てたところ、特定の神経細胞が活動し始めた。
別の周波数に変えると活動は弱まった。
精華は9/23の米オンライン学術雑誌パブリック・サイエンス・ワンに掲載

  • 脳活動を生きたまま観察
    • 2013年、国立遺伝学研究所の武藤彩助教、川上浩一教授らは、熱帯魚のゼブラフィッシュを使い、泳いでいるときの脳の活動をリアルタイムで観察する技術を開発した。
    • 成果は米科学誌カレント・バイオロジーに掲載。
    • 脳の神経細胞は、活動に合わせてカルシウム濃度が変わる。
    • 研究チームの埼玉大学の中井淳一教授がカルシウムのわずかな変化に反応して光るタンパク質を開発。ゼブラフィッシュの稚魚の脳に組み込んだ。
    • ゼブラフィッシュは内部の光が透けて見えるので、神経の活動で起きる極く微少な変化もリアルタイムで検出できる。
    • 稚魚の脳の中脳視蓋と呼ぶ部分に遺伝子操作で人工のタンパク質を作った。
    • 目の前でエサのゾウリムシを泳がせると、ゾウリムシを追いかける行動が脳内で処理されているように、脳神経細胞が順番に活動していた。


センサー 2009年、奈良先端科学技術大学院大学と近畿大学のグループは、脳の神経細胞の活動状態を可視化する半導体センサーを開発した。開発したのは太田淳・奈良先端大教授らと近代医学部の加藤天美教授のグループ。
ペンのような装置の先端部を脳にわずかに差し込む。その先端部は長さ4mm、幅1mmのナイフ状。この表面にCMOS(相補性金属酸化膜半導体)で作った撮像素子約13800個を張り付けセンサーとした。
遺伝子操作で光を当てると発光するタンパク質(GFP)を神経細胞に持つマウスを作製し、開発したセンサーをマウスの海馬まで挿入した。センサー上部に取り付けたダイオードの光を受けて神経細胞が発光、その光を受けたCMOS撮像素子で生きている神経細胞を撮影できることを確認した。
脳内の神経細胞の損傷は局所的にとどまりセンサー挿入後もマウスは生きているという。
ミラーニューロン ハプニングから見つかった。
サルが実験用イスに座っている。実際には動かないようにイスに縛られている。そしてサルの脳神経のは脳性を測定していたんだけど、その途中で研究者が休憩をとって、シャーベットか何かを食べてた。
そしたら、研究者がスプーンを口に持っていくたびに、それを見ていたサルの脳で、ある神経が活動したんだ。その神経を詳しく調べたら、なんと、サル自身が何かを口まで持っていくときにも反応する神経だった。
これは自分であろうと、他人であろうと関係なく、ある<しぐさ>に対して反応する神経なので、ミラー(鏡)の神経という名前がついている。


左右の脳をつなぐ遺伝子
  • オピッツ症候群の遺伝子
    • 2011年、大阪バイオサイエンス研究所の榎本和生研究部長らは、左右の脳をつなぐ神経回路の形成に欠かせない遺伝子をショウジョウバエで特定した。
    • ヒトでは遺伝性の難病「オピッツ症候群」の原因遺伝子として知られ、発症メカニズムの解明などにつながる成果。
    • 米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載
    • ショウジョウバエの神経回路が成長するときにかかわる遺伝子「Asap」に注目。
    • Asapのない神経細胞は左右の脳をつなぐ神経回路ができなかった。神経回路の無い細胞にAsap を加えると神経回路ができた。
    • ヒトにはAsapに相当する遺伝子「MID1」があり、オピッツ症候群の原因遺伝子として知られている。
    • オピッツ症候群は認知異常や発達障害などを起こす。


数字 2002年、数字に反応する神経がサルから見つかった。たとえば「2」という数字に反応する神経が見つかった。つまり、リンゴが2個ある、サルが2匹いる。何でもいい。とにかく、「2」というものが目の前にあったときに反応する神経が見つかった。(池谷裕二著「進化しすぎた脳」p163)
eCB (内因性カンナビノイド)
2010年、理化学研究所と米ジョンズ・ホプキンズ大学のチームは、脳内で信号伝達を調節する「内因性カンナビノイド(eCB)」という物質が働いて、脳細胞を伝わる信号を安定させていることをラットで解明した。
ラットの脳細胞は、生後2~3週目で信号の伝わり方が強くなったり弱くなったりと不安定。ところが、生後約5週目を過ぎると、信号伝達が安定する。
eCBの働きを妨げると、信号伝達が不安定なままで、脳細胞の発達が遅れることが分かった。また、暗闇でしいくして視覚刺激を与えないようにすると、eCBが合成されなくなり、脳細胞の発達が遅れた。
連続的 2011年、東京大学の池谷裕二准教授らは記憶を担う脳の神経細胞の活動を調節する新たなメカニズムを突き止めた。
神経細胞が働く「オン」と、何もしない「オフ」の2つの状態しかないとみられていたが、実際には、活動の程度が連続的に変わることがわかった。
成果は2/4のサイエンス(電子版)に掲載。
神経細胞は表面の電気が「オン」の状態になると活動、となりの神経細胞に情報を伝える。研究チームはラットの脳を使い、記憶を担う「海馬」領域に細い電極を刺して神経細胞の働きを調べた。
その結果、「オン」のトキに活動の強さを連続的に変化させるメカニズムを見つけた。
神経細胞のまわりにある「アストログリア」と呼ぶ星型の細胞が伝達物質を出して神経細胞に働きかけ、活動を強めることがわかった。


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