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乳がん






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ガン情報 

ガン治療
  

乳がんの病院


胸のしこり 

ページェット病
 

乳腺症





乳ガン
しこり
  • 40才以上の婦人で、乳腺内硬結があれば第1に乳ガンを疑う。
    総脂肪摂取量が増えると、乳ガン・結腸ガンの発病率が高まる


生検
  • 乳ガンの発見の第一歩は触診。乳房に触れ病巣の有無を調べるが、微小な病巣の発見は難しい。そこで、砂粒大のガンも見逃さない乳房組織生検装置の出番になる。細い針を刺して患部組織を採り検査する。癌は早期発見できれば治る確率も高い。
    触診とともに乳ガン発見の立役者はマンモグラフィ(乳房専用のX線撮影装置)だ。触診ではわからない直径が1mm未満の、いわゆる「非触知」の小さな病巣も映し出すことが出来る。
    欧米では乳ガン健診の主役になっている。日本でも2000年に学会などが「50歳以上の女性は、2年に1回はマンモグラフィによる検査を受ける」という指針を出した。
    問題は発見した後だ。
  • マンモグラフィで見つかっても、その病巣が果たしてガンなのかどうか?、ガンであっても良性なのかあるいは増殖の早い悪性ものなのかは外からでは判断しにくい
  • 患部の組織を採ってきて分析する検査(生検)が必要になる。
    従来は乳房の一部を少し大きめに切開して組織を採取するか、「しばらく様子を見ましょう」と、病巣が大きくなるかどうか3ヶ月ほど経過観察して、発見したものが良性か悪性かを検討していた。
    ここで乳房組織生検装置が威力を発揮する。乳房に針を刺し、病巣とその周辺の組織を切除・吸引して採取する。細胞を分析する病理医がこれを検査し、ガン細胞の有無や良性・悪性の判断をするのである。採取時間は10分ほどで、準備や後の止血処理などを含めれば20〜30分で済む。
    針を刺す傷口の大きさも4〜5mm前後。絆創膏を貼るだけでよく、目立たない。
    乳ガンは、しこりの直径が2cm以下でリンパ節への転移がないと90%以上が治る。
  • また、マンモグラフィで見つかる非触知ガンは、ほぼ100%治療出来るという。
  • ポイントは非触知ガンの約80%は良性であること。
  • 「全体の20%ほどしかない悪性の乳ガンを恐れて、乳房を切除する必要がない人まで手術されているかもしれない






高い死亡率
  • 大都市圏の女性は、地方に比べて乳ガンの死亡率が高いことが、厚生省が28日発表した1996年度の「健康マップ」で分かった。特に、東京では全国平均の1.3倍を超えており、同省は「欧米型の食生活が影響しているのではないか」とみている。また、脳卒中の死亡率は東北地方と北関東が際だって高かった。
    この調査では、主な疾病ごとに全国平均の死亡率を100として、各都道府県の指数を比較した。
    その結果、乳ガンでは東京が132.3でトップで、神奈川119.0、千葉108.6、大阪108.4、北海道106.4の順。逆に指数が最も低いのは鹿児島の73.5で、沖縄は76.4、山形77.0、島根78.1、佐賀79.2となっている




乳ガンの自己診断リスト
以下の症状が2週間以上続く。

<1>早期乳ガンに見られる症状:
  • 脇の下に硬いシコリがあり、押しても痛くない

<2>頻度は少ないが、要注意な症状:
  • 乳房に凹み・盛り上がりなどの変形がある
  • 乳房の左右に大きさの違いが出てきた
    左右の乳首の向きが違う

  • 乳首がただれる
    • 炎症性乳がんの可能性がある。
    乳首を軽くつまむと、分泌物が出る
    • 非浸潤性乳がんの可能性がある。

<3>進行ガンor他の疾患も考えられる症状:
  • 女性ホルモン剤を多量に使ったことがある
    初産の年齢が高かった
  • 乳頭にカユミがあり、おさまらない






転移性乳ガン
  • 東海大病院(神奈川県伊勢原市)整形外科を受診した。
    そこで意外なことを言われた。乳房が変形していることに気づいた医師から、徳田裕・乳腺内分泌外科助教授の診察を受けるように勧められたのだった。
    左乳房にシコリが2つあり、脇の下のリンパ節も腫れている。
  • CTや骨のレントゲン検査の結果、肺と肝臓・首の骨にも転移のある「進行乳ガン」と分かった。

  • 首の痛みは骨への転移が原因だった

  • 乳ガンが骨やリンパ節に転移した場合、最初に行われるのは「ホルモン療法」。しかし、その効き目を示すホルモンに対する反応性がB子さんの場合は陰性で、効果が期待できない。そこで抗ガン剤治療が始まった。
    ところがガンはむしろ大きくなった。「<ハーセプチン>という新しいタイプの薬を使いましょう」と徳田さんが提案した。

    乳ガンでは、ガン細胞の表面に『HER2(ハーツー)』という特殊なタンパク質が過剰に増えるものが3割近くある。この場合、進行が早く、転移もしやすい。B子さんのガンは、まさにそれだった。

    ハーセプチンは、HER2に結合してガン細胞を死滅させ、増殖も抑える。ガン細胞をねらい打ちするため、脱毛や嘔吐などの副作用も少ない。40ヶ国で使用され、日本でも今年6月に治療薬として承認された。「HER2の過剰発現が確認された転移性乳ガン」が対象だ。単独使用でガンの進行を平均3ヶ月間くい止める。さらに「タキソール」という抗ガン剤を併用すると、約半数の人でシコリが小さくなる。
    B子さんも併用療法を始めた。通常は週に1回、病院の外来で点滴を受けるが、骨転移への放射線照射も受けていたB子さんは2ヶ月間入院した。乳房のシコリは次第にしぼみ、5ヶ月目には超音波検査でも映らない。心機能が低下する副作用が出てタキソールは中止したが、現在、肝臓と肺の転移も消失。首の痛みも無くなった。
    ただ、ハーセプチンはHER2が見つかった全員に効くわけではなく、原則として発現程度の強い人が対象だ。

  • <ホルモン療法>
    乳ガンは、女性ホルモンの影響を受けて増殖するものと、そうでないものとあり、前者がホルモン療法の対象になる。ホルモンに対する反応性が陰性の場合、ホルモン剤ではなく抗ガン剤が用いられる。陰性の人はHER2が陽性であることが多い










男性も乳ガンになる
  • 肝硬変 などの慢性肝疾患のある男性や、薬剤の副作用などが原因で肝機能が低下して高エストロゲン血症を起こし、乳房が発達する。
  • 男性の体内にも女性ホルモンのエストロゲンがあるから、女性化乳房になる男性は乳ガンにも要注意だ







乳がんの危険因子
<1>初潮年齢が11歳以下の方
  • 14歳未満で初潮になった閉経前の女性が乳ガンになる危険性は、16歳以上で初潮を迎えた女性の約4倍

<2>初産30歳以上

<3>出産経験が無い

<4>55歳以上の遅い閉経
  1. 女性ホルモン(エストロゲン)が活発に分泌する期間が長かった方
  2. 54歳以降に閉経した女性は48歳未満で閉経した女性の約2倍

<5>肥満、特に、50歳以上で標準体重の50%以上太っている方。

<6>乳ガンの家族歴がある。例えば母親や姉妹が乳ガンに罹ったことがある。

<7>以前に、乳腺疾患になったことがある

<8>乳房の組織検査で、「細胞に形態的な異常がある過形成」と指摘された。

<9>乳汁を分泌する組織の小葉にとどまるがんである「非浸潤性小葉ガン」の病歴がある

<10>身長が160cm以上
  • 身長が160cm以上の女性が乳ガンになる危険性は148cm以下の女性に比べて、閉経前で1.5倍、閉経後で2.4倍高かった

<11>飲酒
  • 2015年、1日に缶ビール1本程度でも乳がんのリスクが高まる(13%上昇)とする報告。
  • 米ハーバード大学のチームがまとめた。
  • 米国の医療職の男性48000人、女性88000人を追跡研究。

「乳がんと牛乳」(径書房)  ジェイン・プラント著、佐藤章夫訳
  • “乳がん・前立腺がんの原因は牛乳だった”
  • 彼女は最初の乳がんを含めて計5回の、最後にはリンパ節にまで広がる進行性の乳がんを経験した。(p42)
  • 自身が乳がんになり、原因を探り続け、15年後、彼女の乳がんは一度も再発していない。
  • 自分の日常生活を少し変えるだけで、乳がんを予防し、その再発を防ぐことができるのだ。






遺伝性の乳がん
  • 「若年性乳がん」のなかには遺伝的な理由で発症する「家族性腫瘍」があります。
  • 遺伝性の乳がんでは<BRCA1><BRCA2>という2種類の原因遺伝子が知られています。
  • アンジェリーナ・ジョリーさんは遺伝子検査で異常を知り、両方の乳腺組織と卵巣を予防的に切除しています。

特徴
  • 乳がんの薬が効きにくい。
  • 男性が変異型のBRCA1やBRCA2を受け継ぐと、若くして前立腺がんや膵臓ガンになりやすい傾向があります。




乳ガンの病期 治療
O期 ガンが乳腺内にとどまる 手術、

術後放射線療法
T期 シコリの大きさが2cm以下で、腋の下のリンパ節に転移していない。
UA期 ・シコリの大きさが2cm以下で、腋の下リンパ節に転移がある。
・シコリの大きさが2cm〜5cmで、腋の下のリンパ節には転移していない。
術前補助化学療法、

手術、

術後補助療法
UB期 シコリの大きさが2cm〜5cmで、腋の下のリンパ節に転移がある。
VA期 シコリの大きさが5cm以上で腋の下or胸骨内側のリンパ節に転移
VB期 シコリが胸壁にガッチリ固定されたり、皮膚までシコリが出る
VC期 腋の下と胸骨内側のリンパ節の両方に転移
W期 骨・肺・肝臓・脳などに遠隔転移 薬物療法





乳ガンの検査
超音波乳ガン検査
  • 日立メディコは筑波大学と共同で、超音波を使って乳ガンを発見する検査技術を開発した。。乳房に軽く押し当てるだけで、組織の硬さを数値化し乳ガン特有のシコリを精度良く見つける
    マンモグラフィーではX線を使うため微量だが被爆の問題がある。
  • さらに、検査時に乳房を強くはさむので痛みがある。
    • 超音波乳ガン検査
      筑波大学病院 茨城県つくば市
      聖マリアンナ医科大病院 川崎市
      聖隷浜松病院 静岡県浜松市


近赤外光で
  • 浜松ホトニクスは、乳ガンの新しい検査技術を開発した。
  • X線被爆の心配がない近赤外光を乳房に当てて、シコリを見つける。5mm程度でも早期発見できる。しかも、良性か悪性の判別も出来る。
    近赤外光は波長760〜830ナノbの光で、体の中にある色素や水による吸収率が低く透過性に優れる。脂肪や水・血液などで吸収特性が異なり、体内の状態をつぶさに捕らえることが出来る。
    活動中の脳の様子を観察する「光トポグラフィー」にも応用されている。
    浜松ホトニクスは、光を当てて反射して戻ってくるまでの時間から光が体内をどのような経路で通過したか把握する手法を考案。複数の入射点から順番に照射して血液内で酸素を運ぶヘモグロビンの分布を把握できるようにした。
    新技術は[新生血管]と呼ぶガンの周辺に特徴的にできる小さな血管を手がかりに、ガンを見つける。ヘモグロビンから血管の分布が分かれば早期のガンでも発見できる。シコリが良性だと血管の出来方が異なり、悪性かどうかも判別できるという。


うつぶせで・・・動画
  • 「超音波診断装置大手の○○と岐阜大学などは、乳ガン検査専用の超音波診断装置を開発した。乳房の断面を超音波で連続撮影し、内部のシコリを見つける。装置の上に上半身うつぶせになって検査するため、一般的なX線検査で感じる痛みや恥ずかしさが無く、受診者の負担が軽減できる。
    装置は水槽の上部にはゴム膜を張った構造で、超音波を送受信する幅6cmの「プロープ」を水槽の内部に上向きに設置した。水とゴム膜の圧力で乳房がプロープにすき間なく密着するように工夫した。
    プロープは装置内で横にズレながら、1.5往復し、約40秒で乳房全体の断面画像を動画で撮影する。撮影可能面積は16ab四方。


PETを改良
  • 上半身に下着を着けたまま、痛みもなく1時間でOK。島津製作所と放射線医学道号研究所が共同開発。
  • 乳房を挟まない検査
  • 2014年、島津製作所は乳房専用のPETを発売。ベッド型の装置上にうるぶせになり、片側の乳房入れて撮影する。


3D
  • 2010年、富士フイルムはX線撮影装置マンモグラフィーで、3次元(3D)画像が見られる装置の開発を目指す。角度を変えて撮影した2枚の画像をモニターとハーフミラーを組み合わせた専用装置に表示。偏光フィルターつきの眼鏡でみると立体感ある画像が観察できる。
  • 新装置は基礎技術を持つ米ソフト会社レイシオンBBNテクノロジーズとの共同開発。


発症目印
  • 2010年、大阪大学と医薬基板研究所は、乳ガン発症の目印になるタンパク質「EphA10」を見つけた。乳ガン患者約200人で調査。約半数で活性化していた。「EphA10」が多いほど病気も進行していた。
  • 堤康央阪大教授(基盤研チーフプロジェクトリーダー兼任)らの成果。
  • 乳ガン患者だけで増減するタンパkプ質を絞り込み、EphA10やこれに結合する抗体を見つけた。
  • EphA10はリンパ節転移がある患者の約6割で活性化していた。
  • 既存の治療薬ハーセプチンはHER2 というタンパク質を持つ。全体の約3割にしか効果が期待できない。EphA10は、HER2を持つ患者の大部分と持たない患者の約7割で働く。


血液検査で低コスト
  • 2012年、東北大学の石川拓司准教授らは、5_gの血液で乳ガン細胞を検出できる技術を開発した。0.05_幅の流路を刻んだ樹脂製の器具に血液を流す。乳ガン細胞を血液と分離して約100倍に濃縮できるので顕微鏡で観察しやすい。
  • 大がかりな装置や特別な添加剤不要なので、小さな病院でも術後の経過観察に使える。


HER2陽性乳ガン
  • 2012年、乳ガン全体の2〜3割を占め、治療が難しい「HER2」(ハーツー)を、PET(陽電子放射断層撮影)検査で的確に診断することに理化学研究所分子イメージング化学研究センターと国立がん研究センターのチームが成功した。
  • HER2陽性乳ガンは増殖や転移が早く、治療薬としてハーセプチン(一般名トラスツズマブ)が知られている。
  • ハーセプチンはHER2陽性の患者に効果があるかどうかを、患者に針を刺しガン組織を採取して調べる必要がある。
  • ただ、痛みなど体への負担が課題になっていた。
  • PET検査は、患者の体内に特殊な薬剤を入れて撮影し指弾する方法で、ガンの早期発見には有効だが、ガンの詳しい情報までは把握できなかった。
  • 研究チームは14人のHER2陽性乳ガン患者へ、ハーセプチンを組み込んだ新たな薬剤を投与し、ガンの病巣や転移、ガンの縮小を撮影し診断することに成功した。


乳腺と区別
  • 2013年、GEヘルスケアマンモグラフィーと併用し、多方向から撮影できる「セノクレア」を発売。
  • マンモグラフィーでは乳がんと区別しずらい高密度乳腺で腫瘍と区別できる
  • セノクレアは画像処理に先端コンピューター断層撮影装置(CT)などに搭載した技術を応用。従来の「トモシンセス」にある画像のノイズを除去して鮮明にした。
  • マンモグラフィーの検査では乳腺も腫瘍も白く映るため、乳腺が発達した患者は腫瘍が見分けにくい。とくに日本人は欧米人と比べて乳腺の発達した高密度乳腺の患者が多い。


画像処理に数学応用し、診断正確
  • 2014年、東京大学の新井仁之教授らのチームは錯視研究の数学モデルを応用し、正確な診断に役立つ画像処理技術を開発した。
  • マンモグラフィー(乳房エックス線検査)の画像で判断が難しいケースでも対応できる。
  • 数学者の新井しぼぶ氏、聖路加国際病院の角田博子医長、上田拓医幹との共同成果。
  • 研究を助成したJSTが国際特許を出願した。





温存療法
<1>「ガンですね、乳首を取ってゼンテキです」
  • 「10月中旬、中部地方の病院で胸の超音波検査を受けていた中川恵さん(49)=仮名=は、医師の突然の言葉に驚いた。上半身はだかで横になったままの姿だ。無防備な自分。医師の見下ろす視線。
    「ゼンテキってなんですか?」と尋ねると、「乳房を全部取ることです」、「全摘出」だとようやく分かった。
    乳房を残す方法があることを新聞で読んだ記憶があったので、聞くと、「温存は、初期の人」。詳しい説明もなく、医師は取ると決めている。
    帰り道の書店で見つけた本で、横浜市の経験者の会ソレイユを知った。東京都目黒区にある東京共済病院の馬場紀行医師(42)を紹介去れ、上京。検査の結果、シコリの大きさは3cmだった。医師は乳房切除、乳房温存手術を図を使いながら丁寧に説明した。欧米では標準治療であること、中川さんの場合、乳房をとっても温存療法でも生存率に代わりが無いこと、ただし、放射線を当てるので治療期間が1ヶ月以上かかることなど。信頼して温存療法を受けることに決めた。手術を終え、今は地元で放射線治療を受けている。
    中川さんは「本当にラッキーでした」。夫(52)は「こんなに治療法が違うなんて。最初の医者は高飛車。患者は藁を持つかむ思いなのに」と憤る。「でも、なまじっか説明する先生だったら、信頼して全部取られてたかも知れないから、ひどい先生でよかったにかもしれない」
    外科医の馬場さんは、乳ガンの現状を「パチンコ状ですね」と嘆く。
    行き当たりばったり。玉が飛んだ所、落ちた穴で結果が違うように、医師によって全く違う治療をする。乳房を残す基準も、取る大きさも、放射線をかけるかどうかも、まちまちだ。
    温存に基準は、乳房の中に多発している場合などを除き、シコリと乳房の大きさのバランス。決めるのは患者だ。東京共済病院では、1年に治療する140人の7割が温存療法だ。
    日本の患者さんは孤軍奮闘している。複数の医師に相談すべきですね。医者は自分に都合のいいことしか言わないから、治療を受けた経験者から情報を得た方がいい」


<2>切ったら生えないのよ。
  • 娘の行動力で温存療法にたどり着いた人もいる。岡山市のS子さん(54)は、神奈川県鎌倉市の大船中央病院で1日、温存療法の手術を受けた。2週間前に、地元の病院で乳房を失っていたはずだった。
    先月、岡山市の病院で乳ガンと診断された。「初期も初期。乳房を全部取ば安全です」。ガンの衝撃より、早期発見出、「ラッキー」だと思った。すぐ手術の日を決めた。
    東京で暮らす長女(32)に電話で話すと、驚いた長女は、「ちょっと待って」。その日のうちに友人の内科医に相談し、「今は世界的に温存が主流。1人の医師の診察で決めちゃダメよ」と知らせてきた。
    翌日、長女は図書館で見つけた乳ガンの本を手がかりに、温存療法の経験者に電話した。放射線科と外科の専門医を紹介された。すぐにS子さんを呼び、両医師と話し合った結果、温存療法を受けることに決まった。「オッパイは一度切ったら生えてこないのよ、と娘に言われてハッしました」
    娘の機転。図書館。温存療法経験者との会話。いくつもの偶然で温存療法にたどり着いた。
    命か乳房か、ではなく、命も乳房も残せる時代になったのに、まだまだ情報が行き渡っていない。


<3>「えーっ。私も残せたの」。
  • 山口県の女性(50)は、市民グループの会報を読んでショックで全身が熱くなり、へなへなと座り込んでしまった・
    昨年5月、地元の病院で乳ガンと診断され、乳房を全部摘出する手術を受けた。左乳首の上の方に、3cm近いシコリがあった、
    手術前、妹から乳房を残す方法もあると聞いていたが、主治医からは、「温存療法ね、あれは初期の人。あなたは乳首に近いから無理。どの病院でも取りますよ」といわれ、温存の対象外だと納得していた。
    だが、9月末に届いた患者会の会報には、乳首との距離は関係無いとの医師の講演記録が載っていた。
    「先生は時間をとって説明してくれた。私が無知で納得してしまった事を悔やんでいます」
    友人は「取ってさっぱりしたでしょ」と言う。医師は診察の度に「傷はきれいですね」と満足そうだ。「そうじゃないじゃろ」と心の中で思う
    「乳房温存療法における鏡視下腋窩郭清術」で高度先進医療の認定を受けいる病院・・・・山口大学医学部附属病院






手術
  • 健康診断でシコリが見つかった。近くの病院で検査を受けた結果、たぶん悪性なので病理組織診断をしてから手術しましょうと言われ、他県の大学病院に移った。再び、触診、エコー、マンモグラフィー(乳房専門のx線撮影装置による検査)。乳ガンとの診断を受け、その日のうちに手術日が決まった。病理組織検査は受けていない。温存療法が全切除日。インフォームド・コンセントで本人が温存を選んだ。
    手術では、脇の下のリンパ節も取った。手術から1ヶ月後の外来で、主治医から「ガンではなかった」と告げられた。リンパ節を取ったので後遺症が残る。納得がいかずに、医師に尋ねた。
    主治医は「前の病院で細胞診でクラス5(1:良性。5:ガンを強く疑う)が出ていた。術中も、疑わしい病理検査結果が出たので最小の手術をした。よその病院ならバッサリでしたよ」と語った。
    取材には、こう話す。「細胞診で5が出たら、生検はせずに手術します。でも、他の検査などでは疑問も残った。そこで手術中に術中迅速病理診断をした。ガンが出ると思っていたが、結論は『乳ガンを強く疑うが、確定診断は保留せざるを得ない』。つまり灰色です。でも、細胞診の結果を重視し、最小限の手術をしました。処置を誤れば命に関わる、苦渋の選択です。そこは医師に任せてもらわないと。最善を尽くし、説明もしたのに納得されていない。大変ショックです」
    鈴木さんは「最初から灰色だと知っていたら、手術を受けたかどうか分からない」という。術中に病理診断をすると説明された記憶はない。もし知っていたら、外来での生検を望んだはずだ。
    東京共済病院外科の馬場紀行医師は「術中迅速診断は、誤診もあるのでやらない」という。特に「灰色病変への対処に正解はない。絶対的答えが無いのに患者さんの意思が反映されないところで診断し、医者が決断するのは合理的とは言えない。僕なら外来で生検をして患者さんと話し合い、たぶん経過観察します」
    慶応大学放射線科の近藤誠医師も「ガンでリンパ節を取らない場合がある。灰色では取りすぎ」だという。




手術後・・・2割に痛み
乳房切除後疼痛症候群(PMPS)
  • 乳ガン手術を受けた患者の約22%に、胸やわきの下、上腕が慢性的に痛む『乳房切除後疼痛症候群(PMPS)』が起きていたことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。2005年10/26の日本癌治療学会で発表。調査対象は術後平均8.8年経過し、ガンの再発がなかった936人。
    そのうちPMPSは202人(22%)
    PMPSでは無いが、突っ張り感や圧迫など不快感がある人も含めると659人(70%)。




美しく残す
  • 乳ガンは乳房を小さく切除すればするほど、乳房内で再発する率は高まる。だが、再発した際にもう一度手術すれば、5年後、10年後の生存率は変わらない。・・・こうした事実が明らかになって、乳房温存療法が次第に普及してきた。そこで浮上してきたのが、胸をどこまできれいに残せるか、残した場合の乳房内再発率はどこまでが許容範囲か、ということだ。
    都内在住の女性(55)は一昨年受けた温存療法への不満がなかなか消えなかったという。左胸に出来たシコリは1.5cmほど。最初に診断を受けた病院では「切除はくりぬきで」と言われた。しかし、知人の紹介があって移った病院では「扇形で」と言われた。違いに驚き、医師になるべく小さく取ってほしいと頼んだが、範囲が少し狭まっただけだった。「腕で手術跡を隠せば温泉にも入れるし、どうにかあきらめはつきました。でも、手術法の選択が前より自由になってきていると聞きます。今ならもっと強くお願いするでしょう」
    温存療法と一口にいっても切除範囲は様々だ
    [扇形切除]:
    • シコリの端から2、3cmの余裕をとり、乳頭を中心に乳房・乳腺組織を扇形に切除。1/4切除とも呼ばれる。実際の切除範囲は1/6など様々。

    [円状部分切除]:
    • シコリの端から2、3cmの余裕を残して切除。

     [くりぬき]:
    • 見たところ明らかなガンの取り残しがないように、シコリのみを摘出。

    くりぬきでも扇形でも、5年後、10年後の生存率は変わらないことが、海外の比較試験で確かめられている。ただし、10年間で見た乳房内再発率は、放射線を同じようにかけた場合でも、扇形が3〜5%、くりぬきは10〜15%と言われる。
    乳ガンは乳頭から放射状に広がる乳管内部を進展する傾向がある。
  • 植野映・筑波大臨床医学系講師(外科)は、まずおとなしいガンが乳管内に伸びていくと考える。一部が何らかのきっかけで悪性度を増したときに、乳管を食い破って出来るのが、シコリという訳だ。
  • 大きく分けると、
  • 乳管内に広がってからシコリを作るもの、あまり広がらない速い段階からシコリになるものの2種類あるという。
    植野さんは「ガンの広がりが少ないのに、やみくもに扇形切除を選ぶケース、逆に大きく広がっているのに、くりぬきを選んで乳房内再発を増やすケースがある。手術前の画像診断(MRマンモグラフィーなど)できちんと把握出来れば、適切な手術法が選択できるのだが」と話す




生存率・・・同じ
  • 2011年、早期の乳ガン患者の外科手術で、転移を防ぐために脇の下のリンパ節全体を切除する郭清をしても、リンパ節の一部しか切除しなかった場合と生存率に変わりはないとする米国の多施設臨床試験の結果が米医学会誌発表された。

「郭清」はガンの再発を防ぐために広く行われているが、
  • むくみがでるリンパ浮腫などの合併症が起きやすいとされている。

    100カ所以上の医療機関が参加。1999〜2004年に、手術前に脇の下の「センチネルリンパ節」を検査して転移が見つかった早期ガンの患者を対象に、郭清をした場合と、転移が見つかった一部だけを取り除いた場合の生存率を比較した。
    転移を防ぐための抗ガン剤や放射線治療なども続けた結果、
    1. 5年後の生存率は
      • 全切除した445人・・・・91.8%
      • 一部切除446人・・・・・92.5%
      とほぼ同じだった。
    2. 合併症は
      • 全切除では・・・・・70%
      • 一部切除では・・・25%





乳房再生
  • 2013年、志望の組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を患者の体から採取し、乳がんの手術で乳房を部分的に切除した部位に移植し、乳房を再生する臨床研究を鳥取大学病院が5人に実施し成功した。
  • 2012年9月〜2013年1月に30〜60代の女性に実施。
  • 乳がんで温存療法を受けてから1年以上経過し、ガンの再発や転移がない人が対象に実施した。
  • 手術では、患者の太とももや腹部から吸引した脂肪組織の半分から脂肪幹細胞を分離して、残り半分の脂肪組織と混ぜたものを、乳房が欠損した部位に注入した。
  • 脂肪そのものを移植するよりも定着しやすいと、中山准教授は語る。





ガン予防で乳房の切除・再建手術
  • 2013年、米の女優アンジェリーナ・ジョリー(37)さんは、「BRCA1」という遺伝子に変異が見つかり、両乳房の切除・再建手術を受けた。






人工乳房に保険適用
  • 2013年7月から、乳がんの全摘手術後の乳房再建に使うシリコンゲル製の人工乳房への保険適用を中医協が承認した。 アラガンの人工乳房は346種類ある。
  • 承認されたのはアラガン・ジャパンの人工乳房と、人工乳房を体内に入れる際に皮膚を伸ばす時に使う皮膚組織の拡張器。
  • 予防のための乳房切除には適用されない。









化学療法
  1. CAF療法
    • シクロホスファミド+ドキソルビシン+フルオロウラシル
    • 毎週パクリタキセルAC療法
  2. AC療法
    • ドキソルビシン+シクロホスファミドドセタキセル
  3. HER2陽性
    1. トラスツズマブ(ハーセプチン)
    2. ペルツスマブ(パージェタ)
      • 2013年8/2薬価収載。点滴投与。
  4. HER2陽性
    • ラパチニブ+カペシタビン
  5. ホルモン陽性/閉経後
    • アロマターゼ阻害薬、または
    • レトロゾール、または
    • エキセメスタン
  6. ホルモン陽性/閉経前
    • 抗エストロゲン剤、または
    • トレミフェン+LH-RHアゴニスト製剤、または
    • リュープリン
  7. ゲムシタビン





抗ガン剤
(多剤併用)
  • 進行期の乳ガンの多剤併用療法
    @[エンドキサン]+[アドリアシン]+[5-FU]
    A[エンドキサン]+[メソトレキセート]+[5-FU]
    B[タキソテール]+[アドリアシン]
    C[タキソール]+[アドリアシン]

アバスチン・・・FDA、乳ガンの承認を取り消す
  • 2011年11/18、FDA(米食品医薬品局)は抗ガン剤アバスチン(一般名:ベバシズマブ)を乳ガン患者に使う承認を取り消した。
  • 明確な延命効果が確認できなかったことと、高血圧や心臓発作などの副作用のため。
    大腸ガンや肺ガンの承認は続く。
    アバスチンは、ガン細胞に酸素や栄養を送る血管ができるのを抑える「血管新生阻害薬」として開発された点眼薬





術後・・・抗ガン剤治療
  • 9月の蒸し暑い日だった。首都圏のガン専門病院の待合室で、2年前に乳ガン の手術を受けたAさん( 37) に、同じ立場の患者が話しかけて来た。
    「抗ガン剤を飲み始めたら副作用がひどくて。先生に話したら薬を止められたの」
    「それじゃ転移しちゃいますよ」
    「私もそう思って先生に来たら、飲んでも飲まなくても、再発には関係ないんで すって」
    Aさんが医師の名前を聞くと、何と自分と同じ主治医ではないか。驚いて主治医に尋ねると「ああ薬、効いていませんね」とあっけなく言われた。苦しく ても「ガン細胞をやっつけるんだから、ガマンガマン」と飲み続けたのは、何だったのか。
    Aさんは故郷九州の大学病院で手術を受けた後、再発予防に経口抗ガン剤と ホルモン剤を飲むように処方された。この春移った首都圏のガン専門病院でも、 同じ薬を飲むように言われた。「権威の先生にお任せしていれば安全だ」とずっと思ってきた。
    程なく、Aさんの肝臓に転移が見つかった。主治医は別の抗ガン剤をと言ったが、信頼出来ず、10月、3つ目の今の病院に移った。
  • 新しい主治医は、あと2年の命だと言った。

乳ガンの術後抗ガン剤治療は、
  • 世界的には、注射や点滴で3種類の薬を併用する「CMF療法」が標準治療となっている
  • だが、日本では経口抗ガン剤を1種類だけ使う「単剤療法」が広く行われている。錠剤なので飲みやすく、比較的副作用が軽いと言われる。再発後に使うと、腫瘍を小さくする効果があるとされるが、延命効果は分からない。

  • 経口抗ガン剤[UFT]による単剤療法の再発予防効果を、CMF療法と比較する臨床試験が、昨年から厚生省の研究班によって始まった。[UFT]はAさんが飲んでいたものを同系列の薬剤だ。全国の42の医療機関が参加し、今200人が被験者になっている。
    乳ガンの探検から医療を考える会の「イデアフォー」は、患者の立場からこの臨床試験に反対し、今月5日、厚生省に早急に中止するよう申し入れた。
    イデアフォーの青木栄子さん(49) は「欧米では単剤ではなく、CMFのような多剤併用療法が原則。この事実を知ったら、比較試験の被験者となる患者はいないと思う。標準的治療を受ければ助かる可能性のある人も、再発しかねない。1人ひとりの患者の命の重さをどれほど医師は感じているのか」と憤る。
    東大病院第二外科の川端英孝医師は、各国の臨床試験の結果をもとに、Aさんが手術後からCMF療法を受けていれば、再発の可能性を25%減らせたのではないかと言う。Aさんは「最初に標準治療を受けておればよかった」と思う。だが、これまでの病院で、そんな説明は全くなかった。
    医師によって、治療法に天と地の開きがあることを知らなかった。日本と世界の落差も知らなかった。「怖いから抗ガン剤の事は知りたくないと思ったけど、勉強して選ばないと私みたいに後悔する事になる」と話す

タモキシフェン
  • タモキシフェンはそのままの構造だと、ガンに対する治療効果はほとんどでない。肝臓で分解される酵素「CYP2D6」が作用すると高い治療効果が出る「エンドキシフェン」という物質に変わる
    そのため、CYP2D6の遺伝子が無いか、働かない人はタモキシフェンを飲んでもほとんど効かない。
    2012年メディビックはCYP2D6の遺伝子型を調べる検査サービスを始めた

オラパリブ
  • 2010年、米ペンシルベニア大学医学部のチームは、乳ガン治療薬候補のオラパリブについて、ガン抑制遺伝子であるBRCA1とBRCA2の突然変異がある乳ガン患者にたいして腫瘍の縮小か増大を遅らせる効果があることを小規模臨床試験で確認した。
    オラパリブを投与した乳ガン患者54人のうち、85%で乳ガンの増大が抑えられた
    1日に100mgを2回飲むという、少ない量を飲んだグループでも腫瘍が縮小または大きくなりにくくなっていた。
    オラパリブは、デオキシリボ核酸(DNA)の修復に関わるPARPというタンパク質の作用を阻害することでガン細胞に作用する。




陽子線治療
  • 2014年、福井県立病院は、水素の原子核をガン患部にピンポイントで当てる陽子線治療の臨床試験を始める。


乳房を立てる
  • 2010年設立のメディポリス国際陽子線治療センターの菱川良夫センター長が世界で初めて切らずに早期乳ガンの治療に成功した手法。
  • 乳房が柔らかく固定しにくいため、ガンにねらいを定めにくい。
  • まず患者に腹ばいになってもらい、乳房が垂れ下がった状態をつくる。10台のカメラで撮影。
  • 3Dのデータにして乳房と完全に密着したカップを作る。
  • カップと乳房をピッタリとくっつけ、患者が仰向けになっても乳房はカップの中で立ったままの状態となった。
  • そこへ、様々な角度から水素の原子核を光速の60%まで加速してガンの腫瘍を狙い打ちにした。
  • 世界初の臨床例は、2015年6/16から陽子線を照射、26回照射し、7/23に終了。経過は良好で再発もない。




副作用
ハーセプチン(一般名・トラスツズマブ)・・・
  • 米MDアンダーゾンがんセンター(テキサス州ヒューストン)の研究で、手術前にガンを小さくする「術前化学療法」として従来から使用してきた抗ガン剤と併用したところ、3人に2人の割合で乳ガンが完全に消失した。ハーゼプチンが効くのは「HER2」というタンパク質が過剰になるタイプで、乳ガン患者の約2割を占める。
    ガン細胞だけを攻撃し、正常な細胞を傷つけにくいとされる「分子標的薬」だが、間質性肺炎で死亡する事例が相次いだので、2002.12.25厚生労働省は製薬会社に対し「重大な副作用」として明記するよう指示した


タモキシフェンで子宮ガン→「子宮ガン


ゲルを、空洞に注入。
  • 2010年、米ニューヨークプレスビアン病院のグループは、乳ガンなどの手術後に起きる副作用を防ぐ手法を開発した。ポリエチレングリコールとジヒドロキシアセトンから合成したゲルを、ガンの組織を摘出した後にできる空洞に注入。空洞に漿液がたまるのを防ぐ。マウス実験で成功した。




30分で転移を判定
  • 医療用検査機器大手のS社は大阪大学や大阪警察病院と共同で、眼がリンパ節に転移しているかどうかを短時間で調べる手法を開発。
    OSNA法というガン転移判定法。リンパ節を採取してすりつぶし、遺伝子を増幅することでガンの転移を調べる。106件の乳ガン症例で検証したところ、患者のリンパ節を病理医が術中・術後に顕微鏡を使って詳しく調べたところ、20%で転移を確認OSNA法ではこれらの転移症例を装置ですべて自動検出でき、病理医の結果と一致した。。
    乳ガン手術は30分程度で終わるため、手術中にガンが別の場所に転移していないかどうか調べる術中検査も素早く終わらせる必要がある。リンパ節を凍結させて薄く切り病理医が顕微鏡で調べる従来の手法では時間がかかった。研究成果は2004年10/29に日本癌治療学会で発表





TGFβ1
  • 2009年、一般的にはガン細胞の成長を抑えるタンパク質として知られている『TGFβ1』が、時としてガン細胞の転移を促すことを米UTサウスウエスタン大学のチームが突き止めた。
    人の乳ガン細胞では、転移したものの6割でlこのタンパク質が強く働いていた。
    転移を促す理由としては、研究グループはガン細胞がTGFβ1に長期間サラされているうちに遺伝的変異が起きてガン細胞が抵抗性を持つようになったと考えている。
    また、「ニュートリン3」というタンパク質を添加したところ、転移を防ぎ、ガン細胞が死滅した。




リンパへの転移
  • 2008年11月、自動化に成功したリンパ節転移検査が保険適用になった。
    シスメックスが開発した遺伝子増幅検出試薬と遺伝子増幅検出装置を活用する乳ガンリンパ節転移迅速検査。
    手術中に摘出したリンパ節を機械に入れるだけで、30分後にはガン細胞が転移しているかどうか診断できる。しかも、全自動であるため、病理医が不要。
    リンパ節では発現しないが、乳ガンでは発現する『サイトケラチン19(CK19)』という遺伝子をマーカーとして検出する。
    従来は、手術中に摘出したリンパ節を病理医がパラフィン切片に切り分け、顕微鏡で精査して、転移の有無を判定していた。




死滅しないガン細胞
  • 2012年、東京大学医科学研究所の後藤典子准教授と日野原邦彦特任助教らは、抗ガン剤や放射線治療でも死滅しないガン細胞では、細胞膜に特定のタンパク質がくっつき、増殖や転移を起こしやすくなっていることを突きとめた。研究チームは乳ガン患者から手術で摘出したガン細胞を培養し、くわしく観察した。細胞膜に「ヘレギュリン」と呼ぶタンパク質がくっつくと、ガン細胞内の遺伝子に信号が伝わり、NFκBという物質が増加。増殖や転移に適した環境を整えていた。実際に再発率の高い乳ガン患者ではヘレギュリン濃度が高い傾向がある。




ネスチン・・・・転移に関係
  • 米ダートマス大学のグループは、乳ガンの中でも転移しやすく致死率が高いガン細胞中から、『ネスチン』と呼ばれるタンパク質が多く発現していることを突き止めた。
    ネスチンは主に中枢神経系の幹細胞で働いており、細胞構造の安定化や再生・分裂に関わっているとみられている。
    正常な上皮基底組織でもネスチンは発現しているが、ガン化した組織では異常にたくさん作り出されていると考えられている。





転移を抑える遺伝子
  • 2013年、大阪大学の佐伯万騎男講師らは乳がんが周りの臓器に転移するのを抑える遺伝子を突き止めた。
  • 成果は7/4のプロスワン(電子版)に掲載。
  • 乳がん細胞を使った実験で「Monad」(モナド)と呼ぶ遺伝子が多いと、転移する能力が落ちることを確かめた。






乳がん遺伝子に特許はみとめられるか?
  • 2013年、乳がんの発病リスクを高める遺伝子を企業が見つけた場合に特許が認められるかどうか?が争われた訴訟で、米連邦最高裁は6/12、人間の遺伝子は特許の対象にならないとする判決を言い渡した。
  • その一方で、人工的に合成された遺伝子については特許を認める場合もあるとした。




転移の有無・・・・
センチネルリンパ節
  • センチネルリンパ節(sentinel lymph node)とは、
  • 悪性腫瘍からのリンパを最初に受けとるリンパ節のこと
    センチネルリンパ節に転移がなければ、ほかのリンパ節にも転移が無いと判断できる。
    乳ガンのガン細胞は病巣である乳房からリンパ管を通って体内の各部位に転移しやすい。
    リンパ管を通ったガン細胞は複数のリンパ官が接続するリンパ節にたまって増殖する傾向がある。

  • 乳房に最も近く最初にガン細胞が到達するリンパ節『センチネルリンパ節』にガンの転移細胞があるかどうかを調べることで転移の有無が確認できる。
    現在も乳ガン摘出手術中に大豆ほどの大きさのセンチネルリンパ節を同時に摘出し、その場で病理専門医が顕微鏡でガン細胞の有無を確認している。
    転移が確認出来なければ腋の下のリンパ節すべての切除を逃れることができる。
    顕微鏡ではセンチネルリンパ節の横断面をみるのだが、約1時間の手術中に切断するのは3回が限度。そのため転移細胞が小さいと見逃す恐れがある。
    医療用検査機器大手のS社が開発したシステムでは、センチネルリンパ節を砕いて溶液に混ぜた後、溶液内の遺伝子を検出しやすい大きさに増幅させ、その中にガン細胞の遺伝子の有無を確認する。検出時間は30分。
  • コードレスで衛生的に
    乳ガンの転移検査はガン細胞の摘出手術と一緒に実施することが一般的。乳房内のガン細胞が近くのリンパ管へ侵入し最初に到達したリンパ節を「センチネルリンパ節」と呼ぶ。検査ではリンパ節を放射性同位体で検知する。2009年、日本メジフィックスがコードレスにすることで、手術時間の短縮と衛生的になる。





センチネルリンパ節生検
検査法には2種類ある。
  1. 手術の前日や当日に、乳房に微量の色素や放射線同位元素を注射する。同位元素はリンパ管を流れてセンチネルリンパ節に集まる。
  2. 脇の下を小さく切り、リンパ節だけを1〜2個摘出し、ガン細胞があるあんどうかを顕微鏡で病理医が詳しく調べる。
  • 検査は2つの手法を併用するのが最も精度が高い





トリプルネガティブ
悪性の高い乳がん
  • 2016年、星薬科大学の加藤良規教授ら。
  • 培養したヒトの乳がん細胞をマウスに移植した。悪化し脳に転移した乳がん細胞を解析すると、エンドカンというタンパ質が増えていた。
  • さらに、マウスの血液でエンドカンの量を調べたところ、エンドカンの多い乳がん細胞があるマウスは、血液中にエンドカンの量が多くなっていた。
 
治りにくい乳がんを小さくする
  • 金沢大学の後藤典子教授らと東京大学と共同で実験
  • ガンのもととなるガン幹細胞で増えるタンパク質(IGF2)を特定し、その働きを抑える抗体を投与した。
  • 患者から採った乳がんを培養し、IGF2の働きを詳しく調べた。
  • 細胞の表面にあるIGF1Rと呼ぶタンパク質に結合し、ガン幹細胞を維持する作用があることが分かった。
  • IGF1Rが少ないと、ガン幹細胞は増えにくくなった。
  • 患者の乳がんをマウスに移植し、IGF2にくっついて働きを抑える抗体を投与して効果をみたところ、IGF21Rの多いガンは、ほとんど増殖しなかった。
  • ガン幹細胞が増えるのを抑えたとみられる。
  • 乳がんの治療でよく使う3つの薬が効きにくい「トリプルネガティブ」と呼ぶ乳がんは、治りにくく悪性度が高い。
  • トリプルネガティブの乳がんでも、IGF1Rが多いと、抗体が効くことが分かった。2017/01/12





腋窩リンパ節
  • 上リンパ節(鎖骨下リンパ節)、
    中心リンパ節、
    外側リンパ節(上腕リンパ節)、
    胸筋リンパ節(前腋窩リンパ節)、
    肩胛下リンパ節(後腋窩リンパ節)
    がある





再発
可能性を判定
  • 2010年、滋賀医科大学の茶野徳宏准教授らのチームは、乳ガンの術後5年を過ぎて再発する可能性の有無を判定する手法を見つけた。
  • 成果は米科学誌プロスワン(電子版)に掲載
  • ガン治療は、5年間再発しなければ治療成功と見なされているが、乳ガンは5年過ぎて再発することが多い
  • 継続的な治療が必要かどうか判断する根拠となる判定基準が無かった。
  • 茶野教授らが2002年に発見した乳ガン抑制効果のある「RB1CC1」(RB1遺伝子誘導たんぱく質)を判定のマーカーに特定した。


ガン抑制効果のある遺伝子
  • p53
  • 「RB1」
  • 「RB1CC1」
    • の3種類が細胞核内で正常に機能していないと、5年以上たってから乳ガンを再発する可能性が高かった。

  • ガン抑制効果のある2つの遺伝子とRB1CC1に機能不全がない患者は術後5年以降、再発の可能性はほぼ無いという。

  • 大阪府立成人病センターと共同で実施した臨床研究では、患者323人のうち遺伝子に機能不全があった40%は5年をすぎてから再発リスクが高かった。


乳がんが休眠するメカニズム
  • 2014年、国立がん研究センターのオノ麻紀子研究員と落谷孝広。分子細胞治療研究分野長らは、乳がんの細胞が骨髄の中で増殖せずに休眠状態になる仕組みを解明した。
  • 米科学誌サイエンス・シグナリング(電子版)に掲載。
  • 乳がんは治療が終わってから10年〜20年にわたって突然、骨や脳に転移して再発することがある。再発した患者の骨髄を調べると、骨髄にガン細胞がたくさん見つかる人が3割ぐらい。血中に漏れ出たガン細胞が骨髄にたどり着いたためとみられる。

DNAを修復する時のメカニズム
  • 2014年、横浜市立大学の小甲裕一博士研究員と池口萬徳准教授らは、傷ついたDNAを修復するタンパク質の働きの一端を解明した。
  • 放射線などでDNAが傷つくと、細胞は修復しようとする。
  • 1つの方法は、「RAD51リコンビナーゼ」というタンパク質がDNAのキレた部分にらせん状に巻き付き、ゲノムから似た配列をもとにして補う方法。
  • このとき生体内のエネルギー物質「ATP」を使うが、ATPがタンパク質のどの部分に結合して働きを助けるのか不明だった。研究チームはRAD51の構造を元にコンピューターシミュレーションで解析した。RAD51の一部に生体内のカリウムイオンが2つ収まると、タンパク質が変形してATPがピッタリ結合できる用になると推測できた。
  • RAD51は通常「BRCA1」とBRCA2」という別のタンパク質につながって機能を発揮する。
  • BRCAが変異すると、約80%の確立で乳がんを発症することが知られている。






植物脂肪に乳ガン抑制作用
  • 米国バッファロー大学の研究グループは、植物に含まれている脂肪成分に乳ガン細胞の増殖を抑制する働きがあることを発見した。
    植物ステロールの一種で、培養細胞を使った実験で増殖抑制効果を確認した。
    研究グループは菜食主義者や肉食の少ないアジア諸国ではホルモンが要因とされるガンの発生・死亡率が低いことに着目。
    菜食中心のダイエット食に豊富な植物ステロールの働きを検討した。
    研究グループはこの物質には前立腺ガンや大腸ガンのガン細胞の増殖抑制効果もあることも突き止めている。このため、植物ステロールの作用が詳細に解明できれば、抗ガン剤の開発や安全なダイエットの仕方などに役立つものと考えている





ビタミンとカルシウム
  • 2010年、ビタミンカルシウムのサプリメントはDNA(デオキシリボ核酸)修復能力などを高めて乳ガンリスクを下げる可能性があるという研究結果を、プエルトリコのポンスイカ大学のグループが米国のがん研究学会で報告した。
    268人の乳ガン患者の女性に加え、457人の健康な女性を比較対象した。
    女性は
    • @高齢、
      A乳ガンの家族歴がある、
      B授乳経験がない、
      CDNAの修復能力が低い
    ほど・・・乳ガンになりやすい傾向が見られた。ただ、
    • ビタミンのサプリメントを摂取していると乳ガンリスクが30%低下させる効果
    • カルシウムのサプリメントは同様に40%低下させる効果が見られた。
    調査は長期的な影響を分析した研究で、即効性は期待できないという





セレン
  • 血中セレンの濃度が(0.04〜0.32マイクロc/血液1ml中)の範囲では、セレン濃度が高いほど、乳ガンによる死亡率が低い




野菜・果物栄養療法
  1. キャベツ
  2. 大豆ダイズ
    • 2000年、米ハワイがん研究センターとバンダービルト大学の研究チームは、ダイズを使った長期間の食事療法に乳ガンの発生率を低下させる効果が規定出来ることを突き止めた。
      ダイズの中の複数の成分が乳ガンの発生を抑制させているとみている。
      研究チームは女性の尿中のイソフラボンの量を測定した。イソフラボンはダイズに多量に含まれる水溶性の化合物。ダイズの消費量の指標になる。イソフラボン量が高い人は低い人に比べて乳ガンの発生率が半分程度だった
  3. リンゴ
    • 乳がんの発生リスクが低下する可能性がある
    • 2005年、米コーネル大学の研究グループは、毎日リンゴを食べると乳ガンの発生リスクが低下する可能性があることをマウス実験で確認。






定期的運動が乳ガンを予防
  • 26000人を対象にしたノルウェーでの調査。調査開始年齢20〜54歳の女性を平均13.7年間追跡調査したところ351人が乳ガンを発病。
    最低4時間/1週間の運動をしている女性は、座っていることが多い女性よ りも、危険性は37%低かった。この傾向は、やせた女性に顕著で、週に4時間以上運動する痩せた女性は乳ガンになる危険が最も低い





極小カプセルでDDS
  • 2015年、日本化薬は抗がん剤「パクリタキセル」をナノレベルの極小カプセルに包み、がん細胞だけに送り届ける新薬の承認を申請する。
  • 新技術は血管の壁にある微小な穴に着目し開発した。




乳ガン ドクター&病院    
スーパードクター 病院名
浅石和昭 札幌ことに乳腺クリニック
岡崎 稔 札幌乳腺外科クリニック
岡崎 亮 札幌乳腺外科クリニック
大内憲明 東北大学医学部付属病院
植野 映 筑波メディカルセンター病院
横江隆夫 渋川総合病院(群馬県)
福間英祐 亀田メディカルセンター
斎藤光江 順天堂大学医学部付属順天堂医院
神尾孝子 東京女子医科大学病院
河野範男 東京医科大学病院
松永忠男 ナグモクリニック
南雲吉則 ナグモクリニック
池田 正 帝京大学医学部付属病院
清水忠夫 東京女子医科大学東医療センターー
西 常博 三井記念病院
明石定子 昭和大学病院
中村清吾 昭和大学病院
川端英孝 虎の門病院
馬場紀行 東京共済病院
岩瀬拓土 癌研有明病院
福田 護 聖マリアンナ医大付属ブレスト&イメージング先端医療センター付属クリニッック(川崎市)
雨宮 厚 大船中央病院(鎌倉市)
佐藤信昭 新潟県がんセンター新潟病院
福富隆志 愛知医科大学病院
岩田広治 愛知県がん宣tガー中央病院
戸井雅和 京都大学医学部付属病院
稲治英生 大阪府立成人病センター
野口眞三郎 大阪大学医学部付属病院
田中完児 リボン・ロゼ田中完児乳腺クリニック(大阪市)
紅林淳一 川崎医科大学付属病院(倉敷市)
武部晃司 あけべ乳腺クリニック
大野真司 九州がんセンター(福岡市)
渡邉良二 搏愛会病院(福岡市)
古澤秀実 ブレストピアなんば病院(宮崎市)
岩瀬弘敬 熊本大学医学部付属病院
PRESIDENT 2012.9 より




病院名 手術
あり
手術
なし



北海道がんセンター 403 283 77

東北公済 461 1416 72

自治医大 256 28 76

群馬大学 272 14 73

埼玉県立がんセンター 515 415
埼玉医大国際医療センター 379 50 76

亀田総合 422 247 80
千葉県がんセンター 348 49 71
国立がん研究センター東 275 51 73
千葉大学 251 13 77

がん研究有明 1167 132 73
聖路加国際 799 23
国立がん研究センター中央 527 102 72
順天堂大順天堂医院 424 64 74
東京都立駒込 404 87 75
昭和大学 374 46 76
日本大板橋 276 197 69
虎の門 274 94 73
東京都立多摩総合医療センター 240 33 79
東京医大 228 208
東京女子医大 228 88 78
東京慈恵会医大 222 17 76


聖マリアンナ医大 690 41 79
神奈川県立がんセンター 330 73
大船中央病院 301 63
東海大 274 17 77
横浜市立大市民総合医療センター 274 13 76
北里大 219 180 72

新潟県立がんセンター新潟 350 470 70

静男家県立静岡がんセンター 336 45 76
静岡県立総合 272 15 72

知 
愛知県立がんセンター中央 470 48 73
藤田保健衛生大 213 34 73

三重大 305 150 71

大阪府立成人病センター 275 92 76
大阪大 258 216 77
大阪医療センター 250 102 72
近畿大 228 17 76

神鋼 286 57 75
兵庫県立がんセンター 231 26 72
兵庫県立加古川医療センター 211 92 75

広島市立広島市民 386 17 77
福山市民 219 128 76

四国がんセンター 429 448 75

久留米第一 475 90
北九州市立医療センター 460 16 77
九州がんセンター 319 756 72

熊本市立熊本市民 329 645 69
鹿

相良 596 815 78
2014年、1/23日本経済新聞より








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