多剤耐性

細菌による感染症








緑膿菌
海洋にいないとされていた緑膿菌が外洋にいる
  • 海洋にいないとされていた緑膿菌が外洋にいることを木暮一啓・東京大学海洋研究所教授が初めて発表した。キッカケは1990年代前半、気象研究所の研究チームが海中に溶けている有機物を分析し、見慣れない『ポーリン』というタンパク質を発見。データーベースで調べると、緑膿菌の細胞膜を作るタンパク質と一致した。海中にいないと考えられていた緑膿菌の体の一部が見つかったことを相談された木暮教授が調査を開始。東大などの研究チームは太平洋の黒潮の南側で採取した海水中から緑膿菌の分離・培養に成功、海水1_g中に100〜1000個程度いることを突き止めた。
    海洋細菌(海洋中に生息する細菌)は地球上でもっとも個数が多い生物で約2000種ほど報告されている。ただ、報告は培養されているもので、実際に存在している1%以下という(木暮教授)。コレラ菌は代表的な海洋細菌の一種。海洋細菌は全体で10の28乗個いるとされている。
    海洋細菌の働き
    @掃除屋の役割・・・魚やプランクトンなどの死骸を様々な有kぶつに分解し、エサとして食べる。そして細菌をアメーバなど原生生物が食べ、原生生物を動物プラン区トンや甲殻類が食べ、さらにコレラを魚が食べるといった食物連鎖を構成している。
    Aポーリン
    緑膿菌は100種類以上のタンパク質・有機物をエサとしている。分解されずにずっと残っている有機物が「ポーリン」。さらにこうした分解されにくい大量の有機物が常に海中に溶けていることが判明。濃度は海の表層では炭素換算で約1_c/1g。1000m以上の深海でも約0.5 _c/1g。
    小川浩史・東大海洋研究所助教授の実験
    フラスコ中に海洋細菌と一緒に有機物のグルコースを入れておくと、グルコースはアッという間に食べ尽くされる。しばらくすると別の有機物がフラスコの底にたまり始めた。1年経過しても最初に入れたグルコースの数%相当の量が残っていた。その成分は海中に溶けている有機物とほぼ同じだった。海洋細菌は海中で有機物を食べるとき酵素を出して分解してから体内に取り込む。ところが、「ある確率で自分に認識できない形に分解してしまい、結果的に食べ残しができる」と小川助教授は推測する。
    この溶けている有機物ができた年代を測定してみると平均で約6000年前だった。



薬剤耐性の仕組み解明
  • 2007年、徳田元・東京大学教授らの研究グループは、抗生物質が効かなくなる『薬剤耐性』を、緑膿菌が獲得する仕組みを解明した。
    緑膿菌の細胞膜にあるポンプを使って薬剤を体外へ排出しており、特殊なタンパク質がポンプの働きを制御していた。
    緑膿菌は高齢者や体力の弱った人に感染すると肺炎などを起こすことで知られる。緑膿菌の薬剤排出ポンプが働くには、細胞膜にある『リポタンパク質』の助けが必要。リポタンパク質が無いときは緑膿菌は薬剤を体外へ排出できない。
    リポタンパク質は細胞質内で作られてまず細胞膜に移動し、さらにその外側へと移動することが知られている。研究グループは『Lo1因子』というタンパク質が、リポタンパク質を細胞質から外側へ送り出していることを突き止めた。人工合成した緑膿菌の細胞膜にLo1因子を加えるとリポタンパク質は細胞膜の外へと送り出された。
    緑膿菌は薬剤耐性を獲得しやすいが、有効な対策が無い。



緑膿菌の増殖を阻害
  • 2014年、名古屋大学の渡辺芳人教授と荘司長三准教授らは、緑膿菌の増殖を阻害する人工タンパク質を開発した。
  • 緑膿菌の栄養分である鉄分の取り込みをジャマする。
  • 抗生物質を使わずに緑膿菌の増殖を妨げる。
  • 緑膿菌は体内に侵入する赤血球の中にある鉄分を吸収しようと「HasA」というタンパク質を作る。
  • HasAは鉄分と結合し、細菌表面にあるタンパク質を通じて取り込まれる。
  • 研究チームはHasAが、赤血球の中にある鉄分とは違う構造の化合物も結合する性質を発見。それをエックス線で結晶構造を解析すると「鉄フタロシアニン」という化合物と結合したHasAは、赤血球中の鉄分を結合したHasAとよく似た構造を持つことが分かった。
  • 照るフタロシアニンと結合したHasAを緑膿菌が謝って吸収すると、細胞表面の取り込み口であるタンパク質が塞がれて鉄分不足で増殖できなくなった。鉄フタロシアニンと結合したHasAを人工タンパク質として製剤にすれば、薬剤耐性緑膿菌の増殖も阻害できる可能性がある。




緑膿菌
緑膿菌のようにありふれた菌でも、抗ガン剤などの投与などで免疫力が弱っている場合は、血管に侵入して重い感染症を引き起こしたものが敗血症。

血液を調べても菌が見つからない場合が多いため診断が難しく、手遅れになることも少なくない。

学術映画で撮影に成功。「敗血症その発症過程と治療」桜映画社。









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