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幹細胞の種類
体性幹細胞 体の骨髄や脂肪などにある。一定の種類の細胞に分化する。
骨髄・脂肪・血液などに微量含まれている未成熟の細胞。
成長すると血液細胞になる[造血幹細胞]
骨や脂肪などになる[間葉系幹細胞]
脳の神経になる[神経幹細胞]
などがある。
患者自身の細胞を採取するので、拒絶反応が起きない
ES細胞 受精卵の一部からつくる。
体のあらゆる細胞になる機能を持っている。
iPS細胞 皮膚などの細胞に遺伝子を入れてつくる。
ES細胞と同様にあらゆる細胞になるとされる。

再生医療 「培養した細胞や組織、バイオデバイス(生きた細胞を組み込んだ医療器具)などを体内へ埋め込み、機能不全に陥った臓器や組織を再生・回復させる医療」
<1>生体内培養:京大再生医科学研究所・清水慶彦教授
「動物の生体内で、各臓器の再生に成功。培養の足場にはコラーゲンを使用。」
<2>生体外培養:マサチューセッツ医科大学 Tissue Engneerling
「身体の臓器を体外で培養。培養の足場には体内で溶けるポリマーを使用。人工皮膚を、包皮細胞から培養し、商品化。1998年FDA認可。
<3>軟骨培養して移植:
ジェンザイム・ティッシュ・リベラ社ーーー軟骨の移植
成功率85%、千葉大・守屋教授
鳥取医大・越智教授
アテロコラーゲンの中で患者の軟骨を3次元培養し、患者に戻す
万能細胞 <1>ES細胞=「胚性幹細胞」→「ES細胞」
<2>EG細胞=「胚性生殖細胞」

万能細胞は受精卵が何回かの分裂・増殖を経て成長した胚の中に存在する若い細胞で、正確には胚性幹細胞。英文字表記の頭文字を取ってES細胞とも呼ばれる。胚は分裂を重ねて様々な臓器や組織に分化していくが、初期段階の胚性幹細胞はどんな細胞になるかまだ運命づけられていない。あらゆる組織に成長する能力を備えており、培養してこれをうまく引き出せば望みの臓器を作り出せるとみられている。
一方、成長した動物の中には特定の組織を作り出す細胞がある。脳の神経を作る神経幹細胞や血球を作る造血幹細胞などで、これらの総称が体性幹細胞、臓器の元になる体性幹細胞まだあまり知られていないが、これを見つけて賠償できれば臓器再生に大きく前進することになる」
心臓病 狭心症・・・・血管が細くなる狭心症では、骨髄に含まれる「単核球」で血管を再生する。関西医科大学が臨床試験で先行。
心筋梗塞・・・「血管内皮前駆細胞」で心筋梗塞患者の心臓に血管を作る計画(神戸の先端医療センター)。血管内皮前駆細胞は骨髄より採取しやすく患者負担が少ない。
拡張型心筋症・・・心筋が壊死した重症の心不全や拡張型心筋症では、血管の再生だけでは対応できない。「間葉系幹細胞」で心筋と血管の両方を作り出す方法(吹田の国立循環器センター、2004年5月から)と、太ももの筋肉から取り出す「筋芽細胞」を血管を作り出す骨髄の細胞と同時に移植する手法(大阪大学)が進んでいる
神経幹細胞 脳の神経細胞
細胞から臓器を作り出す再生医療のビジネスが離陸しようとしている。米国では臓器だけでなく、再生医療に役立つ情報技術(IT)を手がけるベンチャー企業の競争が激化している。
パーキンソン治療に
協和発酵の桜田一洋主任研究員も神経幹細胞の有効性に注目している。留学先の米ソーク研究所ケージ教授のもとで神経幹細胞を使ってパーキンソン病の治療に有効な細胞を作る研究を進めた。パーキンソン病はドーパミンという神経伝達物質が出来なくなって起こる。チロシン脱水素酵素という物質を使い、大人のマウスの脳から採取した神経幹細胞をドーパミンを分泌する細胞に“変身”させることに成功した。すでに米国でこの技術の特許を出願している。
クローン羊「ドリー」を英ロスリン研究所と共同で生み出した英国のベンチャー企業、ピーピーエル・セラピューティクス社は、人間に最も近い臓器を持つと言われるブタのクローン(複製)作りに成功した。同社のA・コルマン博士は「移植医療にはブタが最有力だ。人間のすべての臓器や組織が万能細胞から出来るとは限らない。人間の遺伝子を導入したブタのクローンを作る研究を続ける価値は十分にある」と言う
マウスの脳から組織
神経・筋肉・心臓・肺・・・・。昨年夏、スウェーデンのカロリンスカ医科大学のA・レンダール博士は大人のマウスの脳の神経細胞が体のあらゆる組織の細胞に変身できる可能性があることを確認した。
神経細胞は分裂して様々な神経細胞になることが知られている。レンダール博士らの研究チームが大人のマウスの脳から採取した神経幹細胞をマウスの受精卵と一緒に培養したところ、最初に神経幹細胞から筋肉の細胞が出来た。
次に分裂が進んだ受精卵に神経幹細胞を移植したところ、、増殖しながら心臓や肺、肝臓、腎臓、消化管などの細胞に分化すること分かった。
大人になった動物の体の中の幹細胞は、ある程度限定された組織や臓器にしか分化できないというのが常識だった。レンダール博士らの研究チームはこの常識を覆した。あらゆる組織の細胞に変身できる『胚性幹細胞』(ES細胞=万能細胞)にそっくりな能力を大人の神経幹細胞も備えていることを示している。
神経幹細胞は大人の体に多数存在するため、受精卵から作るES細胞よりも採集が簡単で、倫理上の問題も少ない利点がある
機能維持にタンパク質が関与
岡野栄之・慶応大学教授のグループは、神経細胞の元になる神経幹細胞が、幹細胞としての機能を維持する仕組みを、タンパク質の働きから解明した。
神経幹細胞に多く存在するタンパク質『Musashi1』が、分化に必要なタンパク質の形成を阻害していた。
神経幹細胞は神経細胞やグリア細胞に分化する一方、幹細胞としての機能も維持するため自己複製を繰り返す。Musashi1は、分化や分裂に必要な遺伝子が働くよう「スイッチ役」となる分子にくっつき、遺伝子を働かなくしてしまう。この結果、いくつかの神経幹細胞は自己複製を続けられる。
Musashi1は神経幹細胞のほか、他の神経の幹細胞や神経の悪性腫瘍にも多く存在する。
骨髄から 骨髄から心筋細胞
「慶応大学医学部の福田敬一講師らのチームはマウスの骨髄細胞から作り出した心筋の筋肉細胞(心筋細胞)を別のマウスの心臓に移植、正常に働かせることに成功した。移植を受けたマウスは1ヶ月以上生きており、拒絶反応などの障害は見られないと言う。骨髄細胞を利用した臓器再生の可能性を示す成果だ。
実験に使ったのはマウスの太ももの骨髄から作った心筋細胞。骨髄にある間葉系細胞という細胞を薬品で処理、様々な組織に変化出来る性質を持たせた。これを培養して規則的に拍動する細胞を抜粋、さらに培養を続けると4週間で一塊りの心筋組織が出来、すべてが同調して拍動するようになる。
この組織を別のマウスの心臓に移植したところ、周囲の心筋細胞もともに正常に働いた。研究チームは近く大型動物の骨髄細胞から心筋細胞を作る同様の実験を始める予定。

骨髄中から万能幹細胞
「あらゆる臓器や組織に成長できる能力を秘めた全く新しい幹細胞が存在する可能性が出てきた。東海大学が骨の骨髄から国内で初めて見つけた。骨髄には様々な細胞があるが、胚性幹細胞ほど多くの臓器や組織に成長する万能なタイプはないと見られていた。
東海大学医学部細胞移植研究センターの安藤潔子牛らが見つけたのは、「成人型多能性幹細胞(MAPC、マルチポテント・アダルト・プロジェニター・セル)」骨髄中にあって神経や骨、血球などに成長する細胞群である体性幹細胞のもとになる基本的な細胞とみられる。
多能性幹細胞は米ミネソタ大学のキャサリン。ベルファイ教授らが1999年に発表した。骨髄細胞10万〜1億個に1個しか存在しないほど少ないので抽出が難しく、ベルファイ教授ら以外に報告例がなかった。
暗闘講師らはベルファイ教授らと2000年から共同研究を始め、昨年12月了解を得た上で成人患者など6人から骨髄を提供してもらった。うち1人の培養骨髄から多能性幹細胞を見つけ培養・増殖に成功。骨や軟骨に成長することも確認した。今後は、神経や内臓系の細胞など、他の組織にも成長するかどうかを試す。
発見者であるベルファイ教授らはすでに70人の被験者から抽出済み。試験管の中で神経・肝臓・膵臓・骨・軟骨・血球などに成長することを証明した。印をつけた多能性幹細胞をネズミの受精卵にまぜ、生まれたネズミが大人になった段階で調べたところ、すべての部位から印が見つかり多能性幹細胞から成長したことを確認している。
どのような臓器や組織にでも成長できる万能性を持つ細胞としては胚性幹細胞がある。今のところ、多能性幹細胞は抽出が極めて難しいが、受精卵が無いと作れない胚性幹細胞と違って、患者本人から採取でき、治療に有利とも考えられる。
<1>あらゆる人体組織に成長する『胚性幹細胞』を使う。
受精卵を直接扱うため倫理上の問題あり。
<2>成人の骨髄の中にある
間葉系幹細胞を使う。
培養して血球や骨、軟骨、腱・筋肉などの細胞・組織を作ることに、米ベンチャー企業オシリス・セラピューティクス社が成功。
<3>マウスの脳の神経細胞が体のあらゆる臓器の細胞に成長することを、スウェーデンのカロリンスカ医科大学の研究チームが発表。
<4>細胞分裂が活発な新生児の割礼時に提供を受けた皮膚の細胞から糖尿病でおきる足の潰瘍治療用の培養皮膚を、米オルガノジェネシスが作った。
<5>マウスの脚の骨髄からとった特殊な細胞を培養して心臓の細胞(心筋細胞)に育てることに、福田恵一・慶応大学医学部講師が成功
血管再生 血管内皮前駆細胞(EPC)を使った血管再生
*大人の骨髄にも存在
神戸市などが設立した先端医療センターの再生医療研究部部長に2002年4月から就任する米タフツ大学医学部の浅原孝之・助教授は1997年、それまで胎児にしか無いと考えられていた血管を作る大元の幹細胞『
血管内皮前駆細胞(EPC)』が大人の骨髄の中にも存在することを世界で初めて突き止めた。血管は増殖因子などの刺激によって既存の血管細胞が分裂・増殖して新しくできる。これに加えて浅原助教授らは、骨髄から出たEPCが血液の中を巡って傷ついた部位やガン細胞の周囲に集まって新しい血管を作り出すことを証明した。
「これを移植に利用しない手はない」。浅原助教授は、体外に取り出したEPCを増やして、血管を作りたい損傷部位に注入する臨床試験を計画している。所属するタフツ大グループは心筋梗塞のブタを使った前臨床試験をほぼ終えた。ブタ心臓の血の巡りが悪い部位にカテーテルでブタのEPCを注入すると、4週間後には血管が出来て血液の流れの悪い範囲が縮小、エコーでみても心機能の回復を確認できたという。
幹細胞で
2002年、皮膚や骨など整形外科領域以外で幹細胞を使った再生医療の実用化に最も近いのが血管再生だ。心筋梗塞や動脈硬化症など現在の治療法では完治しにくい病気に有効と考えられており、対象患者は国内で約100万人にのぼると言われる。京都大学医学部の中尾一和教授らは様々な細胞に成長する能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から血管を作る研究を計画している。中尾教授らはマウスのES細胞から血管を生みだして移植する手術に成功した。
注射で歩ける
2002年、国内では幹細胞以外に遺伝子を使った血管再生の試みが、大阪大附属病院(吹田市)で一足早く患者に始まっている。血管を新たに作る働きがある肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子を足の悪い部分に注射して血管を作る遺伝子治療だ。これまで足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症やビュルガー病の6人に実施した。5人で血管が新たに形成されたり痛みが無くなったりした。
「歩けなかった3人は全員歩いて退院できました」と森下竜一・助教授は治療効果を説明する。さらに16人の患者を対象に、注射する遺伝子の量を増やして治療を始めた。
生分解性材料で
「グンゼと埼玉医科大学の宮沢光男助教授らは、再生医療の有望材料である生分解性物質で人工血管をつくりブタに移植、静脈を再生することに成功した。ブタの体内で生分解性物質が自然に本来の血管細胞に置き換わって、血栓などの生じない正常な血管ができた。
開発した物質は、グンゼが開発した高分子で、スポンジ状のポルカプロラクトンとポリ乳酸と呼ぶ高分子をポリグリコール酸の繊維で補強したもの。
実験では、肝臓の周囲にある門脈と下大静脈という血管の再生をブタで実施。門脈と下大静脈を取り除き、代わりに長さ3cm太さ1cmの人工血管を移植した。3ヵ月後に本来の血管に置き換わり、再生に成功した。再生された血管を調べたところ、人工血管の高分子は吸収されて無くなり、血管内皮細胞や平滑筋に置き換わってブタ本体の血管になっていた。」
2006.1.27《日本経済新聞》
肝臓 マウスES細胞から
「2006年、東京工業大学などのグループは、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、本物の肝臓と同じように薬物を分解・排出する代謝機能を持った肝臓組織を作製した。
新手法は、
・まず特殊な油の中でマウスのES細胞を培養。
・ボール状の細胞の塊『胚様体』にまで成長させる。
さらに培養すると、
・まず細胞塊の中心部が心臓の筋肉(心筋)の細胞に成長する。
・次に、心筋細胞が周囲の細胞に命令を与え、肝臓の細胞に成長させる仕組み。
生物の発生初期の段階ではまず体内で心臓が形成され、心臓が周囲の細胞に指令を与えることで肝臓が形成される。今回の手法は生体内と々仕組みで肝臓が作られるため、肝臓の主要な機能を担う『肝実質細胞』だけでなく、血管内皮細胞など別の細胞もできる。そのため、本物の肝臓に近い状態になり、薬物を分解・排出する代謝機能も持つようになる。
肝臓で薬物代謝を司る酵素『チトクロームP450』を作る遺伝子が少なくとも6種類発現していた。
また、実際にテストステロンという男性ホルモンを代謝する機能を持つことも実験で確認できた。」2006.3.15《産業》
人工肝臓
「東京女子医科大学などは動物実験で、バラバラの肝臓の細胞から立体的な肝臓を作成し、200日以上効果が持続することを確認した。培養細胞から立体的な肝臓を作ることは難しい。
東京女子医科大学の大橋一夫准教授らと奈良県立医科大学、京都大学の研究チームは、ネズミの肝臓を直径3cmのシート状に培養、細胞シートを2枚から4枚重ね合わせて立体構造を作った。人工肝臓を別のネズミの皮下に移植したところ、タンパク質を作り出す機能や解毒、細胞の再生などの機能を200日間以上維持した。
ウサギやブタなどの動物でも実験を進めている。
成果は2007年6/17ネイチャーメディシンに掲載
ES細胞 2005年1/13にネイチャー・メディシン誌に発表された論文。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部と米国ソーク研究所のグループが、米国政府が研究を公認しているヒトES細胞22株が動物由来の糖鎖に汚染されていて、臨床応用には問題があると指摘した。
米国の他、スウェーデン・韓国・中国・オーストラリア・シンガポール・英国では50株以上のヒトES細胞株が樹立されているが、同様に汚染の可能性がある。
グループによれば、ヒトES細胞はマウスの線維芽細胞や牛血清に存在しているがヒトには存在していない糖鎖『N-グリコシルニューラミック・アシッド(Neu5Gc)』を培養中に細胞内に取り込み、細胞表面に露出させる。
正常人でも(Neu5Gc)に対する抗体を持っており、現在地球上にあるヒトES細胞株から作った神経細胞やすい臓細胞を患者に移植した場合、免疫系が異物として認識し拒絶反応もしくはアレルギー反応が起こる可能性が濃厚になった。
EG細胞 万能細胞として知られるようになった胚性幹細胞(ES細胞)は英ケンブリッジ大のグループが1981年に、マウスを使って初めて作製に成功した。初期胚の研究から生み出された成果だった。
ES細胞と並ぶ、もう1つの万能細胞
「胚性生殖細胞(EG細胞)の発見者は日本人。「全くの偶然の産物だった」と、大阪府立母子保健総合医療センター研究所(和泉市)の松居靖久研究部長は振り返る。
当時、松居部長は米テネシー州・バンダオビルト大医学部細胞生物額研究室の研究員。精子や卵子の元になる始原生殖細胞(PGC)の集団を試験管内で増殖させるのに必要な物質を探索していた。
PGCは、マウスでは受精7日目以後の胚から作られる。細胞増殖因子として知られるいくつかの物質を加えて反応を調べるうち、ある3種類の物質を組み合わせると勢いよく増殖し、ES細胞とよく似た形に変化することに気づいた。
ES細胞の特徴は、様々な組織の細胞に分化すること、未分化のまま増殖すること。PGが増殖して出来た細胞をマウスに移植すると、神経や皮膚などを含む細胞の塊が出来た。PGC由来の細胞は、ES細胞と同じ機能を持っていることが分かった
mGS細胞 京都大学医学研究科の篠原隆司教授らのグループは神経、筋肉、血液細胞など様々な生体組織に成長可能な細胞をマウスの精巣から取り出しことに成功した。人間にも同様の細胞がある可能性が高く、病気やケガで傷んだ臓器や組織の代わりに、この細胞から作った組織を移植する再生医療に役立つと期待される。
東京医科歯科大学などとの共同研究成果で、2004年12/29の米科学誌セルに掲載。
マウスから取り出した新細胞は
多能性生殖細胞(mGS細胞)』と呼び、精子を作る精子細胞が元になっている。これまで受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)があらゆる臓器や組織に成長できる万能細胞として知られているが、新細胞はこれに近い性質を持つ
iPS細胞 京都大学のグループは、マウスの皮膚細胞に遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できるES細胞に似た新しいタイプの万能細胞を作り、実際に[神経]や[心臓の筋肉][肝臓細胞]などに育てることに成功した。
ES細胞は受精卵を破壊して作る必要があったあtめ、倫理的な問題があったが、新しいタイプでは、もともと患者本人の遺伝子を持つ皮膚細胞を利用するので、倫理面だけでなく拒絶反応の心配も回避できる。
成果は米科学誌セル(電子板)に2006年8/10掲載。
京大の山中伸弥享受、高橋和利特任助手らが科学技術振興機構のプロジャクトで開発した。
新手法では、マウスの皮膚細胞に、ウイルスを使って『Oct3/4』などの4種類の遺伝子を組み込むと、2週間後に万能細胞に変化した。
ES細胞とは似ているが別種のため
『誘導多能性幹細胞』(iPS細胞)と名付けた
2008年4/8、米マサチューセッツ工科大学などの研究チームは、パーキンソンに似た状態のラットの症状を改善させることに成功した。
パーキンソン病の患者は脳内での情報伝達を担う神経伝達物質のドーパミンが作れなくなっている。実験では脳内でドーパミンがうまく分解できず一方向にだけグルグル回るラットを使った。ラットの皮膚から作ったiPS細胞でドーパミンを出す神経細胞を作りラットの脳に移植した。
その結果、4週間後に移植を受けた9匹のうち8匹の行動が明らかに改善した。
ガン幹細胞 ガンのもとになる幹細胞(ガンの製造工場
ガン幹細胞は、ガン細胞が生まれる元の細胞で、ガン細胞の製造工場とも言える。ここで作られた細胞がガン細胞に成長してゆく、
ガン幹細胞は自分をコピーする能力も持つため工場自体も増えてゆく。このためガン細胞を手術や放射線などで除去しても、ガン幹細胞が体内に残っていると再発や転移が起きると考えられている。
ガン組織もすべて同じガン細胞の集まりではなく、製造元の細胞が存在するという考え方は20年ほど前からあったが、当時は幹細胞そのものの性質も分かっていなかったし、それを見つける手法も開発されていなかった

・1997年:白血病・・・・カナダのトロント大学のジョン・ディック教授らが血液のガンである白血病から世界で初めてがん幹細胞を発見。
・2003年:乳ガン・・・・米ミシガン大学の研究グループ
・2004年:脳腫瘍・・・・トロント大学
・2005年:食道ガン・・・放射線医学総合研究所
・2005 年:肝臓ガン・・・九州大学
ガン
を抗がん剤で治療すると一時的にガンが小さくなるが、ほとんど人が半年〜1年で再びガンが大きくなるという。その理由はガン幹細胞が生き残っているためと考えられている。
抗がん剤を投与してもガン幹細胞が生き残るシステムはまだ解明されていない。ガン幹細胞のマーカーを見つけ出し、ガン細胞を狙い撃ちすれば根絶出来る可能性がある。
ガン幹細胞は、ガン組織中に数%という微量しか含まれていないので、これまで分離に成功した研究期間のほとんどが実験用ガン組織からだった。
だが、ガン細胞は患者によって増殖速度や悪性度などが大きく異なる。そのため「実際の患者のガン幹細胞を採取して培養しなければダメだ」と福田昭男・岐阜大学医学部助手は考えた。
2004年から岐阜大学病院などで手術した患者のガン組織をつかって幹細胞の分離と培養を始めた。試行錯誤の末に、マリモ状の塊ができた。ネズミにその塊を移植すると脳腫瘍になった。
作製
2008年、佐谷秀行・慶応大学教授は、マウスの正常細胞からガンの親玉ともいえるガン幹細胞を作り出すことに成功した。ガンはガン幹細胞が自己複製を繰り返しながら増え続けることが知られている。
ガン幹細胞を死滅させることが治療のカギをにぎる。
ガン幹細胞は正常な細胞にガン化を促す遺伝子を導入して作る。マウスの骨髄細胞に『N-myc』と呼ぶガン化に関わる遺伝子を導入。それをマウスの体内に戻したところ、白血病を発病した。75日目までにすべてのマウスが死んだ。
また、骨髄間質細胞に『C-myc』と呼ぶ遺伝子を入れたところ、肉芽腫を発症し60日以内に死んだ。
これらのマウスからガン細胞だけを100個集め、別のマウスに移植したところ、35日目までに死亡。細胞数が少ないにもかかわらず急速にガンが広がるため、“ガン化する能力が高いガン幹細胞ができたと考えられる”(佐谷教授)
完全な歯 東京理科大学などのグループは、マウスの胎児から歯のもととなる組織を採取して対外培養し、エナメル質や象牙質など複雑な構造を持った完全な歯を作ることに成功した。
研究グループは同じ手法でひげの作製にも成功。腎臓や肝臓などの作製にもつながる手法。
成果は2007年2/18のネイチャー・メソッズ電子版に発表。
研究グループはマウス胎児から、歯の元となる「歯胚」という組織を採取。バラバラにして2種類の細胞に分離した。これをゲル状のコラーゲンの中に二層に積み重ねて2週間培養すると、エナメル質や象牙質など複雑な構造を持った歯を100%の確率で作ることができた。
核小体 成長に不可欠
「ほ乳類の受精卵が分化して個体に成長するには、卵子の核の中にある『核小体』が不可欠であることを、大串素雅子・理化学研究所研究員らが突き止めた。
受精卵の核小体は、そのすべてを父親でなく母親から引き継いでいることも分かった。
成果は2008.2.1サイエンスに掲載。
核小体はすべての細胞にあり、タンパク質合成に関わる物質作りに関係している。
卵子の核小体には遺伝子が含まれていない。
核小体が無いまま受精させると、卵子と精子それぞれからできる前核の中で核小体が無くなっていた。この状態では発生・分化は途中で止まるが、除去した核小体を戻すと正常に分化した。また、体細胞中にある核小体を移植しても、卵子由来の核小体の代わりにはならなかった。
神経堤幹細胞 慶応大学のグループは、神経のもととなる『神経堤幹細胞』が胎児期に血液などを介して骨髄の中へ移動していく経路を突き止めた。
骨髄から採取した幹細胞が、神経へと成長していく能力をどうして獲得するのか不明。その解明につながる成果
2008年4月号のセル・ステムセルに掲載。
神経堤幹細胞は、骨髄だけでなく皮膚などからも採取が可能な幹細胞の一種。脊髄損傷の患者から採取して中枢神経に成長させた後に戻すことが可能になる。
慶大の岡野栄之教授、戸山芳昭教授らは、遺伝子導入により観察したい細胞だけが緑色に光るマウスを利用。胎児が成長するにつれて神経堤幹細胞が体内をどのように移動するかを調べた。
神経堤幹細胞は発生当初は脳や脊髄のもととなる『神経管』という組織になるが、胎児期に血液や肝臓を経由して運ばれ、生まれる直前に骨髄へ到達していた。
骨髄から採取出来る幹細胞は神経にも成長させることが出来る。しかし、発生過程では骨髄は[中胚葉]、神経は[外胚葉]という異なる組織から成長する。どうして骨髄の幹細胞が神経へと成長できるのかは不明だった。
今回の研究で、骨髄に神経堤幹細胞が含まれているため、骨髄から採取した幹細胞も神経へ成長できる可能性が高まった。
成体マウスの骨髄・神経・皮膚から神経堤幹細胞を採取し、性質を比較した。脊髄の背中側にある感覚情報の中継点『後根神経節』から採取した幹細胞が、様々な組織へと成長する能力などがもっとも優れていることも分かった
関連情報
胎盤
脳神経細胞
ES細胞

万能細胞
大腿骨頭壊死

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