パーキンソン
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副作用で
パーキンソンに
アナフラニール」「アモキサン
アルドメット」「カルスロット
グラマリール」「コントミン
コントミン」「セレネース
テトラミド」「デパケン
トフラニール」「トリプタノール
トレドミン」「ニューレプチル
メキシチール」「リスバダール
ルジオミール」「レセルピン
ロドピン
パーキンソンに
使用不可の薬
○以下の抗精神病薬は(ドパミン受容体遮断作用があるため)使えない・・・(非定型精神病薬を選択)
[スペピロン]
[スルトプリド]
[チミペロン]
[ネモナプリド]
[フルフェナジン]
[ハロペリドール]
[フロロピパミド]
[プロムペリドール]
[モサプラミン]
○以下の薬は(中枢性コリン作動作用があるため)使えない
[アクラトニウム]
[カルプロニウム]
薬剤性パーキンソニズム(厚生労働省)

パーキンソン病(PD)の特徴
振戦
(tremor)
大脳基底核内に終止していて神経伝達物質のドパミンを放出するニューロンが変成するため、骨格筋の不随意的収縮が随意的運動を妨害し、筋の収縮と弛緩が交互に起こってふるえを引き起こす。
筋強剛 筋緊張が非常に亢進し、関連した身体部位の固縮を引き起こす。
運動緩徐
(bradykinesia)
運動の動作も障害され、病状が進行すると、ヒゲそりやシャツのボタンかけなどの動きがぎこちになり、時間がかかるようになる。
寡動
(hipokinesia)
手書きの文字が、小さくなり、変な形になり、判読不能になっていく。
また歩幅が狭く、ずり足になり、腕の振りは小さくなる。
歩行障害起立障害
流涎 顔面筋の固縮は、顔の外観を仮面様にする、そして表情の特徴は目を大きく見開き、またまばたきをしないで凝視し、わずかに口を開いてよだれを止められない。
仮面様顔貌 顔面筋の固縮から、パーキンソン病の顔貌は、能面様で、顔面筋は硬直し、運動少なく、意識は明瞭であるのに、表情がなくなる。」これを仮面様顔貌(mask-like face)という。その表情の特徴は、目を大きく見開いて、まばたきを市内で凝視する。」
膏顔 皮膚の皮脂腺の分泌が多いために、脂ぎった光沢を帯びており、これを膏顔(salve face)という。

症候群 パーキンソン症候群 parkinsonism には以下のものがある
パーキンソン病 Parkinson disease (PD)
症候性パーキンソニズム
 ・脳血管障害性パーキンソニズム
    
  arteriosclerotic parkinsonism
 ・薬剤性パーキンソニズム
       drug-induced parkinsonism
 ・脳炎後パーキンソニズム
      postencephalitic parkinsonism
 ・脳変性疾患
 ・中毒性パーキンソニズム

 ・脳腫瘍によるもの。
(PD) パーキンソンParkinson's disease(PD)
手足のふるえや筋肉の硬直などが起きて体がスムーズに動かせなくなる病気。進行すると寝たきりなることが多い。1000人に1人の割合。
神経伝達物質のドーパミンを作る神経細胞が変性・死滅するため発病する。間脳性の症候群で、錐体外路症候を主徴とする。運動機能が衰え、手足のふるえや筋肉の硬化が起き、寝たきりになる患者が多い。
この病気の家族歴がある患者は5%に過ぎないので、有毒な環境要因の関与が疑われている。
★チェック

「手や足がふるえる」
「歩きだすときに足が出にくい(一歩が出しにくい)」
「手先のこまかい動作がぎこちない」
「坂道の下りで止まりにくい」
「筋肉が硬くなったようにみえる」
「動きが鈍い」
「体が前屈みになっていて、歩きにくい」
自己
チェック
手足などにふるえやこわばり。
▽動作が遅くなる。

歩行が小刻みになる
最初の一歩を出にくい
すくみ足」。
前のめりで突進し、止まらない。
バランスがとれず、転びやすい
早口で小声
字が小さく見える
飲み込みにくくなる
表情が乏しくなる
便秘がち
転倒防ぐ
ケア
1.家の中は段差をなくし、手すりをつける。
2.足がすくんで前に出ないときには、またぐ物を置く。
3.床に歩幅にあわせてテープを貼る。
4.歩くときには、「イチ・ニ・サン」と号令をかけると良い。
5.腕が伸びづらくなるので、杖が使えない方もいる。
6.本人が出来ることは本人にまかせるほうがリハビリになる。
71日15分程度の散歩や体を伸ばす運動をする。
8.転倒するので、頭部保護帽をかぶる。
9.早めに寝る。
10.薬をきちんと飲む
原因
タンパク質
理化学研究所と順天堂大学の共同チームは、脳に蓄積してパーキンソン病をひきおこすと見られる原因タンパク質を突き止め、29日付けの米科学誌「セル」に発表した。
理研脳科学総合研究センターの高橋良輔チームリーダー、順天堂大学医学部の水野美邦教授、服部信孝光子らが特定したのは「
パエル受容体」と呼ばれるタンパク質。このタンパク質が、脳内の分解酵素である「パーキン」によって効率的に分解することを確認する。逆に分解されずに神経細胞に溜まると細胞死を起こすことを発見した。また、遺伝性パーキンソン病患の脳組織に、パエル受容体が通常より10〜30倍多く含まれていることを実際に確認した。
これまでパーキンを作る遺伝子に異常があると病気が起きる事は分かっていたが、パーキンが分解するタンパク質がどれかが判明していなかった。
一方、水野教授らは米ハーバード大学と共同で、パーキンが遺伝性パーキンソン病と関連する別のタンパク質を分解することを確認し、同日付けの米サイエンス誌に発表した。
パーキンソン病はアルツハイマー病についで患者数が多い神経変性疾患。日本では1000人に1人、計12万人の患者がいるとされている。
RBD (レム睡眠行動障害)
米メイヨークリニックの研究者らは、RBDいう病気の患者がパーキンソン病などの退行性脳障害になりやすいという報告をまとめた。
11年間の追跡調査で、患者の2/3がパーキンソン病やレヴィー小体認知症にかかっていた。
電気治療
が効果
「難病に指定されている「パーキンソン病」の患者に対し、和歌山県立医大脳神経科(板倉徹教授)が、電気で脳を刺激することで筋肉の緊張をゆるめる治療法を導入、高い成果をあげている。従来に治療法より安全性が高く副作用もないという。
パーキンソン病は、脳の中でドーパミンという物質を出す細胞が死ぬことで起きる。原因は不明で、筋肉が硬くなったり、手足が震えて歩きにくくなるなどの症状が出る。1000人に1人の割合で患者がいるといわれ、中高年層の発症率が高い。
県立医大の治療法は「脳深部慢性電気刺激」といわれ、筋肉の緊張や姿勢と 保つ脳内部の「淡蒼球」に白金製の電極(直径約1mm、長さ1cm)を埋め込む。
電極は胸部に埋め込まれた受信機に通じており、この受信機が外部からの電 波をキャッチ、電極に電気を送って脳を刺激。淡蒼球が麻痺状態となることで、 筋肉が軟らかくなるという

微弱電流で
パーキンソン病の運動症状などを、微弱電流を流すことで改善することを東京大学の山本義春教授(教育生理学)、郭伸助教授(神経内科学)らの研究チームが実験で確認し2005年8月号の米神経学会誌に発表。
強さがでたらめな微弱電流で脳を刺激すると、神経の電気信号が微弱電流で強められる『確率共鳴』という現象が起き、低下していた脳の情報処理機能が改善されたと見ている。
脳の薬が効かない症状も改善した。体への負担が少ない治療法として実用化を期待できる。
実験では、症状が重いパーキンソン病などの患者15人の耳の後ろと額に電極をつけ、微弱電流を額の方向へ流して、姿勢の制御に関わる前庭神を24時間刺激し続けた。その間、体に装着したセンサーで体の動きと心拍を記録した。
患者は動作が鈍かったり、動作を始めるとなかなか止まらないなどの運動症状があるが、電気刺激を受けている間はこうした運動症状が改善することが分かった。
さらにパソコン画面に特定の図形が表示されたらボタンを押すテストで、表示からボタンを押すまでの時間が、
刺激を与えなかった患者・・・・0.6〜0.65秒
刺激を与えた患者・・・・・・・・・・平均0.05秒早くなった。
多系統萎縮症(MSA)という神経疾患の患者の場合、運動症状に加えて、内臓の働きを調節する自律神経に障害があるため心拍のパターンに異常が認められたが、電流で制御している間は健常者のパターンを示した。
原因
遺伝子
原因遺伝子
脳神経の難病である遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子を、清水信義・慶応大学医学部教授と水野美邦・順天堂大学医学部教授らが突き止め、9日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
遺伝性パーキンソン病は20歳代から発症する特徴があり、日本では約12万人いるパーキンソン病患者の5%程度が遺伝性とみられる。手の震え・歩行障害といった症状は遺伝性のない通常のパーキンソン病と同じ。
今回特定したのは劣性遺伝の型の遺伝子で、第六染色体の端に位置する遺伝子に欠損が見つかった。優性遺伝子の原因遺伝子はすでに見つかっている。
発見した遺伝子からは「パーキン」と名付けたタンパク質が作られるが、遺伝子に欠損があるとパーキンが正常に作られなくなり、発病すると推測している。
● 4番染色体
「体のふるえや筋肉のこわばりなどを起こす難病のパーキンソン病で、原因になる遺伝子が23対ある染色体の「4番染色体」にあるらしいことを米国とイタリアの共同チームが突き止めた。今後、遺伝子自体あ見つかれば、病気のメカニズムを解明し、治療の戦略を立てることが出来そうだ。米科学誌「サイエンス」の15日号に掲載される。
米国立保健研究所(NIH)とイタリア・ナポリ第二大学の共同研究チームは、592人のうち60人がパーキンソン病にかかったイタリアの家系に注目し、遺伝子の場所を探した。その結果、4番染色体の特定場所だけが、発症に関係していることが分かったという。父母双方から受け継いだ遺伝子の一方に不都合がある発症の恐れが大きくなる優性遺伝だった。
パーキンソン病は1000人に1人程度が患うが、高齢者の発症率は100人に1人程度になる。神経細胞が変化して起きる病気では、高齢者の発症率2〜3%といわれるアルツハイマー病に次いで多い。大部分は非遺伝性だが、一部遺伝性のものがあるのではないかと考えられていた。
  金沢一郎・東京大教授(神経内科)の話し
「病気の解明と治療の出発点になる。遺伝子を見つけ、なぜ神経細胞が死ぬのかを明らかにすることで、遺伝性でないパーキンソン病との関係を解明することが、今後の課題だ。
神経細胞
「東京医科歯科大学の田賀哲也教授らの研究チームは、脳内の未熟な神経細胞が、情報伝達の手助けをする細胞に成熟するのを促す手法を開発した。この手法を応用して患者の脳内に成熟細胞を移植できれば、パーキンソン病など神経伝達の障害がもとで起きる脳神経の病気全般の治療に道を開く可能性があるという。
財団法人がん研究会の宮園浩平・生化学部長らとの共同研究。成果は16日付けの米科学誌サイエンスに掲載された。
研究チームは未熟な神経細胞が成熟するには、特定の2つの刺激を同時に受ける必要があることを発見。これまで細胞は1つの刺激で成熟が進むと考えられており、学会の常識を覆す画期的な成果だという。
成熟細胞が骨の成長を促す『BMP2』と受精卵が子宮に着床するために必要な『LIF』という2種類の生理活性物質であることを突き止めた。
未熟な神経細胞にこれらを与えると、成熟細胞に変わることを確かめた
遺伝子治療 遺伝子治療をサルの実験で実証。2006年7/19の日本神経科学大会で発表。
パーキンソン病は神経細胞が死滅して発症し、手のふるえや筋肉の硬直などが起こる。患者の脳を死後に解剖して調べると、『カルビンディン』というタンパク質を作る神経細胞だけが死滅をのがれていたため、カルビンディンを作り出す遺伝子をサルの右脳だけに導入した。薬剤でパーキンソン病の発症を促したところ、左脳に支配される右半身では症状が表れた。右脳が支配する左半身では症状が見られなかった。
カルビンディンは細胞内のカルシウム濃度を調節する。脳の神経細胞の一部にはもともと備わっているが、その比率は数%程度。カルビンディンを作る神経細胞だけが死滅をのがれる詳しい仕組みは不明だが、細胞のカルシウム濃度は多すぎても少なすぎても細胞の死滅につながるため、調節機能を持たせることで死滅を予防できた可能性があるという。
東京都神経科学総合研究所の高田昌彦副参事研究員らと自然科学研究機構・生理学研究所の成果。
iPS MITがネズミで実験
実験では脳内でドーパミンがうまく分解できず一方向にだけグルグル回るラットを使った。ラットの皮膚から作ったiPS細胞でドーパミンを出す神経細胞を作りラットの脳に移植した。
その結果、4週間後に移植を受けた9匹のうち8匹の行動が明らかに改善した。
細胞移植

無効
パーキンソン病の治療に胎児の脳細胞を移植する手術は効果が限定的であることが、本格的な臨床試験で初めて明らかになった。米国立衛生研究所が発表した。症状が軽くなったのは60歳以下の患者に限られ、原因不明の副作用もあったという。80年代以降広がってきた同手術に疑問を投げかける結果になった。
胎児の脳細胞をパーキンソン病患者の脳に移植すると、減少した神経伝達物質を増やせると考えられている。臨床試験は重い症状の患者40人を対象に、半数に移植移植手術を実施し、残る半数には実際には脳細胞を移植しない偽の手術を実施した。患者には1年経過するまで、どちらの手術をしたか明らかにせず、効果を調べた。
その結果、移植手術を受けた患者のうち60歳未満の9人は、運動能力が顕著に改善した。しかし日常生活の行動が元に戻ることななかった。一方、60歳以上の患者や偽の手術を受けた患者では症状の改善がみられなかった
MCV =運動神経伝導速度
・正中神経(46〜72m/sec)
・尺骨神経(46〜72m/sec)
・脛骨神経(40〜67m/sec)
・腓骨神経(42〜64m/sec)
・腓腹神経(53〜63m/sec)
脳に遺伝子を 世界初の治療法を自治医大神経内科の中野今治教授・浜松ホトニクス・医薬基盤研究所霊長類医科学研究センターが共同研究。数年前まで手足の震えていた寝たきりのサルがすっかり元気になった事例も出てきた。
手法は、神経伝達物質の1つドーパミンを作らせる遺伝子を脳に注入治療法。

ドーパミン計測 2009年、北沢茂・順天堂大学教授と慶應義塾大学のチームは、サルやヒトの脳で放出される神経伝達物質であるドーパミンを測定する電極を開発した。硬くて細い針状の電極で脳に差し込み周囲のドーパミンを量をリアルタイムで測る。
開発したのは、脳内に差し込んで電流量を調べる微細な針状の電極。
サルやヒトの脳で、100_秒ごとに1回、ドーパミン量を測定できる。
電極表面に特定の電位をかけた時の電流を測定する化学物質の検出法である『ボルタメトリー』を応用し、電極周囲のドーパミンを測る仕組み。
電極の長さは15cmで太さは直径0.3mm、先端1mm部分の太さは5マイクロb以下なので、差し込んだ周囲の組織を傷つけにくい。タングステンの表面をダイヤモンド血漿で覆った特殊な素材でできており、サルやヒトの硬膜も貫通して脳に差し込むことができる。
従来のボルタメトリーではカーボン製造電極などを使っていて軟らかいため、サルやヒトの脳には使えなかった。
新開発の電極をサルの大脳基底核に差し込んで計測することができた。
脳内のドーパミンを計測する手法には、脳内に液体を注入して回収し、ドーパミンだけを分離して調べる方法がある。この手法では1分間に1回しか測定できないため時間の経過に伴って変化するドーパミン量を調べるのが難しい。
安価に計測
米イリノイ大学の研究チームは、ドーパミン(脳内物質)を作る神経が破壊されて起こるパーキンソン病の経過を、新しいイメージング技術を使って観察することに成功した。
MRI(核磁気共鳴画像法)を使って水分子の動きを見る『拡散テンソルイメージング』という手法で、放射性同位元素を使うPET(陽電子放射断層撮影)よりも神経細胞を傷つけずに、安価に観察できる。
実際に脳の中でドーパミンを作る細胞が多く存在する黒質という場所を観察してテストした。


パーキンソン病治療薬
レボドバ単味剤 レボドパ [イーシー・ドパール]
[カルコーパ]
[ドパール]
[ドパコール
][ドパストン]
[ドパゾール]
[ネオドパストン]
[ネオドパゾール]
[パーキストン]
[マドパー]
[メネシット]
[ラロドーパ]
[レプリントン]
レボドパとドパ脱炭酸酵素阻害薬
の配合剤
合剤 [ネオドパスミン]
[メネシット]
[イーシー・ドパール]
[ネオドパゾール]
[マドパー]
ドパミン受容体作用薬
(アゴニスト)
麦角アルカロイド メシル酸ペルゴリド [ペルマックス]
カベルゴリン [カバサール]
メシル酸プロモクリプチン [パーロデル]
非麦角系 塩酸タリベキソール [ドミン]
塩酸ブラミペキソール水和物 [ビ・シフロール]
塩酸ロビニール [レキップ]
モノアミンオキシダーゼB阻害薬
(MAO-B阻害薬)
塩酸セレギリン [エフピー]
カテコール-O-メチル転移酵素阻害薬
(COMT阻害薬)
エンタカボン
抗コリン薬 塩酸トリヘキフェニジル [アーテン]
[トレミン]
塩酸ピロヘプチン [トリモール]
塩酸マザチコール [ペントナ]
塩酸メチキセン [コリンホール]
ピペリデン [アキネトン]
[タスモリン]
プロフェナミン [パーキン]
塩酸アマンタジン [シンメトレル]
ノルエピネフリン系作用薬 ドロキシドパ [ドプス]

抗パーキンソ剤(西洋薬)
塩酸アマンタジン [アテネジン][アマゾロン][シキタン][シンメトレル][トーファルミン][ボイダン][ルシトン][ロティファミン]
塩酸セレギリン [エフピー]
塩酸タリペキソール [ドミン]
●非麦角系のドーパミンD2受容体刺激剤「塩酸タリペキソール」
「パーキンソン治療剤は患者によって効く度合いが著しく違う為、幅広い薬剤の品揃えが求められている。
 パーキンソン病治療の主流は現在。LーDOPAと呼ばれる薬剤を投与する方法だが、長期にわたって投与を続けると、効果が持続する時間が短くなってくる問題がある。塩酸タリペキソール(ドミン錠・日本ベーリンガー)は作用の仕組みが違う為、LーDOPAを長期間投与した患者も有効だと言う。
パーキンソン病は脳の一部、中脳の黒質と呼ばれるドーパミン神経細胞が変性してしまう病気
塩酸トリヘキシフェニジル [アーテン][塩酸トリヘキシフェニジル][ストブラン][セドリーナ][トリニジール][トリフェジノン][トリヘキシン][トレミン][パーキネス][パキソナール][ピラミスチン]
塩酸ピペリデン [アキネトン][タスモリン][ビカモール]
塩酸ピロヘプチン [トリモール]
塩酸マザチコール [ペントナ]
塩酸メチキセン [塩酸メチキセン][コリンホール][マナミセン][メチキサート]
ドロキシドパ [ドプス]
プロフェナン [パーキン]
メシル酸ペルゴリド [ペルマックス]
メシル酸ブロモクリプチン [アップノールB][エレナント][コーパデル][セロクリプチン][デパロ][パーロデル][パーロミン][パドパリン][パルキゾン][パロラクチン][プロスペリン][メーレーン][メシル酸ブロモクリプチン]
レボドバ [イーシー・ドパール][カルコーパ][ドパール][ドパコール][ドパストン][ドパゾール][ネオドパストン][ネオドパゾール][パーキストン][マドパー][メネシット][ラロドーパ][レプリントン]



漢方薬あれこれ 真武湯
補中益気湯
抑肝散加陳皮半夏
「現在62歳、50歳半ばから緊張すると右手が震えるようになり、文字が書きづらくなりました。パーキンソン病との診断を受け、初めは薬がよく効きました。しかし次第に効き目が落ち、今は薬の種類も量も増え、何もするきにならず将来を悲観しております。」
 「パーキンソン病の原因はドーパミンという神経伝達物質の減少によるとされている。几帳面な性格で長く神経を張りつめて仕事をし続けてきた人に多い傾向がある。
筋肉の固縮や振戦、寡動など中核症状のほか質問者は「怒りっぽくなった」「万事にイライラする」「いろいろ考え眠れない」「ボケたような感じがする」など種々の症状を訴えている。こうした症状は漢方では「肝」の機能異常と考え治療することが多い。
もっともよく用いられる漢方薬は抑肝散で「肝」の緊張を抑える。中核症状にはドーパミンの補充療法が適しているが、周辺の種々の症状には漢方治療が優れている。
一般には抑肝散に筋肉の緊張の調節や運動障害の調節のため芍薬や厚朴を加えることが多い。気力・体力の衰えが目立つ場合は、抑肝散加陳皮半夏湯を用いたり、補中益気湯や新陳代謝を盛んにする附子を含む真武湯なども用いられる
1999.2.8《日本経済新聞》


薬剤性パーキンソニズム 厚生労働省
英語名:Drug-induced Parkinsonism
体内のドーパミンが不足して起きるパーキンソン病と同じ症状を示す「パーキンソニズム」は、医薬品によって引き起こされる場合もあります。
主に一部の胃腸薬や抗精神病薬などの医薬品でみられることがあるので、何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、自己判断で服薬を中止したり放置したりせずに、医師・薬剤師に連絡してください。
動作が遅くなった」、
声が小さくなった」、
表情が少なくなった」、
歩き方がふらふらする」、
歩幅がせまくなった(小刻み歩行)」、
一歩目が出ない」、
手がふるえる」、
止まれず走り出すことがある」、
手足が固い
1.薬剤性パーキンソニズムとは?
パーキンソン病※と同じような症状を示す病態をパーキンソニズム(パーキンソン症候群)と呼び、そのうち、医薬品の副作用としてパーキンソン症状が現れるものを薬剤性パーキンソニズムといい
ます。
パーキンソン病とは、体内のドーパミンという物質が不足して起きる病気で、一部の胃腸薬や抗精神病薬などの中には、このドーパミンの作用を弱めるものがあり、パーキンソン病と同じ症状を引き
起こすことがあります。また、パーキンソン病の方の症状を悪化させる場合もあります。
※パーキンソンという医師が発見したので、その名前が病名となっています。
2. 早期発見と早期対応のポイント
「動作が遅くなった」、「声が小さくなった」、「表情が少なくなった」、「歩き方がふらふらする」、「歩幅がせまくなった(小刻み歩行)」、「一歩目が出ない」、「手が震える」、「止まれず走り出すことがある」、「手足が固い」などの症状がみられた場合で、医薬品を服用している場合には、自己判断で服薬を中止したり放置したりせずに、医師・薬剤師に連絡してください。
この症状を比較的簡単に判定するために、患者さんの経過を観察する方法が、介護施設などで使用されています。この方法は、患者さん自身が自分で評価するためにも使われているものです。
以下の表は、パーキンソニズムに関係する評価項目を抜き出したもので、症状の程度で0 点(全くない)、1 点(ほとんどない)、2 点(時々ある)、3 点(良くある)、4 点(頻繁にある)で評価し、合計
点が6 点を超えたら、薬剤性パーキンソニズムが疑われます。ただし、この表による評価は絶対的なものではないので、患者さん、または患者さんの家族の方が異常を感じた時には、医師・薬剤師に連絡してください。
(LUMSERS) 全くない
(0点)
ほとんどない
(1点)
時々ある
(2点)
よくある
(3点)
頻繁にある
(4点)
筋肉がつる
筋肉が固い
運動がゆっくりになった
体の一部が勝手に動く
揺れる感じがある
落ち着きがない
よだれが出る
家族がおかしいなと思った時に、この表を当てはめてみると、おそらく6 点を超えていることが多いと考えられる。
家族が気づく症状は、すべてパーキンソン病と同じである。動作が遅くなった、声が小さくなった、表情が少なくなった、歩き方がふらふらする、歩幅が狭くなった(小刻み歩行)、一歩目が出ない、手が震える、止まれず走り出すことがある等である。また、便秘がひどくなった、手足が固い等と訴える
こともある。多くの神経疾患と同様に、この病態も血液などの検査で診断が決定するという特異的な所見はなく、症状からこの病態を判断することが多い。疑った場合には、原因になると報告のある医薬品の投薬を受けているかを知ることが重要である。原因になる可能性がある主な医薬品のリストを本マニュアルの最後に掲載した。疑った時に、その表を参考に原因となる医薬品を服用していないか確認すべきである。
副作用の発現時期は、投与開始数日から数週間のことが多く、全患者の90%以上で20 日以内に発症しているとされる。ただし、多くの医薬品があり、個々に関する詳細な点は後述する。薬剤性パーキンソニズムでは、ジスキネジア、アカシジアを伴うことが多い。また、副作用が発生しやすい条件として、高齢者・女性・使用薬剤の量が多いなどが挙げられる。
副作用の概要
パーキンソニズムとは、パーキンソン症候群とも言われ、パーキンソン病の時に見られる症状あるいはそれらを呈する疾患の総称であり、その詳細は以下で説明する。関連するものとして薬剤性の不随意運動には様々なものがあるが、ここではパーキンソニズムに関してのみ述べる。不随意運動一般に関しては、
6)その他の項で簡潔に説明してあるが、詳細は別マニュアルとして記載される予定である。
(1)症状
パーキンソン病と区別がつかない症状を呈する。従って、無動、固縮、振戦、突進現象、姿勢反射障害、仮面様顔貌などの症状を呈する。症状の軽い時点で、家族・本人が気づく場合は、動作が遅くなった、手が震える、方向転換がしにくい、走り出して止まれない(突進現象)、声が小さくなった、表情が少なくなった、歩き方がふらふらする、歩幅が狭くなった(小刻み歩行)、一歩目が出ない等と訴える事が多い。
特発性パーキンソン病と薬物性パーキンソニズムの差というと、以下のことが上げられるが、後述のように薬物により特発性パーキンソン病の発症時期が早くなることもあると考えられており、この区別は絶対的なものではない。
薬剤性パーキンソン病の方が
・進行がはやい
・突進現象が少ない
・左右差は少なく、対称性の事が多い
・姿勢時・動作時振戦が出現しやすい
・ジスキネジア・アカシジアを伴う事が多い
・抗パーキンソン剤の効果が少ない
このほか、もともと精神疾患患者に使用する医薬品によりパーキンソニズムが生じる事が多いため、統合失調症のカタトニアと副作用での無動の極端な状態を区別しにくい場合もある。

(2)発症までの経過
投与数日から数週間のうちに発症する事が多い。90%の症例が20 日以内で発症している。ブチロフェノン系、フェノチアジン系、ベンザミド誘導体といった抗精神病薬では、数日から数週間が多い。ベンザミド誘導体、 カルシウム拮抗薬の場合、数週から数ヶ月と長い事が多い。まれに一年以上のこともあり得る。

(3)発症頻度・リスクファクター
抗精神病薬での発症頻度は、15〜60%と幅のある報告がある。それぞれの医薬品で発症頻度のデータが論文という形で報告されているものもある。これに関してはそれぞれの医薬品の特徴という項目で述べる。ドーパミン拮抗薬では、軽い症状まで入れると発症頻度は50%を超えるかもしれないが、臨床的に問題になる頻度は15%くらいである(Hubblle JP et al, 1997)。
リスクファクターについては、高齢者・女性・薬物の量が多いことが、薬剤性パーキンソニズムと有意に相関した。以上の情報をふまえ、高齢の女性に大量の抗精神病薬を投与するときは、パーキンソン症状をよく観察し、副作用を早めに把握する事が必要である。


(4)発生機序と医薬品ごとの特徴
薬剤性パーキンソニズムの機序は、単純に説明出来るものでなく、それぞれの医薬品によっても少しずつ違った要素があると考えられる。また、多くの場合パーキンソニズムの原因になるとともに、遅発性ジスキネジアをはじめとする不随意運動の原因ともなりうる。そして、その発生機序もお互いに
関連している。

@ドーパミン拮抗作用がある医薬品
本マニュアルの最後の表で、精神神経用薬(抗精神病薬抗うつ薬)、消化性潰瘍用薬(制吐薬など)、その他の消化器官用薬(胃腸運動調整薬など)などとして分類されているものの中に、ドーパミン拮抗作用のある医薬品が含まれている。精神症状を起こす機序が、中脳-皮質あるいは中脳-辺縁系の機能過剰状態であるという仮説に基づき、治療薬としてはこれをブロックするドーパミン拮抗薬が使用されている。そこで必然的に、脳でのドーパミン機能を障害し、パーキンソン症状を出すと考えられる。約80%のドーパミン受容体(D2 受容体)がブロックされるとパーキンソン症状が出現すると言われる(Farde L et al, 1988)。またこれらの抗精神病薬で黒質細胞の脱分極性ブロックが起こり、パーキンソン症状を作り出すという報告もある(Bunney BS,1984)。同じ医薬品がパーキンソニズム以外に、アカシジア、遅発性ジスキネジア、などの原因ともなる。パーキンソニズム以外の副作用の発生機序としては、長期にブロックされていると、受容体の感受性などが変化し、単にブロックされたと言う以外の変化が生じ、D1、 D2 等での抑制・促通のバランスに狂いを生じ、そのために上記のような症状を呈するとされている。抗精神病薬のなかで、クロザピン、 クエチアピン は症状を出しにくい。その理由は、多くの抗精神病薬は本来の精神疾患に対する効果を発揮するために、受容体の90%位をブロックする必要があり、パーキンソニズムを生じてしまうが、これらの医薬品は、60%くらいのブロックで本来の効果を発揮でき、パーキンソニズムが出る程まで薬物濃度を上げなくて良いからである。

Aカルシウム拮抗薬
脳代謝改善薬としてカルシウム拮抗薬が広く使われた時には、それらによるパーキンソニズムの頻度は非常に高かった(葛原ら、1997, 2000, 2004)。その一つの例として、薬剤性パーキンソニズムの患者172 例中、74 例がシンナリジンによる薬剤性パーキンソニズムであった(Marti Maso et al, 1991)という報告がある。ただし、日本ではかなり前に販売中止になり、その頻度は減少した。
この医薬品のパーキンソニズム発生機序としては、線条体でのシナプス後で受容体を医薬品がブロックする(Takada et al, 1992)、シナプス前でドーパミンの再取り込みを障害する(Terand et al, 1999)等の機序が提唱されている。これら両者の機序が合わさっているのかもしれない。

B発症前パーキンソニズムの関与
薬剤性パーキンソニズムの時に必ず問題になるのは、発症前の軽症のパーキンソン病患者に医薬品を投与した事が、症状の発現に関与していないかということである。言い換えると、元々パーキンソン病になる傾向があった人に症状が出たと言う仮説である。これを支持する報告として、医薬品を中止し、薬剤性パーキンソニズムになった患者の経過を長期に追った所、48 例中5 例(Stephen PJ, Williamson J、1984)、72 例中6 例(Marti Maso et al, 1991)で、パーキンソン病になり治療を受けているという結果がある。この頻度は一般人口がパーキンソン病になる確率より有意に高く、パーキンソン病になる傾向があった方が、薬剤性パーキンソニズムになりやすいと結論している。さらに、PET 検査を薬剤性パーキンソニズムの患者で施行すると、13 例中4 例でF-DOPA 検査で異常が認められた(Burn DJ, Brooks DJ、1993)。この結果も、上述の仮説を支持するものである。更に、パーキンソン病のリスクファクターとして高齢が挙げられている。高齢者ほどパーキンソンニズムの発症し易さを有していると考えると、発症前パーキンソニズムが、何らかの関与をしているという仮説と矛盾しない。

C抗がん剤
テガフールをはじめとする抗がん剤が、薬剤性パーキンソニズムの原因医薬品として列挙されている。この機序は、これらの医薬品による白質脳症の結果として、パーキンソニズムが発症するわけで、白質脳症としての他の多くの症状とともにパーキンソニズムを呈するという事になる。この副作用に関しては、「白質脳症」のマニュアルを参照頂きたい。

D血圧降下剤
レセルピンもパーキンソニズムを起こす医薬品である。この機序は、シナプスでのドーパミンを枯渇させるという、レセルピンの持つ本来の作用による。

E頻尿治療薬
尿失禁などに頻回に使われる塩酸プロピベリン等が、パーキンソン症状の原因になると報告されている(杉山、1997)。構造式が、抗精神病薬などと類似しているため、同様な作用が出現する可能性が考えられている。本剤は、脳血管障害のある患者などに使用されることが多く、副作用が出現しやすい状況がしばしばある。副作用発現時には、服用を中止する事を念頭において使用すべきである。

F免疫抑制剤
神経ベーチェット病患者に免疫抑制剤を投与すると、ベーチェット病の症状の一部として、パーキンソニズムを呈することがある。この場合、その他のベーチェット病の症状を呈することから、判別は難しくない。

G認知症薬
認知症の治療薬として使用されている塩酸ドネペジルは、元来がアセチルコリン作動薬のため、パーキンソニズムを悪化させる可能性が理論的にはある。予測どおり、副作用として発現したという報告もあるが、1例のみの報告であり、結論は得られていない。

H抗てんかん薬
抗てんかん薬は、てんかん発作を抑制すると言う本来の目的以外に、様々な不随意運動の治療薬としても使われている一方、副作用としても不随意運動を誘発するという性質を持っている。中毒性脳症の症状としての不随意運動から、てんかん自体の症状の一部としての不随意運動、更に医薬品へのアナフィラキシー的な反応としての生じる不随意運動まで様々である。その中で、抗てんかん薬でパーキンソニズムが出現するのは、非常に珍しい。大量のジアゼパムでパーキンソニズムが発症したという報告がある(Suranyi-Cadotte BE. et al, 1985; Sandyk R, 2003)。フェニトイン(Presnsky AL etal, 1971; Goni M et al, 1985; Harrison et al, 1993)、カルバマゼピン(Critchley et al,1988)等でも一例報告がいくつかある程度で、基本的に珍しい状況と考えて良い。バルプロ酸でも、問題となる報告がある。一報告だけであるが(Armon etal, 1996)、12 ヶ月以上、バルプロ酸を投与されていた患者36 例中33 例でパーキンニズムが出現したと言っている。ただ、中止とともに3 ヵ月から12 ヶ月で消失し、経過は良性であるとしている。これの報告以外にこれほどの頻度の報告はなく、まれな病態と考えられている。抗てんかん薬による副作用の機序としては、元々小さい病変を持っている患者で、しかもある医薬品に特異的な反応を示すという機序で出現する場合と、いわゆる薬物中毒という機序で出現する場合、さらに両者の機序が合わさって起こっている場合があ
ると言われる。バルプロ酸での頻度の高い報告をした著者らは、バルプロ酸がミトコンドリアの機能障害を誘発したためと推測している(Armon et al,1996)。


(5)臨床検査、画像所見、病理所見
白質脳症、ベーチェット病などの一部の症状として出現した場合は、それぞれの疾患に特異的所見があるが、一般的に薬剤性パーキンソニズムに特異的検査所見はない。従って、臨床症状から判断する事が重要となる
3.副作用の判別基準・判別方法
パーキンソニズムを呈するあらゆる疾患が判別(鑑別)すべきものとして挙げられる。多くの疾患はパーキンソン症状以外の所見も伴っているため、容易に鑑別出来る。それぞれの疾患に特異的な画像検査、生化学検査、遺伝子検査などがあり、それらにより診断を確定出来る疾患も多く含まれている。
これらの個々の疾患に関する鑑別点はここでは述べない。
薬剤性パーキンソニズムとの鑑別で一番問題となるのは、やはりパーキンソン病である。従って、パーキンソニズムを見たことがあるか、パーキンソニズムを容易に判断出来るかが問題となる。神経内科医でない方がこれを判断するには、前述したLiverpool University Neurolepitc Side-effect RatingScale (LUMSERS)が有用である。この基準で疑わしい時に、神経内科医に相談するのも一つの方法である。薬剤性パーキンソニズムは頻度の非常に高い疾患であるため、日常診療において常に頭に置いて診療を進めることが診断に至る第一歩である。

パーキンソン病と薬剤性パーキンソニズムとの判別では、常に以下の3つのうちのどれにあたるかを考えながら、診療に当たる必要がある。
すなわち、
(1)純粋に薬剤性パーキンソニズムだけの患者
(2)偶然純粋にパーキンソン病が発症した患者
(3)今回薬剤により元々あった軽いパーキンソン病が明白となった患者のどれかである。
(1)の場合、投与中止だけで症状は消失するはずである。(2)の場合は、投与を中止しても全く症状は影響を受けない。(3)の場合は、投与の中止により症状のある程度の改善は見られるが、臨床的にコントロールするのに、抗パーキンソン病薬が必要となる。理論的には、この3 種類の可能性が考えられるが、実際にはこれほど明確でない事が多い。特に長期間投与した場合、本来(1)の状況であった患者でも、長期投与による二次的変化のため、投与中止をしても一部のパーキンソニズムの症状を残す事もよくある。先にも述べたように、(3)の可能性が頻度としては多いと考えられる(発症前パーキンソニズム)。
これらを判別する客観的手法はほとんどないが、近年注目を浴びているMIBG 心筋シンチ検査が判別に役立つと思われる。すなわち、取り込みが異常に低下していればパーキンソン病(Lewy 小体病)ということができる。ただし、これは決定的な鑑別法ではなく、パーキンソン症状がある患者で、後述の表に出てくる医薬品を投与されているか調べる事が大切である。そして、医薬品の投与が確認されたら、その投与をまず中止してみて、その後の経過から上述のどのパターンの患者かを判断するのが、オーソドックスなやり方であり、唯一の方法であろう。もちろんこの過程で、パーキンソニズムを呈する多くの疾患の鑑別のために、電気生理学的検査、画像検査、生化学検査などを行っておく必要がある。
以上より、とにかく疑わしい医薬品を中止してみることが大切である。
4.治療法
治療の基本は、原因となった治療薬の中止である。
多くの場合、投与中止により症状は可逆的に改善する。ほとんどが中止から2、3 ヵ月で症状が消失するが、時に半年くらいかかることもある。症状の改善を待つ間には、抗コリン薬やアマンタジンを使用して、対症療法を行なうのが一般的である。抗精神病薬などをどうしても中止出来ないときは、薬剤性パーキンソニズムを起こしにくい非定型抗精神病薬を使用することを勧める(Casey et al, 1989;Saltz etial, 2000)。特に高齢者では、この投与薬の選択とともに、使用する医薬品の量を最小限にとどめることも考慮すべきである。
以下の3 段階の治療方針が考えられるが、この方針が主として対象としているのは、抗精神病薬の投与に関してである。

@ 投与開始から併用する予防的治療
抗精神病薬、消化性潰瘍用薬、その他の消化器官用薬でドーパミン拮抗作用のある医薬品以外では、この治療を考える必要はほとんどないであろう。予防的治療とは、医薬品を開始するときに予防薬を一緒に投与することである。この治療法の効果・有用性に関しては、まだ結論が出ていない。予防的治療によりかえって精神症状を悪化させることもあり、誰にでもこの治療が推奨される訳ではない。パーキンソン病の家族歴が有り、高齢者で、女性の患者では、抗コリン薬またはアマンタジンを使用して予防をはかるのが一般的である。

A 急性期治療
急性期治療とは、医薬品投与により急激にパーキンソン症状が出現した時に行う治療である。抗コリン薬や抗ヒスタミン薬で急性期は対処する。この場合、ドーパミンやドーパミンアゴニストは有効でないことが多い。また、アマンタジンは有効であるという報告がある(Casey 1993)。かなり重症の場合は、それでもドーパミンを点滴で使用すると言う方法もあるが、その有効性に関しては結論が出ていない。なお、いわゆる悪性症候群では特別な救急処置が必要であり、「悪性症候群」のマニュアルの該当項目を参照されたい(平成18年11月現在作成中)。
B 長期間抗精神病薬を使用する場合の予防治療
3 ヶ月以上抗精神病薬を使用するときは、長期的に予防をする必要がある。
ここでは、投与開始から併用する予防的治療と異なり、年齢・性別で限らず、全員の患者で本治療を考慮する。この場合、抗コリン薬を使用する。ドーパミン拮抗作用のある医薬品による薬剤性パーキンソニズムでは、ほとんどの場合、投与の中止で症状の改善を見るが、改善しないときは非定型抗精神病薬に変更する。前述したように、非定型薬は薬剤性パーキンソニズムを誘発しにくいからである。
ドーパミン拮抗薬以外の薬剤性パーキンソニズムは、投与の中止だけで治療可能であるが、時に症状が中止後も持続することがある。この場合、特発性パーキンソニズムを医薬品が顕在化させただけなのかもしれない。このことに関しては結論を出せないが、治療としては医薬品の投与を中止して様子を見ることになる。
【症例1】70 歳代、男性
脳梗塞後遺症
使用薬剤:塩酸フルナリジン10 mg
※現在は、販売されていない。
使用期間:88 日間
脳梗塞により左片側麻痺となったが、歩行器で歩行が可能であった。
投与67日目 ヨチヨチ歩きとなり、歩行器の使用が困難との訴えがあった。
パーキンソン症候群と考え、メシル酸ブロモクリプチン、レボドパ、塩酸ベンセラジドを投与したが症状は改善せず上記のいずれの薬剤も投与中止とした。
投与81日目 歩行が全く不可能となった。塩酸フルナリジンの投与中止。
投与中止により症状は改善。
投与中止70日間 投与前の状態に回復した。
参考文献:厚生省医薬品副作用情報No.96 1989 年5 月
日本病院薬剤師会編:「重大な副作用回避のための服薬指導情報集」(第1集) 薬業時報社(1997)

【症例2】10 歳代、男性
十二指腸潰瘍
使用薬剤:リンゴ酸クレボプリド1.5 mg/日
使用期間:3日間
併用薬:塩酸ラニチジン、塩酸ピレンゼピン
投与開始3日目片側の顎筋・三角筋の攣縮、強直が出現した。錐体外路症状と診断。
塩酸ジフェニルピラリン注射液及びリン酸ベタメタゾンナトリウム注射液を投与。
投与後、約1時間で回復。
※ この患者は以前にメトプロクロプラミドで類似の副作用を経験。
参考文献:厚生省医薬品副作用情報No.79、「リンゴ酸クレボプリドによる錐体外路症状」 1986年6月
日本病院薬剤師会編:「重大な副作用回避のための服薬指導情報集」(第1集) 薬業時報社(1997)

【症例3】60 歳代、男性
虚血性心疾患
使用薬剤:塩酸チアプリド 25 mg
使用期間:7日間
虚血性心疾患があり、バイパス手術を施行した。術後創部の痛みが強く、不眠が続いていた。不眠に対して、塩酸チアプリド25 mg を1 日1 回投与した。
投与開始2日目 小刻み歩行の傾向が出現した。
投与開始5日目 さらに不眠が増強したため、塩酸チアプリド75 mg を1 日3 回に分けて投与を開始した。
投与開始6日 振戦、固縮、無動、突進現象、転倒傾向、仮面様顔貌、姿勢反射障害などのパーキンソン症状を認めた。
投与開始8日 症状が薬剤性パーキンソン病によると考え、塩酸チアプリドを中止し、フマル酸クエチアピン4 mg を一日3 錠、3 回に分けて投与を開始した。
投与開始15日(投薬中止して、約一週間)パーキンソン病の症状は、消失した。
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