脂肪細胞

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脂肪細胞 脂肪細胞は一般に集団を作り、脂肪組織として皮下や腸間膜などに分布しています。この脂肪組織の分布というのは不思議なもので、ダイエットでやせると、乳房まで小さくなってしまう女性もあり、乳房だけはバリッと健在の人もある。ちなみに乳房のふくらみを作っている主体は、乳腺よりも脂肪組織なのである。
脂肪細胞は丸い大きな細胞で、その全身が中性脂肪の1個の油滴で占められています。
脂肪組織は一見単純な脂肪の貯蔵庫にみえるが、じつは血液からの情報
<特にインスリンやエストロゲン>に応じて、また神経の刺激を受けて、ひんぱんに在庫の出し入れをしている。
脂肪細胞にたくわえられた中性脂肪は、必要に応じて脂肪酸とグルセロールに分解され、エネルギー源として利用される
(岩波新書「細胞紳士録」p12〜)
レプチン 1994年、フリードマンらによって発見された。「レプトス」とはギリシャ語で“やせる”。
脂肪細胞がレプチンというホルモンを出すことが発見された。
たくさん食べて脂肪細胞の量がふえると、レプチンが血液中に増える。これが視床下部の「満腹中枢」のニューロンを刺激して、摂食が抑制される。と同時に交感神経を介して基礎代謝が高められる。
種類 人間の体内に存在する脂肪細胞には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。
新型の脂肪細胞
「2010年、コロラド大学の医学部のチームは新タイプの脂肪細胞を発見した。腹部の奥深い部分にたまりやすい細胞で、増えると悪影響を及ぼす可能性が高い。
遺伝子操作で人の遺伝子を持つマウスを作って観察した。メスのマウスの腹部の深いところに、骨髄幹細胞の性質が残った特殊な脂肪細胞が蓄積していることを見つけた。この脂肪細胞は脂肪と糖の分解を遅らせる作用があるという
食欲に関与 東北大学の片桐秀樹教授と岡芳和教授らの研究グループは、内臓脂肪に食欲を抑える神経伝達物質を分泌する機能があり、脂肪が過剰になると分泌量が減ることを確認。2006年3/7の米科学誌セル・メタボリズムに掲載。
脂肪細胞医は脂肪をため込むほか、様々なホルモンを血中に出す内分泌組織としても注目されている。片桐教授らはマウスを使った実験で、脂肪細胞と隣接する神経細胞との間で神経伝達物質がやり取りされていることを初めて見つけた。
痩せているときは食欲を抑えるが、脂肪が溜まるとこの物質がでにくくなるという。
乳房再建 2006年5月、九州中央病院は乳房再建のために、脂肪組織から酵素処理して分離した成人性幹細胞の移植を実施した。日本外科学会の重鎮である杉町圭蔵・九州中央病院長が今回の臨床研究の推進役。「安全性と有効性が証明できれば、厚労省に高度先進医療として申請する」としている。
成人性幹細胞を移植すると、脂肪組織が定着し、乳房の再建が維持できる。成人性幹細胞の採取源には骨髄液・臍帯血や血液に浮遊している末梢成人性幹細胞などがあった。とこおろが、こうした採取源は、常にわずかな量の成人性幹細胞しか採取できなかった。骨髄移植では、移植する患者の体重にもよるが、全身麻酔したドナーの腸から1時間以上かけて、注射で1g近い骨髄液を採取する必要があった。そのためドナーの負担が大きい。
これに対して、今まで、無用の長物とされていた脂肪組織には、100_g当たり約4000万個の成人性幹細胞が含まれていることが分かった。この量は骨膵液の数千〜数万倍にあたる。
脂肪組織由来の成人性幹細胞は体外で簡単に採取でき、骨・軟骨・筋肉・骨髄・結合組織・脂肪などに分化する能力がある。骨髄から分離できる成人性幹細胞(間葉系幹細胞)とほとんど同じ分化能力を持っている。
しかも、脂肪組織は体重の10%以上も存在し、皮下脂肪などは採取も陽萎である。美容外科では脂肪吸引術として実績がある。
問題は、脂肪組織中の成人性幹細胞をどうやって生きたまま分離するか?だ。九州中央病院は米国のベンチャー企業[サイトリー社]と提携した。同社が開発した特殊な酵素処理(セルーションシステム)によって、脂肪組織を処理、遠心分離で成人性幹細胞を含む細胞分画を精製した。
実際には、両側の太ももから採取した脂肪組織のうち、片方を処理して採取した細胞分画を、もう片方の脂肪組織と混ぜた後、乳房に注入した。出血もほとんど無く、患者に負担を与えずに再生できる。
成人性幹細胞 横浜市のベンチャー[バイオマスター]も脂肪組織由来の成人性幹細胞を使った乳房の美容外科の実用化をすすめている。
千葉大学からのベンチャー[セルジェンテック]は、脂肪由来の成人性幹細胞を遺伝子操作して、インスリンなどの治療用タンパク質を生産する組み換え細胞を作成。それを患者に移植する治療法を開発中
ガン治療薬 内臓脂肪・・・ガン治療薬
2007年、東京大学の西村智研究員らのグループは、ガン治療に使われる血管の細胞が増殖することを抑える薬を使い、肥満のマウスの内臓脂肪を減らすことに成功した。
内臓脂肪は様々な物質を放出して、糖尿病や動脈硬化の危険を増加すると考えられている。肥満では脂肪組織などで血管ができたりする炎症のような状態が起こっていると考えられているが詳しい関係は不明。
研究チームは生きた動物の脂肪組織を顕微鏡で観察する技術を開発した。通常のマウスよるたくさんのエサをたべて2倍に太った肥満モデルのマウスを使い、炎症時に見られる細い血管や「マクロファージ」などが現れる部分に未熟な小さな脂肪細胞が見られ、内臓脂肪ができることを確認。皮下脂肪では同様の様子は見られなかった。
血管を作ったりマクロファージを寄せ集めるタンパク質『VEGF』などが働かないようにする薬をマウスに投与した。すると、なにもしない肥満マウスと同じように太ったが、内臓脂肪は10%程少なくなった。また通常胃は内臓脂肪が増えるとインスリンの効きが悪くなるが、薬を投与したマウスではインスリンは正常に働いた。
脂肪合成 脂肪合成をさまたげる
「2009年、京都大学物質-細胞統合システム拠点の上杉志成教授と東京大学の酒井寿郎教授らのチームは、細胞内で脂肪の合成を妨げる化合物を発見した。
マウスにこの物質を与えたところ、食べ過ぎても糖尿病や脂肪肝になるのを防ぐことができた。
肥満になりやすいマウスを2グループに分けて、ほぼ同じ量のエサを約1ヶ月間食べさせた。エサと同時に化合物を注射したマウスは肝臓での脂肪合成が抑えられ、エサだけ食べたマウスに比べて太り方が遅かった。血液を調べると、エサだけのマウスは血糖値が高く糖尿病や脂肪肝の状態になっていたが、化合物を与えたマウスは発症していなかった。
発見した化合物は『ファトスタチン』
上杉教授が収集した3万種類の化合物の1つで、人工合成で安価に作ることができる。内臓に脂肪が溜まり糖尿病などを招くメタボリック症候群の治療薬開発の足がかりになる成果。
成果は米科学誌ケミストリー・アンド・バイオロジー電子版に掲載
内臓脂肪 2011年、慶應義塾大学の佐藤幸男教授らのグループは、おなかの3次元形状から内臓脂肪の面積を推定する方法を開発した。
DFAT (脱分化脂肪細胞)
2011年、日本大学医学部の松本太郎教授とニプロは、脂肪細胞をともに再生医療に使う「脱分化脂肪細胞(DFAT)」を容易に増やせる培養容器を開発した。
外気にさらさずに培養でき、安全性が高い。
DFATを大量に培養すれば、骨・血管・心筋など様々な細胞に分化させることが可能になる。
DFATは間葉系幹細胞に性質が似ており、骨や軟骨、血管、心筋などに分化する。
約1cの脂肪組織があれば治療に必要なDFATを培養できる。
DFATを移植する動物実験で、
  1. 下肢虚血の血流改善や
  2. 心筋梗塞での心機能の改善、
  3. 脊髄損傷による運動機能回復
などを確認した。
従来は骨髄などから採取した骨髄幹細胞を使っていた。、


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