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再生医療






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胎盤
脳神経細胞
ES細胞

万能細胞

大腿骨頭壊死
神経再生




再生医療
「培養した細胞や組織、バイオデバイス(生きた細胞を組み込んだ医療器具)などを体内へ埋め込み、機能不全に陥った臓器や組織を再生・回復させる医療」

<1>生体内培養
  • 京大再生医科学研究所・清水慶彦教授

  • 動物の生体内で、各臓器の再生に成功。
  • 培養の足場にはコラーゲンを使用。


<2>生体外培養
  • マサチューセッツ医科大学 Tissue Engneerling

  • 身体の臓器を体外で培養。
  • 培養の足場には体内で溶けるポリマーを使用。
  • 人工皮膚を、包皮細胞から培養し、商品化。1998年FDA認可。


<3>軟骨培養して移植
  • ジェンザイム・ティッシュ・リベラ社・・・・軟骨の移植
    成功率85%、千葉大・守屋教授
    鳥取医大・越智教授
    アテロコラーゲンの中で患者の軟骨を3次元培養し、患者に戻す





幹細胞
幹細胞とは
  • 皮膚、神経、骨、血管などのもとになる細胞。
  • これらを使って病気やケガで故障した組織や臓器の機能回復を目指すのが再生医療。



幹細胞の種類
  1. 体性幹細胞
    1. 体の骨髄や脂肪などにある。一定の種類の細胞に分化する。
    2. 骨髄・脂肪・血液などに微量含まれている未成熟の細胞。
      • 成長すると血液細胞になる・・・[造血幹細胞]
      • 骨や脂肪などになる・・・・・・・・[間葉系幹細胞]
      • 脳の神経になる・・・・・・・・・・・[神経幹細胞]
        などがある。
    3. 患者自身の細胞を採取するので、拒絶反応が起きない
  2. ES細胞
    1. 受精卵の一部からつくる。
    2. 体のあらゆる細胞になる機能を持っている
  3. iPS細胞
    1. 皮膚などの細胞に遺伝子を入れてつくる。
    2. ES細胞と同様にあらゆる細胞になるとされる。













2015年、東京大学の管裕明教授と金沢大学の松本邦夫教授らは、臓器などの組織を再生させるペプチド(タンパク質の断片)を人工的に作ることに成功した。
人体に無い特殊なアミノ酸を組み込んだ。
成果はネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)。
組織にキズができると、周りの細胞が穴を埋め合わせるように動いて修復する。このとき、細胞の表面にある「Met」と呼ぶ受容体に、組織の修復に関わるタンパク質が結びつき、必要な信号を伝えている。






体性幹細胞・・大量に培養
  • 2009年、ベンチャーの○○は、脂肪から遠心分離器で体性幹細胞を取りだし、特定の細胞に成長する前の未分化状態のまま培養する技術を開発した。5gの脂肪から取り出せる体性幹細胞は40万〜200万個。取りだした体性幹細胞を独自開発の特殊な培地に入れ、専用機械の中で12回培養を繰りかえしても体性幹細胞が劣化しない。3ヶ月後には3億個まで増やすことができる。特許申請中。

間葉系幹細胞で血栓ができる仕組み
  • 間葉系幹細胞はiPS細胞などと並ぶ「幹細胞」の一種。
  • 静脈から投与すると患者が肺塞栓で死亡するケースがある。
  • 岡野光夫東京女子医科大学教授らは、「間葉系幹細胞」を静脈に投与した際に肺で血管が詰まる原因をマウス実験で突き止めた。
  • 間葉系幹細胞の表面にあるタンパク質が周辺の血液を固めてしまい、血管に血栓をつくることが分かった。
  • また、培養した間葉系幹細胞は非培養のものと比べ、血液が固まりやすい特性があることも判明した。







万能細胞
  • <1>ES細胞=「胚性幹細胞」→「ES細胞」
    <2>EG細胞=「胚性生殖細胞」
  • 万能細胞は受精卵が何回かの分裂・増殖を経て成長した胚の中に存在する若い細胞で、正確には胚性幹細胞
    英文字表記の頭文字を取って
    ES細胞とも呼ばれる。
    胚は分裂を重ねて様々な臓器や組織に分化していくが、初期段階の胚性幹細胞はどんな細胞になるかまだ運命づけられていない。あらゆる組織に成長する能力を備えており、培養してこれをうまく引き出せば望みの臓器を作り出せるとみられている。
    一方、成長した動物の中には特定の組織を作り出す細胞がある。脳の神経を作る神経幹細胞や血球を作る造血幹細胞などで、これらの総称が体性幹細胞、臓器の元になる体性幹細胞まだあまり知られていないが、これを見つけて賠償できれば臓器再生に大きく前進することになる」





神経幹細胞
脳の神経細胞
  • 細胞から臓器を作り出す再生医療のビジネスが離陸しようとしている。米国では臓器だけでなく、再生医療に役立つ情報技術(IT)を手がけるベンチャー企業の競争が激化している。


機能維持にタンパク質が関与
  • 岡野栄之・慶応大学教授のグループは、神経細胞の元になる神経幹細胞が、幹細胞としての機能を維持する仕組みを、タンパク質の働きから解明した。
    神経幹細胞に多く存在するタンパク質『Musashi1』が、分化に必要なタンパク質の形成を阻害していた。
    神経幹細胞は神経細胞やグリア細胞に分化する一方、幹細胞としての機能も維持するため自己複製を繰り返す。Musashi1は、分化や分裂に必要な遺伝子が働くよう「スイッチ役」となる分子にくっつき、遺伝子を働かなくしてしまう。この結果、いくつかの神経幹細胞は自己複製を続けられる。
    Musashi1は神経幹細胞のほか、他の神経の幹細胞や神経の悪性腫瘍にも多く存在する。





骨髄から心筋細胞
  • 慶応大学医学部の福田敬一講師らのチームはマウスの骨髄細胞から作り出した心筋の筋肉細胞(心筋細胞)を別のマウスの心臓に移植、正常に働かせることに成功した。移植を受けたマウスは1ヶ月以上生きており、拒絶反応などの障害は見られないと言う。骨髄細胞を利用した臓器再生の可能性を示す成果だ。
    実験に使ったのはマウスの太ももの骨髄から作った心筋細胞。骨髄にある間葉系細胞という細胞を薬品で処理、様々な組織に変化出来る性質を持たせた。これを培養して規則的に拍動する細胞を抜粋、さらに培養を続けると4週間で一塊りの心筋組織が出来、すべてが同調して拍動するようになる。
    この組織を別のマウスの心臓に移植したところ、周囲の心筋細胞もともに正常に働いた。研究チームは近く大型動物の骨髄細胞から心筋細胞を作る同様の実験を始める予定。




骨髄中から万能幹細胞
「あらゆる臓器や組織に成長できる能力を秘めた全く新しい幹細胞が存在する可能性が出てきた。東海大学が骨の骨髄から国内で初めて見つけた。骨髄には様々な細胞があるが、胚性幹細胞ほど多くの臓器や組織に成長する万能なタイプはないと見られていた。
東海大学医学部細胞移植研究センターの安藤潔子牛らが見つけたのは、「成人型多能性幹細胞(MAPC、マルチポテント・アダルト・プロジェニター・セル)」骨髄中にあって神経や骨、血球などに成長する細胞群である体性幹細胞のもとになる基本的な細胞とみられる。
多能性幹細胞は米ミネソタ大学のキャサリン。ベルファイ教授らが1999年に発表した。骨髄細胞10万〜1億個に1個しか存在しないほど少ないので抽出が難しく、ベルファイ教授ら以外に報告例がなかった。
暗闘講師らはベルファイ教授らと2000年から共同研究を始め、昨年12月了解を得た上で成人患者など6人から骨髄を提供してもらった。うち1人の培養骨髄から多能性幹細胞を見つけ培養・増殖に成功。骨や軟骨に成長することも確認した。今後は、神経や内臓系の細胞など、他の組織にも成長するかどうかを試す。
発見者であるベルファイ教授らはすでに70人の被験者から抽出済み。試験管の中で神経・肝臓・膵臓・骨・軟骨・血球などに成長することを証明した。印をつけた多能性幹細胞をネズミの受精卵にまぜ、生まれたネズミが大人になった段階で調べたところ、すべての部位から印が見つかり多能性幹細胞から成長したことを確認している。
どのような臓器や組織にでも成長できる万能性を持つ細胞としては胚性幹細胞がある。今のところ、多能性幹細胞は抽出が極めて難しいが、受精卵が無いと作れない胚性幹細胞と違って、患者本人から採取でき、治療に有利とも考えられる。

  1. あらゆる人体組織に成長する『胚性幹細胞』を使う。
    • 受精卵を直接扱うため倫理上の問題あり。
  2. 成人の骨髄の中にある間葉系幹細胞を使う。
    • 培養して血球や骨、軟骨、腱・筋肉などの細胞・組織を作ることに、米ベンチャー企業オシリス・セラピューティクス社が成功。
  3. マウスの脳の神経細胞
    • マウスの脳の神経細胞が体のあらゆる臓器の細胞に成長することを、スウェーデンのカロリンスカ医科大学の研究チームが発表。
  4. 細胞分裂が活発な新生児の割礼時に提供を受けた皮膚の細胞から糖尿病でおきる足の潰瘍治療用の培養皮膚を、米オルガノジェネシスが作った。
  5. マウスの脚の骨髄からとった特殊な細胞を培養して心臓の細胞(心筋細胞)に育てることに、福田恵一・慶応大学医学部講師が成功




ES細胞
  • 2005年1/13にネイチャー・メディシン誌に発表された論文。
    米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部と米国ソーク研究所のグループが、米国政府が研究を公認しているヒトES細胞22株が動物由来の糖鎖に汚染されていて、臨床応用には問題があると指摘した。
    米国の他、スウェーデン・韓国・中国・オーストラリア・シンガポール・英国では50株以上のヒトES細胞株が樹立されているが、同様に汚染の可能性がある。
    グループによれば、ヒトES細胞はマウスの線維芽細胞や牛血清に存在しているがヒトには存在していない糖鎖『N-グリコシルニューラミック・アシッド(Neu5Gc)』を培養中に細胞内に取り込み、細胞表面に露出させる。
    正常人でも(Neu5Gc)に対する抗体を持っており、現在地球上にあるヒトES細胞株から作った神経細胞やすい臓細胞を患者に移植した場合、免疫系が異物として認識し拒絶反応もしくはアレルギー反応が起こる可能性が濃厚になった。




胚性生殖細胞(EG細胞)
  • 万能細胞として知られるようになった胚性幹細胞(ES細胞)は英ケンブリッジ大のグループが1981年に、マウスを使って初めて作製に成功した。初期胚の研究から生み出された成果だった。
    ES細胞と並ぶ、もう1つの万能細胞
    「胚性生殖細胞(EG細胞)の発見者は日本人。「全くの偶然の産物だった」と、大阪府立母子保健総合医療センター研究所(和泉市)の松居靖久研究部長は振り返る。
    当時、松居部長は米テネシー州・バンダオビルト大医学部細胞生物額研究室の研究員。精子や卵子の元になる始原生殖細胞(PGC)の集団を試験管内で増殖させるのに必要な物質を探索していた。
    PGCは、マウスでは受精7日目以後の胚から作られる。細胞増殖因子として知られるいくつかの物質を加えて反応を調べるうち、ある3種類の物質を組み合わせると勢いよく増殖し、ES細胞とよく似た形に変化することに気づいた。
    ES細胞の特徴は、様々な組織の細胞に分化すること、未分化のまま増殖すること。PGが増殖して出来た細胞をマウスに移植すると、神経や皮膚などを含む細胞の塊が出来た。PGC由来の細胞は、ES細胞と同じ機能を持っていることが分かった




多能性生殖細胞(mGS細胞
  • 京都大学医学研究科の篠原隆司教授らのグループは神経、筋肉、血液細胞など様々な生体組織に成長可能な細胞をマウスの精巣から取り出しことに成功した。人間にも同様の細胞がある可能性が高く、病気やケガで傷んだ臓器や組織の代わりに、この細胞から作った組織を移植する再生医療に役立つと期待される。
    東京医科歯科大学などとの共同研究成果で、2004年12/29の米科学誌セルに掲載。
    マウスから取り出した新細胞は
    多能性生殖細胞(mGS細胞』と呼び、精子を作る精子細胞が元になっている。これまで受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)があらゆる臓器や組織に成長できる万能細胞として知られているが、新細胞はこれに近い性質を持つ




『誘導多能性幹細胞』(iPS細胞)
  • 京都大学のグループは、マウスの皮膚細胞に遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できるES細胞に似た新しいタイプの万能細胞を作り、実際に[神経]や[心臓の筋肉][肝臓細胞]などに育てることに成功した。
    ES細胞は受精卵を破壊して作る必要があったあtめ、倫理的な問題があったが、新しいタイプでは、もともと患者本人の遺伝子を持つ皮膚細胞を利用するので、倫理面だけでなく拒絶反応の心配も回避できる。
    成果は米科学誌セル(電子板)に2006年8/10掲載。
    京大の山中伸弥享受、高橋和利特任助手らが科学技術振興機構のプロジャクトで開発した。
    新手法では、マウスの皮膚細胞に、ウイルスを使って『Oct3/4』などの4種類の遺伝子を組み込むと、2週間後に万能細胞に変化した。
    ES細胞とは似ているが別種のため
    『誘導多能性幹細胞』(iPS細胞)と名付けた

    2008年4/8、米マサチューセッツ工科大学などの研究チームは、パーキンソンに似た状態のラットの症状を改善させることに成功した。
    パーキンソン病の患者は脳内での情報伝達を担う神経伝達物質のドーパミンが作れなくなっている。実験では脳内でドーパミンがうまく分解できず一方向にだけグルグル回るラットを使った。ラットの皮膚から作ったiPS細胞でドーパミンを出す神経細胞を作りラットの脳に移植した。
    その結果、4週間後に移植を受けた9匹のうち8匹の行動が明らかに改善した。

    膵臓
    遺伝子操作で膵臓が作れないようにしたブタにiPS細胞を加えると、本来できないはずの膵臓を補う作用が働き、iPS細胞から膵臓ができると見られている。




「Muse細胞」(ミューズ細胞)
  • 2010年、東北大学の出沢真理教授と京都大学の藤吉好則教授らは、人の皮膚や骨髄の中から神経や筋肉、肝臓など人体の様々な組織に成長できる新しい「幹細胞」を発見したと発表した。様々な組織に成長する細胞としては胚性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞(iPS細胞)があるが、いずれも人工敵意作ったもの。
    発見した細胞は天然の細胞なので安全性が高いとみられる。
    研究はNEDOの支援で実施。
    発見した細胞は「Muse細胞」(ミューズ細胞)と命名。成人の皮膚や骨髄組織から「SSEA-3」というタンパク質を持つ細胞を探し出して性質を調べた。培養すると神経や平滑筋、骨格筋、肝臓など様々な組織に成長させられた。
    マウスの傷ついた皮膚や肝臓などに移植すると患部にくっついて、その組織に特有の細胞に成長したという。
    細胞は塊として一定の大きさまで成長すると増殖しなくなるが、特別な培養を繰り返すことで増やし続けられた。
    ES細胞やiPS細胞のように遺伝子導入などの特別な操作が不要




核小体・成長に不可欠
  • ほ乳類の受精卵が分化して個体に成長するには、卵子の核の中にある『核小体』が不可欠であることを、大串素雅子・理化学研究所研究員らが突き止めた。
    受精卵の核小体は、そのすべてを父親でなく母親から引き継いでいることも分かった。
    成果は2008.2.1サイエンスに掲載。
    核小体はすべての細胞にあり、タンパク質合成に関わる物質作りに関係している。
    卵子の核小体には遺伝子が含まれていない。
    核小体が無いまま受精させると、卵子と精子それぞれからできる前核の中で核小体が無くなっていた。この状態では発生・分化は途中で止まるが、除去した核小体を戻すと正常に分化した。また、体細胞中にある核小体を移植しても、卵子由来の核小体の代わりにはならなかった。




神経堤幹細胞
  • 慶応大学のグループは、神経のもととなる『神経堤幹細胞』が胎児期に血液などを介して骨髄の中へ移動していく経路を突き止めた。
    骨髄から採取した幹細胞が、神経へと成長していく能力をどうして獲得するのか不明。その解明につながる成果
    2008年4月号のセル・ステムセルに掲載。
    神経堤幹細胞は、骨髄だけでなく皮膚などからも採取が可能な幹細胞の一種。脊髄損傷の患者から採取して中枢神経に成長させた後に戻すことが可能になる。
    慶大の岡野栄之教授、戸山芳昭教授らは、遺伝子導入により観察したい細胞だけが緑色に光るマウスを利用。胎児が成長するにつれて神経堤幹細胞が体内をどのように移動するかを調べた。
    神経堤幹細胞は発生当初は脳や脊髄のもととなる『神経管』という組織になるが、胎児期に血液や肝臓を経由して運ばれ、生まれる直前に骨髄へ到達していた。
    骨髄から採取出来る幹細胞は神経にも成長させることが出来る。しかし、発生過程では骨髄は[中胚葉]、神経は[外胚葉]という異なる組織から成長する。どうして骨髄の幹細胞が神経へと成長できるのかは不明だった。
    今回の研究で、骨髄に神経堤幹細胞が含まれているため、骨髄から採取した幹細胞も神経へ成長できる可能性が高まった。
    成体マウスの骨髄・神経・皮膚から神経堤幹細胞を採取し、性質を比較した。脊髄の背中側にある感覚情報の中継点『後根神経節』から採取した幹細胞が、様々な組織へと成長する能力などがもっとも優れていることも分かった









皮膚細胞から血小板

2012年、松原由美子・慶応大学特任講師らは、皮膚細胞から血小板を直接つくり出す技術を開発した。
ヒトの皮膚細胞に、血小板つくりに関わる遺伝子3個を入れた。すると、皮膚細胞が血小板のもととなる「巨核球」細胞になり、血小板も得られた。
iPS細胞を使わないので、すばやく(約2週間で)つくれ、ガン化の危険も無い。




血管内皮前駆細胞(EPC)を使った血管再生
大人の骨髄にも存在
  • 神戸市などが設立した先端医療センターの再生医療研究部部長に2002年4月から就任する米タフツ大学医学部の浅原孝之・助教授は1997年、それまで胎児にしか無いと考えられていた血管を作る大元の幹細胞『血管内皮前駆細胞(EPC)』が大人の骨髄の中にも存在することを世界で初めて突き止めた。血管は増殖因子などの刺激によって既存の血管細胞が分裂・増殖して新しくできる。これに加えて浅原助教授らは、骨髄から出たEPCが血液の中を巡って傷ついた部位やガン細胞の周囲に集まって新しい血管を作り出すことを証明した。
    「これを移植に利用しない手はない」。浅原助教授は、体外に取り出したEPCを増やして、血管を作りたい損傷部位に注入する臨床試験を計画している。所属するタフツ大グループは心筋梗塞のブタを使った前臨床試験をほぼ終えた。ブタ心臓の血の巡りが悪い部位にカテーテルでブタのEPCを注入すると、4週間後には血管が出来て血液の流れの悪い範囲が縮小、エコーでみても心機能の回復を確認できたという。








幹細胞で血管再生
  • 2002年、皮膚や骨など整形外科領域以外で幹細胞を使った再生医療の実用化に最も近いのが血管再生だ。心筋梗塞や動脈硬化症など現在の治療法では完治しにくい病気に有効と考えられており、対象患者は国内で約100万人にのぼると言われる。京都大学医学部の中尾一和教授らは様々な細胞に成長する能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から血管を作る研究を計画している。中尾教授らはマウスのES細胞から血管を生みだして移植する手術に成功した。




注射で歩ける
  • 2002年、国内では幹細胞以外に遺伝子を使った血管再生の試みが、大阪大附属病院(吹田市)で一足早く患者に始まっている。血管を新たに作る働きがある肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子を足の悪い部分に注射して血管を作る遺伝子治療だ。これまで足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症やビュルガー病の6人に実施した。5人で血管が新たに形成されたり痛みが無くなったりした。
    「歩けなかった3人は全員歩いて退院できました」と森下竜一・助教授は治療効果を説明する。さらに16人の患者を対象に、注射する遺伝子の量を増やして治療を始めた。




生分解性材料で
  • グンゼと埼玉医科大学の宮沢光男助教授らは、再生医療の有望材料である生分解性物質で人工血管をつくりブタに移植、静脈を再生することに成功した。ブタの体内で生分解性物質が自然に本来の血管細胞に置き換わって、血栓などの生じない正常な血管ができた。
    開発した物質は、グンゼが開発した高分子で、スポンジ状のポルカプロラクトンとポリ乳酸と呼ぶ高分子をポリグリコール酸の繊維で補強したもの。
    実験では、肝臓の周囲にある門脈と下大静脈という血管の再生をブタで実施。門脈と下大静脈を取り除き、代わりに長さ3cm太さ1cmの人工血管を移植した。3ヵ月後に本来の血管に置き換わり、再生に成功した。再生された血管を調べたところ、人工血管の高分子は吸収されて無くなり、血管内皮細胞や平滑筋に置き換わってブタ本体の血管になっていた。」2006.1.27《日本経済新聞》




臓器の毛細血管
  • 2010年、慶応義塾大学理工学部の谷下一夫教授と須藤亮専任講師、韓国の高麗大学などのチームは、細胞を立体組織に育てる培養器を開発した。
    開発したのは、マイクロ流体デバイス。直径3.5cmのシリコン樹脂の円板上に、細胞が動ける流路を2本作った。流路は幅500マイクロb、高さ120マイクロb。2本の流路が最も近づく部分は、細胞が入り込みやすいコラーゲンジェルで隔てられている。流路の端に、培養液を流す円筒形の容器をつけた。
    一方の流路にラットの肝臓から分離した細胞を、他方にラットの肺から採った血管内皮細胞を入れた。血管に新生をうながすタンパク質を含む培養液を流して同時に培養した。
    顕微鏡で細胞の様子を観察すると。培養2日目には、増殖した血管内皮細胞が立体的な毛細血管を作り、コラーゲンジェルの中に入り込んでいる様子を確認した。




心臓病と再生
狭心症
  • 血管が細くなる狭心症では、骨髄に含まれる「単核球」で血管を再生する。関西医科大学が臨床試験で先行。

心筋梗塞
  • 「血管内皮前駆細胞」で心筋梗塞患者の心臓に血管を作る計画(神戸の先端医療センター)。血管内皮前駆細胞は骨髄より採取しやすく患者負担が少ない。

拡張型心筋症
  • 心筋が壊死した重症の心不全や拡張型心筋症では、血管の再生だけでは対応できない。「間葉系幹細胞」で心筋と血管の両方を作り出す方法(吹田の国立循環器センター、2004年5月から)と、太ももの筋肉から取り出す「筋芽細胞」を血管を作り出す骨髄の細胞と同時に移植する手法(大阪大学)が進んでいる




脂肪由来細胞から心筋を再生
  • 2012年、先端医療振興財団の松山晃文部長らは脂肪組織から取りだした細胞を投与して組織の再生をうながし、心不全などを治療する技術を開発した。
    利用するのは独自の手法で脂肪組織から取りだした「間葉系幹細胞」の一種。
    体内に投与すると心筋細胞や神経細胞、幹細胞、膵臓細胞などに変化する性質を持っている。
    ブタの実験で、間葉系幹細胞を心臓の冠動脈から投与すると、心筋細胞に変化し定着した。また、心筋梗塞のブタに投与するとポンプ機能が回復。90日後の生存率は20%から75%になった。




マウスES細胞から肝臓
  • 「2006年、東京工業大学などのグループは、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、本物の肝臓と同じように薬物を分解・排出する代謝機能を持った肝臓組織を作製した。
    新手法は、
    ・まず特殊な油の中でマウスのES細胞を培養。
    ・ボール状の細胞の塊『胚様体』にまで成長させる。
    さらに培養すると、
    ・まず細胞塊の中心部が心臓の筋肉(心筋)の細胞に成長する。
    ・次に、心筋細胞が周囲の細胞に命令を与え、肝臓の細胞に成長させる仕組み。
    生物の発生初期の段階ではまず体内で心臓が形成され、心臓が周囲の細胞に指令を与えることで肝臓が形成される。今回の手法は生体内と々仕組みで肝臓が作られるため、肝臓の主要な機能を担う『肝実質細胞』だけでなく、血管内皮細胞など別の細胞もできる。そのため、本物の肝臓に近い状態になり、薬物を分解・排出する代謝機能も持つようになる。
    肝臓で薬物代謝を司る酵素『チトクロームP450』を作る遺伝子が少なくとも6種類発現していた。
    また、実際にテストステロンという男性ホルモンを代謝する機能を持つことも実験で確認できた。




人工肝臓
  • 東京女子医科大学などは動物実験で、バラバラの肝臓の細胞から立体的な肝臓を作成し、200日以上効果が持続することを確認した。培養細胞から立体的な肝臓を作ることは難しい。
    東京女子医科大学の大橋一夫准教授らと奈良県立医科大学、京都大学の研究チームは、ネズミの肝臓を直径3cmのシート状に培養、細胞シートを2枚から4枚重ね合わせて立体構造を作った。人工肝臓を別のネズミの皮下に移植したところ、タンパク質を作り出す機能や解毒、細胞の再生などの機能を200日間以上維持した。
    ウサギやブタなどの動物でも実験を進めている。
    成果は2007年6/17ネイチャーメディシンに掲載

  • 皮膚細胞から
    2011年、九州大学の鈴木淳史准教授らは、マウスの皮膚細胞から肝臓の細胞を直接作り刺す技術を開発した。
    iPS細胞(新型万能細胞)を使わないで作れるので、ガン化の危険や再生時間、費用などを安くできる。
    ネイチャー(電子版)に6/30掲載
    皮膚細胞などから直接作る手法は「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれている。
    研究チームはマウスの皮膚細胞に「Hnf4α」と「Foxa」という肝臓で働く2種類の遺伝子を、レトロウイルスというベクターを使って導入した。肝細胞が育ちやすい培養環境を整えると、約1ヶ月で肝細胞が得られた。胎児と大人由来の皮膚細胞でそれぞれ試した。いずれも肝細胞ができた。この細胞を「iHep細胞」と名づけた。








(テルダーミス)
コラーゲン由来で皮膚の再生に使う

(テルプラグ)
歯の抜歯後の穴を埋める
β

米ハーバード大学のメルトン教授はヒトの膵臓で様々な酵素を出している一般細胞を、インスリンを作るベータ細胞に変える実験に着手した。
すでにマウスで成功し、ヒトのβ細胞も作れることを確かめる予定。
特定の組織に分化した細胞をいったん新型万能細胞細胞(iPS細胞)に変えることなく、直接別種類の細胞に生まれ変わらせることができる。
iPS細胞を作ってから分化させるより目的の細胞をすばやく得られ、再生医療への応用が期待される。




人工シートを使って
2009年、生きているブタの胃の1/4を切り取って作った大きな穴を、薄いスポンジ状の人工シートで穴をふさいで胃壁を元通りにする実験に埼玉医大の宮沢光男教授らが成功した。



唾液腺形成関与遺伝子を特定
2010年、大阪大学の阪井丘芳教授と米国立衛生研究所は、唾液を分泌する器官である唾液腺や肺の形成に重要な遺伝子を突き止めた。
受精卵が成長して臓器が作られる段階で働き、細胞同士が接着する力を弱め、臓器形成の始まりである細胞の枝分かれを作っていた。
成果は7/30のサイエンスに掲載。
唾液腺や肺・腎臓・前立腺などは丸い細胞が枝分かれをくり返しながら成長し、それぞれの臓器特有の立体構造を作る。
研究チームはマウスの胎児の唾液腺になる細胞取りだし、遺伝子を詳しく解析した。
『Btbd7』(クレフチン)という遺伝子が枝分かれに重要だと突き止めた。
クレフチンは細胞同士を接着させているタンパク質「カドヘリン」の働きを抑え、接着を弱める作用があった。この結果、細胞間に裂け目がくり返しでき枝分かれが生じていた。
唾液腺だけでなく肺の形成時にも働いていた。
人でも同様の仕組みがあると考えられている。
臓器形成に重要な遺伝子が判明したことで、唾液が出にくくなるドライマウスの治療や再生医療に役立つ


胎児を包む羊膜を特殊な装置を使って乾燥させ移植医療に取り組んでいるのが富山大学付属病院。
脳硬膜手術では実用化している。
開頭手術をする際は、髄液を漏らさないように硬膜を閉鎖する手術が必要で、現在は水は通さないが水蒸気は通す人工硬膜を使うことが多い。
ただ、人体にとっては異物であるため、炎症が起こる恐れがある。
ところが、羊膜なら拒絶反応が少なく、髄膜の成長にもジャマしない。
2009年から6件実施した。
富山大学の二階堂敏雄教授らは、それまで医療廃棄物として処分されていた羊膜を乾燥させることで、あらかじめ持つ特性を保ちつつ、より取り扱いやすい素材へと変えた。滅菌装置の製造販売メーカーと共同で、減圧して遠赤外線やマイクロ波で水分を取り除く技術を開発。

ディレクテッド・リプログラミング
2011年、大阪大学の妻木範行・独立准教授らは、マウスの皮膚細胞に特定の3遺伝子を導入し、軟骨の組織を作った。
iPS細胞(新型万能細胞)を使わないで、目的の細胞をつくる「ディレクテッド・リプログラミング」という手法を使った。
成果は1/11、米科学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスチゲーション(電子版)に掲載。
iPS細胞に使われる「cMyc」と「K1f4」という遺伝子と、軟骨への分化を促す「Sox9」という3つの遺伝子をマウスの皮膚細胞に、運び手のレトロウイスルを使って導入。
2週間、細胞培養した後にマウスの皮膚の下に移植すると、軟骨組織ができた。
その軟骨組織を調べると、皮膚細胞に特徴的なT型コラーゲンが無く、皮膚の性質が消えていた。作った細胞を移植すると、軟骨と同時に腫瘍ができるケースもあったが、T型コラーゲンが残っていたり、細胞の性質転換が不十分だったりするのが原因だった。

(耳の軟骨細胞から)
2011年、東京大学の高戸毅教授らは、病気やケガで失った鼻や関節の軟骨を再生する技術を開発した。
患者の耳にある軟骨細胞を育て、目的の形や強度を持つ軟骨を作る。




2012年、東京医科歯科大学の渡辺守教授と中村哲也講師らは、大腸の上皮にある幹細胞1個から傷ついた組織を再生することに成功した。
マウス実験で、取りだした幹細胞を体外で大量培養する手法を開発。
培養細胞を大腸に再び戻すと、傷をおおうようにくっつき正常な組織に育った。
ヒトに応用できれば難病の潰瘍性大腸炎クローン病の治療、大腸ガンの術後に大腸が狭くなるのを緩和できるのに役立つ。
成果は米科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に3/12掲載。
実験で大量に増やしたのは、複数の大腸上皮細胞に育つことができる体性幹細胞。
マウスの大腸上皮細胞を取りだして幹細胞を増やす因子をふりかけ、コラーゲンなどと一緒に浮遊液の中で育てた。腸炎を起こさせたマウスの肛門から注入したところ、1週間で傷口にくっつき徐々に正常組織を作り出した。




細胞シート
  • 細胞シートは筋肉や臓器の細胞を数ab四方の平面上に培養して加工したもの。1989年に岡野光夫・東京女子医科大学教授(工学博士)が世界ではじめて開発に成功。
  • 心不全や角膜の治療に応用が進んでいる。

細胞の健康状態の指標=呼吸量
  • 2015年、個々の細胞ごとに測定するセンサーを東京大学の一木隆範准教授とニコンが開発した。
  • 再生医療では、大量に培養した細胞おうち正常なものだけを選んで用いる。
  • 高分子素材のシートに微少な凹みをつけ、培養した細胞の層の上に、凹みを下にしてかぶせる。
  • 凹みの底にレーザー光を当てると赤く発光する試薬を入れた。
  • 顕微鏡で発光を測定し、長時間赤く光る点の下にある細胞を、活発に呼吸する正常な細胞であると判定する。

脂肪幹細胞
  • 2015年、筋肉や骨、神経などの細胞や組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を低酸素下で培養すると、通常よりも増殖することを関西医科大学の覚道奈津子助教のチームが解明。
  • プラスワンに10/15発表
  • 研究チームは、人の下腹部の脂肪組織から採取した脂肪幹脂肪を使用。これを酸素濃度1%の環境下で培養すると、空気中の酸素濃度と比べ細胞数が1.6倍になった。








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