オートファジー
(自食作用)

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自食作用
(オートファジー)
遺伝子
岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の大隈良典教授らは細胞が自らのタンパク質を分解する『オートファジー(自食作用)』と呼ぶ現象を深く関係している遺伝子を初めて突き止めた。
オートファジーはタンパク質が沈着して起きる『アルツハイマー病』や『肥満病』と関連があるとされ、これらの疾病の原因究明につながると期待される。成果は24日発行のネイチャーに掲載された。
  • オートファジーは、細胞周辺の栄養が枯渇した時に自分の組織を分解して栄養源にする働きで、人では空腹時の肝臓細胞で起きている。
大隈教授らは、実験しやすい酵母細胞を使ってこの現象に関係する遺伝子を12個突き止め、このうち4個の遺伝子について、どのような働き方をするのか解明した
仕組み (オートファゴソーム)
基礎生物学研究所の中戸川仁助教授らは科学技術振興機構と共同で細胞内のタンパク質を分解する『オートファジー』の仕組みの一端を解明した。この作用に必須の膜構造を作り出す過程を明らかにした。
[パーキンソン病]など[神経変性疾患]の予防や治療法の解明につながる
成果は20077/13米科学誌セルに掲載。
オートファジーには、分解するタンパク質などを取り込んで隔離する[オートファゴソーム]と呼ぶ特殊な袋が必要。
これまでこの袋を作り上げる仕組みが分からなかった。
研究チームは、オートファゴソームの形成に必要なタンパク質『Atg8』の働きを分析した。その結果、袋の材料となる膜同士をつなぎ合わせ、特殊な融合状態にする機能があることを突き止めた。さらに膜を大きくのばす働きがあることも分かった。
オートファジーは、細胞内をキレイにする機能がある。パーキンソン病ハンチントン病などの神経変性疾患の原因となる異常なタンパク質の蓄積を防ぎ、発症を抑えることが明らかになっている。
細胞の自食作用
「岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の大隅良典教授らは、細胞が自らのタンパク質を分解する現象『オートファジー』(自食作用)に見られる新しい反応機構を解明した。
これまでは分解されるタンパク質のファジーがどのように決まるのか不明だったが、
  • 『Apg8』という遺伝子がその境界を作っているという。
細胞の自食作用の異常はアルツハイマー病肥満症などと関係があるとされている。
  • 自食作用は栄養が乏しくなった際に細胞が自分のタンパク質を分解して栄養源にする基本的な生理現象で、あらゆる生物が備えている。
研究グループは、酵母細胞を使ってこの現象がどのように起きているかを調べている過程で、[Apg8]が作り出すタンパク質が膜構造を作る働きをしていることを突き止めた。
新たに見つかった反応では、このタンパク質の末端に細胞膜を形成するリン脂質が集まって『オートファゴソーム』という袋状の組織を作っているという。分解されるタンパク質は、オートファゴソームの中に包み込まれることが分かった。研究内容は2000.11.23日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載される。
(膜の成長)
2010年、大阪大学の吉森保教授と野田健司准教授らのチームは、細胞が不要になった自分のタンパク質などを分解する自食作用(オートファジー)を担う膜が成長する仕組みを解明した。
自食作用はガンや糖尿病の発症を抑える役割もあるため、詳しいメカニズムの解明が治療につながる。
自食作用は細胞内で作られた直径0.5〜1マイクロbの膜が不要なタンパク質を包み込んでアミノ酸に分解する。膜は必要なときに作られ、役割を終えると無くなる。
研究チームは、小胞体の膜の上にタンパク質「Atg14L」が集まり、膜を作るのに必要な物質を作る酵素と結合していることを突き止めた。
心不全 「大阪大学の大津欣也准教授と堀正二教授、東京医科歯科大学の水島昇教授らのグループは、心不全が発症する仕組みの一端を解明した。
不要になったタンパク質を浄化する機能が心臓の細胞でうまく働かなくなり、発病するらしい。成果は2007年4/23のネイチャーメディシン電子版に掲載。
正常な心筋細胞などは、異常が起きて不要になったタンパク質を浄化するオートファジー(自食作用)と呼ぶ仕組みがある。研究チームはこの作用を司る遺伝子の1つ『Atg5』が壊れると、心不全になりやすいことをマウス実験で確認。
神経 神経の異常を防ぐ
東京都臨床医学総合研究所の水島昇プロジェクトリーダーらは、細胞が自らのタンパク質を分解するオートファジー(自食作用)と呼ぶ現象に、神経細胞の異常を防ぐ機能があることを突き止めた。
オートファジーはアルツハイマー病など神経変性疾患と関連があるとされ、発病メカニズムの解明につながる可能性がある。
オートファジーは、細胞内のタンパク質を分解する現象。細胞周辺の栄養が不足したときに、細胞が自らを分解して栄養を自給自足する役割を持ち、マウスやヒトでは空腹時や誕生時に働く現象として知られていた。
水島プロジェクトリーダーらは、オートファジーが栄養供給に加えて、異常なタンパク質の蓄積を抑える新陳代謝の役割もあることを突き止めた。『Atg5』と呼ぶ遺伝子を欠損させてオートファジーが起こらなくさせたマウスを使って実験したところ、神経細胞内に異常タンパク質が蓄積して運動障害が起きた。
アルツハイマー病やパーキンソン病は、異常なタンパク質細胞内に蓄積することが原因と考えられている。
p62 神経疾患
細胞は新陳代謝のため、タンパク質アミノ酸に分解する。このうち「オートファジー」と呼ぶ機能に異常があると、神経や肝臓疾患につながると指摘されていた。
順天堂大学のチームは、シグナル伝達に関与するタンパク質『p62』に注目。オートファジーに必要な遺伝子が欠損したマウスは、脳や肝臓の細胞にp62を多く含んだ不溶性の塊ができやすかった。一方、p62の遺伝子も同時に欠損したマウスでは塊は消失し、肝臓障害も無かった。
成果は2007/12/14の米科学誌セルに掲載
細菌を排除 倉田祥一郎・東北大学教授らは、感染した細菌を細胞が排除する新しい仕組みを見つけた。リステリア菌に感染したショウジョウバエの細胞で発見した。
栄養が不足するとアミノ酸を供給するために働く細胞のオートファジーと呼ばれる仕組みが、細菌を取り除く役割も果たしていた。
ヒトにも同様の仕組みがあると見られる」
制御 2009年、大阪大学の吉森保教授らは、不要になった自己のタンパク質などを細胞が分解する自食作用を制御するタンパク質2種類を見つけた。
自食作用はガンなどの発症を抑えることにも役立っている。
成果はネイチャー・セルバイオロジーに掲載。
自食作用は栄養が不足した細胞が自己成分の一部を分解して生き延びる仕組み。
不要なタンパク質や病原体を分解する掃除システムでもある。
研究チームは、自食作用に不可欠なベクリンというタンパク質に着目。細胞実験で「Atg14L」と「ルビコン」というベクリンに結合する2種類のタンパク質を突き止めた。
さらにAtg14Lはベクリンにくっつき自食作用を起こすが、ルビコンは結合すると抑制することが分かった。
ベクリンを持たないマウスはガンを発症する。
Atg14Lとルビコンが自食作用を制御し、細胞のガン化を防いでいると考えられるという。
サリチル酸 2009年、理化学研究所と基礎生物学研究所は、植物の細胞死が抑制される仕組みの一端を解明した。
9/23の米科学誌プラントセル電子版に発表。
植物ホルモンの一種『サリチル酸』を手掛かりに研究。
サリチル酸は植物の病害抵抗性を高める機能があるが、過剰な分泌は細胞死を促進する。そこで、植物で過剰分泌を抑えている仕組みを詳しく調べた。
植物細胞にはミトコンドリアなどの細胞質成分を分解する「オートファジー」と呼ばれる働きがある。遺伝子操作で働きを失わせたシロイヌナズナでは、
サリチル酸が過剰に分泌されていた。
研究グループはオートファジーが過剰分泌を抑えて、牢屋や病原菌に感染して細胞死するのを抑えていると見ている。
Tecpr1 タンパク質をみつけた
2011年、東京大学医科学研究所の笹川千尋教授と小川道永助教らは、体内に侵入した赤痢菌などの病原菌分解システムを働かせせるのに必要なタンパク質を突き止めた。
このタンパク質は不用タンパク質を除去する役割も持っている。
細胞内には、病原菌などの異物や不要タンパク質を分解・排除する「オートファジー」というシステムが備わってている。
研究チームは赤痢菌の表面にあるタンパク質に、オートファジー関連タンパク質が結合することに着目。この関連タンパク質にくっつく新たなタンパク質「Tecpr1」を見つけた。
Tecpr1は他のタンパク質と複合体を作り、病原菌の認識に重要な役割を果たしていた。
Tecpr1を作る遺伝子を欠いた遺伝子改変マウスを作り調べると、赤痢菌をうまく認識できず、オートファジーがほとんど働かなくなり、菌が生き残って増殖した。


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