人体をつくる組織 

染色体
 

病気
 

生物



進化
人類はアフリカで生まれた
  • 根井正利・米ペンシルベニア州立大学教授は統計的な手法を駆使しして生物集団の進化を解明する研究で多くの成果を上げてきた。
  • その1つが、1972年に発表した「根井の遺伝的距離」。
  • 遺伝子の変化と進化の時間を推計する手法で、これを基にアフリカで生まれた人類が11万5千年後に脱アフリカ組と別れ、さらに5万5千年前に東洋系とヨーロッパに分かれたと推定した。
  • さらに、生物種の系統樹を遺伝子の系統と関連づけて作成する「近接接合法」の開発でも知られている。
  • 2013年、突然変異が生物進化を主導したとする持論をまとめた本を出版。
  • 2013年の「京都賞」を受賞した。82歳で現役。
ほぼ中立説
  • 2015年、生物進化の「ほぼ中立説」を提唱した業績で国立遺伝学研究所の太田朋子名誉教授がスウェーデンのクラフォード賞を受賞した。
  • 遺伝子の突然変異のほとんどは生存に有利でも不利でもない「中立説」が1968年に提唱され、有利な個体が生き残る「自然淘汰説」を塗り替えた。
  • しかし中立説で説明がつかない事例も判明。太田名誉教授は生存に少しだけ不利な変異という考えをもとに「自然淘汰と中立の中間に位置する突然変異もある」と発表。









2009年、千葉大学と東京大学の共同チームは、油の粒が「界面活性剤」という有機分子を使って水中を泳ぎ回る現象を発見した。油滴に特殊な触媒を仕込んでおくと、周囲にある界面活性剤を取り込んで分解しながら動き続ける。
太古の生命体が運動する仕組みを知る手掛かりになる可能性がある。
界面活性剤は油にも水にも溶ける物質の総称で、生命が誕生した頃の海にも含まれていた。
研究成果は、原始生命体が界面活性剤をあたかも燃料のように利用して運動していた可能性を示唆している。
直径0.1mmぐらいの油の粒にあらかじめ界面活性剤を分解する触媒を配合した。この油滴を界面活性剤の溶液中に入れると、毎秒数10µmのスピードで1方向へ泳ぎだしたという。
2個の油滴が正面から偶然近づいた場合には、お互いに避け合うことが分かった。
界面活性剤が油滴に取り込まれると、触媒の働きで油分子と水溶性の分子に分離される。分解された分子は油滴の後方から放出されて駆動力を与えるという。

微生物の進化に新説
米ワシントン大学と独マックスプランク研究所は、メタンやメタノールなどを栄養源とする『C1資化性菌』と呼ぶ微生物と、地球上で最古の微生物である『始原細菌』とが共通の酵素を持つことを突き止めた。
これらの微生物は全く別種と考えられてきたが、遺伝子のつながりが深いとみられ、生命誕生のメカニズムを解明する手掛かりになると研究チームはみている。
C1資化性菌は生育に酸素を必要とする一方、始原細菌は酸素があると生きられず、細菌内で様々な物質を合成する代謝の仕組みも全く異なると考えられていた。研究チームは始原細菌だけが持つと見られていた酵素や補酵素を一部のC1資化性菌が持つことを発見。「両者の祖先は30億年前には共通で、従来の生物進化説をくつがえす可能性がある」とみている









クロマチン=真核細胞内に存在するDNAとタンパク質の複合体のこと。染色体を構成するクロマチンは階層構造をなしている。
左右の脳の違いに関与
2011年、名古屋大学の中野俊詩助教らは実験動物の線虫を使い。右脳と左脳の違いに関係している物質を突き止めた。
遺伝子操作でこの物質の働きを抑えたところ、右脳と左脳の細胞が同じになった。
正常な線虫は右脳で「上皮細胞」を作る。研究チームはDNAとタンパク質の複合体である「クロマチン」の働きを遺伝子操作で抑えた。
線虫のクロマチンは「ヒストン」と呼ぶタンパク質が8個集まってできている。
人のクロマチンも線虫に似ている。




進化分子工学
  • 生物が地球に生まれてから40億年。その間に「突然変異」と「自然淘汰」が繰り返され、生物は進化してきた。その進化の過程を実験室で再現し、新しい機能を持つ分子を開発しようという進化分子工学が盛んになりつつある。
    生物界では、遺伝子の突然変異が積み重なって性質がさまざまに変化し、環境に適応したものが生き残っていく。大きな動植物の進化では、何万年という時間をかけて性質を返るが、大腸菌・酵母といった微生物やウイルスならもっと短い時間で目に見える進化が起こりうる。
    「進化とは遺伝子に新しい情報を付け加えていくプロセスだ。短い時間で進化していく環境を人工的にどう作るかが、進化分子工学の課題である」と埼玉大の伏見譲教授(生物物理学)。
    進化分子工学は「遺伝子に突然変異を起こさせ、都合のいいものを選び(選択)、それを増やす(増幅)という操作を繰り返す。
    特定の遺伝子を簡単に増やせるようになった1990年代に入り、進化分子工学は急速に発展した。
    米国で90年に、特定の分子にくっつく酵素の働きを持つRNA「リボザイム」に突然変異・選択・増幅という進化のプロセスを繰り返させ、100倍くっつきやすくすることに成功した。92年には、RNAをつなぐ働きを持つリボザイムで、その機能を1000倍以上強化することが出来た。ドイツ・米国などのベンチャー企業がこの方法でワクチンや診断薬などの開発をしている。
    大島泰郎・東京薬科大教授(生化学)は最近、温泉にいる高度好熱菌という細菌に、別の細菌の抗生物質耐性酵素の遺伝子を入れ、高い温度で培養し続けて進化させた。その結果、酵素の耐えうる温度60度が79度まで上がった。「酵素のどこに突然変異が起こっているかを調べると、予想外のところに変化が起きていた。新しい改造原理が発見できそうだ」と大島教授。
    名古屋大の郷通子教授、由良敬助手らは、タンパク質の進化に注目、構成要素であるアミノ酸単位ではなく、もう少し大きいモジュールという単位の組み合わせで進化したのではないかとみている。由良さんは「機能別の部品を組み合わせてタンパク質という製品を作るようなものだ。この組み合わせの変化で進化が起こる」という。
    三菱化学生命科学研究所の柳川弘志室長や大島教授らは、異なった2つの酵素のモジュールを交換して機能の違いを調べるなど、モジュールによる進化を裏付ける研究をしている。
    これらの研究から「進化とは何か?」というさらに大きな問題への取り組みも始まっている。四方哲也・大阪大助手らは突然変異させた大腸菌を長期にわたって培養、「進化の系統図」を作って進化機構を解明しようとしている。又、複雑系の研究で有名な金子邦彦・東京大教授は、四方さんの実験を参考にし、コンピューターの中に複雑な化学変化で得られる人工生物とその社会を築き、進化させる研究を進めている。「社会の情報が個体の変化に影響を与え、進化のルールが出来ているらしい」と金子教授はみている





TOPなおるナオル病院ランキング血液検査くすり情報針灸よく使う漢方薬