再生不良性貧血(AA) |
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| 関連情報 |
「貧血」「息切れ」「出血」「紫斑病」「薬剤アレルギー」「くすり情報」 |
| (AA) | 再生不良性貧血 <1>骨髄の造血能が低下して末梢血液の赤血球・血小板及び顆粒球が減少する疾患。 <2>幹細胞障害にもとづく生成低下による汎血球減少症。 <3>特異的検査所見はない。 <4>赤血球生成が障害される疾患で以下に分類される。 1.特発性:原因不明 2.症候性: 薬剤が原因 放射線 (副作用で再生不良性貧血) |
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| 同義語 | 汎血球減少症 | |
| 病態 | 全血球系に造血能の低下が起こるため末梢血の汎血球減少症を示す。 | |
| 症状 | 「貧血(正球性正色素性)症状、出血素因、及び感染症の頻発がみられる。」
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| 「あおあざができやすい」、 「歯ぐきや鼻の粘膜からの出血」、 「発熱」、 「のどの痛み」、 「皮膚や粘膜があおじろくみえる」、 「疲労感」、 「どうき」、 「息切れ」、 「気分が悪くなりクラッとする」、 「血尿」 http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0611006_01.pdf |
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| 検査 | ●末梢血・・・・・[赤血球][白血球][血小板]ともに減少する汎血球減少症 ●顆粒球・・・・・減少 ●リンパ球比率・・・・・増加 ●リンパ球数・・・・・・・末期に減少 ●骨髄穿刺像 ・低形成 ・脂肪が多く細胞数減少 ・塗末標本では[リンパ球][形質細胞][網内系細胞]の比率が増加 ●鉄動態 ・血清鉄・・・・上昇 ・鉄飽和率・・上昇 ●エリスロポエチン・・・血中、尿中ともに著しく上昇 |
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| 診断 基準 |
1.再生不良性貧血患者では、一般臨床所見として貧血・出血傾向があり時に発熱する。 2.末梢血において汎血球減少症を認める。 [汎血球減少症] =成人で赤血球数(男)400×104/mm3、 女350×104/mm3以下。 白血球数 4000/mm3以下。 血小板数 10×104/mm3以下。 の状態をさしている。 3.汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない。 1)例えば以下の疾患。 1.悪性リンパ腫 2.ガンの骨髄転移 3.感染症 4.巨赤芽球水性貧血 5.骨髄繊維症 6.多発性骨髄腫 7.Banti症候群 8.白血病 9.myelodysplastic syndrome 2)以下の疾患との鑑別が必要。 1.発作性夜間血色素尿症(PNH) 2.myelodysplastic syndrome(MDS) 4.汎血球減少症に、下記のような検査成績が加われば、診断の確実性が増加する。 1)末梢血における相対的リンパ球の増加。 2)末梢血の網赤血球絶対数が正常よりも増加していない。(絶対数=赤血球×%) 3)骨髄穿刺所見で細胞数がしばしば減少するが、減少が認められない場合でも巨核球の減少とリンパ球比率の増加を認める。なお、造血細胞の異形性は顕著でない。 4)骨髄生検所見で造血細胞の減少。 5)血清鉄値の上昇と不飽和鉄結合能の低下。 6)放射性鉄の血漿中から消失時間(PID)の延長と赤血球交代率(RIT)の低下。 |
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| 重症度 | (厚生省特定疾患特発性造血障害調査研究班:1984) ●重症・・・骨髄が低形成で、少なくとも下記の2項目を持たすもの
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| 原因 | <1>原因不明: 1.先天性、ファンコーニ貧血 2.後天性、特発性 <2>二次性
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| 治療 | <1>比較的軽い人: 「タンパク質同化ホルモンや男性ホルモンを使うと、約半数の人はよくなります。」(理由) 1.幹細胞の増殖を刺激するためと考えられている。 2.男性ホルモンには造血刺激作用があり、女性ホルモンには造血抑制作用があるから。 <2>重症:骨髄移植。 |
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加味帰脾湯 四物湯 当帰補血湯 人参湯 |
| 治験 | ||
| 加味帰脾湯 | ||
| 昭和33年の7月に某大学で再生不良性貧血と診断されれた少年を診に行った。その患者はその前年から体をだるがっていた。はじめ医師は肝臓が悪いというので、その手当を受けていたが、よくならず、だ んだん貧血が現れてきたので、某大学病院に入院した。そこでも、再生不良性貧血と診断せられ、輸血を唯一の治療としていたが、治療を 担当している医師が、漢方薬を飲んでみたらどうだろうと云うことで、私に往診を依頼してきたのであった。 診察したところ、輸血のためか血色は悪くない。元気もある。何処を診てもつかまえどころがない。そこでこれにも加味帰脾湯を与えてみた。ところで大学の血液検査の結果はだんだんよいということで、8月から輸血をやめてしまった。これまでは輸血を休むとすぐ悪くなるのに、今度はちっとも悪化して来ないから、薬が効いているだろうということであった。それで、この薬方をずっと飲み続けたところ 昭和34年の元旦に届いた先生からの葉書には、次のようにかいてあった「ちょうど診察していただきました頃から、輸血の間隔が次第に伸び、現在は8月以降、まったく輸血をせずに赤血球350万、白血球4000万、血小板2万を保持しております」 この患者はその後次第によくなり、休薬してから2年あまりになるが、まったく健康で通学している《大塚敬節》 |
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| 再生不良性貧血 | |
| (厚生労働省) | 赤血球、白血球及び血小板の3系統の血液細胞の母細胞である骨髄の多能性造血幹細胞の障害によって、すべての血球の産生が減少 する重篤な貧血。 |
| 症状 | 発熱、貧血、紫斑などの出血症状 |
| 原因となる主な薬剤 | 抗悪性腫瘍剤(6-メルカプトプリン、アクチノマイシンD)、 合成抗菌剤(ST 合剤、スルファメチゾールなど)、 抗生物質(クロラムフェニコールなど)、 解熱鎮痛消炎剤(イブプロフェン、スリンダク、ピロキシカムなど)、 抗てんかん剤(フェニトイン、エトトインなど)、 精神神経用剤(チオリダジン、ペルフェナジン、クロルプロマジンなど)、 糖尿病用剤(クロルプロパミド、トルブタミドなど)、 抗リウマチ剤(ペニシラミン)、 H2 ブロッカー(シメチジン、ファモチジンなど)、 痛風治療剤(アロプリノール)など |
| 再生不良性貧血 (厚生労働省) 英語名:Aplastic anemia 同義語:汎血球減少症 |
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1. 再生不良性貧血とは?
「あおあざができやすい」、「歯ぐきや鼻の粘膜からの出血」、「発熱」、「のどの痛み」、「皮膚や粘膜があおじろくみえる」、「疲労感」、「どうき・息切れ」、「気分が悪くなりくらっとする」、「血尿」といった症状が見られた場合で医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡してください。ただちに医療機関を受診し、診察や血液検査を受けることが勧められます。 再生不良性貧血の診断には、骨髄での血液産生の有無を調べるため、骨髄検査が必須です。 再生不良性貧血には、先に述べたように医薬品に起因する他、様々な原因があります。再生不良性貧血と診断された場合には、使用中の医薬品のみならず、最近1 年間に使用した医薬品について、医薬品名、使用量、使用期間について担当医師に伝えることが大切です。 |
| 1.早期発見と早期対応のポイント (1)早期に認められる症状
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(6)発生機序
投与量に依存性のタイプは、医薬品の投与の中止により可逆的に回復するが、特異反応によるものは用量非依存性で不可逆的変化であり、充分な治療がおこなわれなければその予後は不良である。すぐに医薬品がどちらかの機序に明確に区分されるわけではなく、発症機序がよく研究されているクロラムフェニコールにおいては、両方の機序が関与すると考えられている。 最近では、関節リウマチの治療薬として低用量メトトレキサート(MTX)が広く用いられているが、MTX に起因する汎血球減少が注目されている。Lim らは、1999 年から2004 年までに25 例のMTX による汎血球減少を経験し、そのうち5 例が敗血症により死亡したことを報告している。 わが国においても、汎血球減少をおこした原因医薬品として副作用報告されている原因医薬品のうちでは、MTX が最も多い。MTX 投与中に汎血球減少をきたすリスクファクターとしては、 1)腎不全の合併、 2)葉酸欠乏、 3)高年齢、 4)低タンパク血症、 5)プロトンポンプインヒビター(PPI)や 利尿薬の併用 などがあげられている。 (8)副作用発現頻度 再生不良性貧血の発症自体が人口 100 万人あたり年間5 人程度とごく稀であり、そのうち医薬品に起因するものはさらに少数である。よって、各医薬品による再生不良性貧血の発症頻度は明らかにされていない。 3. 副作用の判別基準(判別方法) 薬剤性再生不良性貧血においても、他の原因による再生不良性貧血と同様の診断基準や重症判定基準が用いられる。表1には、厚生労働省特発性造血障害に関する調査研究班によって提案されている診断基準、表2には重症度分類を示す。 4.判別が必要な疾患と判別方法 表3には、再生不良性貧血と判別すべき疾患名を示す。これらの疾患のうち特に判別が困難であるのは、骨髄が低形成の不応性貧血(RA)と骨髄不全型の発作性夜間血色素尿症(PNH)である。血球の形態異常の有無や骨髄染色体所見から、再生不良性貧血とRA を鑑別するが、RA においても免疫抑制療法に反応する場合があり、両疾患を厳密に区別するのは不可能である。また、再生不良性貧血においても、GPI アンカー型タンパクを欠損するPNH タイプ血球の増加がみられることがあり、典型的な再生不良性貧血からPNH への移行例も知られており、両疾患は共通の病態をもつ類縁疾患と考えられている。 骨髄異形成症候群(MDS)との判別には、骨髄染色体検査が、 発作性夜間血色素尿症との判別には、ハムテスト、シュガーウォーターテストやフローサイトメトリーによるCD55 陰性、CD59 陰性血球の検出が有用である。 |
| 表3 再生不良性貧血の鑑別診断 ●骨髄が低形成を示すもの 低形成の骨髄異形成症候群 発作性夜間ヘモグロビン尿症の一部 有毛細胞白血病の一部 低形成性白血病 ●骨髄が正〜過形成を示すもの 一次性の血液異常 骨髄異形成症候群 発作性夜間ヘモグロビン尿症の一部 有毛細胞白血病の一部 急性前骨髄球性白血病の一部 骨髄線維症 二次性の血液異常 全身性エリテマトーデス 脾機能亢進症(Banti症候群、肝硬変など) 血球貪食症候群 ビタミンB12または葉酸の欠乏 敗血症などの重症感染症 アルコール依存症 |
| 5.治療方法 薬剤性再生不良性貧血による治療で最も重要なことは、疑わしい医薬品の服用を直ちに中止することであり、それと同時に強力な支持療法を血球減少の程度に応じ開始する。 貧血に対する赤血球輸血の施行は、ヘモグロビン値を7 g/dL 以上に保つことが一つの目安である。血小板数が5,000 以下/μL、または鼻出血などの粘膜出血がある場合は、血小板輸血の適応がある。重症感染症の合併がみられた場合には、適切な抗生物質、抗真菌薬を投与するとともに、好中球数が500 /μL 以下であれば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の投与も考慮する。 医薬品の投与中止後4 週間たっても造血の回復傾向がみられない場合には、他の原因による再生不良性貧血と同様に、 1)造血幹細胞移植、 2)免疫抑制療法、 3)蛋白同化ホルモンによる治療も考慮する。 治療の詳細については、文献などのガイドラインを参照する。 |
| 6.典型的症例の概要 【症例】30 歳代、男性 10 年前に急性糸球体腎炎に罹患、ある年の1 月から慢性腎不全に移行、7 月からはフロセミド(160 mg/日)、8 月からはアロプリノール(200 mg/日)を投与されていた。 入院前日までは元気であったが、入院当日鼻出血と歯肉出血に気付き、近医を受診、血液疾患を疑われ紹介入院となった。入院時の身体所見では、肝脾腫やリンパ節の腫大はみられなかった。検査ではヘモグロビン9.2g/dL、白血球数2,300/μL、(好中球32%、リンパ球64%)、血小板30,000/μL と汎血球減少を示した。1 週間後の検査では、ヘモグロビン5.8 g/dL、白血球1,400/μL、血小板15,000/μL と汎血球減少はさらに進行した。同時期におこなった腸骨骨髄の塗沫標本は著明な低形成であり、骨髄球系や赤芽球系細胞比率の減少、相対的にリンパ球比率の増加がみられた。巨核球は確認されなかった。骨髄生検像は著明な脂肪髄であった(図1)。 再生不良性貧血と診断し、直ちにアロプリノールの投与を中止した。 入院1 ヶ月後から網状赤血球数の増加がみられるようになり、同時におこなった骨髄生検でもいまだ低形成ではあるも、骨髄球系細胞や赤芽球系細胞は前回と比較して増加していた。 この間、ヘモグロビン値を7 g/dL 以上に保つように定期的な輸血をおこなった。入院3 カ月後には、白血球数6,100/μL(好中球50%、リンパ球39%)、血小板63,000/μL に達し、骨髄検査でも造血細胞の回復が確認され退院となった。血球数の推移を図2に示す。 |
| 7.その他、早期発見・早期対応に必要な事項 再生不良性貧血と診断され、医薬品の投与を中止しても改善がみられなければ、同種骨髄移植の施行が可能な専門病院へ早期に紹介するのが望ましい。 |