細菌による感染症
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関連情報
感染症」「0-157」「角膜炎」「サルモネラ」「食中毒」「院内感染」「Bウイルス」「人喰いバクテリア」「レジオネラ」「髄膜炎」「発熱」「高熱」「クラミジアによる感染症

常在菌・・・いつも人体で暮らしている
  • 常在菌
    • 人体と共生している菌を、「常在菌」とよぶ。常在菌は「細菌」と「真菌」(カビ)に分けられ、細菌のほうが圧倒的に多い。
    • 常在菌の数は、全部で100兆個以上と言われている。
    • 100兆の常在菌は、重量にするとおよそ1kg。
    • 健康な人が常に持っている菌が見つかれば、たとえそれが10人に1人しでしか見つからない菌だとしても、常在菌と呼ばれる。
    • 菌は、みずから栄養分をつくりだすことができないので、まわりの環境から栄養をもらって生きている。食べ物のカスや未消化の食べ物が数十時間も滞在する大腸は、栄養が豊富にあり、体の中で常在菌が最も多い場所だ。
    • 常在菌は通常、人体に害を与えることはない。
    • 害を与える菌のことを「病原菌」という。
    • 1960年頃から、病原菌だけでなく、常在菌の存在が重要であると指摘され始めました。
  • 常在菌がいない場所
    • 健康な人の場合・・・
      • 骨髄や筋肉などの組織
      • 肺や脳などの臓器
      • 体液(血液、分泌前の唾液)
      には常在菌はいないとされる。
  • 調べる手法
    1. 培地で培養
    2. 指紋遺伝子を調べる(1990年頃から)
      • 菌のDNAに含まれている複数の遺伝子の中の1つ、『16SrRNA遺伝子』は、すべての菌のDNAに含まれているうえに、菌の種類ごとにその構造(塩基配列)が異なっていることが分かっています。
    3. メタゲノム解析(2004年頃から)
      • 菌の集団が持つすべての遺伝子を調べる手法。
  • 腸内細菌
    1. 2010年3/4nature
      • 124人のデンマーク人およびスペイン人の腸内細菌をメタゲノム解析で調べた結果が発表。それによると、腸内細菌群から得られた全遺伝子数は、約330万個(ヒトの遺伝子が約2万2千個)。
    2. 糞便の半分・・・・腸内細菌
      • 糞便1ml当たりに100億個〜1000億個の細菌がいる。
      • 糞便の1/3〜1/2が細菌
      • 1人の腸内には・・・1000種類の細菌
    3. (胎児は無菌)
      • 赤ちゃんは母親の産道を通る時に最初の菌をもらい受けて、その後、様々な微生物を常在させる。不思議なことに赤ちゃんの常在菌群は、必ずしも母親の常在菌群と同じではない。このことをメタゲノム解析で調べたのが服部正平・東京大学大学院新療育創成科学研究科教授
    4. 腸内細菌の構成は、およそ65億人いる人類でみな違っていると考えられる。自身のゲノムは全く同じ一卵性双生児でも、腸内細菌群の大部分が異なるのです。しかも、個人個人の腸内細菌群の構成は、離乳後は一生ほとんど変わりません(服部正平教授)
  • 皮膚の常在菌
    1. 2005年に出来尾格・島根大学教授が世界で初めて皮膚の常在菌を指紋遺伝子を使って調べた。その結果、既に知られていた常在菌が10種類、人体以外でしか見つかっていなかった細菌が9種類、新発見の細菌が13種類見つかった。
    2. Science2009/5/29では、指紋遺伝子を使って10人の健康なヒトの皮膚にある常在菌を調べた結果が報告。
  • 顔の皮膚・・・1平方abあたり1000〜100万個の菌がいる。
    • 誰の皮膚にもいる常在菌は
      • 「表皮ブドウ球菌」
      • 「アクネ菌」
      • 「マラセチア菌」
      2009年に、表皮ブドウ球菌が「黄色ブドウ球菌」を殺す抗菌ペプチドを分泌していることが分かった。
    • アクネ菌は、皮脂を分解して、栄養となる有機酸(オレイン酸・酢酸・・)を作り出している。常在菌が作り出す酸によって、皮膚表面はpH5.5(弱酸性)に保たれている。
  • 口の中
    • 唾液1ml中には・・・1億〜10億個の常在菌がいる。
    • プラーク(歯垢)には、さらにたくさんの常在菌がいる。
    • 口の中の菌の種類は・・・400種類〜700種類。
      • 「レンサ球菌」が最も多いといわれている。
  • 鼻・・・1平方abあたり1000〜1万個の常在菌。
    • 代表的なもの
      • 「表皮ブドウ球菌」
      • nature/2010/5/20で、鼻の中にいる表皮ブドウ球菌は「タンパク質分解酵素」を分泌して、黄色ブドウ球菌の繁殖をジャマしていることが分かった。
  • 小腸
    • 小腸の上部には常在菌は少ないが、下部では急激に増加する。
    • 空腹時でも腸内内容物1cあたり・・・10万〜1000万個の常在菌
    • 代表的なもの
      • 「レンサ球菌」
      • 「乳酸菌」
  • 尿道
    • 腎臓や尿道、膀胱は、健康な人では無菌である
    • 尿道には・・・大腸菌や乳酸菌が常在している。
    • 尿1_gあたり・・・・・通常、1000個以下の菌が見つかる
    • エストロゲンが増えると、膣内でグリコーゲン(多糖類)が合成される。すると、グリコーゲンを分解して酸をつくる乳酸菌が増えて、膣内はpH4.7の酸性に保たれる。
    • 乳酸菌以外のほとんどの菌がこのpH4.7では生育ができない。

細 菌 =大きさ0.2〜1.0マイクロb
◎一部を除いて熱で死滅する。
◎以下の菌の出す毒素は、細菌が死滅してもその毒性は失われない。
  1.ボツリヌス菌・
  2.破傷風菌
  3.ジフテリア
◎細菌毒素による中毒には、
抗生物質は効かない。

形態別(球菌・桿菌・らせん菌)
(1)グラム染色で染色されるグラム陽性菌:
    1.ブドウ球菌
    2.連鎖球菌
(2)グラム染色で染色されないグラム陰性菌:
    1.大腸菌
    2.赤痢菌
細菌検査 2日で特定
2008年9月から、日立ソフトエンジニアリングは遺伝子を手掛かりに[細菌]や[ウイルス]を2日以内に特定する受託解析サービスを始める。
独自の遺伝子解析ソフトを使い、微生物を培養しないで調べることが出来る。
サービス対象は工場内の機器や調理場のふいた試料やバイオの研究資料。
「シークエンサー」と呼ぶ読み取り装置を使って遺伝子を構成する4つの塩基の順番を調べる。その塩基の配列データーをパソコンに入力。[DNASIS]と呼ぶ独自の遺伝子解析ソフトが、公共の遺伝子データーベースをネットから探し出す。
食品工場などの衛生検査は、微生物を培養して毒性などを手掛かりに微生物種を特定する方法が「公定法」として定められている。この手法では2週間かかるため、自主的に短期間で結果が分かる検査が求められていた。
造影剤 画像化できる
2011年、米ジョージア工科大学などのチームは、細菌の感染を画像化できる高感度の造影剤を開発した。従来の造影剤より検出感度が100倍高い。
成果はネイチャー・マテリアルズ(電子版)に掲載
研究チームは、多くの細菌で代謝に使われる糖類に蛍光分子をつけた化合物を開発。
大腸菌がこの化合物を取り込むことを確認。大腸菌に感染させたラットの体内に注入。蛍光検出カメラで観察すると、細菌に感染した部位が光って見える。


c染色性/形態 細菌 感染症
c陽性球菌 黄色ブドウ球菌 化膿性炎症・食中毒
化膿性レンサ球菌 化膿性炎症・猩紅熱・リウマチ熱・腎炎
肺炎球菌 肺炎
淋菌 性病
流行性髄膜炎菌 脳脊髄炎
結核菌 結核
ライ菌 ハンセン氏病
ジフテリア菌 ジフテリア
セレウス菌 食中毒
2009年、セレウス菌の胞子は、シリカガラスで覆われていて、強い酸性の環境の中でも身を守ることができる。実験ではpH1という強酸性の環境下でも数時間生存できた。
広島大学の黒田章夫教授と広田隆一助教の成果。
炭疽菌 炭疽病
ウエルシュ菌 ガス壊疽・食中毒
破傷風菌 破傷風
ボツリヌス菌 食中毒
c陰性桿菌 大腸菌 下痢・胃腸炎・食中毒
腸チフス菌 腸チフス
赤痢菌 細菌性赤痢・疫痢
ペスト菌 ペスト
コレラ菌 コレラ
腸炎ビブリオ 食中毒
緑膿菌 混合感染・菌交代症・日和見感染症・院内感染
野兎病菌 野兎病
ブルセラ菌 ブルセラ症
百日咳菌 百日咳
インフルエンザ菌 混合感染・髄膜炎・中耳炎
軟性下疳菌 性病
プロテウス菌 尿路感染・日和見感染症
セラチア 日和見感染症・院内感染
肺炎桿菌 肺炎・気管支炎・尿路感染症・日和見感染症
多形態 マイコプラズマ 原発性異型肺炎

ブドウ球菌感染症
  • (病態)
    • 常在菌であるブドウ球菌感染による種々の化膿性および毒素性疾患
  • (病型)
    1. 表在性感染
    2. 深在性感染
      1. 肺炎 
      2. 肺膿瘍
      3. 膿胸
      4. 菌血症
      5. 感染性心内膜炎
      6. 骨髄炎
    3. 毒素性疾患
      1. ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
      2. 毒素性ショック症候群(TSS)
      3. 食中毒
  • (検査)
    1. 白血球・・・増加
    2. 好中球・・・増加
    3. CRP・・・・・上昇
    4. 赤沈・・・・・亢進

グラム陰性菌感染症
  • (病態)
    • 緑膿菌・腸内細菌科菌群などのグラム陰性桿菌による感染症
  • (宿主)
    • 基礎疾患を有する症例に菌交代症、日和見感染症として現れることが多い。
  • (病態)
    1. 複雑性尿路感染症
    2. 胆道感染症
    3. 敗血症
    4. 慢性気道感染症
    5. 肺炎
  • (起炎菌)
    • Pseudomonas aeruginosa
      Bacteroides
      Legionella
      Haemophilus influenzae
      ・腸内細菌群:
        Escherichia coli
        Klebsiella
        Serratia
        Enterobacter
        Citrobacter
  • (検査)
    1. 白血球・・・・増加
    2. CRP・・・・・・上昇

日和見感染症
  • (病態)
    • 一般的には病原性を持たない弱毒微生物による感染症であり、宿主の抵抗力の減弱、易感染性により発症する。
    (検査)
    1. 血液
      • 好中球
      • 顆粒球
      • リンパ球
      • T細胞のCD4/CD8・・・細胞性免疫の評価
    2. 血清免疫グロブリン値
      • 血清IgG・IgM・IgA・IgD・IgE値・・・液性免疫
    3. 血清補体価→CH50の測定・・・補体系の異常
    4. ツベルクリン反応・・・陰性→細胞性免疫低下